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(投稿:by 僻地の産科医)
閑話休題編 その2ですo(^-^)o ..。*♡
その1はこちら 大淀事件傍聴記 閑話休題編
こちらはちょっとした文句です。
こちらをお読みください。
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「薬のチェックは命のチェック」31号
裁判傍聴記
奈良県大淀町立病院母体死亡事件 2
ポイントは脳出血の診断と救命可能性
3月と4月の公判では、裁判所が作成した被告と原告の「争点整理案」をもとに、双方が質問などを相手方にしました。
3月24日
妊婦の高崎実香さんが意識消失した2006年8月8日の深夜、大淀町立病院にはCTを撮れる技師が当直していましたので、CTを撮ろうにも撮れないという状況ではありませんでした。「深夜午前12時~1時頃にCTを撮っておれば、脳内出血がわかって救命可能だったのではないか」と原告は問題にし、これに対して被告側は「深夜12時頃は子癇(しかん)かもしれないと考え、子癇ならば動かせないと躊躇したのも無理のないことであり、仮に深夜に脳出血と判断できていても結果は同じだ」と主張しています。
仮に、子癇と脳出血が競合していてその鑑別が産科医に困難であったとしても、子癇であれば胎児の娩出が最優先となり、なぜ自身で帝王切開をしなかったのか。被告産科医は「ケイレンだった」と主張していますが、ケイレンが続く重責ケイレンならば酸素欠乏で胎児に影響が出るのですぐにも帝王切開が必要であったはずです。
産科医はケイレンだからとマグネゾールを投薬しただけで、その後は何らの指示も処置もしていません。転送のための病院を必死で探していたという報道もありますが、それがどこまで本当なのか?を知るために、原告側は、いつ(何時に)、だれが、どういう方法で他院へ連絡をしたのか、事務方の情報の提示などを求めています。
被告側は、結果的に、子癇ではなく脳内出血だったことは争っていません。脳の外側の出血か、脳中心部の出血か、がポイントになっています。脳中心部の出血ならば、すぐに診断して手術していても助かっていない可能性は大きい、と被告は主張したいのかもしれません。しかし、どこからの出血かはともかく、意識消失している実香さんに、何らかの処置をしてくれていたら、そもそも遺族は訴訟をするということなどなかったでしょう。
4月30日
この日は、次回の証人尋問にだれを呼ぶか、鑑定人を依頼するか、依頼するとしたら選定はどうするかについて双方の意見調整でした。証人は、被告側からは産科医、当直内科医、助産師、看護師の4人。原告側は実香さんの夫の晋輔さんと決まりました。その他、鑑定人について、原告側は脳外科医の鑑定書だけでよいとし、被告側は産科医の鑑定書も求めました。そこで、原告側は、産科医の選定に際して、大淀事件に関連して何らかの発表をしている医師ははずしてほしいと要望しました。
次回公判は7月14日(月)午前10時から午後5時くらいまで。助産師、内科医師、看護師への証人尋問が午前中にあり、午後1時15分から産科医師、そして最後に高崎晋輔さんです。場所は大阪地方裁判所の202号法廷と決まりました。
裁判を傍聴しよう!
大淀町立病院母体死亡事件を傍聴しませんか?裁判の傍聴はだれでもできます。来年5月にスタートする裁判員制度の対象は刑事事件ですが、裁判というものを知る上で、民事事件の傍聴もいい機会です。
証人尋問では、被告側弁護士の尋問、原告側弁護士の尋問、裁判官からの尋問があります。証言の食い違いや証人の表情など、実際にご自身の耳と目で確かめてください。
大阪地方裁判所への行き方:地下鉄御堂筋線淀屋橋駅下車、徒歩約7分(地図参照)
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これがあったから、当日原告側の人が多かったのでしょうか?
バイトまで雇っていつものメンバー全員が
中に入ってくると思わなかったんでしょうけれど、
並ぶの暑かったです~(>_<)!!!!!
なんか原告弁護士側ゼミの学生にまで並ばせてるし。
なんだかなぁ。。。。。
暑かったので、文句言いたい。
おたくのゼミの、傍聴券にも並べない子に
一枚余ったのあげましたからね。まったく。
学生の面倒はちゃんと見てください。
ただそれだけのお話でした。
僻地の産科医先生、原告側ゼミって、ひょっとして奈良の某国立大学のゼミでしょうか。
投稿情報: iori3 | 2008年7 月18日 (金) 13:51
>子癇であれば胎児の娩出が最優先となり、なぜ自身で帝王切開をしなかったのか。被告産科医は「ケイレンだった」と主張していますが、ケイレンが続く重責ケイレンならば酸素欠乏で胎児に影響が出るのですぐにも帝王切開が必要であったはずです。
子癇であればDICを起こす可能性が高いわけですが、それでも高次病院ではなくここで帝王切開しろと?
DICを起こして死亡すれば「こんな病院ではなく、高次病院に搬送して管理すれば助かった可能性が高い」と言うんでしょ?
帝王切開の必要性について論じることができるのですから、DICが起こる可能性を知らないはずはないですよね?その上で、こういう主張をされているのですよね?
投稿情報: 一産科医 | 2008年7 月18日 (金) 13:56
あ、iori3さまo(^-^)o!!!
原告側ゼミだと名乗るその子は龍谷大学といっていました。
一産科医さま!!
もちろん、そのあたりはDICで死ぬならよかったとお考えなのでしょうね!
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年7 月18日 (金) 15:48
あ~、龍谷大学。
わたくしの従兄弟も卒業したところです。
母方の実家は寺で、寺の跡継ぎは竜谷大と決まっているみたい。
江戸時代は、医者と並んで、いや、医者以上に坊主は高い教養の持ち主とされていましたのに。
残念なことです。
投稿情報: suzan | 2008年7 月18日 (金) 16:12
>どこからの出血かはともかく、意識消失している実香さんに、何らかの処置をしてくれていたら
現場にいる者としては、経過を観察するというのも一つの立派な処置であると思うのですが、その是非はともかく、このあたりの記述も典型的な後出しジャンケンのように見えます。
脳内出血だと分かっていれば経過観察という選択肢をする医師はいないはずです。しかし意識消失の原因はごまんとあるわけで、脳内出血はその可能性の中の一つでしか無いわけです。意識消失してもバイタル安定、神経学的所見無しでは脳内出血を積極的に疑う理由はなく、それでもこの産科医は内科医当直に「頭は大丈夫?」と聞かれている訳です。これは実に慎重な態度であるとすら感じます。
私から見れば、原告およびその支援者の方々は陣痛促進剤→脳内出血というストーリーから離れられないように見えます。現時点では疫学的にも病態生理的にも否定的なストーリーではありますが、絶対無いとは言い切れないのが医学の医学たる所以で何とも歯がゆいところです。
投稿情報: tadano-ry | 2008年7 月20日 (日) 15:46