(関連目次)→大淀事件
(投稿:by 僻地の産科医)
きよさまから、第二段ですo(^-^)o ..。*♡
ところで、昨日申しあげたように、私たちは偶然自然発生的に
あの裁判所で出会ったのですが、人の縁とは不思議なもので、
なんときよさまと私はたまたま一人のお友達を介して親友同士だったのでした。
(地域はとても遠いのに!)
そういうこともあるものですね。
さて、どうぞ ..。*♡
以下、略称
[裁1] O裁判長
[裁2] N裁判官
[裁3] O裁判官
[原弁] 原告ら代理人
[被弁1] 被告ら代理人K氏
[被弁2] 被告ら代理人U氏
[被弁3] 被告医代理人Y氏
[患者] 本件患者
[被告医] 被告産婦人科医
[内科医] 当日の内科当直医
[助産師] 争点時間帯の担当助産師
[師長] 大淀病院産婦人科師長
[看護師] 争点時間帯の担当看護師
■[助産師]反対尋問
[原弁]の話し方は、やさしく丁寧な言葉遣いだけれど、見下した感が消せないように感じるのは、私が被告よりの視点だからでしょうか。
[原弁] H18/8/7~8は、産科病棟の夜勤勤務でしたね。
[助産師] はい。
[原弁] 入院患者は何人でしたか?
[助産師] 覚えていません。
[原弁] 裁判に出るに当たって、当日の様子がどうであったか、
調べたり誰かと相談したりしませんでしたか?
[助産師] [師長]とは話しました。
[原弁] どんなことがあったか、どんな風に動いたか、
当日の様子を再現するために話し合いましたね?
[原弁] 経過説明書を見ると、当日あなたが書いたものよりずいぶん詳し
いんですけどね、
2年前のことを思い出すために、メモが残っていたり、別の人から
話を聞いたりしましたか?
[助産師] 一人で記憶をたどって書きました。
[原弁] ○○についてもずいぶんたくさん書いてありますけど?
[助産師] 私の判断、記憶で書きました。
[原弁] 毎日たくさんの患者さんを見ていらっしゃるのだから、
2年前のことを思い出すのに
何か、メモや録音はありましたか?
[助産師] ないです。
[原弁] 2年前のことを覚えていた!
[助産師] カルテを見て思い出しました。
---
記憶があいまいなはず、ということを訴えたのでしょうか。
訴えたいことをオーバーにしつこく繰り返す。
誰でもできる(したいと思う)ことではないですね。
天然キャラだこらこそなのか、職務を追求した結果でしょうか。
---
[原弁] そうですか。では、甲A3の当直日誌を見て思い出してください。
[看護師]と話し合ったことはありますか?
[助産師] 後日、一度話しました。
[原弁] 当日は、あなたと[看護師]が産科病棟の当直でしたね。
[助産師] はい。
[原弁] 当時の入院患者は11名、ベビー数3名とありますが、正しいですか?
[助産師] これを書いたのは私じゃないのでよく分かりません。
[原弁] 書いたのは他の方でも、あなたも当日仕事をしていたのですから
何人くらいの患者さんを診るのか、くらいは頭にあるでしょう?
[助産師] 覚えていません。
[原弁] 入院患者は11名、ベビー3名、それくらいですか?
[助産師] (甲A3を見て) 入院患者13名とありますけど。
[原弁] え?あぁ、入院患者は13名、ベビー4名ですね。
[助産師] いっぱいいっぱいではなかったので、産科は17床なんですが、
満床ではなくて普通だったので、あまり記憶はないですが、
それくらいだと思います。
[原弁] ベビーは何時間かごとにミルクを飲ませますね?
[助産師] 3時間毎です。
[原弁] ベビーに3時間ごとにミルクを飲ませる。
あなたと[看護師]が交代してやるんですね?
[助産師] その時手の空いている方がやります。
[原弁] 0:00~4:30ぐらいの時間帯で、あなたはミルクを何回飲ませましたか?
[助産師] 1回も飲ませていません。
[原弁] 1回もない!赤ちゃん、どうしたんでしょう?
[助産師] 母体搬送が決定した時点で、[師長]を呼んでありましたので、
[師長]に相談して、私が[本件患者]をみて、
[看護師]がベビーを見るように指示があったので。
[原弁] 私が聞いているのは、大変なことが起きる前の、0:00からの話です。
当直の役割に、ミルクを飲ませることもあったでしょう?
[助産師] 私は主に分娩の担当だったので。
リーダーの[看護師]が病棟と、
病棟には元気なお母さんしかいなかったので、
リーダーが病棟とベビーを見るという分担だったので。
[原弁] そうですか。リーダーの[看護師]がね。
---
「0:00~4:30の時間帯」と言えば、「大変なことが起きた後」が主だと
普通は思うと、こうして字に起こすと気がつきますが。
「口頭」尋問をうまく利用してます。
にしても、[助産師]さん、本当に冷静に対応されて素晴らしいです。
---
[原弁] 0:00以前のことですが、陣痛促進剤を投与していますね。
[助産師] お昼ですね。
[原弁] どのくらいですか?
[助産師] 6錠です。これは日勤の仕事なので[師長]が関わっていました。
私は関与していません。
[原弁] あなたが責任を持つのは何時からですか?
[助産師] 16:30が申し送りで引継ぎして交代なので、
基本的に16:30からです。
[原弁] [患者]について、引継ぎの時、リスクとか注意事項の
申し送りがありましたか?
[助産師] プロスタグランジンを投与完了して時間がたつので、
これから陣痛が始まるかも分からない、と言われました。
[原弁] 予定分娩時間は何時くらいでしたか?
[助産師] この時点ではまだ・・。初産で32歳で、
まだ過強陣痛もなかったので、
早くて深夜、明け方くらいと思いました。
[原弁] 0:00に[患者]の病室に行った理由は何ですか?たまたま?
[助産師] こめかみが痛いとナースコールがあったのと、
ちょうど0:00で通常の回診時でもあったので。
[原弁] ナースコールは誰からでしたか?
[助産師] ナースコールは誰が押したかはわからないです。
[原弁] ボタンを押すと音が鳴るだけですか?
[助産師] ボタンを押した部屋のランプがつきます。
[原弁] 病室には誰がいましたか?
[助産師] ご主人と本人だけだったと思います。
[原弁] 理由はなんでしたか?
[助産師] とにかくこめかみが痛いと本人が言いました。
ご主人も言ったと思います。
[原弁] 行った後もこめかみ痛は続いていましたか?
[助産師] はい。
[原弁] どう思いましたか?
[助産師] これは通常の痛さではないと思って、
[被告医]の宿直室に電話をかけました。
[原弁] どうして[被告医]が宿直室にいると思ったのですか?
[助産師] 夜、その前に先生から電話があって、
分娩の経過を聞かれたので、「まだかかりそうです」と
お答えしたら「宿直室に行く」と言われたので。0時には戻ると
確認していたので、宿直室にいらっしゃることは分かっていました。
[原弁] 仮眠していた、ということですね?
---
こちらが連続勤務を主張する前に、仮眠をとっていたことをとりあえず指摘しておくと。
---
[原弁] この日の当直は3人ですね。[被告医]、[内科医]と整形外科
[助産師] はい。後、小児科も当直のはずです。木曜日なので。
[原弁] 4人ですね。
[助産師] はい。
[原弁] で、[被告医]は当直室で仮眠をとっていたのですね?
[助産師] それは見ていないので分からないです。
[原弁] まぁそうですね。それで電話をされましたね。
0:00にこめかみが痛いと、この時[被告医]は病室に来ましたか?
[助産師] 電話だけです。
[原弁] 病室には来なかったのですね。0:10にもう一度電話しましたね。
[助産師] はい。
[原弁] 0:14に初めて[被告医]が来室しましたね。どういう事情があったのですか?
[助産師] 私の手に負える範囲では無いので、
とにかく先生に来てもらいたいという思いでした。
[原弁] 0:00はこめかみ痛が続いていましたね。
[助産師] はい。
[原弁] 0:10に嘔吐がありましたね。胃液の量が多かったのですね。
[助産師] はい。
[原弁] 0:14にケイレンがあって、初めて[被告医]が来室しましたね。
[助産師] 0:14にケイレンはないです。
[原弁] え?あぁ、ケイレンはないですね。意識消失の後[被告医]に来てもらったんですね。
[助産師] はい。
[原弁] 0:00のこめかみ痛と0:10の嘔吐の時点では
来てもらわなかったのですか?
[助産師] 「来てくれ」とまでは言いませんでした。
[原弁] [看護師]には連絡しましたか?
[助産師] この時点では連絡していません。
0:14に[看護師]に連絡して、「とにかく[被告医]を呼んで」と
お願いしました。
[原弁] どうしてあなたが直接[被告医]に電話しなかったのですか?
[助産師] その場を離れてはいけないと思って。
陣痛室には電話がないので、 ナースコールで[看護師]に連
絡して、[被告医]を呼んでもらいました。
意識消失の患者さんを診るのは初めてだったので。
[原弁] あぁ、電話がなくてナースコールしかなかったと。
[助産師] はい。
[原弁] 乙A8P1を見ますと、
『ドクターコールだ。しっかり起こし、意識を戻していただこう』
とあるんですがね。誰の『意識を戻していただく』んですか?
[助産師] [患者]です。
[原弁] [患者]?あぁ。意識消失して、まずいと思ったんですね。
[助産師] はい。
[原弁] 0:14から自動血圧計を装着していますが、
これは指示があったのですか?
[助産師] 自主的な判断です。
[原弁] どうして血圧なんですか?
[助産師] 妊婦さんですので、ストレスで血圧が上がったり、
妊婦さんで一番大切なのが血圧です。
[原弁] [患者]の通常の血圧はご存知ですか?
[助産師] 夕方に一回図っているので。130台とあります。
[原弁] 血圧計をつけると、140~150位。高いですね。
[助産師] やや高いですが、下があまり高くないので、
様子を見ようと思いました。
[原弁] 様子を見ても、血圧が下がりませんでしたね。
どうしてだろう、と思いますよね。
[助産師] はい。
[原弁] それでどうしましたか?妊婦さんは血圧が大切ですからね。
[助産師] これくらいなら様子を見ると思います。
180/110という基準を超えると
血圧を下げることを考えます。今の病院でもそうです。
ですので、140~150位なら、それほど高くは無いと思います。
[原弁] そうですか。血圧計をつけるとき、アラームを設定したりしますか?
[助産師] はい。
[原弁] アラームはいくつでなるように設定しましたか?
[助産師] 多分今言ったように180だと思います。
[原弁] 1:14の意識消失の時に病室に行ったのは、どういう経緯ですか?
[助産師] 1:14のことは書いてないですが。
[原弁] あぁ、1:37ですね。
[助産師] 詰所で血圧が高く表示されたので、測り直そうと思いました。
[原弁] 血圧は175ですね。アラームは鳴りましたか?
[助産師] 鳴らなかったと思いますが、気がつきませんでした。
[原弁] 手動で測ったら200/100でしたね。
先ほど、自動血圧計の方が高い値になる
というお話でしたが、どうしてだと思いますか?
[助産師] 上がっているな、と思いました。
---
「[患者]がこんなに大変なのに、十分な対応をせずに休んでいた」ことをこまめに訴えようとしていると思いますが、[助産師]さんはうまく受け答えていらっしゃってその都度適切な処置であった、と[助産師]さんにできる範囲で説明されていたと私には思えました。
---
[原弁] ケイレン発作ですが、あなたの記録には
「強直性」とは書いてないんですけどね。
[助産師] そうですか?ここに書いてありますが。
[原弁] いえ、これではなくて当日の・・
[助産師] ここに書いてあります。
[原弁] あぁ、ありますね。強直性というのは、
最初から同じ様態でしたか?
[助産師] はい。
[原弁] これは、強直性、であって、
たとえばカンダイ性ではないんですね?
[助産師] そうです。
[原弁] 子癇のケイレンの場合、強直性からカンダイ性に移行する、
とあるんですがね。強直性のまま変わっていないと。
[助産師] ?
[原弁] まぁ、教科書的には、ですね。これは、除脳姿勢、ということですか?
[助産師] 分かりません。
[原弁] 除脳硬直かどうかが争点となっているんですがね。
分かりませんか?
[助産師] はい。
[原弁] 1:37の時点では、[看護師]も一緒にいましたね。
[助産師] はい。
[原弁] [看護師]の記録を見たことがありますか?
[助産師] 1回見ました。
[原弁] 甲A3の2枚目ですが、[看護師]の記録では
『除脳硬直』と書いてありますね。
このことについて、話はありましたか?(このあたり記録不明)
[助産師] 搬送後そういう話はありました。
---
争点の1つ、子癇か除脳硬直かですが・・
---
[原弁] 除脳硬直か強直性ケイレンかわかりませんが、
こういうケイレンは何時から始まりましたか?
[助産師] 記録にないので多分1:37と思います。
その前に見たときはなかったので。
[原弁] ケイレンは1:37頃始まったと考えている、ということですね。
[助産師] はい。
[原弁] 陣痛のたびにケイレンがあったのですか?
[助産師] この時は、陣痛の方に意識が行っていなかったので。
[原弁] 記録では2:00の時点で『ケイレンなし』となっていて、
収まっていた、とあるのですが、
その後は?ケイレンはありましたか?
[助産師] その後は記録にないので。
[原弁] 記録ではなくて、あなたの記憶を聞いています。
[助産師] 覚えていません。
[原弁] ケイレンがあったかなかったか、覚えていない!
[助産師] はい。
[原弁] 意識は消失したままですね?
[助産師] はい。
[原弁] 1:37の後、[被告医]と[内科医]が来ましたね。
子癇という言葉を聞いたのは、何時の時間帯ですか?
[助産師] いつかは覚えていませんけど。言葉では聞いていません。
[原弁] あなたの判断は?
[助産師] 診断はつけられないので。
マグネゾールの治療をしたので、子癇だろうと思いました。
[原弁] 乙A2P17(外来診療録)に瞳孔開大、
これ少し開いているとおっしゃいましたが
瞳孔の大きさは個人差がありますね。
それまでに見ていたんですか?
[助産師] いいえ。
[原弁] それまで見ていないのに、どうしてやや開いている、
と分かったんですか?
[助産師] 眼科で瞳孔は見てきたので、
一般的な状態から比べると開いていました。
[原弁] [看護師]の記録に1:37『瞳孔やや散大気味』とありますが、
これと同じですか?
[助産師] はい。
[原弁] 2:00のこの記録は、あなたが観察したのですか?
[助産師] はい。
[原弁] その後瞳孔の記録はありませんが、観察していないのですか?
[助産師] 記録がないのでしていません。
[原弁] では、なぜ2:00に観察したのですか?
[助産師] いびきやケイレンがあったので、頭はどうかなと思って。
[原弁] 医師には言いましたか?
[助産師] いいえ。
[原弁] どうして?
[助産師] [内科医]は自分で見たと思うので。
[原弁] 頭に何か起きている事は分かっていたのですね?
[助産師] 分かっていたというか、何か起こっているのかな、と思いました。
[原弁] その後瞳孔を観察しなかったのは、医師の指示がなかったからですか?
[助産師] そうです。
---
瞳孔が開いて、脳に何かあると疑い初めたにも関わらず、処置をしていない、という訴えでしょうか。
実際にはこの時点では搬送を決めて、搬送先探しに入っています。
また、子癇の可能性が最も高いので、あれこれ検査するより、搬送まで安静を優先させたはずです。とはいえ、裁判ではそれをちゃんとしつこく訴えないと、裁判官は考慮してくれないと思います。
---
[原弁] 2:45に[師長]から、「家族に説明が必要」というアドバイスがあって
[被告医]から説明がありましたね。どういう説明でしたか?
[助産師] 『子癇』という状態なので、母体搬送が必要、ということでした。
[原弁] 頭の状況については?
[助産師] 説明はありませんでした。
[原弁] 家族から、「頭の病気ではないのか?」という質問があったのでは?
[助産師] 聞いていません。
[原弁] その後、1:37から、[被告医]は宿直室に戻ったのですか?
[助産師] 搬送されて帰ってくるまで戻っていません。
[原弁] ではどこにいたのですか?
[助産師] 詰所にいました。
[原弁] [被告医]からどんな指示がありましたか?
[患者]の何を観察するか、ですね。
[助産師] 何を観察するかは聞いていません。
[原弁] じゃあ、これからどうしたらいいのでしょうか?
[助産師] とにかく、[患者]の状態は大きな施設でないと、
何もできないと思ったので、Vital signなどに
急変がないかどうかだけを見ようと思いました。
[原弁] じゃぁ、戻って、0時台から1:37間での間は、
[被告医]からどういう指示がありましたか?
[助産師] とりあえず様子を見ましょう、ということだけです。
[原弁] 何の様子ですか?
[助産師] 意識が戻るかどうか、です。
[原弁] とりあえず、というのは1~2時間ですか?
[助産師] はい。
[原弁] この間、何かをチェックするという指示はなかったのですか?
[助産師] ないです。
[原弁] 以上です。
---
[原弁]さん、意図的に時系列ではなく、話をあちこちに飛ばしています。
しかも随所に時刻や数値間違いが。(これは意図的ではないかもしれませんが)証人が、時系列で考えることで、ストーリーを組みやすくなるのを避けるためでしょうか。また、最後に、「0:00~1:37の間に[被告医]から具体的な指示がなかったこと」をもってきました。
この後、医師側のつもりとのずれを示すための伏線でしょうか。
---
■[助産師]尋問、裁判官から、その他補足
[裁3] では、裁判官**から質問します。
あなたは、8/8AM0:00~0:14の間、[患者]のそばにずっといましたか?
[助産師] 点滴を取りに行ったり、注射を取りに行ったり、先生に電話したりで
ちょこちょこ離れはしました。
[裁3] 陣痛室には、ナースコールはあるけれど電話はないのですか?
[助産師] そうです。
[裁3] 0:14意識消失とありますが、これは突然ですか?
それともだんだん意識がなくなっていった?
[助産師] 記録に書いてあるので、突然です。
[裁3] 乙A2P19~20 8/8の記録は、
あなたが作成したので間違いないですか?
[助産師] はい。
[裁3] 作成した時間はいつですか?
[助産師] 搬送が決まってからすぐだと思います。
[裁3] P19に「0時頃、突然意識消失」とありますが、
「0時頃」と書いたのはどういう趣旨ですか?
[助産師] これが今回の発端だったので。
[裁3] 先ほど、0:14に意識消失と言われましたが
[助産師] あ。
[裁3] 14分も0時「頃」に含まれる、と言う趣旨ですか?
[助産師] そうです。
---
まだ心証ができている様子はあまりなく、事実確認的な質問、だと思います。ここで横から
---
[被弁3] ちょっといいですか?
診療経過説明書、乙A8で、1:00頃の記載に
『陣痛に合わせて体を動かしている』
というのは、陣痛が時々あって、その時に体を動かしている、
という感じですか?
[助産師] そうです。
[被弁3] 次頁、1:37、「・・・そっくり返した姿勢・・・」
というのは、陣痛発作に合わせてこのような状態が見られた、
と言うことですか?
[助産師] そうです。
[被弁3] 大淀病院では、妊娠高血圧症で大阪まで
搬送した経験がありますね?
[助産師] あります。
[被弁3] 自動血圧計をつけたのは、妊娠高血圧症を警戒する意味も
あるのではないですか?
[助産師] そうです。
[被弁3] 0:10に『たまに応答に開眼する』というのは、声をかけると時々
目を開ける、ということですか?
[助産師] はい。
[被弁3] 0:00に、こめかみが痛いと本人が訴えた、という話でしたが、
この時は声を出せる、答えられる状態ですね。
[助産師] はい。
[被弁3] その後は声をかけても答えないが、目を開けるということですね。
[助産師] はい。
---
タイミング的に、裁判官の質問を遮って聞く内容でもないような?
というか、私も[裁3]の質問は終了したと思っていて、後で[裁3]が質問を再開したとき初めて「あら、まだ終わっていなかったのね」と気がつきました。
---
[原弁] 今回、[患者]の脳内出血がいつ頃起きたかが争いに
なっていますがね。脳内出血は4時頃だった、という話ですが、
あなたの記憶や記録に基づいて、
4時頃に脳内出血があったと思われるような兆候はありますか?
[助産師] 覚えていません。
---
[裁3]が争点を読み上げたときから気になっていたところです。
争点で『脳内出血は4時頃発生』と明記してしまっては、それを証明、とまでいかなくても、最低限「そうかもしれないね」と納得させられるだけの説明が必要なのではないでしょうか。
それが全然出てこないなぁ、と思っていたら、やっぱり突っ込まれました。
メインの反対尋問で出てこなかったのは謎ですが。で、慌てて(?)フォローが入ります。
---
[被弁2] 4:05の記録、乙A2P17に、『いびき時々強、体熱感T38.0℃』
とありますが、事前の準備でも話をしたと思うのですが、
この時どういう診断をされましたか?
[助産師] 病名の診断というのは分からないですが、
でも全身状態の、Vital signが悪くなる、熱が上がるとか、
いびきとかは、生命に危険のある状態と思いました。
[被弁2] それまでにそういう事はなく、
4時頃に突然現れてきた、という事ですよね?
[助産師] そうです。
---
んーー、これも、[原弁]が話をあちこち飛ばす作戦の効果でしょうか。
事前準備では4時頃の話も確認していたけれど、突然話を振られてぱっと出てこなかったのかな?にしても、争点に関わる突っ込みに対する反論、としては弱い気がします。争点というか、こちらの主張なんですから、もっと事前に話をしておくべきではなかったか、と。
(これは、[助産師]さんではなくて弁護士さんに期待したかったところです)
[助産師]さんとしては診断つけられないし、限界はあるかもしれませんが、0時頃の状態は「とても普通じゃない、私では対応できない」と言ってますから・・・
午後の尋問で分かったのですが、[国循]の先生は「0時頃から脳内出血があったと思われる」旨、述べられたとのこと。脳内出血というのは、詳細な解剖なしで、血腫除去手術で開頭しただけで、いつ始まったかがどの程度分かるものなのでしょうか?
「0時頃はあくまで[国循]の先生の「見立て」だけなので、4時の主張は撤回しない」のであれば、それなりの説明がいるでしょうし、
「[国循]の先生がそう言うならそうなんだろう」
「大淀では反論するだけの情報がない」
「そもそも、解剖もしていないのに分かるはずがない(or 解剖してもできない?)」
のであれば、新たなストーリーを練り直して主張する必要があるはずです。
新たな、というか、
「脳内出血が0時頃に起きていたとして、早く気づいたとしても、結果は残念ながら同じだった(因果関係がない)」
というサブの主張だと思いますが、どちらにしても、徹底的に訴えないと。
---
[裁3] (続き)いいですか?
0:14、意識消失後、医師を呼んで、
[内科医]が「おそらく失神でしょう」と言いました。
このとき、あなたと[看護師]は[患者]のそばにいましたか?
[助産師] はい
[裁3] その後、1:37まで、経過観察する事になりましたが、
[看護師]が1人で[患者]の所へ行ったという事はあると思いますか?
[助産師] ないと思います。
[裁3] 1:37頃、血圧が高いので、水銀計で血圧を測ろうとしたということ
ですが、この時、初めから水銀計を持って行きましたか?
[助産師] 持って行きました。
[裁3] 乙A8P3に、1:37『詰所に血圧計を取りに戻る』とありますが、
これはどういう意味ですか?
[助産師] え・・
[裁3] 1:37に[患者]を見に行ったらけいれん発作があって、
それから水銀計を取りに戻ったのか、
水銀計を取りに行って戻ったらけいれん発作があったのか、
どちらですか?
[助産師] えー・・・覚えてないです。『取りに戻る』と書いてありますが・・・
記憶では「血圧が高いから測ろう」という意識があったはずなので・・・
取りに戻る、というのはよく分かりません。
[裁3] 1:37に[患者]のところに行ったらケイレン発作が
発生していたのは間違いないですか?
[助産師] 間違いないです。
[裁3] 乙A? 1:30の記録にはケイレンの記載がないですが、
1:30~1:37の間には訪室していないですよね?
[助産師] はい。
---
記憶の細部に誤りがある(もしくは記録が間違い)のは、心証どうなんでしょう。常識的に考えれば、ごく普通にある事だと思いますが。
---
[裁3] 1:37のケイレン発作発生後、
[被告医]と[内科医]は瞳孔を確認していましたか?
[助産師] 分かりません。見たと思います。
[裁3] あなた自身は見ましたか?
[助産師] この時点では書いていないので見てないです。
[裁3] 『2:00 瞳孔開大』の記載は、あなたが自分で見ましたか?
[助産師] はい。
---
ここではあやふやですが、[内科医]の尋問で、ちゃんと見ていらっしゃった事が分かります。
---
[裁1] 乙A8の0:14~0:37の間で、[患者]のところに行った時間ですがー
0:25,0:30は行かれてますね。
[助産師] はい。
[裁1] 0:40は、どうでしょう・・
[助産師] 覚えてないです。
[裁1] 後は1:00、1:30ですが、これだけですか?
[助産師] ちょくちょく行ったと思います。記録していないところも・・
[裁1] 終わりました。ありがとうございます。
[助産師] (礼)
[?] もう退出されていいですよ。
[助産師] あ、はい。(席を立つが、どうしたものか戸惑っている様子)
[被弁3] もう後は、帰られても、○○されても、お好きに。
以上
コメント