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(投稿:by 僻地の産科医)
前回はこちらo(^-^)o ..。*♡
診療成績「全診療科で公表」は8%
全国主要病院調査から
日経NetPlus 2008-07-13
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/medical/medical/med080713.html
日本経済新聞が実施した全国主要病院調査のうち、患者支援や患者サービスについて、詳細をグラフを交えて分析する。
■相談・苦情の窓口、98%が設置
【情報提供・相談】
セカンドオピニオンへの対応を尋ねたところ、前回調査(2003年)を7ポイント上回る60.7%の病院が「病院全体で積極的に対応している」と回答した。ただ、「診療科や医師の方針に委ねている」 との回答もなお多く、36.2%(前回調査は41.7%)に上った。
生存率など診療成績を一般向けに公表している病院は半数程度。「すべての診療科で公表」は8.0%にとどまり、「一部の診療科で公表」が34.0%、「要望する患者や家族にのみ説明」と回答した病院も9.0%あった。全く診療成績を公表していない病院は47.7%に達し、医療機関の情報開示が依然として進んでいない実態が明らかになった。
患者からの相談や苦情を受け付ける窓口を設けている病院は98.2%で、ほとんどの病院にあった。窓口のスタッフ(複数回答)は医療ソーシャルワーカーが約8割と最多で、事務員、看護師が6—7割で続いた。窓口スタッフに医師がいる病院は2割どまりだった。
【患者参加】
医療事故が起きた場合に、病院内で原因を究明し再発防止策を練る「院内事故調査委員会」や倫理委員会に、外部委員が参加しているかを尋ねた(複数回答)。院内事故調では、事故の被害者や遺族が参加している病院はわずか1.1%。患者代表の参加も4.6%と少なく、半数の病院が外部委員を参加させていなかった。事故調そのものがないとの回答も13.3%あった。倫理委員会への患者代表の参加は12.1%。外部委員がいないケースは2割に満たず、院内事故調と比較して、透明性を確保するための体制づくりが進んでいた。
■院内暴力への組織的対応に課題
【患者サービス】
実施している患者サービスの内容(複数回答)を尋ねたところ、「院内を全面禁煙にしている」(89.4%)が前回調査(40.2%)と比べて大幅に伸びた。多くの病院が取得している日本医療機能評価機構の「病院機能評価」の 評価項目に「全館禁煙」が加えられたことで、一気に対策が普及したとみられる。「診察室の会話や姿が漏れないように配慮している」も同様の理由で7割を超えた。
玄関や病院内のバリアフリー化には76.6%の 病院が取り組んでいるが、「聴覚障害者や視覚障害者に配慮している」病院は3割と少数派だった。高齢者や障害者が受診しやすい環境整備は段差解消などハード面の整備が先行し、スタッフが付き添ったり、手話通訳の確保を手伝ったりするなどのソ フト面の対応が遅れている実態が透けて見える。患者向けの図書室や資料館の整備も遅れている。
07年度の1年間に患者や家族が加害者となった暴力事例が発生しているかを尋ねたところ、71.1%の病院が「発生した」と回答した。暴力事例への対応(複数回答)は「悪質な事例は警察等に通報する」が 86.8%に達した。一方で、対応する組織があるのは17.9%、暴力事例を収集し再発防止策を検討している病院も36.9%にとどまり、暴力行為に対して組織的に対応している病院は多くないのが現状だ。特に対応を決めていない病院も4.6%あった。
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