(関連目次)→助産師分娩について考える 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
助産師の権限拡大どうなる!?
キャリアブレイン 熊田梨恵
(上)http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17241.html
(下)http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17242.html
「助産師の権限拡大よりも、経験の不十分な助産師への教育と看護師の活用だ」―。舛添要一厚生労働相の肝いりで先月まとまった「安心と希望の医療確保ビジョン」に対し、産科医療の現場から批判の声が上がっている。勤務医の負担軽減のために、助産師を活用しようと権限拡大も視野に入れる厚生労働省側に対し、現場は「単純に助産師の権限を拡大するのは危険」と訴える。現場の実情に沿って助産師や看護師を活用してほしいとの考えだ。助産師を取り巻く現場はどうなっているのか、ビジョンを確実に実現していくために何が必要なのかを探った。
【関連記事】
舛添厚労相、「ギルドが阻害要因」
舛添厚労相「医師増員は省内改革の一環」
助産所の嘱託医確保、あと18カ所
医師養成数増、方策と環境整備は?
■新人助産師が辞めてしまう
千葉県船橋市にある産婦人科の山口病院(山口暁院長、一般41床)は、約40年間、地域に根付いた産婦人科医療を提供してきた。助産師として10年以上のキャリアを持つ渡辺小百合さんは、「経験が浅い助産師は、精神的にも肉体的にもさまざまなサポートがないと仕事を続けるのが難しいと思う。『お産は安全』だと思っている妊婦さんやご家族が多い中、助産師はトラブルがなくお産に持って行けるよう、モニター管理などにも気を使う。お産が多い夜勤時は体力的な負担も大きい」と話す。
山口病院が扱うお産は年間で約2000件。非常勤を含めて9人程度の産婦人科医と、約20人の助産師、約40人の看護師で切り盛りしている。夜勤は看護師を含めて4人。夜間の分娩は平均すると3件程度だが、全く分娩がない日もあれば、10件以上重なってスタッフが奔走する夜もある。
渡辺さんは、「自分が助産師になった時は、助産師学校で半年ほど実習し、10例のお産を扱った。就職時はプリセプターが3か月間みっちり付いて、その後に戦力として夜勤にも入ったが、最初は何かあってはいけないと本当に怖かった。でも今の助産師は実習でもほとんどお産を経験できずに現場に入る。実際に現場でやってみたら体力的、精神的にもさまざまな負担があって、助産師としての楽しみも分からないままに辞めてしまう」と、表情を曇らせる。
■厚労省は助産師の権限拡大がねらい?
6月18日にまとまった「安心と希望の医療確保ビジョン」は、医師の負担軽減の観点から、「助産師については、医師との連携の下で正常産を自ら扱うよう、院内助産所・助産師外来の普及等を図るとともに、専門性の発揮と効率的な医療提供の観点から、チーム医療による協同を進める。またその際、助産師業務に従事する助産師の数を増やすとともに、資質向上策の充実も図る」との文言を盛り込み、助産師の活用を提案している。しかし、この「活用」の具体化について疑問の声が上がっている。
これまでのビジョン会議では、助産師や看護師側から、「保助看法を変えるのが難しければ通達で認めるべき。限られた範囲でも権限を与えることが表明されれば、現場はもっと進む」など、権限拡大を求める意見が上がっていた。
ビジョン会議の最終日には、厚労省はわざわざ会見を開いて報告書の内容を説明したが、これは異例のこと。産科対策については、「助産師と医師の協働が必要。助産師外来の普及など、助産師を活用することが、即効性があって有効」と、助産師の活用を強調していた。
さらに会議中には、これまでも事務局である同省医政局に立場が近いと指摘される矢崎義雄委員(国立病院機構理事長)が、ビジョンの中身について、医師や看護師、助産師などとのスキルミックスについて記載していることに言及。「医師法や保健師助産師看護師法などの法令見直しは直ちに無理でも、拡大解釈を進めていただければ」と、厚労相に訴えていた。
こうした厚労省の動きについて、関係者は「医政局看護課は助産師について、法律の解釈変更による権限拡大を狙っている」と解説。ビジョンの中身を具体化する際に、現場の実情を踏まえずに、助産師の権限を拡大を視野に性急なプロセスで進めようとしているとして危ぐを示した。
■「方向はいいが、プロセスを間違うな」
これについて、日本産科婦人科学会周産期委員会で母体救急や母体死亡などについて調査し、厚労省研究班のメンバーでもある国立成育医療センターの周産期診療部産科の久保隆彦医長は、「『ビジョン』の方向性自体は良い。しかし、単純に助産師の権限を拡大する方向は大変危険。今の現場の実情を踏まえた方向でやるならば、実現する可能性はある」と語る。
久保氏は助産師の現状について、「わたしが医者になった30年ほど前は、助産師にお産を、看護師に内診を教えてもらったほどで、『医師はどいてなさい』などと言われたもの。しかし、15年ぐらい前から新卒の助産師は、『お産も内診もできない。怖い』と言うようになり、チーム医療の一員に加われなくなった。現在の新卒助産師は、以前と比べてお産の経験が明らかに減っている。このような助産師たちが現場で一人前になって働けるような体制が必要」と訴える。
■実習内容が希薄に
大学の看護学部が開設ラッシュを迎えた1990年代以降、助産師の資格は、看護大などで4年次に「助産師コース」を選び、卒業時の国家試験に合格して取得するルートが主流だ。それまでは、多くが看護師資格を取得後に、助産師学校などでさらに1年間の助産師教育・実習を受けていた。これに比べ、看護大では実習が不十分との指摘が現場から上がっている。
大学での実習は、助産師の受験資格取得のために必修単位が設定されているが、卒業に必要なほかの単位も履修しなければならず、国家試験の受験勉強もあるため、以前と比べて、実習期間が短くなっていることが多い。また、「10回以上」とされていた実習時のお産の取り扱い件数も、89年に「10回程度」に変更されたため、2-3回しか経験しないまま現場に入る学生もいる。患者の権利意識の高まりやリスクなどから、実習生は見学にとどめるケースもある。
久保氏は、「就職してすぐの助産師は戦力として考えられる状態ではない。また、それを自覚している新卒助産師はお産の現場で揉まれるより、大人数の病院で『寄らば大樹の陰』になったり、教職に就くなど、臨床現場から離れる」と語る。そして、一定のお産件数を経験した助産師に認定を与えるなど、助産師の教育体制を充実すべきと訴える。
■専門看護師の活用と、助産師増員を同時に
その上で久保氏は、看護師の活用を提案する。
「看護師は助産師の約50倍以上の人数がいる。欧米では、産科やNICU、救急などの医療に特化した専門看護師を多数参入させて、医療レベルを維持している。日本でも『エキスパートナース』をつくって産科・新生児医療に加わってもらう。そこで看護師、助産師が医師と連携していけば、医師はチーム医療の指揮・指導に専念できる。その結果、負担も軽減され、現状の産科やNICUの医師数で倍以上の妊婦、新生児を診療することができ、社会問題となっている『お産難民』、『妊婦の受け入れ不能』などは解消される」
不足が指摘される助産師の数については、1人の医師に6-8人の助産師が付くとすると、現在の約2万7000人に対し、約5万人が不足しているとの試算を示す。
「毎年の卒業生から、教職など他の職に就く卒業生を別に考えると、増えるのは年に1000人程度。今の不足分が充足するには約50年間が必要。ただし、新卒の助産師を即戦力として考えているので、余裕を見て考えるためにも、専門看護師の参加が不可欠」
久保氏はこのように述べ、助産師の増員と教育、専門看護師の産科医療への参入をそれぞれ図っていくべきと主張した。
「医師の過重労働の軽減」のために、厚生労働省が助産師の権限をねらっているとの指摘がある。これに対し、医療崩壊が進み、制度の不備が目立つ現在の産科医療の現場で、教育が不十分な助産師の権限を単純に拡大してしまうことに対する懸念が広がる。「助産師が被害者にも加害者にもなる。しかし、一番の被害者は妊産婦だ」―。産科医療の危機を打開していくためには、どういうプロセスが必要なのだろうか。
■崩壊の中で、妊産婦死亡率の低下を達成
国立成育医療センターの周産期診療部産科の久保隆彦医長は、まずは正しい現状認識の上で制度を考えるべきとして、次のように訴える。
「一般的にお産は『安心、安全』と信じられているが、決してそうではない。リスクがある中で、医療者の努力によって保たれている現状を国民も行政も理解してほしい」
自宅や助産所での分娩数が、病院や診療所での分娩数を上回った1960年代以降に妊産婦死亡率や新生児死亡数が激減する一方で、高齢出産の傾向や医療の高度化、不妊治療の増加などからハイリスク出産、新生児は増えている。しかし、こうした状況下でも、生命に危険があると判断される重篤な状態に陥った妊産婦は、実際の死亡者数の70倍 以上存在し、出産約250件に1件の割合に上ったことが、久保氏らが06年に日本産科婦人科学会で行った調査によってわかっている。「この250人に1人というリスクは、世界の平均妊産婦死亡率(2000年、UNICEF)と同様の数字。妊娠・分娩が本来持つ高い危険性といえる。医療者の努力などによって妊産婦死亡を70分の1にまで減らしているという結果で、日本の医療が優秀な水準を保っているのが現状だ」と久保氏は語る。
■大野事件と内診通知が産科崩壊のトリガー
さらに、医師不足や勤務医の過重労働が指摘される中、二つの出来事が産科医療崩壊の引き金を引いた。一つは、06年に当時の産婦人科医が業務上過失致死などの罪に問われて逮捕・起訴された「福島県立大野病院事件」事件。もう一つが、看護師の内診問題をめぐり、07年4月に医政局が都道府県などに出した、「看護師は内診を含む分娩の進行管理をできない」とする内容の通知だ。久保氏は「内診問題と大野事件は多くの産婦人科医にダメージを与え、廃業する開業医も数多く出てきた。日本の産科医療が崩壊した最大の原因」と指摘する。
また、ビジョンの底流となる現在の政策が、助産所を増やす方向であることにも懸念を示す。日本では、助産所から連携医療機関への妊婦の紹介率は1割以下だが、助産所分娩が盛んなオランダでは5-7割と高い。「助産所はただ嘱託医を決めるだけでなく、助産師は医師の目の届く範囲で正常分娩を取扱うべき。海外では助産師がリスクを事前に察知し、医療機関で分娩できる体制を整備していることを参考にすべき。看護師も分娩管理に参加し、内診ができる体制にする必要がある」と、一定の条件を満たした助産所に対する認定制などを早急に進めるべきと提案する。
久保氏はさらに、こうした状況下で助産師の権限が単純に拡大されることに懸念を示す。「助産師が加害者にも被害者にもなってしまう。特に、緊急医療ができない助産所での妊娠・分娩における母児の危険性は日本産婦人科医会の全国調査でも浮き彫りになっており、周産期領域では周知の事実。しかし、一番の被害者は妊産婦。現場に合ったプロセスで制度改善を進めてほしい」として、医師による管理・指導下での助産師と看護師の活用や連携を求める。
■「助産師は正常産扱える」
ただ、こうした医師の管理下でのチーム医療体制に疑問の声もある。日本助産師会の加藤尚美専務理事は、「何でも医師に報告すればリスクを回避できるという考えになってはならない。本来正常産は、助産師が扱えるもの。医師や助産師、看護師という職能での住み分けが重要で、助産師は1%あるとされる妊産婦の異常を見分け、その場合に医師と連携できる能力を持つことが必要」と指摘。妊産婦に異常な状態がある場合などの職種間での連携は重要だが、対等なチーム医療の在り方にすべきと主張する。
その上で、「助産師が一人前になるまでに1年は必要なので、助産師自身が自立し、卒後教育を充実させることが必要」と話す。
加藤氏は、現在の4年制の大学教育の中で助産師コースを履修するだけでは実地経験も不十分であり、経験が未熟な助産師のための院内教育を充実すべきとした。これらをクリアした上で、「助産師に責任や権限をもっと持たせるべき。そうすれば助産師自身が主体性を持ち、本来の楽しみを見出して働くことができる」と述べ、教育などを徹底させた上での、院内助産所や助産師外来の充実を求めた。加藤氏は、「すべてのお産が医師から見たらリスクであるというのは、医学的に見ればそうかもしれない。しかし、子どもを産むという機能を備えている女性の体の本質論から考えたらどうなのか。『自然』を大事にする助産師と、医師の間の溝はなかなか埋まらない。医師は助産師や看護師をコントロールしたがるが、『お産に誰がどう付き添うか』ということが大事では」と、苦言を呈した。
■「せめて助産師としての楽しみを」
山口病院の助産師の渡辺小百合さんは助産師の権限拡大について、「このまま産婦人科医が足りないから助産師だけで正常産を扱えと言われても、助産師たちも怖くてできないだろう。それよりも人手不足を解消してほしい」と話す。その上で、「お産はコントロールできるものではないから、忙しい時と余裕のある時がある。今の状態が楽になることはないと思うが、せめて助産師としての楽しみを見出せるまで、働けるような環境を整えてほしい」と語った。
一方、山口暁院長は次のように訴える。
「まずは灰色の形で決着している看護師の内診の是非をきちんと認めてもらう方が、現場にとってはありがたい。そのせいで廃業する産科施設も出ている。もちろん助産師不足の解消も必要。助産師の権限を拡大してもらってもかまわないが、現状では十分なサポートや社会的な合意がなければ助産師自身が、助産師だけで正常分娩を取り扱うことをやりたがらないだろうと思うし、安易に産科医療の危機のツケを助産師に押し付けてほしくない」と語った。さらに、「そもそも助産師は、妊娠からお産、お産後までの妊婦さんの行方を見守る専門家であるはずで、内診ばかりが仕事ではないのだから現場をきちんと見てほしい」
■いかに「実現可能」にするのか
医師の労働環境の改善のため、助産師や看護師の活用を提案する「ビジョン」の方向性自体は間違ってはいないとの声は多い。しかし、「医師の過重労働の軽減」を隠れ蓑に、厚労官僚が助産師の権限の拡大を目論んでいるとの見方もある。そして、プロセスを間違えれば、産科医療の崩壊に拍車が掛かる。
厚労相は今回の「ビジョン」具体化のための検討委員会のメンバーを独自に選定した。その中に産婦人科医は2人いるが、助産師や看護師の姿はない。先週始まった検討会は、8月末までに5回程度開催し、具体的な内容を盛り込んだ報告書を取りまとめ、来年度予算に反映されて、実現に向かう。厚労相と官僚、現場のさまざまな思いが交錯する中、パワーゲームに終始せずに現場に沿った制度にしていくことが求められる。ビジョンの「手段」を実現可能なものできるのか、厚生労働行政の意思決定にかかわる人たちの手腕が問われている。
助産所待望論といい、看護師内診問題といい、なぜこのような恣意的な流れが厚労省から発信されるのでしょうか?
助産師さんは産科医にとって貴重な戦友であり、辛苦を分かち合える貴重な仲間です。
ある地域での助産所の歴史をたどってみると、その興亡の過程には、今の産科医が味わっている悲哀と同じ構図のあることがわかります。
「厚生労働省が助産師の権限をねらっている」などということは信じたくありませんが、確かに「プロセスを間違えれば、産科医療の崩壊に拍車が掛かる」ことは実感として感じます。
もしお時間があれば、
http://www.kaibara-hp.jp/download/20071107.pdf
をご覧下さい。
力作です(笑)。
投稿情報: 風邪ぎみ | 2008年7 月22日 (火) 20:20
日本助産師会の加藤尚美専務理事と山口病院の助産師の渡辺小百合さんのあまりにも対照的過ぎる意見に笑えます。
投稿情報: まーしー | 2008年7 月22日 (火) 20:53
まずは、内診を経験のある看護師は可能にする事だね、それよりも。
投稿情報: Dr. I | 2008年7 月22日 (火) 21:07
風邪ぎみさま、これ!
面白いですねo(^-^)o ..。*♡
私も同じ様に感じています。
実の所、助産所待望論には無理があると思うのです。というのは、三次病院があってこそで、やっぱり助産所だけじゃやっていけない。
お産って、分娩って重いんですよね。
最終判断の最後の砦が自分だと、やっぱり精神的にもつらいところがありますよね。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年7 月22日 (火) 21:27
だからさあ。
助産師足りないのに、産科医の代わりができるなんて、クソ戯言をほざく、絶対現場を知らない、行政職・教育職のボケなんちゃって助産師。
医療の世界では、自分の能力を客観的に判断できない「分際」を知らないヤツは、絶対に不的確なんだよ。
投稿情報: ssd | 2008年7 月23日 (水) 12:35
>子どもを産むという機能を備えている女性の体の本質論から考えたらどうなのか。
「250人に1人が医療介入を必要とする可能性がある、生命に危険が及ぶ重篤な状態になる」というのが、「自然な」女性の子供を産むという機能の本質、だと思いますが?
産科医療の現場では、医師と助産師・看護師がちゃんとチームワークを発揮して診療をしているところが大部分です。学歴は立派でも、最近の現場での臨床経験に乏しいペーパー助産師は、黙っていていただきたい。もっと、第一線で働いている助産師たちの声もきいてほしい。(これは医師も一緒ですが)
投稿情報: 一産科医 | 2008年7 月24日 (木) 10:35
はじめまして。
現場の助産師さんと助産師会の上層部の見解の相違は明らかです。いきなり権限と責任を与えれても、危険性を分かっている平均的な助産師は逃げるのが普通です。前線にいないから(責任は取らないから)上層部はいい加減な事を言えるのです。僅か1年の教育で出来ると思うなら、ご自分でやってみればいいのです。
業務拡大が本当に医師不足を補えるのなら(そんな気は無いのは明らかですが)そもそも看護師の内診を禁止する理由は無いはずです。いかに詭弁か明らかと考えます。現場の(良く出来る)助産師は大好きですが、現場がどうなろうとも自分たちの地位拡大しか考えていない協会の上層部には怒りを感じます。
投稿情報: 産科開業医 | 2008年7 月25日 (金) 00:04
男性助産師について考察したら、けっこう一般の人からの反響がありました。
http://blog.days.yahoo.co.jp/blog-P2P_qwo9cqDmkFmIUwQC?p=309
投稿情報: day_dreamer | 2008年7 月25日 (金) 19:55
「男性助産師」 面白いですね。
日本の第二次お産革命は助産師から産科医への転換期であったのですが、同時にそれまでの女性ばかりの助産婦に代わって、男性産科医がお産に主体的に関与しはじめた時期でもあったのですな。
考えてみれば現在のファナティックな助産所礼讃は、この時期、男性産科医に侵入された助産師の全面復権とともに、社会における女性としての一種の自己完結性(男なんていらない?)への憧憬の性急な現れの部分もあるのでしょうな。
「しかし、子どもを産むという機能を備えている女性の体の本質論から考えたらどうなのか。」
という一文は、そうしたプライドの喪失とでもいうべき心の襞の作用の存在がなければ、あまりに合理性に乏しい考えのようにしか思えませんな。
投稿情報: 風邪ぎみ | 2008年7 月26日 (土) 10:39
風邪ぎみ先生
コメントありがとうございます。
諸外国の例では、男性助産師が当然認められている国が いくつもります。
2002年3月より看護師、保健師と同様、性別による名称の違いを伴わない助産師へと助産婦から名称が変更された過程の中で、男性への助産師資格の開放に関して具体的な動きが存在し、法改正の寸前まで行ったようですが、民主党のフェミニストたちいより直前に阻止されたようです。アダルトアニメ規制推進で脚光を浴びた円より子女史など反対運動を起こしたようです。
アメリカ、イギリス、オーストラリアなどでは男性の助産師が存在し、活躍しています。
投稿情報: day_dreamer | 2008年7 月26日 (土) 13:59
http://days.yahoo.co.jp/profile-P2P_qwo9cqDmkFmIUwQC
10名ほどの先生がたが足跡をのこしてくれました。
コメントもいただけると新人として励みになります。
投稿情報: day_dreamer | 2008年7 月28日 (月) 20:50
ちょうどタイムリーな内容の、イギリス保健省の出版物から。
10ページほどで読みやすく、内科医の私でも産科医療の問題点がわかりました。
Making it better: For mother and baby
http://www.dh.gov.uk/en/Publicationsandstatistics/Publications/PublicationsPolicyAndGuidance/DH_065053
EU労働時間(週48時間を超えない)をきちんと守って、NHSの病院が1日24時間、1年365日のサービスを提供するには一つの産科ユニットに”最低でも”8人の産科専門医が必要で、そのうえ産科麻酔専門医も必要とのこと。
なかなか人員が確保できないので、産科の専門医トレーニングを受けている研修医も駒にしなければやっていけないこともあるそうです。
全ての出産を病院で行う必要はないが、正常で通常の分娩は助産師のユニットでもよいが、不都合が生じた時には、すぐに病院の産科ユニットに転送できるようなシステムを構築する必要があるとのことです。
日本じゃ病院の産科ユニットに最低でも8人の産科専門医を確保するだけでも大変なのに、イギリスでは、それにむけた努力を進めていすようですね。
こちらは長いけど(60ページ以上ある)、
Maternity matters: choice, access and continuity of care in a safe service
http://www.dh.gov.uk/en/Publicationsandstatistics/Publications/PublicationsPolicyAndGuidance/DH_073312
の
Download Maternity matters: choice, access and continuity of care in a safe service (PDF, 324K)
イギリスも国が必死で産科医療の改善に取り組んでいるようで。
投稿情報: 鶴亀松五郎 | 2008年7 月30日 (水) 00:53