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(投稿:by 僻地の産科医)
【参考になりそうなものデス(>▽<)!!!】
薬価制度、新薬開発促すメリハリを
日経NetPlus 2008-07-21
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/mhlw/mhlw/mhl080719_2.html
厚生労働省は通常2年に一度、薬価(薬の公定価格)を改定しており、今春も平均5.2%の引き下げとなった。患者の負担が軽くなる利点はあるが、医師会の抵抗で下げにくい診療報酬の代わりに、薬価が「狙い撃ち」されている面もある。日本にとって医薬品はグローバル展開する企業を抱える輸出産業でもある。新たな薬を待ち望む患者のためにも、医療費削減だけに目を向けるのでなく、制度面でメリハリを付け、新薬の研究開発を促すことも重要だ。
アルツハイマー型認知症などの精神疾患や、がんなど有効な治療薬が十分にない病気は数多く残っている。少子高齢化が急速に進むなか、医療費抑制は喫緊の課題だが、こうした患者のために新薬を生み出していくことも欠かせない。
新薬の研究開発費を捻出するためにも後発医薬品の普及が重要となっている(東京都港区の日本調剤三田薬局)
■新薬が育つ確率は1万9817分の1
日本製薬工業協会(東京・中央)によると、薬の候補品を新薬まで育てるのには9—17年間かかる。しかも候補品が新薬に育つ確率は1万9817分の1にすぎないという。一つの新薬を発売するまでに数百億円規模の研究開発費がかかることも増えている。
新薬の研究開発費用を捻出(ねんしゅつ)するためにも、特許切れの成分を使った割安な後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及を進めることが重要となっている。日本では後発薬の普及率(数量ベース)が2割弱にとどまるが、欧米では4—6割程度に達している。欧米に近い水準まで引き上げれば、大幅な薬剤費圧縮効果が期待できる。
一方、新しい薬を生み出していくためには、後発薬の普及で節約した薬剤費を生かしながら、研究開発をしやすくする薬価制度の改革や環境づくりが必要だ。
■イノベーション意欲を阻害しない制度を
現在の薬価制度には当初見込みより販売量が大幅に増えると特別に値下げする「再算定」という制度があるが、効き目が良く副作用が少ない有望な新薬ほど需要は膨らむ。需要が予想以上に好調なことが引き下げ幅の拡大につながるなら、イノベーションに対する意欲を阻害しかねない。新薬研究開発の火を消さないよう、価値の高い新薬は価格面で十分に評価するなど、バランスを取った制度作りが重要になる。
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