(関連目次)→本日のニュース・おすすめブログ..。*♡ 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
今日の医師足りない足りないニュースですo(^-^)o ..。*♡
札幌の産科救急撤退 市夜間センター、電話窓口試行へ
北海道新聞 2008年7月1日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/102227.html
産婦人科医の減少により札幌市産婦人科医会(遠藤一行会長)が九月末で夜間や土日曜祝日の救急医療から撤退すると札幌市に通告していた問題で、十月から試行的に市夜間急病センター(中央区大通西一九)内に電話相談窓口を設けることが決まった。看護師や助産師が夜間などに常駐し、救急患者からの電話を受けて緊急を要するかどうか判断する。同日、札幌市内で開かれた第五回市産婦人科救急医療対策協議会で市が提案し、同医会も了承した。
札幌の産婦人科救急医療は一次-三次まであり、現状では、重症患者を診る二次救急を担っている九病院が、夜間や土日曜祝日は軽症である一次救急の患者も受け入れている。病院にかかる必要のないケースもあり、大きな負担になっている。相談窓口は夜間と土日曜祝日に開設。各病院の空き状況などを救急隊に伝えるオペレーターの機能も果たす。試行は来年三月まで。
同医会は負担軽減策として、市夜間急病センターに一次救急担当の産婦人科を新設することなどを求めていた。市は、相談窓口の利用状況などを検証したうえで、産婦人科の新設が必要かどうかをあらためて検討する考え。協議会後、同医会の遠藤会長は「相談窓口の試行は同意するが、センターに産婦人科医を常駐させるべきだとの考えは変わらない」と話した。
およそ10%の産科医が周産期死で産科をやめようと思ったことがある/アメリカ
バイオトゥデイ 2008-06-30
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=27781
アメリカで実施された大規模なサーベイの結果、産科医のおよそ10人に1人は周産期死亡(死産または幼児死亡)の精神的負荷により産科医療をやめようと思ったことがあると分かりました。この試験では、産科医1500人にメールで質問が送付され、そのうち804人がこの質問に回答しました。
この結果、8%の産科医が周産期死亡を被った親のケアに精神的困難を覚えて産科医をやめようと思ったことがあると回答しました。
この結果はObstetrics & Gynecology誌に発表されます(文献情報未記載)。University of Michigan Health SystemのKatherine Gold等による成果です。
Gold氏は次のように言っています。「我々は死産や幼児死亡が家族にとってショッキングな出来事であることを知っているが、それが医師にとっても精神的に負担の大きい経験であることがこの研究で示唆された。」
How Physicians Cope With Stillbirth or Neonatal Death
A National Survey of Obstetricians
Katherine J. Gold, MD, MSW1,2, Angela L. Kuznia, MPH2 and Rodney A. Hayward, MD3
From the Departments of 1Family Medicine and 2Obstetrics & Gynecology, University of Michigan; and 3Robert Wood Johnson Clinical Scholars Program, Departments of Internal Medicine and Health Management and Policy, University of Michigan, and Veterans Administration Health Services Research and Development Service Center of Excellence, Ann Arbor, Michigan.
(Obstetrics & Gynecology 2008;112:29-34)
OBJECTIVE: To identify U.S. obstetricians’ experiences and attitudes about perinatal death, their coping strategies, and their beliefs about the adequacy of their training on this topic.
METHODS: A total of 1,500 randomly selected U.S. obstetricians were mailed a self-administered survey about their experiences and attitudes in dealing with perinatal death. Physicians received up to three copies of the survey, a reminder card, and a $2 cash incentive. Eight hundred four physicians (54%) completed the entire survey.
RESULTS: Seventy-five percent of respondents reported that caring for a patient with a stillbirth took a large emotional toll on them personally, and nearly one in 10 obstetricians reported they had considered giving up obstetric practice because of the emotional difficulty in caring for a patient with a stillbirth. Talking informally with colleagues (87%) or friends and family (56%) were the most common strategies used by physicians to personally cope with these situations.
CONCLUSION: Perinatal death has a profound effect on the delivering obstetrician, and a significant number of participants in our study have even considered giving up obstetrics altogether. Improved bereavement training may help obstetricians care for grieving families but also cope with their own emotions after this devastating event.
LEVEL OF EVIDENCE: II
緑陰寸評:医師が足りない /熊本
毎日新聞 2008年6月30日
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20080630ddlk43070339000c.html
医師不足が病院を直撃し、勤務医が悲鳴をあげている。医療は音をたてて崩れ始め、病気をしても診てもらえない時代が迫っている--。毎日新聞熊本版のコラム「生きる」でおなじみの熊本労災病院(八代市)の小川道雄院長から届いた新著「医療崩壊か再生か」(NHK出版)を読んで言いようのない不安に襲われた。
現場は想像以上に悲惨な状況にある。例えば医師は、日勤8時間、睡眠がとれない当直16時間、翌日も日勤8時間の32時間連続勤務が常態化している。過重労働でどうなるか。注意力と判断力は「酒気帯び運転」と同じレベルになるという。「酒気帯び運転なら逮捕されるのに」と小川さんは皮肉を込める。
熊本労災病院も医師不足は深刻で、産婦人科や眼科などは定員割れしている。8月から欠員が出る科目もある。天草や玉名、熊本市などで今年、相次いで医師不足や不在が明らかになった。地域を支える病院はどこも危機の中にある。
膨大な医療費が財政を圧迫するという医療費亡国論や医師偏在論が長く厚生行政を支配してきた。政府はようやく方針転換して医師不足を認めたが、医療費問題は解決策が見えないままだ。医師が10万人足りないと指摘する小川さんは「非常事態」を宣言すべきだと訴える。関係予算の15%増加や勤務医の給与アップ、7600人の医学部定員の1・5倍化、医療助手の大量採用などの私案を示す。
誰でも公平に、少ない費用でどの医療機関でも高いレベルの医療を受けられる。世界に誇るべき皆保険制度が崩れて苦しむのは患者であり、国民だ。厚労省の体たらくをみれば任せてはおけない。医療をどうするのか。決断の時だ。
「今週は医師を探してひたすら病院めぐりをします」。自嘲(じちょう)気味に話した小川さんの言葉が耳から離れない。
医師の過重労働を許さない取り組みを
キャリアブレイン 2008年6月30日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16869.html
勤務医の労働環境を考えるシンポジウム「あなたを診る医師がいなくなる!」が6月28日、東京都文京区の東京医科歯科大で開かれた。医師の過重労働がもたらす弊害や、それをなくすための方策などについて、議論を戦わせた。
【関連記事】
自殺原因、医療・保健従事者も最多は健康問題
「過労死」の深刻な実態浮き彫り
医学部定員の大幅増を―超党派議連決議
「過労死弁護団」がシンポジウム開催
865議会が医師、看護師の増員求める意見書
主催は「小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会」。
まず、故中原医師の妻のり子さんが次のようにあいさつした。
「夫中原利郎は、9年前の8月16日に過重労働が原因で過労自死した。昨年3月に国から労災認定はされたが、勤務先の病院は、過重労働を認めてくれない。今、裁判中ではあるが、なぜ病院は自分の所で働いていた小児科医を守ってくれないのだろうか、という疑問をずっと持ち続けている。それがなぜなのか。と同時に、医療者を守るシステムづくりをしていかなければならないのではないかと考えている。そんなことをテーマに、きょうは皆さんと議論を深めたい」
続いて、4人のシンポジストがプレゼンテーションを行った。
資生堂副社長の岩田喜美枝氏は、旧労働省で男女雇用機会均等法の制定に関与、資生堂でも女性が働き続けられる労働環境づくりに取り組んでいる。プレゼンでは女性医師の仕事と子育てをテーマに、「小児科では20歳代では女性医師が半数を超える。女性医師が出産、子育て期間中もしっかり働き続けられるような仕組みをつくっていくことで、医師の過重労働が軽減する」などと述べた。
城西大経営学部准教授の伊関友伸氏は、自治体病院での医師不足の状況を示しながら、こう訴えた。
「小児科医師が過労で辞職しようとしたとき、市民が自らコンビニ受診を控えるような運動を起こしている例がある。本当に医療が必要な患者が、必要な医療を必要なときに受けられるようにするためには、住民、医師、行政それぞれが相手の立場を考えながら行動する。それが地域医療を守ることであり、医師を守ることであり、ひいては民主主義を守ることにつながる」
元都立府中病院長の前村大成氏は、医師の労働環境問題に取り組んできた。「当直は管理当直なのか業務当直なのか。医師の当直は実態として業務当直。また、肉体的にも精神的にも厳しい。当直月8回が、過重な労働でないはずがない。しかもそれが、全国の病院でほぼ常態化していることは問題。記録がないから勤務していないなどというのもおかしい」などと指摘した。
京都市の洛和会音羽病院院長の松村理司氏は、年間5000件の救急搬送を受け入れながら、当直明けの医師を原則帰宅させるなどの自院の取り組みを紹介。「断らない救急は、総合診療科を充実させたからこそ成立している。ドクターが23人という大所帯で、一次、二次の救急に対応している。このほかに救急部に7人の医師を配置しており、30人で救急を診ている。また、総合診療医が専門科の応援などにも携わっており、その結果として、比較的いい医師の労働環境が確保されている」などと述べた。その後、司会のジャーナリスト、田辺功氏も加わってディスカッションが行われた。
深刻化する医師不足問題
オーマイニュース 2008年6月30日
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080630/26883
桝添厚生労働大臣の私的諮問機関である「安心と希望の医療確保ビジョン」の報告書が6月18日にまとまった。最大の焦点である意思要請数の増加を盛り込むかどうかについては、大学医学部の定員削減をうたった1982年、1997年の閣議決定を覆し、「医師養成数を増加させる」と明言した。報告書は、医師不足などに端を発する医療崩壊の現状を深刻にとらえた内容である。
今まで厚生労働省は、医師不足は、「医師の偏在」だと言い続けてきた。しかし、根本的な原因は医師の絶対数の不足という指摘があったが、日本医師会の強い反対で逆に医学生の定員削減政策を推し進めてきた。
与党の金蔵であった日本医師会もこのごろ力を失ってきた。
経済協力開発機構(OECD)加盟国の1000人当たりの医師数(2004年)を見ると、平均医師数は3.1人だが日本は2.0人で加盟24カ国中22位、ギリシャの4.9人が1位、続いてイタリア4.2人、フランス3.4人、ドイツ3.4人、アメリカ2.4人と続く、日本より少ない国は韓国とメキシコの2カ国のみである。日本がOECD諸国並になるにはあと12.7万人が必要である。日本の医師は現在27万人と言われているが、実働医師数はもっと少ないという。
政府の医療政策の誤り
以前から厚生労働省は医師が余っているとして医学部の定員削減政策を行ってきた。これは、ろくに調査もせず、日本医師会の強い要望により行われものである。当時は日本医師会の力が強く、政治資金などに頼っていた政府与党がこれを丸のみしたからだ。日本医師会の本音として、医師が増えると自分たちの収入が減ることに危機感を覚え、政府に対応を求めたというところだ。患者のことより自分たちのことしか考えていない輩(やから)が多かったのである。今は医師会の力は衰え、若い情熱を持った医師が増えたことで患者を大事にする医療が行われるようになってきた。ただ、日本は病院の数が多すぎる。病床数100に対する医師の数は、アメリカで約67人なのに対して、日本は14人弱。単純に計算して、日本人医師はアメリカの医師に比べ、5倍の入院患者を診なければなりません。
当直医も必要ですし、多くの病院は夜間や休日の診療や救急外来もあり、当直医・救急医など、医師1人にかかる負担は相当なものです。来年度から医学部の定員増を行うとしているが、一人前の医者に育て上げるためには最低10年必要と言われています。この政策の遅れは医者のみならず、国民の不安を増大させるのではないだろうか。政府の医療政策の責任は大きいものがある。
臨床研修必修化
厚生労働省は2004年度から臨床研修必修化を打ち出し、医学部を卒業し、国家試験合格後、2年間の研修を義務付けました。これによって、今までは卒業した医学生が「医師」として研修をしていたのが、「研修医」という資格しかなく、研修医が必ずしも回るわけでもない泌尿器科・整形外科・耳鼻科などは、2年間新戦力が0の状態を余儀なくされてしまいました。
また、研修医として各科を診るうちに、理想と現実の違いを知ることにより、忙しい科、危険な科(産婦人科・小児科等)などには新規の医師のなり手が減少することになった。人間誰でもリスクの高い業種は嫌なはず。医師とて例外ではない。
電話で医療相談、24時間OK
神戸新聞 2008年6月30日
http://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/0001187079.shtml
説明会に「吉田市長は出席を」
RKB毎日放送 2008年6月30日
http://news.rkb.ne.jp/rkb_news/archives/009822.html
秋大に「総合医」講座、今秋にも開講へ 医師確保の呼び水に
秋田魁新報 2008年6月30日
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080630a
チーム医療体制始動-市立奈良病院に「消化器・肝臓病センター」
奈良新聞 2008年6月30日
http://www.nara-np.co.jp/n_soc/080630/soc080630a.shtml
「ドクターバンク」開設 医師不足で県
熊本日日新聞 2008年6月30日
http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20080630200018&cid=main
県は三十日、医師不足対策の一環として、県内の公立病院や同診療所で勤務を希望する医師に、医師を必要としている医療機関を無料で紹介、あっせんするドクターバンクの運用を始めた。すでに天草市や阿蘇市など計二十一カ所の公立病院・診療所が求人を登録。計六十四人の医師を募集している。
対象は、県内で地域医療に従事したいと希望する医師で、休職中や退職後の医師も含む。県のホームページから求職者登録を行い、県医療政策総室内の事務局が登録医師と面談。本人の希望を聞いた上で、適当と思われる医療機関を紹介する。常勤のほか、非常勤、短時間の勤務も可能。現在は県外の医療機関で勤務しているが、半年後からの勤務を希望する場合などでも登録できる。一方、求人登録の対象は県内に計二十五カ所ある公立病院・診療所。これまでに、熊本圏域(熊本市)を除く全保健医療圏から十七病院、四診療所が参加している。
県内の医師数は二〇〇六年十二月末現在で約四千四百人。うち55%にあたる約二千四百人が熊本市に集中しており、最も医師数が少ない阿蘇圏域(七市町村)と比べ人口十万人当たりで三倍の格差となっている。県は「県内の医師は地域によって偏在している。ドクターバンクをはじめさまざまな医師不足対策に取り組む」と話している。
DPCへの理解求め日医に働き掛け―日病協
キャリアブレイン 2008年6月30日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16847.html
医療安全調大綱案「理解進んできた」―日病協
キャリアブレイン 2008年6月30日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16846.html
「見立て違いの責任とれ」
中日新聞 2008年6月30日
厚生労働省はこれまでの医師数削減方針を百八十度転換して、医学部の定員を増やすことにするそうだ。大いに結構。ただし、これから入学する医学生が一人前になるまで時間がかかる。医師不足はしばらく続きそうだ。
そもそも厚労省は医師不足を認めてこなかった。それどころか、2025年頃には医師が余るだろうというので、医学部の定員を7.7%もしぼったほどだ。あちこちで報じられる医師不足は、総数が足りないのではなく地域間のバランスが取れていないだけだ、といっていたのである。
しかし、将来は余るだろうからと行って、今足りないのを我慢するのは無理だ。都会には医者がたくさんいるからといって、田舎の病院が病院に行かないわけにもいかない。元々厚労省の方針はおかしかったのだ。
間違いを正すのはいいことだ。過去の閣議決定などにこだわらず、臨機応変にどんどん換えればいい。だが、間違った方針を立てたものは、それ相応の責任をとるべきだ。民間の会社なら、プロジェクトに死敗した担当者は左遷されるだろう。上場企業だったら株主から厳しく追及される。間違っても責任を問われないなんて、そんなヌルい話はない。
救急ヘリコプターが衝突、6人死亡 アリゾナ
CNN Japan 2008年6月30日
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200806300009.html
豊胸手術後に死亡、医師側に7600万円賠償命令
朝日新聞 2008年6月30日
http://www.asahi.com/national/update/0630/OSK200806300086.html
兵庫県加古川市の美容外科クリニックで豊胸手術を受けた女性が手術後に死亡したのは抗生物質の再投与でショックを起こしたためだなどとして、遺族がクリニックを経営する医療法人社団サカネ会(理事長・阪根修医師)と阪根医師に約7700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、神戸地裁姫路支部であった。田中澄夫裁判長は、再投与と死亡には相当の因果関係があるとして、執刀した阪根医師の過失を認め、約7600万円の支払いを命じた。
判決によると、30代だった女性は04年7月14日、豊胸手術中と約7時間後の2回、抗生物質の点滴を受けた。2回目の後、女性は呼吸困難を訴え、翌15日、救急搬送先の病院で急性心不全により死亡した。 田中裁判長は、抗生物質を再投与される前から女性に低血圧などの症状が見られ、薬によるショック状態かこれに準ずる状態に陥っていたと判断。阪根医師は慎重に対処すべきだったのに再投与し、女性は薬によるアレルギー反応「アナフィラキシーショック」を起こしたとした。同クリニックは「コメントは代理人の弁護士に任せている」としている。
終末期医療 みんなで考える契機に
信濃毎日新聞 2008年6月30日
http://www.shinmai.co.jp/news/20080630/KT080627ETI090015000022.htm
後期高齢者医療制度に伴い新設された「終末期相談支援料」が、わずか3カ月で凍結された。きわめて異例の方針転換だ。自分はどのような終末期医療を望むのか、延命治療を希望するのか-。それを事前に意思表示する「リビングウイル」について、医師らが患者や家族と話し合って文書にまとめると、2000円の診療報酬をつける。それが終末期相談支援料の仕組みだ。
厚生労働省の2003年の国民意識調査では、リビングウイルの考え方に6割が賛成している。にもかかわらず、相談支援料に対しては、高齢者らから猛反発が起きた。人の生き死ににかかわるデリケートな問題を、お金を介在させて後押しした厚労省の無神経さゆえである。
ただ、これで終末期医療をタブー視してはいけない。医療の進歩によって、経管栄養や人工呼吸器など延命治療の選択肢は増えている。本人の意思が分からなければ、いざというときに医師の独断が入ったり、動揺している家族に悔いの残る選択を強いたりすることにもなりかねない。
なによりも大事なのは、最期までどう生きたいのか-という患者本人の意思だ。そのために、一人一人が日ごろから終末期の医療について自らのこととして考え、家族と対話していくことが欠かせない。延命治療の選択は、なにも75歳以上に限らない。本人の意思決定を尊重し、支える環境を整えていくことも、あわせて必要だ。多くの人は、住み慣れた場所で最期を迎えたいと望んでいる。だが、現実には在宅医療に踏み切れず、病院で亡くなっている。
終末期を在宅で過ごすためには、在宅療養や介護サービスの手厚い態勢が前提となる。苦痛を除いて、残された人生の質を高める緩和ケアの充実も求められる。相談支援料のあり方について、厚労省に再検討を求めたい。相談支援料が導入された背景には、老人医療費が膨らむなかで、終末期の医療費を少しでも抑えたい、という思惑が透けてみえる。筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)などの難病患者や、重度障害者の間には、相談支援料が「無言の圧力」となって、延命措置を望まない-と意思表示せざるを得ない状況に追い込まれるのではないかという懸念も広がっている。
いのちにかかわる選択を、診療報酬で画一的に促すやり方はなじまない。患者本位の仕組みを、時間をかけて探るべきだ。
都道府県の60%が未定 新型インフル薬の配布方法
47NEWS 2008年6月30日
http://www.47news.jp/CN/200806/CN2008063001000752.html
急病時に手話通訳派遣 7月から益田
中国新聞 2008年6月30日
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200806300265.html
「女性活用」34% 4年で8ポイント上昇 人材流出防ぐ
フジサンケイ ビジネスアイ 2008年6月30日
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200806300054a.nwc
医療・介護の再生をテーマにシンポ-民医連
キャリアブレイン 2008年6月30日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16850.html
「崩壊の危機にある日本の医療・介護制度の『再生』に向けて」をテーマに、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が7月19日午後3時から、東京都墨田区のKFCホールでシンポジウムを開催する。全日本民医連では、「社会保障の『構造改革』によって、医療や介護が危機的な状態に陥っている」と指摘。シンポジウムを通じ、日本の医療と介護の現状や“崩壊”の要因について、関係者と市民の認識を一致させ、国の社会保障費抑制政策を転換していきたいとしている。
【関連記事】
後期医療、「負担増は4割超」
「医療・介護再生プラン」など確認
全日本民医連は今年4月、「医療・介護制度再生プラン(案)」を発表。この中で、▽医師や看護師などの養成数を増やす▽診療報酬を適正に評価する▽医療保険制度を改善する▽公費医療制度の充実を行う▽予防医療を充実させる▽「介護の社会化」の再構築を-の6点を具体的な要求として掲げており、「崩壊が指摘される医療・介護を再生し、国民が安心して医療や介護を受けられるようにするには、国民と団結して取り組む必要がある」として、今回のシンポジウムを企画した。
シンポジウムでは、埼玉県済生会栗橋病院副院長の本田宏氏、立正大教授で税理士の浦野広明氏、慶大教授の権丈善一氏、全日本民医連副会長の堀毛清史氏がパネリストを務め、医療・介護の再生に何が必要かをはじめ、GDP(国内総生産)に占める総医療費をどの程度まで引き上げるか、財源をどう確保するかなどについて話し合う。
参加費は資料代として500円。問い合わせ・申し込みは、全日本民医連の機関・総務部へ。電話03(5842)6451、ファクス03(5842)6460。メール[email protected]
週刊医学界新聞 第2787号 2008年06月
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperTop.do
最近のコメント