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(投稿:by 僻地の産科医)
医師たちの労働状況レポート2
勤務医は開業医に比べうつ症状高危険者が多い
医大同窓会員アンケートから
MTpro 2008年7月2日 冨岡公子氏
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0807/080703.html
「医療崩壊」が注目されるなか,医師の厳しい労働状況が明らかにされる機会も増え,対策が求められている。第81回日本産業衛生学会(6月24〜27日,札幌市)では,医師の労働に関する報告があった(レポート1は既報)。レポート2では,医科大学の同窓生アンケートによる,臨床医のうつ症状と労働負担の関連についての調査を紹介する。勤務医は開業医に比べ,うつ症状高危険者が多いことも分かったという。
1週間当たりの平均労働時間は
勤務医がより長時間
奈良県立医科大学(地域健康医学教室)の冨岡公子氏は,医師のうつ症状と労働負担の関連を明らかにするため,労働状況が厳しいと考えられる中堅医師となるまでの卒業後1年目~20年目の同窓会員を対象として,2004年にアンケートを行った。
解析対象は,臨床医718人で開業医99人(男性82%),勤務医619人(男性74%)であった。臨床医経験の平均年数は勤務医群10.1±5.4年,開業医群15.9±5.4年であった。
1週間当たりの平均労働時間は,勤務医群64.2±21.2時間,開業医群53.6±13.6時間と,勤務医群で有意に長時間だった。
勤務医の自己評価では
3割がうつ症状高危険者に該当
うつ症状の自己評価票であるCES-D(The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)日本語版の得点は勤務医が有意に高く,うつ症状高危険者(CES-D≧16点)は勤務医群29.5%,開業医群20.0%に認められた。
職業性ストレスを評価する,努力―報酬不均衡モデル(ERI)日本語版では, E/R比が高危険の基準とされる1より大であった者の割合が勤務医群で有意に高かった。
健康状態・疲労についての質問では「健康状態がよくない」「身体的な疲れを強く感じる」「精神的な疲れを強く感じる」と回答した者の割合が,勤務医群において有意に高かった。
仕事に対する意識については,Negative stressが勤務医群で有意に高く,Positive stress,気遣いに差はなく,仕事の自由度は開業医群で有意に高かった(表)。
また,うつ症状のリスクを多重ロジスティック回帰分析したところ,有意な相関を示した項目は
「健康状態」
「社会的支援」
「仕事の自由度」
「E/R比」
「OC(仕事へののめり込み)」
「性」であった。
これらの結果,同氏は「臨床医のうつ症状は,女性であること,健康状態が良くないこと,社会的支援や仕事の自由度が低いこと,ERIモデルの努力―報酬不均衡などと相関していた」と報告した。
また臨床医のなかでも,勤務医の負担がより重く,健康状態の悪化や疲労の自覚度が高かったことを示し「こうした因子に対する適応性など,個人要因との関連性も示唆された」と述べた。
こうした問題に対し,同氏は「社会的支援および職業性ストレスへの対策が臨床医のうつ病対策につながる可能性がある」と指摘した。
ここでのコメントは、おそらく初めてと思います。以前から愛読しておりました。
一部文章を引用させていただきました。事後ですが、ご了承ください。
最近悪い虫がわいているようですが、お気になさらないよう。患者側が皆、心ない輩というわけではありません。そのことだけでも、心の中に留め置いて下さればと思います。
投稿情報: 鴛泊愁 | 2008年7 月 4日 (金) 21:25