(投稿:by 僻地の産科医)
産科補償制度というのがあります。
主に脳性まひに関しての補償制度ですが、
まぁ、何がなにやらわからない、
どうなってんのかな~という制度でして。
多分患者さんへの補償を主眼としたシステムのはずなのに、
再発防止に重点を置いた(っぽい)審査が公開されます。
そのうちのひとつの報告書です。
学会内でのカンファならともかく。。。という感じの
この調子で裁判とかの結果が左右されたりすると
たまらないな
という報告書になっています。
【とにかくおススメブログo(^-^)o..。*♡】
ググってビックリ セブンネットの「ベビ旅&マタ旅」サイト
「赤ちゃん連れでも妊婦さんでも旅に出よう」本気か
天漢日乗 2012-04-10
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2012/04/post-00ce.html
妊娠中の旅行 大丈夫?
宋美玄のママライフ実況中継 2012年3月21日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=56272
働くのは母親のわがままか
宋美玄のママライフ実況中継 2012年4月11日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=57217
放射脳を切る千葉市長のツイートが凄すぎる!とTwitterで話題
http://htn.to/wAVGXh
ブライアン・ゴールドマン:
医師も失敗する。そのことを語ってもよいだろうか?
http://www.ted.com/talks/lang/ja/brian_goldman_doctors_make_mistakes_can_we_talk_about_that.html
母体保護法 杉浦真弓(名古屋市立大産科婦人科教授)
中日新聞 2012年4月9日
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120409170455374
【日本産科婦人科学会新規入会医師数の減少について】
2012年3月31日現在の 日本産科婦人科学会 新入会員数の推移
http://shusanki.org/theme_page.html?id=176
事例番号:220004
原因分析報告書要約版
産科医療補償制度
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/pdf/220004.pdf
原因分析委員会第五部会
1.事例の概要
1回経産婦であり、前回の分娩は横位のため帝王切開を行っている。今回妊娠中は、前回帝王切開例として分娩前日まで特に問題なく経過していた。妊娠37週に帝王切開予定であったが、妊娠36週3日に陣痛様の強い子宮収縮が起こり、病院に向かう車中で子宮破裂が起きた。緊急帝王切開術が施行されたが、アプガースコアは1分後0点、5分後2点の新生児仮死であった。出生後、児は直ちに蘇生処置が行われ、気管挿管の上、NICUに入院となった。
本事例は、病院における事例であり、経験年数4~12年の産婦人科専門医3名、経験年数3年~16年の小児科医3名、経験年数23年の脳神経外科医1名と経験年数3年~15年の助産師3名、10~22年の看護師4名がかかわった。
2.脳性麻痺発症の原因
本事例における脳性麻痺発症の原因は、子宮破裂、それによる子宮胎盤循環の障害、そのために生じた胎児低酸素性虚血性脳症の可能性が高い。前回帝王切開の子宮創部に陣痛様の強い子宮収縮による圧力がかかり、子宮破裂が起きたものと推察される。
3.臨床経過に関する医学的評価
1)既往歴
帝王切開既往妊娠でハイリスク妊娠であるが、前回帝王切開創部に関する当該分娩機関の認識について、診療録への記録が明確でない。また、前回帝王切開を行った医療機関に、術式等の問い合わせを行ったかどうか記録上は不詳であり、その記載がないとすれば、妊娠37週以降の陣痛発来前の帝王切開を予定する場合であっても、前回の帝王切開創が通常の創ではないとの情報が妊婦本人などから得られた場合、前医に前回帝王切開の方法について問い合わせ等をして、子宮破裂の危険について評価しておくことが望ましく、本事例においてはそのような配慮が欠けていると思われる。
2)妊娠経過
(1)妊婦健診について
胎盤が前壁付着の場合、癒着胎盤のリスクがあるが、初診担当医に、胎盤付着部位に注意をすべきとの認識があったことは妥当である。
また、通院所要時間等を考慮すれば、前回帝王切開創部と胎盤付着部位のチェックなど緊密な連携のもと、紹介元での妊婦健診管理の選択は問題ない。
(2)妊娠35週以降の妊娠経過について
妊娠9ヵ月末に紹介元から異常なく再紹介となっており、セミオープンシステムとして問題なく機能している。
前置胎盤・低置胎盤の場合に、帝王切開の既往があるときは癒着胎盤の合併に注意することが産婦人科診療ガイドラインでは勧められているが、前置胎盤がないことが確認されており、ガイドラインからは外れていない。
子宮破裂のリスクをできるだけ回避するため、帝王切開を妊娠37週に予定したことは標準的である。術前検査、貧血の治療、助産師外来での保健指導等も適確である。
3)分娩経過
(1)陣痛発来から入院まで
妊娠36週3日に、妊産婦が腹痛を自覚し、当該分娩機関に電話で連絡を行った際、医師が救急車での来院を指示し、手術準備を開始し、妊産婦の到着に備えたことは適確である。
その後、看護スタッフが妊産婦に電話をして状況を確認したことも適確かつ丁寧な対応である。
(2)入院から帝王切開まで
入院後の対応は極めて迅速で適確である。
母体救命、胎児救命という観点から麻酔科管理の下での緊急帝王切開の決定は妥当である。妊産婦の意識障害、痙攣発作の原因として、脳出血を鑑別するために脳神経外科医の診断を仰いだことは適確である。来院から10分間で帝王切開を決定し手術室に移動したが、超音波検査で胎児徐脈が確認され、胎児機能不全の適応にて帝王切開を急いだことは妥当な判断であった。緊急帝王切開で、妊産婦もショック状態であるため全身麻酔を選択したことは適確であった。来院から18分という短時間で児が娩出されており、極めて迅速に処置され、優れた対応であった。
(3)児娩出後
出生直後から小児科医により蘇生処置は施され、適確に治療されている。
4.今後の産科医療向上のために検討すべき事項
1)当該分娩機関における診療行為について検討すべき事項
(1)前回の妊娠分娩経過の情報収集を行う
前回の帝王切開の子宮切開創が縦切開であったか否かは別にして、少なくとも「大きく切開した」との情報があったわけであり、遅くとも帝王切開を実施する前までには分娩担当医療機関、妊娠中の診療担当医療機関は前既往帝王切開担当医に問い合わせて前回の手術時の情報を収集し、情報を共有しておく必要がある。
(2)前回手術の情報等を診療録に記載する
本事例は、前回帝王切開が縦切開であったか否かの診療録への記載が不詳であるが、十分な情報の共有確認がなされるためには、診療録にも記載が行われることが重要であり、より適切なリスク管理を行い得ることとなるため、前回の手術時の情報を、診療録に記載し、明示しておく必要がある。
また、救急搬送時の超音波検査における胎児所見、胎盤所見、手術時における子宮の所見(子宮の変色の有無、胎児•胎盤の所見、破裂創部位の状況)等についても、時間のある事後に整理して、診療録に詳しく記載することが望まれる。
2)当該分娩機関における設備や診療体制について検討すべき事項
リスクを有する妊産婦に対する共同管理の体制を整える
セミオープンシステムの連携にあたって、リスクを有する妊産婦を診療所で管理する場合、分娩担当医療機関は妊婦健診を分担して行う診療所での妊婦健診上の留意点、リスクの把握を共有し、分娩担当医療機関を受診させる時期、分娩担当医療機関との間で円滑に受診、コンサルトできる診療体制を構築することが望まれる。また、正常妊娠経過をたどっていた妊産婦が、突然急変することも想定し、その際の細かい対応策を協議しておくことが望まれる。紹介元、分娩担当医療機関の両者が責任をもってリスクを共有し、対応を行うという体制作りが強く勧められる。
さらに、セミオープンシステムの連携体制において、受診回数が少ない分娩担当医療機関では、ハイリスク妊婦の定期健診を助産師外来で扱うこともあるため、その際の診療体制の検討を十分に検討しておく必要がある。また、妊産婦からの情報収集は助産師も含め医療に当たるものが協力して行うことが勧められる。
3)わが国における産科医療体制について検討すべき事項
(1)学会・職能団体に対して
ア.子宮破裂の発症を防ぐため、帝王切開術後瘢痕創を有する子宮の妊娠管理についての管理ガイドラインの作成が望まれる(超音波検査による前回帝王切開創部の子宮筋層の厚さの測定の有効性の有無や、既往帝王切開が子宮壁縦切開の場合、陣痛発来前にも子宮破裂が発症することも指摘されていることから、入院管理も含めた予定帝王切開前の管理方法、予定帝王切開の時期設定などの再検討が望まれる)。
イ.学会・職能団体は、オープンまたはセミオープンシステムを構築している分娩担当医療機関に対して、リスクを有する妊産婦の管理における診療所との連携において、そのリスクの共有、対応策の共有をするよう、なお一層の提言、推進をすることが望まれる。
(2)国・地方自治体に対して
ア.国•地方自治体は、オープンまたはセミオープンシステムを構築している分娩担当医療機関に対して、リスクを有する妊産婦の管理における診療所との連携において、そのリスクの共有、対応策の共有をするよう、なお一層の提言、推進をすることが望まれる。
イ.妊産婦の記憶に頼った既往診療情報の聴取のみでは、その正確性に限界があるため、母子手帳等に次回の妊娠・分娩時にむけて、留意する点を記載する特記項目欄を設けるなどの工夫をすることが望まれる。
ウ.帝王切開分娩が増加する現在の産科診療の中では、全国の妊産婦に既往帝王切開妊娠のリスクについて正しく、また、広く啓発することが望まれる。
昔 坂本先生は「土の上を歩いたことがない」と形容されたそうですが(赤絨毯の上だけ歩いてきたのだそうです)地べたを這い回って泥にまみれて、お母さんと子供たちを救おうとしている産婦人科医を上から目線で「ここがぬけてる」とか、よくいいますよね。
今いる人を大切にしないようなところには新しい人は入ってきません。
先生も早く!。。。といいながら、婦人科の診療報酬って、すごく安いんだ。(わざとでしょうけど。)耳鼻科ほど数はみれないし。
日本産科婦人科学会新規入会医師数の減少なんて、当たり前の結果です。
産婦人科医が減って、手が回らなくなって、周産期死亡がどうにもならなくなるぐらいに増えないと気がついてもらえないんでしょうかね。(社会が気がついてくれるまでにロシアンルーレットにあたらないようにしないと)
日本の社会保障と同じ。維持継続不可能な夢の中を浮遊しているのです。
医会の年頭のご挨拶に「引き続き、周産期死亡を減らす努力を続ける」とありましたが、がんばった末でのhard crashを待つつもりなのでしょうか。
投稿情報: 匿名希望 | 2012年4 月12日 (木) 19:38
ブログの記事とは全く関係のないことで申し訳ないのですが、もしも御存知なら教えてください。
Hibワクチンのことなのですが、日本ではHib8が主流とのことですが、私は主人が外国人であと3、4年後には主人の国に帰る予定です。
そこは準発展途上な国で、Hibワクチンは10種類のものをしています。
国によりHib8でなく、Hib10をした方が良い国もあるとのことで、日本でHib10を摂取できる病院がないかを探しています。
東京、埼玉、千葉などで、Hib10を摂取できる病院を御存知ないでしょうか?
投稿情報: ドゥドゥ | 2012年4 月16日 (月) 12:51
すみません。
首都圏のことはわかりません。
申し訳ありませんです。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2012年4 月16日 (月) 19:53