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(関連目次)→助産師分娩について考える 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
助産雑誌2008年01月号 ( Vol.62 No.1)
http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=32706
特集は
医師・勤務助産師・開業助産師の理想的な「連携」を求めて
国際母子タスクフォースにみる「連携」の実際(2) のP48に母体搬送例の結果等が載っていましたが、 医師のいないところで分娩するのであれば、 また17例の搬送中、予定日超過が8例。 予定日超過はトラブルが多い事を考えても、
地域を巻き込んだシステムを作り上げるまでの歩み
楯 朋子・及川 桂・与那嶺 辰美・小山内 泰代・三島 典子
2008年01月号 Vol.62 No.1 p44-49
17例中帝王切開例が5例という数字はギリギリまで待ちすぎなんじゃないかしら?
もうすこし早めに母体搬送してくださったほうがいいんじゃないかなぁ、
というのが一般病院勤務医として素直な感想。
帝王切開例が増えることを考えても、
児のトラブルが増えることを考えても、
院外での助産所で扱うべき代物ではないとおもいます。
そのあたりの認識徹底不足を感じました。
(実際、帝王切開例の5例、鉗子分娩1例は
すべて予定日超過の妊娠ですね)
(関連目次)→本日のニュース・おすすめブログ..。*♡ 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
3月になりましたo(^-^)o ..。*♡
3月らしい、異動人事を踏まえた爽やかな話題(?)かどうかわかんないけれど。
そろそろ花粉症の季節でしょうか~?
市立病院循環器科医師4人体制に
釧路新聞 2008年2月29日
http://www.news-kushiro.jp/news/20080229/200802291.html
市立医療センターの存続探る 近江八幡 考える会が設立総会
京都新聞 2008年2月29日
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008022900007&genre=O1&area=S20
都留市立病院がお産を中止/山梨
NHK 2008年2月29日
http://www.nhk.or.jp/kofu/lnews/04.html
県の東部で、ただ1つの産婦人科を持つ都留市立病院が、十分な数の産婦人科の医師を確保できないとしてことし4月から、出産の受け入れを中止する事が決まりました。これは、都留市の小林義光市長が市議会で明らかにしたものです。
都留市立病院は、県の東部で唯一の産婦人科を持ち、現在、3人の医師が出産や診療にあたっています。しかし、これまで医師を派遣してきた山梨大学の医学部が、最近になって産婦人科医3人のうち2人を引き上げると伝えてきたため病院を運営する都留市は、安全にお産を行う十分な医師が確保できないとしてことし4月からの出産の受け入れを中止する事を決めたものです。
都留市立病院での出産は、例年、およそ400件に上りますが、今回、出産の受け入れを取りやめる事で病院は産婦人科のうち産科を休診にし、婦人科だけで診療を行う方針です。また、出産を控えた女性のうち希望する人には病院を紹介する事にしています。
市立病院では「今後も引き続き産婦人科医の確保に努め、出産の受け入れを再開したい」と話しています。
脳卒中など「近隣搬送を構築」 丹波の医療確保
神戸新聞 2008年2月29日
http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/0000855631.shtml
県や丹波地域の医療機関などでつくる「丹波地域医療確保対策圏域会議」が二十八日、丹波市の県柏原職員福利センターで開かれ、圏域内の医療体制について基本方針を取りまとめた。中核病院の勤務医不足により圏域内で治療できない脳卒中と心筋梗塞(しんきんこうそく)は、県立柏原病院の体制整備を前提としながらも「当面は近隣への搬送体制を構築する」とし、圏域外搬送の現状を追認するかたちとなった。
丹波医療圏域内には公立、公的、私立の計八病院がある。医師は二〇〇三年十月時点で一三三・一人いたが、昨年十月には一〇一・五人に減少。特に県立柏原が四二・三人から二八・五人、柏原赤十字が一六・六人から五・四人と急減した。この影響で、心疾患や脳卒中などの循環器患者の治療が困難になったほか、救急医療への対応も困難になり、圏域外への搬送が増加。昨年一月に同会議が示した病院ごとの機能分担や集約化も実現できなくなった。
基本方針では、「脳卒中」への対応について、「県保健医療計画で求められている血栓溶解療法や二時間以内に外科治療を開始できる病院がない」とした上で、「阪神北と北播磨の病院への搬送体制を構築」するとした。「心筋梗塞」についても近隣圏域への搬送体制を構築するとした。両疾病とも「県立柏原病院での対応再開」を前提としているが、明確な道筋は示されなかった。
産科医確保へ分娩手当 湖西病院方針/静岡
中日新聞 2008年2月29日
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20080229/CK2008022902091539.html
産科の休診が続いている共立湖西総合病院(湖西市鷲津)の運営主体である湖西市・新居町広域施設組合(管理者・三上元湖西市長)は、医師の待遇改善を目的とした条例改正案を28日開会した組合議会に提案した。改正案では、新たに「分娩(ぶんべん)手当」を創設し、夜間休日救急診療業務手当を一律10万円に引き上げるとしている。改正案によると、分娩手当は出産の時間帯によって1件あたり3万円から5万1000円を支給する。
救急業務手当は、これまで非常勤医師に9万円、常勤医師に時間外勤務の名目で平均約4万1000円支払われていたが、それぞれ一律10万円に増額。開業医や民間病院との賃金格差を考慮して支給される医師の地域手当も、基本給の9%から同15%に引き上げる。
産婦人科医の全国的な医師不足の影響で、同病院では年間220件前後の分娩を取り扱っていた産科を昨年8月から休診している。両市町には分娩ができる産科の開業医もなく、市民は浜松市や愛知県豊橋市などでの出産を余儀なくされているのが現状だ。三上市長は「産科医の招聘(しょうへい)や長時間労働を強いられている現場の待遇改善につながれば」と述べた。改正案は、3月27日の組合議会本会議で採決されれる。
誰か行きませんか~(>▽<)!!!いきませんね! 県職員医師”を扇田病院に派遣へ/秋田 医師の就職説明会に補助/山形 救急受け入れ 「10回以上拒否」129件 県調査 重症者、35回の例も 救急「10回超拒否」6件 昨年まとめ、死亡例はなし/新潟 道医療計画原案:喫煙率、全国平均以下に 医師不足解決見えず /北海道 道は3月中旬に知事の付属機関「道医療審議会」に諮問し年度末に計画を策定する。実施後は5年以内に計画を見直す。 計画案は、主にがん、脳卒中など四つの疾病と、周産期医療、へき地医療など五つの事業について、現状と課題、施策の方向性、数値目標を掲げた。 また道内の産婦人科医は96年の439人が395人(04年)に減少。道は道内3医学部の支援を受け、釧路赤十字病院など「総合周産期センター」6院に重点的に配置する。分娩(ぶんべん)を休止中の日鋼記念病院(室蘭市)など5院の再開も目指す。 県立病院独立法人化に異論相次ぐ/県議会厚生常任委 後期高齢者医療制度 妊婦搬送 ルール化 日看協、「やっと250円」 看護師離職率 道内12・7%、全国平均上回る 都市部で高く 産科婦人科学会「診療行為に間違した死亡に係る死因究明等の在り方」に関する見解と要望 道立病院改革 羽幌など公設民営 原案 苫小牧他院へ継承も 「指定管理者制度の導入が基本」としたのは、地域の中核病院の羽幌病院と江差病院(桧山管内江差町)、精神医療の緑ケ丘病院(十勝管内音更町)と向陽ケ丘病院(網走市)。 昨年、札幌市に開業した小児高度医療の子ども総合医療・療育センター(コドモックル)は、道による運営を維持する。 また、道立病院の医師確保策として、道は医師に代わって煩雑な医療事務を補助する「医療クラーク」の配置を検討する方針を示した。医療クラークは診断書記入やカルテ記録などを補助する事務員で、導入すれば医師の業務を軽減できる。道は新年度、他の都府県立病院の導入事例を調査する。 浜松市はバースセンター整備に6.2億円 院内暴力の実態調査 富山県内の25病院でアンケート 適切な対策探る ↓これ、ひどすぎ! 挿管とか瞬時にできるとでも思ってるのでしょうか!? 事故負傷男性死亡、病院に1100万円賠償命令 「がん誤診で乳房摘出」認定/病院に470万円支払い命令 日々問題が報じられ、教育学部と産婦人科志望者減 インタビュー 海堂尊さんに聞く! ミステリー小説より恐ろしい。日本の、いまそこにある“危機”【後編】 酒は憂さ晴らしに逆効果?・東大がラット実験、嫌な記憶強化 新型インフル、国内発生時は在宅医療で…WHO地域事務局長 国は、国内で数十人規模の患者が発生した場合、医療機関に設置した専用外来で患者を診察し、感染拡大を防ぐ方針を示している。だが、尾身氏は、この方針に対し「病院は患者が集まる最大の感染源」とし、来院を重症患者に限るべきだとした。在宅医療を行う際は、「事前に誰が患者宅を訪れるのか調整が必要」と述べた。予防と重症化を防ぐ効果があるとされる抗インフルエンザ薬とワクチンは、「必要だが、十分ではない。大事なのは検疫や学校閉鎖で(患者との)接触をどれだけ防げるかだ」と強調し、対策の柱に水際対策と隔離を据えるべきだとの認識を示した。 長野のクリニックで「孫」代理出産4例目 気管切開児の思い絵本に グループ「すまいる」が制作 生後19日の赤ちゃんのお腹から「胎児」を摘出 “医療崩壊”から“医療再生”へ わが国の公的な医療制度は、これまで「国民皆保険」と「フリー・アクセス制」に基づき、誰もがどこに住んでいても安心して必要な医療サービスを受けられる医療提供体制の構築を進めてきました。 しかし近年、地方やへき地、また産科・小児科・外科・麻酔科といった特定の診療科での医師不足が深刻化しており、地方自治体の財政悪化もあって公立病院が縮小・閉鎖を余儀なくされるなど、いわゆる「医療難民」や「救急患者のたらい回し」といったような事件が大きな社会問題となっています。構想日本では、こうした医療崩壊とも呼ばれる現象の問題に注目し、その歴史的背景と制度的背景を分析する中で、誰もがどこに住んでいても安心して受けられる医療の再生に向けて、その道を探っていきたいと思います。まずは医療問題の現状を整理してみましょう。 【医療問題の現状整理】※詳細なデータや分析を随時更新していきます! ●医療制度の歴史・・・戦後の主な医療制度の歴史
(とおもいますよう。Skyteam先生ってば!)
医師用に5戸で3億7千万円の豪華宿舎 和歌山・新宮市
朝日新聞 2008年2月29日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200802290052.html
秋田魁新報 2008年2月29日
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080229n
県は29日、県職員として採用した医師1人を新年度から大館市立扇田病院に派遣すると発表した。4月1日から勤務する。深刻化する医師不足の解消を目指し全国から公募して採用した「県地域医療従事医師」の第1号となる。
泌尿器科の専門医で現在、関西地方の病院に勤務している中西真一医師(34)=兵庫県出身。2000年に医師免許を取得した。今後は内科一般での診療を希望しているという。県医務薬事課は「1人とはいえ採用できたのは大きい。特に深刻な県北に配置できてよかった。新年度からの医師確保の弾みにもなる」としている。
読売新聞 2008年3月1日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20080229-OYT8T00865.htm
/埼玉
読売新聞 2008年3月1日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20080229-OYT8T00843.htm
読売新聞 2008年3月1日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20080229-OYT8T00674.htm
毎日新聞 2008年2月29日
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20080229ddlk01010067000c.html
◇分野ごと数値目標
道は08年度から10年間に取り組む医療政策の方向性を示した「北海道医療計画」の原案をまとめた。がん対策として喫煙率を下げるほか、産婦人科医が不足する医療機関で助産師が妊婦の検診などに当たる「助産師外来」を現在の7院から24院に増やすなど医療分野ごとに数値目標を盛り込んだ。道は今年度中に計画を策定する方針だが、深刻化する医師不足の抜本的な解決策は見えず、28日の道議会保健福祉委員会では「具体的な方策がない」などの批判が出た。
がん対策では、禁煙外来など喫煙者に対する医療機関の支援を強化し、男性44・8%、女性12・1%の喫煙率を全国平均(男性43・3%、女性12%)以下にする。大学病院や地域の病院と共同で高度な治療を行う「がん診療連携拠点病院」は、道内を21圏域に区分した「第2次医療圏」のうち、未整備の12圏域で指定を目指す。
小児科医も96年から06年に約24%減っており、道は日高、根室など五つの第2次医療圏で未整備の「重点化病院」の選定を進める。また、へき地医療では診療所の整備費を支援し、半径4キロ以内に医療機関のない「無医地区」を111(04年)から100にする。しかし原案は、医師不足の長期的対策として、医大の定員増と地域枠の設定の促進▽地域枠入学者向け奨学金制度の創設--などを掲げるにとどまった。
28日の委員会では「医師の絶対数が不足していることへの認識が足りない」(花岡ユリ子道議、共産党)、「精神論だけでは解決しない」(高橋亨道議、民主党・道民連合)と厳しい注文が飛んだ
神奈川新聞 2008年2月29日
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiifeb0802845/
しんぶん赤旗 2008年2月29日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-02-29/2008022901_02_0.html
朝日新聞 2008年02月29日
http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000000802290008
キャリアブレイン 2008年2月29日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14771.html
北海道新聞 2008年2月29日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/78774.html
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/02/post-1341-50.html
北海道新聞 2008/02/29
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/78773.html
道は二十八日の道議会保健福祉委員会で、経営が悪化している道立八病院の改革プラン原案を示した。羽幌病院(留萌管内羽幌町)など四病院は公設民営方式を明記する一方で、紋別病院(紋別市)は公設民営と地元による広域での運営を併記した。専門医療の苫小牧病院(苫小牧市)と北見病院(北見市)は「地域で機能を確保」とし、他病院への継承も検討する。道は昨年十一月、道立病院の改革方針として、道立を維持し運営を民間委託する公設民営の「指定管理者制度」と「他病院へ機能継承」の二方式を掲げた。個別の経営方針を明らかにしたのは初めて。
紋別病院は公設民営方式に加え、地元五市町村と道による広域連合の運営も検討する。 結核専門の苫小牧病院と循環器疾患専門の北見病院は、近隣の公的病院への「機能継承」を中心に検討する。機能がすべて継承できた場合、道は病院の廃止も判断する方針。
建通ニュース 2008年2月29日
http://www.kentsu.co.jp/shizuoka/news/p01640.html
浜松市は、2008年度当初予算案に『バースセンター整備事業』として6億2500万円を計上した。全国と同様に同市でも産科医療の現状は厳しく患者の受け入れ制限や、産科医院の廃業など、産科医療体制の維持・充実は緊急の課題となっている。浜松市では、この課題に対応し、産科医療充実を図るため、助産師が中心となり、正常分娩が予想される妊婦の検診や分娩を取り扱うバースセンターを医療センター内に新設する。実施概要は、バースセンター整備、関連病棟改修、空調機器設置など。設置場所は医療センター(中区富塚町328)2号館5階(現状・リハビリテーション関連施設など)。今後のスケジュールは8月に着工、09年3月の完成、4月に運用開始予定となっている。
富山新聞 2008年3月1日
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20080301203.htm
患者による医師や看護師への暴言や暴力が全国的に深刻化する中、富山県公的病院長協議会(会長・泉良平富山市民病院長)は二十八日までに、加盟二十五病院で院内暴力に関するアンケート調査に乗り出した。個々の病院が抱える院内暴力の実態を正確に把握し、情報を共有することで、医療現場での適切な対策につなげる狙い。県内の主要病院がまとまって院内暴力の実態調査をするのは初めてで、五月にも調査結果をまとめる。
同協議会によると、県内の病院ではこれまでに、患者が女性看護師の体を触ったり、「救急の患者をどれだけ待たせるつもりだ」など診察や検査の待ち時間が長いと怒鳴るなどの事例がある。ある病院では一月、看護師が患者に体をかみつかれるケースもあった。こうした現状を受け、昨年十一月に開かれた同協議会の定例会で、会員から「院内暴力にどう対応していけばよいか」との質問が出された。協議の結果、各病院で表面化していない院内暴力も含めて実態を明らかにするため、アンケートの実施が決まった。
アンケートは、二十五病院がそれぞれの実情に合わせて作成している。富山市民病院では「暴力発生の原因は何か」「暴力の内容はどういうものか」「その後、どのような対応をしたか」などの質問項目を設け、医師、看護師、職員の計約六百人を対象に調査を進めている。同協議会では今後、三月中に二十五病院のアンケート結果を集計し、院内暴力を受けた人の割合や暴力の具体的な内容をまとめ、五月の定例会で示すことにしている。泉会長は「病気を抱えた患者は神経質になっており、院内暴力の線引きは非常に難しいが、個々の病院の状況を把握したうえで対策を検討したい」としている。
読売新聞 2008年3月1日
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20080301p401.htm
交通事故で負傷した京都市の男性(当時57歳)が搬送先の京都医療センター(京都市伏見区)で死亡したのはセンターが適切な処置を怠ったためとして、妻ら遺族3人が、センターを運営する国立病院機構(東京都)に約7600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、京都地裁であった。井戸謙一裁判長は「手術が遅れていなければ、生存できる可能性があった」として同機構に1100万円の支払いを命じた。判決によると、男性は2005年2月21日、上り坂でトラックと別の車に挟まれ、同センターに搬送された。翌日朝、外傷による心臓の異常が見つかり、手術を受けたが、10日後に死亡した。
井戸裁判長は判決で、異常が判明した約1時間後に男性がショック状態になったのに、人工呼吸などに手間取って手術開始まで約30分かかったと指摘し、「ショック状態になった際、何よりも優先して手術するべきだった」と述べた。
同センターの村田庄司事務部長は「判決内容を確認し、今後の対応を決めたい」としている。
沖縄タイムス 2008年2月29日
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200802291300_06.html
誤った診断で乳がんにかかっていない乳房を摘出され、外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、沖縄市内に住む女性(51)が医療法人中部徳洲会に約二千五百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十八日、那覇地裁沖縄支部であった。
河合芳光裁判長は「担当外科医は乳がんの確定的な診断をすべき注意義務に違反した」として、医療法人側に約四百七十七万円の支払いを命じた。外科医の過失とPTSDとの因果関係は認めなかった。女性は二〇〇三年四月に体調を崩し、中部徳洲会病院で検査した結果、右乳房に腫瘍が見つかり、乳がんの疑いがあると診断された。乳房の摘出手術を受けたが、その後の検査で良性と判明した。
判決は「問診、視・触診、超音波検査や細胞採取の結果を総合しても腫瘍の良性、悪性を確定できる状況になかったのに、乳房を摘出した」と指摘。担当医師は手術に当たってより詳しい検査をすべき義務があったとした。女性は「控訴するかどうか弁護士と相談したい」と話した。中部徳洲会病院の伊波潔院長は「判決内容をきっちり検討し、今後対応していきたい」とコメントした。
アメーバーニュース 2008年2月29日
http://news.ameba.jp/domestic/2008/02/11523.html
MouRa 2008年2月29日
http://mopix.moura.jp/?p=439
日本経済新聞 2008年2月28日
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2008022808502h1
2008年2月29日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080229-OYT1T00806.htm
世界保健機関(WHO)の尾身茂・西太平洋地域事務局長は29日、新型インフルエンザ対策の与党プロジェクトチーム(座長・川崎二郎元厚労相)の会合で講演し、新型インフル患者が、国内で発生した時は患者や感染が疑われる人を自宅待機させ、在宅医療で対応すべきだとの認識を示した。
日刊スポーツ 2008年3月1日
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080229-329449.html
長崎新聞 2008年2月29日
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20080229/04.shtml
ベトナムニュース 2008/03/01
http://viet-jo.com/news/sanmen/080228055451.html
ホーチミン市第一小児病院のダオ・チュン・ヒエウ副院長はこのほど、生後19日の新生児(女児)から800グラムの「胎児」を摘出する手術に成功したと明らかにした。この女児は正常分娩で生まれ、体重は3600グラムだった。女児の腹部内に胎児らしき塊のあることが出産前から確認されていた。
ヒエウ副院長によると、これは双生児の胚(はい)の成長に異常のあった症例で、1人の体内でもう1つの胚が成長してしまったものだという。もし発見が遅れていれば、胚がさらに成長し続け、女児の内臓を圧迫するなど危険な状態に陥る可能性があった。これまでに同様の症例が世界でおよそ100例報告されている。同病院ではこの20年間で2度目のケースだという。
http://www.kosonippon.org/project/list.php?m_category_cd=26
「誰もがどこに住んでいても安心して受けられる医療」をめざしてきた日本の医療が崩れだした
●医療問題の変遷・・・戦後の主な医療問題とその変遷
>>>医療制度・問題年表・・・医療崩壊が社会問題化するまでの歴史的背景を概括
●現状とデータ・・・現在の主な医療問題とそのデータ集
(関連目次)→ADRと第三者機関 目次 各学会の反応
(投稿:by 僻地の産科医)
平成20年2月29日
厚生労働省医政局総務課
医療安全対策室長 佐原康之
社団法人 日本産科婦人科学会
理事長 吉村 泰典
「診療行為に間違した死亡に係る
死因究明等の在り方」に関する
見解と要望
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/kenkai-youbou_kourousyou29FEB08.pdf
日本産科婦人科学会は、いわゆる“医療事故”に関わる機会の多い診療領域を担う専門医集団として、現在貴省で検討されている「診療行為に関連した死亡究明等の在り方」並びに「“診療関連死”の届け出の制度化に関しての会員の意見を本書簡にまとめましたので、内容を熟慮した上で上記制度化に反映させて頂くことを要望します。
本会は、貴省がこれまで整備の遅れていた医療事故の原因究明と再発防止のための国家的制度の構築に着手されたことを基本的に歓迎するところであります。しかしながら、平成19年11月に貴省から公表された「第二次試案」及び責任与党である自民民左党の“医療紛争処理の在り方検討会”より発表された「診療行為に係る死因究明制度等について(案)」、また“あり方検討委員会”のその後の議論には、実地医療現場の実状と、過酷な勤務環境の下で日夜誠心の診療を実践している医療提供者の心情への認識に不充分な点がみられるため、その点の理解を深めて頂くと共に、下記の要望事項を真摯にご検討下さることをお願いする次第であります。
<要望事項>
I.“医療事故調査委員会”と刑事手続きとの関係について
診療関連死原因究明のための調査委員会の設立に際しては、「“医療事故調査委員会”の報告書を刑事予続きに利用することを原則認めない。但し、故意、悪意、また.患者の利益に即さない目的で行われた医療等に起因する事故についてはこの限りでない。」の一文を委員会規定の中に成文化することを要望する。
元来、医療事故調査委員会は、当該事故の原因究明を目的とした専門的第三者機関として存在すべきであり、純医学的な解析の上に実地医療の視点からの考察を加えて事例を検証し調査するもので、事故に関わった医療提供者個人の責任を追求する任を持するものではない。にもかかわらず、調査報告書を、“重大な過失”の疑いを根拠に特定個人の刑事責任追求のための手続きに利用することが容認されれば、以下の弊害の発生することが強く懸念されるからである。
1) 刑事訴追、或いは警察の捜査の対象とされる可能性が多くの事例に生じる。
地球上のどの地域においても、現場で実施されている医療は一般に最善から掛け離れた水準にある。従って、調査されたほとんどすべての事例において、程度の差こそあれ、改善されるべき医療行為や臨床判断などが存在することは間違いなく、その点をも含めた事実経過を明らかにすることこそが目的の調査委員会は、医療の爾後の向上に資するためにもその事実を報告書に記すべきである。報告書に記載された改善すべき事項は、医療の現場で常に後悔と反省を繰り返しつつ診療に携わっている医療提供者には、特殊な例を除いて、誰にでもまた何時でも起り得る事柄と理解でき、多くの臨床医にとって自らを戒める他山の石とすべきものである。しかるに、当該医療のその改善すべき部分は、“一般に行われている医療が最善でないこと”への理解が不十分な司法関係者や、医療の受給者である一般の人達には“過失”と認識される恐れがあり、そして、至った結果が重篤な場合、最善から離れた程度に関わらず“重大な過失”と見なされることは、これまでの刑事裁判また民事裁判でしばしば経験された歴史上の事実である。
そもそも一般の人が言う“重大な過失”とは、法律用語としての定義とは異なり、“結果が重大な過失”を指すことが多い。以下に分かり易い例を挙げてこのことへの理解を得たい。ある医師又は看護師が“A”という薬剤を点滴すべき患者に誤って“B”を注入した。同疾患の別の患者には誤って“C”を注入した。“B”にはたまたま副作用が少なく、それを注入された患者には特に悪い影響は出なかったが、“C”を注入された患者には重篤な副作用が出現し患者が死亡したとする。
この時、過失そのものは同じであっても、一般に人は後者を“重大な過失”と言うのである(医療におけるヒューマンエラーの問題については後述する)。この現実があるので、刑事手続きへの利用を許容する事例の中に“重大な過失”との表現が記載されている限り、患者の死亡という重大な結果に至った調査事例の多くにその対象とされ得る可能性が存続する、と危惧されるのである。
2) 事故に関わった医療提供者が真実を語れない。
事故に繋がった自らの医療行為に対して“業務上過失致死罪”で刑事訴追される可能性があれば、関わった医療提供者は、委員会調査の段階においても、自己に不利益をもたらす事実を詳細に述べることを躊躇するだけでなく、行為の正当性を主張するであろう。黙秘権を行使する事態さえも生じかねず、これが事故原因解明の妨げとなる可能性は否定できない。事故調査委員会の調査の目的を、再発防止と医療の向上に役立てるための医学的事実の解明と限定し、刑事責任の追求から完全に切り離すことで、当事者から真実を聞き出すことが可能となるのである。
3)調査報告書の内容が不正確となる可能性が生じる。
医療は高度に専門的な業務であって、事故の原因究明にあたっても、医療内容の是非の検討では専門医が主導的立場をとることは間違いない。問題は、臨床現場を知るそれらの専門医のほとんどが、たとえ、最善でない部分があったことにより不幸な結果が齎された事実があったとしても、患者のためを思い誠実に行った医療行為
に対し、刑罰を与えることは“不当”と考えている実情がある(このことについての本会の見解は別記する)。従って、事故に関わった医療提供者をそのような理不尽な刑罰から庇護するという義勇的観点から、報告書の作成にあたって、その医療行為を“適切”と断じてしまう恐れがないとは言えない。これまでも、医事紛争において医療提供者側は、改善すべき点があっても、それが一般臨床の水準から著しく劣っていなければ、“適切”と主張してきた経緯があり、前述の如く“最善でない”が一般の人には“不適切”=“過失”と認識され得ることを意識してのことである。
そして、この様な状況が、現実にこれまで医療の進歩を著しく遅らせて来たこともまた否定し様のない事実である(医療における“適切”、“不適切”、“過失の有無”については別記に詳述する)。調査報告書が刑事訴追に利用されることが許されるならば、報告書の作成にあたり、改善すべき部分の指摘を消極的にする力が働くと予想され、上記の社会的不利益がこれからも解消されない可能性が高いと考えられる。
4)医療全般の萎縮を招くことにより医療の進歩が遅れるのみならず、医療の提供者と受給者の信頼関係を損ない社会に悪影響を及ぼす。
このことは、誠実に行われた医療に対して、至った結果を基に刑事責任を問うこと自体が持つ最も重大な社会的不利益である。調査報告書の刑事手続きへの利用の容認は、社会にこの重大な不利益を齎す危険を孕んでいると言わざるを得ない。
これまでの記述は、資格を有した医療提供者が、誠意をもって診療又はその補助を行った場合についてであるが、他方で、調査の過程であるいはその結果、当該医療事故が故意や悪意、或いは患者の利益に即さない目的で行われた医療等に起因するとの疑義が生じた場合、または証拠隠滅やカルテ改竄などの不法行為が発見された場合には異なる対処を施すことに異論はない。
(尚、事故原因調査報告書の民事紛争への利用は、調査の無駄な重複を回避し、紛争を早期に解決するために、これを許容すべきであると考える。但し、報告書には、前述の如く“最善ではない医療”が即ち“過失”ではないことへの理解を促す文面を添える必要がある。また、事故原因の調査に関して付記するならば、報告書が公開されるまでの期間にも、医療提供者側は患者の遺族との話し合いを持つことが重要で、院内の事故調査委員会は、分かる範囲で事故の概要を遺族に対し速やかに説明しなければならない。
この時、両者の間にいわゆる“メディエーター”を配置するなどの配慮も今後は必要となろう。更に、調査委員会の公式な“調査報告書”を活用することでADR(裁判外紛争処理)制度などを発展させ、民事裁判の減少と遺族への適正な補償を実現させることも重要である。)
Ⅱ.いわゆる“診療関連死”を取り扱う機関の管轄について
“事故調査委員会”を含め、“診療関連死”を取り扱う機関は法制化された国の機構として設立されるべきと考えるが、医療関係者及びそれらが組織する団体、すなわち医師・看護師等及び医学会・医師会等、医療機関及びその連合組織等、また、医療・薬事・保健行政に関わる組織等のいずれにも所属せず、医療の提供側と受給側との間で中立の機関とすることが望ましい。
上記機関は事故の原因究明を通して医療の安全と質の向上を図り、もって国民の健康に資することを最終の目的とする機関である。それ故、事故の原因解明にあたっても、関わった医療提供者の行為のみに止まらず、背景にある医療施設のシステム、医療従事
者の勤務体制、場合によっては行政府の施策の問題にまで分析の範囲を拡大する必要が生じる。従って、例えば、厚生労働省内にこの委員会を設置することは同省からの独立性を損なう恐れがあり、行政における過ちを是正することが難しくなる。医療事故への対応は、本来、医療提供者側、例えば医師会などがプロフェッショナルオートノミーに則り自己管理を行うのが理想ではあるが、それが現実に如何に困難なことかは、最近に至るまでの長きに亘り事故原因の究明と再発防止への努力が共に不充分な体制を自ら改革できずにきた我々医療界の過去から推し量ることができる。また、それを知る国民が、“医師が自ら制御する”ことに否定的な意見を持つのは、現下、やむを得ないと考える。従って、“診療関連死”を取り扱う機関は国(国民)が設置する独立した機関でなければならない。なお、委員会等の組織を構成するメンバーには、医療提供者側の代表(厚労省役人、医師、看護師など)と医療受給者側の代表(一般国民、有識者、法律司法関係者など)に、医療安全の専門家なども加えるべきである。
Ⅲ.届け出対象の明確化と医師法21 条との関連について
届出を必要とする“医療行為に関連した死亡”の範囲を明確に且つ具体的に設定し、同時に医師法21 条の異状死との区別を明瞭に成文化する。その上で届出を義務化し、違反者
及び違反施設に対する適正な罰則を制度の中で規定することを要望する。
「診療行為に関連した死亡(診療関連死)の死因究明等のあり方」が此度厚生労働省で検討の俎上に上った背景には、これまで診療関連死の原因究明や調査に関わる制度がない状況下で、医師法21 条の適応に関する法医学会の ガイドライン(1994 年)の発表、社会的話題性の高い極めて特異な数件の医療事故の発生、それに引き続き2000 年に厚生労働省が発した同法21 条に対する拡大解釈、及びそれに基づく 警察への届出の誘導、が医療現場に大きな混乱を引き起こしている実情がある。この様な状態の継続は、医療事故に関しての不必要且つ有害な警察の捜査を増加させ、医療全体に無視し得ぬ不安と診療の萎縮をもたらし、更にそれは診療を受ける患者の不利益にもつながるものである。
検討中の制度は、上記混乱を解決させるためのものでもあり、届けるべき事例の明確化とそれに合わせた医師法21 条の拡大解釈の是正を同時に行う必要がある。例えば、医療事故調査 委員会に届けるべきは“患者死亡の一義的原因が診療に関連し、当該疾病の病状に対して施行したその医療行為に関連して患者が死亡する可能性が一般的に極めて低い(例えば○%以下)事例”、警察に届けるべきは、“診療に直接関連していない異状死(犯罪や一般の事故死など)の事例”、などの明確な区別を制度規定の中に含めなければならない。“あり方検討委員会”では、現在、届け出の対象事例を“患者死亡の原因が誤った医療による、またはその疑いがある事例”の如く規定する案が検討されているが、これは個々の医療機関の判断に基づく規定で客観的とは言えない。その判断自体が容易でない場合も多く、また、制度化後の拡大解釈も懸念される。一方、よく用いられる“予期せぬ患者の死亡”も、予期するかどうかは当事者の主観によるものであって、やはり客観的とは言えない。以上のことから、本会は、例として上記の如く客観的な規定案を提言するものである。
一方、爾後の医療安全のためにも、また被害者の心情を慰藉するためにも、原因を究明すべき事例の多くが委員会に報告されないとすれば、制度自体が机上の空論になりかねず、その意味で届け出の義務化は必要と考えられる。但し、届けるべき事例を如何に客観的に明文化しようとも、紛らわしい事例が皆無とはならず、解釈の違いによる“届け出違反”もあり得ることを考慮し、それに対する罰則は適正に規定されることが望まれる。
“医療事故に対する刑事訴追”
に関しての日本産科婦人科学会の見解
日本産科婦人科学会は、資格を有する医療提供者が正当な業務の遂行として行った医療行為に対して、結果の如何を問わず、“業務上過失致死傷罪”を適応することに反対する。ここで言う“正当な業務の遂行”とは、当該疾病に関わる患者の利益を第一義の目的とした疾病の診断・治療・予防等またはそれに関連する行為を指し、医療的行為であっても、悪意や故意により患者の利益に反する結果をもたらした場合や、上記以外の目的で施行した医療行為は含まない。
我が国の刑法には“業務上過失致死傷罪”という罪が規定されており、業務上必要な注意を怠った結果、人の死亡や傷害を惹起した場合は刑罰を課せられ、現行では医療行為も対象の例外ではない。しかし、人の死や傷害に直接関わりを持つこと自体が業務である医療という極めて特殊な分野に同法を適応することには明確な不合理性と社会的不利益が存在する。以下にその根拠となる医療の特殊性を示す。
(1) 業務内容の持つ本来的リスク
医療は常に人の死に直面しつつ高度な専門的知識と技術を駆使して遂行される業務である。従って、行為が人の死に直結するリスクは他の業務と比較して著しく高い。このことを、故意でなくとも刑罰を問われ、過失犯罪の例としてしばしば取り上げられる交通事故と比較して論じてみたい。
人が死亡する様な交通事故は一般に、酒酔い運転や速度違反などの交通法規違反によるものが多く、安全のために取るべき行動は明確で、精神の緊張を保ち注意義務を守っておれば、大きな事故が発生する確率はそれ程高くない。これに対し、医療による事故は、神経を尖らせ万全の注意を払っていてもある頻度で発生するものである。それが医療の不確実性であり、実際、実地臨床では、より安全な医療のために取るべき行動自体が事後でなければ明確とならない症例も少なくない。引き続き自動車の運転を例にとるならば、医療行為はレースを行っているのと同等と言える程のリスクを本来的に含有しているのであり、この一点だけを見ても、医療に“業務上過失致死傷罪”を適応することの不適切性は明らかである。
(2) 適正診療の非普遍性と過失認定の困難性
医療事故が発生した時、当該医療領域の専門家が事後に症例の経過を検討すれば、最善でない判断や行為は必ず見付かる。しかし、それを“過失”と判断するがどうかは別問題である。例えば、悪性腫瘍の診断の遅れが患者死亡の原因となった例や手術中の他臓器損傷が死因となった例などが典型であるが、これらは担当医師の診療能力に帰すべき問題であり、過失かどうかを論議すること自体が妥当ではないと考える。
手術には様々な合併症がある頻度で発生するが、熟練した医師と経験の乏しい医師ではその発生頻度が違うのである。診断の精度に関しても同じことが言え、これが正に診療能力の差である。どの医療分野に於いても、医師は自らの能力の範囲内でしか診療することはできず、その意味では一般に行われている診療の多くは最善でないと言え、そして、もし、問題とされる診断や治療が“適切”か“不適切”かの判断基準を現行の医療水準、すなわち“平均的な診療能力”に置くならば、当然の事ながら、半分の医療行為は“不適切”と判断されることになる。適正な医療とは、同一疾患であっても個々の症例により違うことは言うに及ばず、担当医師の診療能力や医療を実施する場の環境などによっても異なるもので、普遍的に論ずることは不可能である。
この様に我々は、日常的に最善でない医療を行いながら、たまたま不運な条件が重なった事例に遭遇すれば大きな事故に結びつくと言う特殊なリスクを抱えて業務を行っているのであり、改善すべき診療部分が多くの事例で存在する事実を考えれば、それを過失として咎められ刑罰を受けることの不条理は明確で、このことは一般の方々に是非理解して頂かなければならない。勿論、専門職に就く身として、能力不足に対して相応の教育的処遇を受けることを拒むものではない。
(3)応招義務と善意の行為
医師には、「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合は、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と言ういわゆる応招義務が課せられている。これも、他の業務と著しく異なる点で、リスクの高い患者であっても診療を拒否することはできないのである。患者の病状が自らの診療能力を超えていることが当初より分かれば、それは診療を拒否する正当な理由になるが、診療を始めてみなければ分らない場合も多く、実際、その判断を当該医師が行うのは難しい。診療を拒否しても医師法違反に問われ、一方でその診療の結果に対して刑罰を課せられるのは明らかに過酷すぎる法規である。
しかし、医師はこの義務に従い診療している訳ではない。一部の例外的な不適格者を除いて、医師は慈悲と善意の精神で、また使命感を持って、病に苦しむ患者の診療を行っているのである。それが故に、譬え一連の診療の過程に至らない箇所があったとしても、結果が不幸な事態となったことで刑事責任を問われるのは許容し難い心情的苦痛を産み出す。起訴に至らない事例でも、警察の取り調べでは、事故に関わった医師や看護師は、患者のためにと思って行った行為を犯罪行為として追及され、他の犯罪者と類似の取り扱いを受ける。この様な処遇は、病を治し人の命を救うことを志し、また病人への献身的な看護を志し、その職業を天職として選択した者達の心根を踏み躙るだけで、医療の向上に益するところは何もない。
医療事故の被害者やその家族の悲しみと苦しみは決して軽視してはならないが、家族の心情を慰藉するために関係した医療従事者に刑罰を与えようとするのは誤った考え方である。事故に関わった医療従事者も大きな悲しみと苦しみを抱えていることを忘れてはならない。患者や家族と利益及び感情を共有し、そのために力を尽くした医師や看護師に刑罰を与えることは善意の行為を後退させるのみならず、善意の対象である患者と医療従事者との関係をも崩壊させる愚行であることは、火を見るよりも明らかである。
(4) 刑法の目的との齟齬
刑法の最終目的は「犯罪を防止することによって社会秩序の安定を図る」ことである。刑法の成書には、「刑罰は本質的に悪に対する応報であり、受刑者にとっては多大な苦痛及び屈辱であることに間違いはない。それ故、刑罰を与えるには苦痛を受けても仕方がないというだけの根拠が必要であり、刑法が犯罪として取り上げるべきものは、反社会的行為のうち社会秩序の維持のために放置できない程度の有害な行為で、しかも、刑罰によらなければ防止できない性質のものでなければならない。」とある。この刑法の目的に照らしても、医療事故に対する刑事訴追の不当性は明らかである。
能力不足が原因の医療事故への対処として医療提供者に刑罰を与えることは、以後の類似事故の防止に繋がらないだけではなく、医師や看護師の使命感の喪失と意欲の減退を招き、それが医療の進歩を遅延させることは社会が既に経験して来た事実である。その歴史上の経験を生かし、先進諸外国では法制、或いはその運用によって医療提供者を刑罰から庇護しているのである。再発防止のために最も大切なことは事故の原因を解明して防止策を案出し、それを当該領域の医療界に広く周知することである。と共に、事故の当事者には診療能力を高めるための教育と訓練を施すことが重要で、それに向けての制度整備こそが医療の質を向上させ、延いては社会と国民に利益を齎す最良の方策であろう。
一方、人は誰もミスを犯すもので、医療においてもミスは存在する。むしろ、業務が専門的且つ複雑であるが故にミスが発生する頻度は他の業務より高いと考えなければならない。例えば、1000 床程の病床を有する病院で は、医師または看護師によるいわゆる“投薬ミス”は月に100 件を超え、そのミスを犯すのは特定の者に限らないことが報告されている。すなわち、頻度の差こそあれ、現状の勤務環境下では誰もがミスを犯し得る可能性を否定できないのである。ここで重要なことは、単純ミスとは言えども背後要因が存在することで、過重労働による疲労、勤務体制の不備、ミスを防止或いはカバーするシステムの欠如などが背景にあり、医療従事者の教育に加えてそれらの改善がなければ“ミス”による事故が減少しないことはこれまでの分析からも指摘されている。また、単純ミスが重大な結果を招来するこの分野にこそ、高度のエラー防御システムの導入が必要で、個人が刑事責任を問われた過去の事例に於いても、システムエラーの要素が無視できないと言及されている。
この様に、ヒューマンエラーを起こした個人に刑罰を課してもミスは減らないのが現実であり、その刑罰の意味は“被害者感情に配慮した応報”以外に求めることができない。遺族の感情を軽視してはならないことは既に述べた通りであるが、そのために医療提供者に刑罰を課すことは、より大きな負の作用を社会に与えることも事実である。
以上、日本産科婦人科学会は、社会正義と国民の利益の視点から、医療事故に際しての医療提供者に対する刑事責任の追求に強く反対するものであり、そのための法制上の対処を要望する。尚、誤解を避けるために、悪意、故意、また、患者の利益に即さない目的で行われた医療等による事故、及び証拠隠滅、カルテ改竄などの不法行為に対しては上記の限りでないことをここに再記載する。
(関連目次)→本日のニュース・おすすめブログ..。*♡ 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
今日はうるう年ですね!
今日誕生日のお子様が、すでに生まれましたo(^-^)o..。*♡
4年に1回のお誕生日になります。
産科崩壊 「分娩時のトラブルで脳性麻痺になるのは2割以下という医学的知見」を無視した偏向報道 ニュースアンカー “訴訟リスク”軽減?新しい補償制度医療崩壊への切り札か@関テレ 2/26 18:30過ぎ
天漢日乗 2008-02-26
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/02/2_226_1830_880f.html
小高病院の小児科、新年度から休診が確実に
福島放送 2008年2月28日
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=200802288
南相馬市の市立小高病院の小児科が、新年度から休診することがほぼ確実となった。病院で1人だけの小児科常勤医が今年度限りで退職するが、現段階で後任のめどが立っていない。同病院ではこのほか、内科医1人が今年度で定年退職する予定で、内科医は現在の3人から2人に減る。
新研修制度の影響 県立延岡病院医師3人退職意向
宮崎日日新聞 2008年2月28日
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=5906&catid=74
延岡市の県立延岡病院(楠元志都生院長)の循環器科医師5人のうち3人が、4月以降に相次いで退職する意向を同病院に示していることが分かった。心臓疾患のカテーテル手術など高度な循環器医療を担う県北唯一の病院ながら、3人全員の補充は難しい状況。背景には、新医師臨床研修制度による派遣元の大学病院医局の医師不足がある。医療の地域間格差は、県北の中核都市でも厳しさを増している。
同病院事務局によると、循環器科医師5人のうち4人は熊本大からの派遣医。このうち2人が大学側の意向により退職を申し出た。残る1人は自治医大出身者で、公的医療機関に勤務する義務年限終了が退職の理由。病院側は医師の慰留に努める一方、宮崎、鹿児島大の大学病院医局にも派遣を要請。しかし、同制度の導入で大学側も医師が不足しており、全員の補充は困難な状況だ。
飛び込み出産が倍増/相模原市
神奈川新聞 2008年2月29日
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiifeb0802810/
県周産期医療情報システム「静岡県と連携調整へ」/愛知
読売新聞 2008年2月29日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20080228-OYT8T00584.htm
県は28日、未熟児出産などのハイリスク出産に対応する専門医療機関を紹介する「県周産期医療情報システム」について、隣接する静岡県にシステムの連携を呼び掛ける考えを明らかにした。同日の県議会一般質問で、五十里明健康担当局長が「静岡県西部への搬送事例もあり、必要に応じてシステムが連携できるよう、静岡県と調整したい」と述べた。
同システムは1998年から運用され、県内の周産期母子医療センターや大学病院など17病院が参加し、新生児集中治療室(NICU)の空き状況などを知ることができる。豊橋市消防本部の調査では、2006年の1年間に同市内から静岡県内の病院に妊婦3人が搬送されている。また、システムに参加する17病院が岐阜、三重、静岡など県外から妊婦を受け入れた件数は05年度で33件、06年度は46件に上っており、逆に県外の医療機関に搬送した事例も05年度は5件、06年度は1件あった。
開西、協立が輪番に 整形外科の市内二次救急
十勝毎日新聞 2008年2月28日
http://www.tokachi.co.jp/WEBNEWS/080228.html
帯広第一病院(富永剛院長)と帯広協会病院(深井隆夫院長)の整形外科が3月末で休診することに伴う市内二次救急の輪番病院について、開西病院(細川吉博院長)と協立病院(佐藤幸宏院長)は28日までに、輪番に加わることで帯広市と最終合意した。
帯広第一病院は整形外科の常勤医2人、帯広協会病院も同1人がいずれも3月末で退職し、4月から同科が休診となる。両病院は二次救急の輪番を担っているが、休診決定に伴い新年度からの整形外科分野の救急体制を維持することが難しくなり、市は開西、協立の両病院に協力を呼び掛けていた。合意によると、開西、協立の両病院は平日の午後5時から同9時までの整形分野の輪番を担う。同9時から翌日午前9時までと、土・日曜の受け入れは帯広厚生病院が担当する。
救急搬送時、患者情報を病院に送信 吹田市で来月下旬にも実用化
MSN産経ニュース 2008年2月29日
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080229/bdy0802290001000-n1.htm
県立6病院を独法化へ
神奈川新聞 2008年2月29日
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiifeb0802782/
社会保障関係予算、「2200億円削減」難しい段階‐福田首相が認識を示す
薬事日報 2008年2月29日
http://www.yakuji.co.jp/entry5925.html
衆議院予算委員会は26日、社会保障問題に関する集中審議を行い、その中で社会保障関係予算の2200億円の削減問題が取り上げられた。今日の医療現場の疲弊を改善するためにも、毎年の2200億円削減は止めるべきとの質問に対し福田康夫首相は、「社会保障の質を下げることになり、自ずと限界はある。きめ細かい点検は必要だが、なかなか難しい段階に来ている」との認識を表明した。社会保障制度のための財源として「消費税は適当」としたものの、あくまでも今後の税制改革の検討課題だとし、社会保障の財政・財源のあり方を含め社会保障国民会議で議論したいとの意向を示した。 前原誠司議員(民主党)、糸川正晃議員(国民新党)らの質問に答えたもの。療養病床の見直しによる患者追い出しの恐れや、小児、救急医療現場での疲弊の背景には、社会保障関連予算の2200億円削減があると指摘。前原議員は、医療を立て直すには2200億円のキャップを外して、あるべき医療制度を考え、その上で財源問題を考えるべきと質した。
福田首相は、高齢化に伴い社会保障費も増えるため「歳入・歳出一体改革の対象にせざるを得なかった。しかし、これをずっと続けるのはなかなか難しいと思う。社会保障の質を下げることになり、自ずと限界はある。きめ細かい点検は必要で、もし切り過ぎなら増やす方向に、削減できるところがあるなら削っていく努力は必要だが、なかなか難しい段階に来ているという認識は持っている」と答弁した。
糸川議員の質問への答弁に立った大田弘子経済財政担当相は、歳入・歳出改革を継続する必要性を指摘しつつ、「医療の本来の機能を損なってまで、財政を健全化するものではもちろんないので、一律に削減するとか、金額の規模だけにこだわった改革をすることはあってはならない」と、今後に含みをもたせた。
ただ、薬の過剰投与の改善や電子化の促進など、医療分野は効率化できる余地があるとも指摘し、効率化と共に「メリハリをつけて努力していくことが必要だと考える」と答えた。その上で、「それでもなお賄いきれない費用は、負担増を国民の選択で検討しなければならない」と述べた。舛添要一厚生労働相は、改めて健保組合などによる政管健保の国庫負担削減分の肩代わりなど、2200億円の削減を無理して捻出したとして「(削減は)本当に限界に達している。消費税の増税を含め国民的議論が必要だ」と指摘した。
その消費税の取り扱いについて福田首相は、「社会保障制度を持続可能な形で維持していくため、安定した財源、あらゆる世代が分かち合うということを考えると、消費税は適当な財源なのかなと思う」と述べる一方で、「消費税を含め税制改革を考える中で検討すべき課題であって、今、何か特定しているわけではない」と、あくまでも今後の検討課題であることを強調した。
「女医バンク」就業件数53件に
キャリアブレイン 2008年2月28日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14752.html
救急搬送10回以上拒否7件 県、昨年まとめ 最大15回断られた例も
読売新聞 2008年2月29日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20080228-OYT8T00780.htm
産科補償制度、「助かるのは一部」
キャリアブレイン 2008年2月28日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14750.html
「この制度ができても産科医療は楽にならないだろう」――。厚生労働省が2008年度中に新設する「産科医療の無過失補償制度」に産科医が疑問を唱えた。医療事故で子どもを亡くした遺族らが「補償される範囲が狭すぎる」と批判しているだけでなく、現場の医師も「この制度で助かるのは、ほんの一部だろう」と指摘している。患者と産科医の双方にとって望ましい制度になるまで、道のりはまだ遠いようだ。
【関連記事】
産科の補償制度、骨格まとまる
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14169.html
産科医療の無過失補償制度は、出産時の医療事故で子どもが脳性麻痺(まひ)になった場合、医師らの過失を裁判で立証しなくても補償される制度で、産科の訴訟リスクを減らして産科医不足の解消につなげるのが狙い。しかし、現在の仕組みのままでは医事紛争の減少や産科医不足の解消に有効ではないという声が少なくない。 日本の医療を長期的な視点で話し合う厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン」会議(2月25日開催)で、国立病院機構理事長の矢崎義雄氏が産科医に質問した。
「現在、産科医療の負担を減らす制度が検討されているが、実際に負担が減ると感じているか。この制度が(産科医不足の解消に)有効で、産科医療が活性化されるだろうか」
これに対して、東京都立府中病院・産婦人科部長の桑江千鶴子氏は、▽補償金額が低いこと、▽補償される範囲が限定されていること――を理由に否定した。
「この制度に向けて多くの先生方が努力していることは承知しているので大変申し上げにくいが、『この制度ができても産科医療は楽にならないだろう』というのが現場の感覚だ。補償額が2,500万円から3,000万円程度と聞いているが、この金額でどれだけ救済できるのか難しい」
桑江氏はこのように述べ、約1億6,000万円の賠償金の支払いを命じた判決があることを指摘した。また、補償の範囲が出生体重や在胎週数などで限定されていることを問題視した。
「医療事故による脳性麻痺の発生率は低い。本当に深刻な脳性麻痺は、事故もなく正常に産まれたが3か月たっても首がすわらないようなケースで、これが救済の対象にならないのが心配。超早産も蚊帳の外に置かれる。この制度で助かるのは、ほんの一部だろう」
■ 厚労省の関連組織が運営
産科医療の無過失補償制度は、自民党の政務調査会が06年11月29日にまとめた枠組みに基づき、厚労省が財団法人・日本医療機能評価機構(坪井栄孝理事長)に委託して検討を進め、今年1月に最終的な報告書がまとまった。
報告書によると、補償の対象は出産時の医療事故で何らかの障がいが残ったすべての乳幼児ではなく脳性麻痺児に限定されている。しかも、「出生時2,000グラム以上で、かつ在胎週数33週以上で脳性麻痺となった場合」のうち、重症度が「身体障害者等級の1級および2級」となっている。さらに、先天性の脳性麻痺などは医療事故ではないため補償されない。
このため、制度創設に向けて昨年2月から12回にわたって開かれた「産科医療補償制度運営準備委員会」では、陣痛促進剤の事故で長女を亡くした委員が補償の範囲などに繰り返し反対していた。
しかし、補償金の財源不足などを理由に「まず制度をつくるべき」「走りながら考えればいい」との意見も多く、やや強引な取りまとめをしたという経緯がある。
委員会のメンバーは21人で、委員長に近藤純五郎氏(近藤社会保障法律事務所)、委員長代理を河北博文氏(日本医療機能評価機構理事)が担当した。残る19人の構成は、病院団体(2人)、日本医師会(2人)、法律家(3人)、民間保険会社(2人)、関連学会(3人)、大学教授(2人)、評論家などで、患者団体の代表は1人だった。
会議の運営事務は厚労省の関係組織である日本医療機能評価機構が担当した。同機構が無過失補償制度の運営を担当する予定になっている。
制度の枠組みを決める審議の過程を振り返ると、患者と産科医の双方にとって望ましい制度を目指したものか疑問が残る。「厚労省の天下り組織が潤うだけ」と皮肉る声もあり、新制度の行方が注目される。
水口市民病院、診療所に 4月から甲賀市 「医師確保できず」
京都新聞 2008年2月28日
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008022700169&genre=A2&area=S00
「医師確保努力に限界」西北五5団体が県に協力要請
陸奥新報 2008年2圧28日
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2008/02/1033.html
手厚い配置の病院ほど低下 新人看護師の離職率
中日新聞 2008年2月28日
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008022801000815.html
新潟中央病院に損害賠償命令
新潟日報 2008年2月28日
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=108494
新潟市の新潟中央病院で椎間板(ついかんばん)ヘルニアの手術を受けた際、両足に後遺症が出たのは医師の過失だとして、同市の50代の男性が、同病院を運営する医療法人仁愛会に対し、約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、新潟地裁であった。山崎まさよ裁判長は、病院側に約8450万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
山崎裁判長は判決で、手術後に発症した男性の両足のまひや知覚障害を手術ミスによるものとした上で「手術は粗雑で、慎重さに欠けていた」と指摘した。患部は再手術の場所で、一層の注意が必要だったのに怠ったとして、医師の注意義務違反を認定した。判決などによると、男性は2004年6月、同病院でヘルニアの手術を受けたが、医師が患部周辺の神経を傷つけ、手術翌日から両足がまひ、知覚障害も生じるようになった。
同病院は「弁護士と協議をして控訴するかしないかなど今後の対応を検討したい」としている。
沖縄タイムス 保証人が院長解任要求 北部地区医師会病院
琉球新報 2008年2月29日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-31762-storytopic-1.html
「安易な受診自粛して」 チラシ全戸配布 刈田総合病院
河北新報 2008年2月29日
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/02/20080229t11036.htm
「4月以降は医師が減少する非常事態になる」として、宮城県白石市の公立刈田総合病院を運営する白石市外2町組合(管理者・風間康静白石市長)が、かかりつけ医の利用促進、夜間救急の安易な利用自粛を呼び掛けている。病院の現状や診療方針に関するチラシを作製。28日、組合を構成する市と蔵王、七ケ宿両町の全戸に配布を始めた。過度な負担による医師の退職や医療事故を防ぎ、重症患者を診療する2次医療機関としての機能を維持することが狙いで、医師の強い要望を踏まえた。チラシはA4判で、タイトルは「地域医療を守るために(お願い)」。全国的な医師不足を踏まえ「当院でも昨年4月に38人いた常勤医が、今春には25人前後に減少する見込み」などと具体的に報告した。
その上で「利用に係るお願い」として(1)まずかかりつけ医へ(2)入院や手術を要する重症患者の対応を優先する(3)救急を除き紹介状持参者を優先する(4)新患受け付けは小児科などを除き午前のみ(5)休日は当番医を勧める場合がある―と記した。夜間救急外来は「夜間の一般外来ではない」と理解を求めた。病院によると、今月1日現在の医師は研修医を含め32人。このうち6人が研修修了や開業などで3月末までに病院を去る。ほかに4人が流動的といい、最大で計10人が減る可能性がある。
チラシは管理者の市長、副管理者の蔵王、七ケ宿両町長、院長職務代理、白石市医師会長、副会長名で出された。それぞれの自治体の広報3月号と一緒に配布される。風間市長は「病院に来ないでと言っているわけではない。ただし医師が減るのは事実。刈田病院の機能を維持するため、住民にも協力をいただきたい」と話している。
原則として紹介状持参者を診察している、みやぎ県南中核病院(大河原町)の外来患者は、1日平均350―400人。これに対し、刈田病院は650人。ある医師は「診察を断るのも本当はしのびない。しかし4月以降も現在と同じ診療を続けることはできない。現状を早く知ってほしい」と訴えた。
大阪で研修医確保へ 県が3月、関西で初の説明会
岩手日報 2008年2月29日
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080228_8
梅毒検査など2200検体、製薬会社などに流出…旭川医大
読売新聞 2008年2月28日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080228-OYT8T00340.htm
タミフル耐性インフルエンザ、横浜で集団感染
読売新聞 2008年2月29日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080228-OYT8T00343.htm
女子医学生が半数に達した米国 研修医の育児休暇を認める方向に
Medical Tribune 2008年2月28日(VOL.41 NO.9) p.76
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=0&order=1&page=0&id=M4109761&year=2008
〔ニューヨーク〕ミシガン大学(ミシガン州アナーバー)放射線腫瘍学のReshma Jagsi助教授らは,研修医が妊娠した際に直面する問題について考察し,展望を述べた論文を New England Journal of Medicine(NEJM,2007; 357: 1889-1891)に発表した。
個人の生活との両立困難に
有能な医師であるべきという要求は,時に医師が個人生活を維持することを困難にする。しかし,個々の医師が充実した個人生活を送っていなければ,来る日も来る日も疾患で取り乱した患者を治療する職責に伴う困難な問題やストレスに耐えることができるだろうか。
すべての医師には,完全な医師であるとともに,もう一方で満足できる個人生活を送るべきだという 2 つの局面があるが,こうした問題は医学生が妊娠するという状況において如実に現れる。
多くの女性が医師になるための研修を受けるようになった現在,この問題は拡大し続けている。妊娠した女医の卵は,レジデント研修や他のプログラムを休む必要があるだろうか。大学の学年サイクルに従い計画されているプログラムそのものが,この状況にどのように対処できるのだろうか。例えば,妊娠した研修医が 3 か月の出産休暇を与えられ,次の学年開始後にそのプログラムに戻る場合,それに伴う追加費用の負担を医科大学に期待すべきだろうか。
また,新生児のために休暇を取りたい男性研修医についてはどうだろうか。さらに,母親と父親の双方が研修医で,出産前後に休暇を取りたいと希望する場合はどうだろうか。
研修中の出産には障壁が
米国の医科大学では現在,全医学生の半数を女性が占めている。また,多くの医療専門分野における研修がまだ30歳代の医師を対象に実施されていることから,Jagsi助教授らは「この問題は以前にも増して急を要している」と指摘している。
同助教授らは,今回の論文で,ヒトの性質に関する単純な観察に基づいて推論を展開。「研修医が出産を遅らせる,または乳児とともに貴重な時期を過ごすのを差し控えることを期待するのは,非現実的であり不適切だ」と述べている。同助教授らはこのような解決を必要とする問題についていくつかの示唆をしている。
米国では,過去20年間に多くの国内の医科大学と種々の医師組織が,家族休暇方針(家族の介護などのために無給で休暇を取る権利を認めるという方針)を進めてきたが,米国はこの分野で最も寛大な国とは言えない。
しかし,同助教授らは「ほとんどの教育研究病院は現在,育児休暇(しばしば有給)を与えることを明確に示しており,連邦政府や米国専門医評議会(ABMS)を構成する専門医組織は関連の規則を制定してきた」と述べている(詳細は NEJM の記事参照)。
こうした家族休暇方針があるにもかかわらず,複数の問題が残されている。子供がいる研修医の個人的ニーズや教育ニーズは,しばしば同僚の期待,所属病院における労働力のニーズ,専門医組織の要件と卒後医学教育認定組織の要件と衝突する。
米国ではこれらの問題に直面しながらも,研修中に出産する女医がますます増えている。1950年に研修中に出産した女医は24%にすぎなかったが,89年までにこの比率は42%に達した。しかし,出産休暇として許容される期間が拡大したものの,医師である母親の出産休暇期間についての満足度は低下したことが複数の調査で明らかになった。
一方,新婚夫婦は共働きする傾向にあり,同助教授らは「配偶者が仕事を持っている研修医が増えていることから,研修中の育児が以前より困難になっているとも考えられる」と述べている。
最近の複数の研究から,レジデント期間中に妊娠を考えている女性研修医は,特定の障壁として,(1)教職員や他のレジデントからの支援がない(2)キャリアとの関連で最適な時期の出産が困難である(3)保育を受けるのが困難である―ことを認識していることが立証された。
積極的な方策と厳しい制限
積極的な方策も実施されている。米国卒後医学教育認定評議会(ACGME)は現在,卒後教育を提供する機関は,全研修医に育児休暇に関する方針を詳細に説明する印刷物を配布するよう求めている。同時に,他の多くの国々の法律ほど寛大ではないものの,米国の社会全体での家族休暇政策も進んできている。
米連邦政府は1993年,全米において従業員数が50人を超える全企業と機関は,1 年以上勤続した従業員に対して,(1)出産と新生児の育児(2)小児の養子縁組み(3)里子の受け入れ(4)重度疾患の肉親の介護(5)従業員自身に影響を及ぼしている重度な健康状態の治療―のいずれかに12か月の期間中に12稼動週までの無給休暇を承認しなければならないと規定する法律を制定した。
しかし,この連邦政府の政策は,医学研修に進歩と困難を同時にもたらしている,とJagsi助教授らは指摘している。その原因は,医学研修に必要とされる時間の長さと質にある。例えば,12週年次休暇を 1 回以上取得する研修医は,独立した医師として機能するのに必要な能力を備えることができない可能性がある。
さらに,研修医の労働・研修の義務時間に最近課せられた制限のため,研修医が研修プログラムに出席できなかった時間を十分に埋め合わせることがほとんど不可能となっている。
また最近,ABMSメンバーである一部の専門医組織が,研修医が研修から離れた時間の埋め合わせを命じられる前に取得する可能性のある休暇に対して,さらに厳しい制限を規定した。その他の背景としては,長年存在してきた妊娠休暇期間に関する規定がより厳格に履行されるようになったことである。
休暇による研修の延長にも差
これらの施策が意味するところは,レジデント研修やフェローシップが時には卒業予定日を超えて延長されようとしていることである。Jagsi助教授らは「専門医組織間で方針に大きな差が認められるものの,一定の月数の実働研修の完了を保証する傾向がある」と報告している。また,「数か月間の研修の延長であっても,研修医とプログラムの双方に実質的な困難を引き起こすと考えられることから,これらの厳格な規則は問題である」と説明し,「ほとんどのプログラムが大学の学年サイクルに従っていることから,ある段階の研修を短期間延長することにより,上級の研修への進歩をさらに長期間妨げる可能性がある。また研修期間の延長は,年 1 回または 2 回しか実施されない専門医認定試験の受験可能な期間を遅らせることも考えられる」と付け加えている。
研修期間の延長は,プログラムに関する問題をも生み出す。例えば, ACGMEがプログラムの対象レジデントの最大数を規定し,レジデントはいずれの時期にプログラムに参加してもよいことになっている。もし研修医が育児休暇から異なった時期にプログラムに戻ってきたとしたら,不注意にもプログラムに参加するレジデント数が限界を超えることになる。もう 1 つの例としては,休暇中に研修医に給与が支払われたなら,追加的な支出が発生する。
それにもかかわらず,レジデント研修に制限を加える規定には理にかなっている点が多数ある。こうした規則はレジデントが完全なカリキュラムと安全かつ効果的な診療を行うのに必要と思われる研修期間を手にすることを保証しようとするものである。
さらに,そのような規定は他の研修医が抱く公正さに関する懸念を取り払うものでもある。すなわち,一部の研修医が,親であるからといって,気付かないうちに他の研修医より実施過程が少なくなることはない。概して,このような規定はプログラムや治療送達システムに関する安定性を促進し,将来的に研修医が患者に行う医療の質の保証を助けるものである。
職場からの支援などの解決法も
Jagsi助教授らは,育児と仕事を両立させようと努力している研修医に適切な解決法を提供する手助けとなると思われる複数のポイントを指摘している。これには,(1)職場での保育やその他の支援が利用できる対象を広げる(2)パートタイム研修の選択肢を増やす―などが含まれる。
さらに,同助教授らは,専門医組織の間で認められる要件の不一致を指摘。例えば,放射線専門医認定委員会は 8 週間の育児休暇を認めており,研修医がこの時間を埋め合わせるのを免除している。一方,米国家庭医認定委員会の方針では(バカンスの代わりに育児休暇を取った場合を除いて)育児休暇の取得はすべて,卒業を遅らせることになる。
そのほか,いくつかの病院では現在でも有給育児休暇よりはるかに多くの有給出産休暇を認めている。
(関連目次)→ADRと第三者機関 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
今度は、またまた海堂先生の座談会から(>▽<)!!!
この前の講演会の記事をみて、ジャミックジャーナルの編集部から送ってきてくださったんです!
きゃーんっ!ありがとう存じます!!!
アツく語る海堂先生をどうぞ!
病理学会も前向きに頑張っていますけれど、
三上さまからのコメント、
「全国で開始されれば瞬時に日本の病理業界はパンクすると思います。
具体的に最初に起こる影響は、院内&検査会社委託病理診断標本の
診断所要日数が極端に伸びることではないでしょうか。」
はまた現実であろうと思われます。。。。
では、どうぞ ..。*♡ (JAMIC JOURNAL 2006 vol.26 No.10 p10-20) 海堂 私は消化器外科で8年。それから病理に変わりました。本当は外科に戻るつもりだったのに、研究をして顕微鏡をのぞいているうちに外科に戻れない身体になってしまいました(笑)。 岩岡 バチスタ手術は見たことがないのですが、本書では執刀医の義理の弟が病理医で、術中にその場で見て変性しているかどうか判断しますが、このようなことは優秀な病理医ならできるのですか? >海堂 難しいでしょうね。そのあたりは完全にフィクションです。 長谷川 現実には外科医が触ったりした感触で範囲を決めています。バチスタ自体は今はやられていません。今もやられているのは心筋線維を残すやり方で、名前も変わっています。 海堂 そもそも、殺人トリックが術中に入れられたときに誰も検出できないのではないかと、手術場のミステリーを思いつき、手術材料として何を選ぼうかと探しました。トリックを思いついて、殺人現場、場面ができて、外科医と無関係の医師が調査するというのが思い浮かんで、そこでオペが嫌いな神経内科医の田口という設定を思いつき、するするといったというわけです。本当なら、田口が犯行現場から真相究明までいくはずだったのに、だめでした。本人が投げちゃったのです。 長谷川 前半で、手術現場関係者それぞれにインタビサーー・していきますね。看護師の大友は、インタビューの最中に泣き出します。医療の現場の人間は、一生懸命やっているがゆえにほかの人から見たらささいなことを非常に重く受けとめ、縛られています。そこで起こった事件について、自分は何も悪くないのに自分を責めます。事故調査におけるやりとりが現実とダブって、よけいに胸打たれました。本書では犯非にからむ問題ですが、医療現場の事故は基本的には悪意のないところで成立している有害事象です。あえて面と向かって話を聞くと、責められていると誰でも思うものです。しかも本人の仕事に関するいろいろな問題で、根堀葉掘り聞くのは難しいことです。 海堂 まさしくそのせいで手術関係者と分解せざるをえなかったのです。真相を導き出すにはゲバルテイッヒなエリアが必要になってきます。同僚である人や事情をわかっている人がやったらそこまでいけません。どうしても物語が止まってしまいます。現実のなかではもっと止まるのではないでしょうか。 岩岡 私自身も、日常で経験していることです。医療事故の調査委員会の内部調査で、払が委員長として、関係者にインタビューしても限界がありますね。 死亡時画像診断が必要 岩岡 内部調査でうまくいかないと外部調査委員を入れることになりますが、外部の弁護士はどういう人を入れるのか、報酬の問題、日程の調整など、実際にはとても大変です,本書では、白鳥は厚生労働省審議官という設定ですね。本年から、日本内科学会が事務局になって、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」が始まりましたが、医療関連死をどのように調査・分析していくかは、現在の最も重要なテーマです。本書を書いていらしたとき、医療関連死の今後の方向性について念頭にあったのでしょうか?・ 海堂 関連死調査モデルケースが立ち上がったとき、病理学会も巻き込まれて外科学会、内科学会、病理学会、法医学会で共同声明を出しました。私は、A・Iをベースにしなければ、こうしたシステムの構築は難しいだろうと感じました。なぜなら、解剖は低下傾向が著しく、剖検率は4%以下です。ですからAIで欠けた部分を補っていくしかないのです。現在の枠組みは建物をつくる方向ばかりに動いています。建物があっても、中身にあたる客観的医学情報が乏しければ、実際問題が起きたときにはあまり役に立ちません。おそらくこの試みは厳しいのではないかと思っています。同時に内部調査をベースにすると、おのずと限界があると思います。つまり、システムの設計段階で無理があるのです。 岩岡 予期せぬ突然の死亡があった場合、家族の納得がいかないときは、当院では、すべて異状死として警察に届けています。異状死として警察に届けますと、警察が事件の可能性があると判断すれば、大学の法医学教室で司法解剖を行いますが、解剖の結果については、病院には直接連絡はきません。 海堂 先生がおっしゃる通り、司法解剖を動かすのは警察の関与があってからですから、そこは厳密な意味では、もはや医療ではありませんね。 長谷川 警察に報告し刑事事件で捜査をすると調査内容は捜査上の秘密として警察で囲い込んでしまいます。医療事故の問題は明らかにそれとは次元が違います。すべての医療関連死亡を医師法21条(「医師は、死体又は妊娠4ヵ月以上の死産児を検案して異常があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」)の問題で届ける方向の圧力を感じますが、そうすべきではないと考えます。病院側が社会の状況に負けて、従来なら届けなかったようなことをすべて届けてしまうということは、専門職としての医師自身がネガティブな方向に動いていることの証左で、非常によくないことです。その根源は、今までわれわれ医療者が、亡くなった後、きちんと死因を明らかにしてこなかったことです。臨床医、病理医、法医の共同責任です。そこをおざなりにしてきたところで、社会状況が変わってその圧力にさらされて、いびつな形になっているのが現状です。声明を出すのであれば、その後のことをもっとしっかりやる必要があったのに、腰が砕けてしまいました。 結局、厚労省が1億円かけてモデル事業をつくったという形になっていますが、現実としては10何例やって、しかも1例だけ報告書がオープンになって、術中の大量出血は術者が悪いといっただけの話で終わり、現場の人間にプラスになるものはない状況です。本書がタイムリーであるのは、従来の制度に依存するより、新しい技術を利用して、新たにやれるものでパラダイムを変えていく可能性を示していることです。私がA・Iに大きく期待しているところです。もう一つ、剖検率の低下は、日本人のシンパシーとしての家族にメスを入れるのはしのびない気持ちが根強いということがあります。 海堂 剖検率の低下は世界的傾向です。当然国が費用拠出を怠ってきた、ということがこうした傾向に拍車をかけています。病理学会は長年、剖検の費用拠出を悲願に掲げてきましたが、厚生労働省をはじめとする関係組織の反応は鈍く、長い問、なおざりにされ続けてきました。金も出さないということは社会的なシステムとして認知していないということに等しいのです。解剖などの死亡時医学検索は本人のために行われるものではありません。社会のために行われるので、当然、国費で負担すべきです。その辺りの議論をごまかして小手先でやろうとしても、おそらく解決は無理でしょう。 長谷川 病理にいたのでわかりますが、本当に根深いですね。ボランティア精神でやっているのが現状ですね。 海堂 ところがボランティアでいつまでもできるほど社会がまろやかではなくなってきました。厳しい社会になりましたので、それに対応するには、それなりのコスト負担が必要です。 岩岡 「オートプシー・イメージング学会」という学会も、すでにあるようですが、AIは、日本でどれくらいの病院でやられていますか? 海堂 救急学会の先生方が今春の病理学会特別講演で発表されていましたが、日本で183ヵ所の救命救急センターにアンケート調査をしたところ、6割5分の回答率で、その9割の施設では実際に死亡時画像検索をしているという結果だったようです。 岩岡 私の勤務先も3次救急病院で救命救急をやっていますので、心肺停止状態で来た患者の救命ができない場合、その時点でCTを撮って死亡時画像診断をする場合はありますね。 海堂 何のためにそうしているかというと、保険による費用負担を適用するためです。これは医療の形自体がいびつなのだと思います。保険でこうした費用を負担するというセンスも悪いし、それでなければお金がないというのもおかしい。医療現場を支えている医療従事者が見捨てられています。こうした検査は医師に対するセーフティーネットにも相当する部分があると思うのですが、こうした費用を国は拠出してくれません。先ほど医師法21条の話が出ましたが、それほどドラスティックに変えなくても問題解決ができるのではないかと思っています。医師法では医師の基本業務として、検死検案という一項目があります。私はこれを死亡時医学検索と読み替えています。解剖がその代替でした。死亡時解剖は医学の基礎だといわれてきましたが、実は死亡時医学検索こそが医学の基礎で、解剖は死亡時医学検索の強力なツールなのだといういい換えをすることが、ブレークスルーのために重要なのです。 長谷川 亡くなって画像を撮ると、たとえば生前気づかれていなかった病変が見つかり、局所の切開で診断できるなら病理解剖に応じるなど患者家族サイドも選択肢が増えて、協力しやすくなり、死因について納得できるようになるのではないでしょうか。私たち医師はこれまで死亡診断書をいい加減に書いていた歴史がありました。 海堂 解剖に反対されている方でも、画像検索を行うことによって、解剖の必要性を論理的に説得できます。 岩岡 病理学会の既存のえらい先生にとっては、今までやってきたことを変えるのは天変なのでしょうか? 海堂 病理学会でも放射線学会でも、えらい方でもえらくない方でも、賛同する方、反対する方はどちらも一定の割合でいます。上にいけばいくほどネガティブな反応の比率が少し増えるという程度です。こうした枠組みが変わっていくのは時間の問題でしょう。 対話を続ける責任のとり方 長谷川 A・Iが認知されていくことには同意しつつも、医師法21条の問題はA・Iだけではクリアできません。21条に関しては報告する事象としない事象というカテゴリーの整理、線引きをすることさえ困難な状況です。平成6年の法医学会のガイドラインではすべての医療関連死が報告対象となってしまいます。さらに加えて医療行為を業務上過失致死などで刑事訴追するとなるとますます問題が錯綜します。解剖とか、死亡時の検索の問題を超えた一つの法体系、思想の問題にまで広がってしまいます。こういった問題を適切にクリアできないと医師法21条の問題は残るでしょう。 海堂 法理論的にご指摘通りですが、法理論の観点から考えると、もっとさかのぼるべきです。医師法が制定された昭和20年代にGHQの勧告により、監察医制度が敷かれました。当初、監察医制度を7都市に限定して法律を制定したのは、いずれは全国に広げるという目論見があったはずです。医師法21条でも監官医制度が完備していれば、監察医が中立的第三者機関の役割を果たしたことでしょう。そこが不備なのですから、現在の法体系がぐずぐずになるのは当然です。基本的な脚の一本が完全になくなっているのだから医師法21条という椅子が倒壊してしまうのは、あたりまえといえばあたりまえのことなのです。 岩岡 今後、医師のやる気がそがれないようにして、かつ、国民のニーズにも応えるためには、医師に対する不信もあるなかで、A・Iも含めて、どうすれば第三者的に死因を解明していくことができるのでしょうか。具体的な方策はありますか? 長谷川 死因自体の問題とは別に、死因が何であれ、過失があろうがなかろうが、自分の大切な家族が医療現場で亡くなったということに対する何らかの補償が必要です。いくらモデル事業で死因が明らかになっても、お金だけの問題でなく心の問題で誠実に対応する人がいて、対話が続くことがいちばん大事です。本書でも対話ベースのことが盛り込まれていますが、田口のいい方では、手術は失敗ではない、必要なのは患者に対して徹底的に説明すること、患者ときちんと向き合うこと、向き合い続けること、とあります。医療事故で医師にどう責任をとらせるかといえば、牢屋に放り込むことではなく、徹底的に当事者が被害者に向き合い、再発予防を発信し続けることではないでしょうか。今のいちばんの問題は、患者家族と当事者側か対話できなくなるような、司法が介入した場合のシステムで、そこを第三者機関でいくのであれば、応答責任をとらせ続けられるようにするべきでしょう。基本的にはA・Iを導入して、公費で死因を明らかにできるような基礎をつくっておいて、その情報をどれだけ誠実にご家族に伝えていけるかどうかがもう一つの大事な山です。モデル事業でも看護師や医師がADR(Alternative Dispute Resolution=裁判外紛争解決手段)をしようというところ、教育プログラムをしようというところまではうたっていますが、実践するにはほど遠いのです。その部分がないとまったくうまくいかないでしょう。 海堂 長谷川先生のご意見には概ね賛同ですが、根本のところで反対部分があります。おっしゃる通り、ADRのようなシステムが必要だということには全面的に同意します。しかし、それを死因究明と切り離して考えるべきだという部分に関しては反対です。患者と対話して共感を確立するためには、ベースには客観的医学情報がなければ難しいと思います。現状でADRをすると死因情報が不確定の場合、うまくいいくるめるようなテクニックが必要とされるようになります。それは決していいことではない、と思います。ですからこうしたことには、確立する順番があり、まず、死因情報をきちんと確立し、次にメディエイトする組織をつくっていくということが重要だと思います。 不定愁訴外来が必要 長谷川 本書で、病理医である鳴海は病理診断をするにあたって、臨床情報から分離したところでやりたいというスタンスをとっていました。病理診断のとき、情報が十分なところで病理医に診断させるというカンファレンスが多いけれど、実はいろいろな臨床情報とは別に、プレパラート1枚から得られる情報として究極の病理診断は考えられるものでしょうか。そういうスタンスがおありですか? 海堂 私は臨床情報でバイアスがかかりすぎると教授に怒られたタイプです。鳴海は病理医ですが、そのモデルは絶対に私ではありません(笑)。私は、診断は社会的な情報も加味して変わっていくものだと思っていて、そういっては、よく純粋な病理医の先生には怒られたものです。病理医の格としてはおそらくそちらのほうが上なんでしょうけど。 岩岡 内科医にはこれだけ多くのサブスペシャリティーがあるにもかかわらず、病理医は病院に1人か2人です。全部診るのは大変です。 海堂 おっしゃる通りですが、日本の病理学会は、コンサルテーション・システムがとてもしっかりしています。専門的な病理医の情報をみんな知っていて、そうしたスペシャリティーの先生方にコンサルトすると、皆、とても親切に対応してくれます。 岩岡 日本の場合、病理医、総合診療科医、放射線治療医、感染症科医のような「横断的な分野」の医師が少ないですね。病理医はもっと必要だと思います。 海堂 もうじきその問題が吹き出てくるでしょう。私か病理医に転じたのは8年前ですが、その頃は、これから病理畑に人が増えていくだろうから先にいっていよう、と思っていたのですが、読み間違えて、ちっとも人が増えてこないのです。 長谷川 私は98~99年に、ピッツバーグに病理で留学したのですが、女性医師が増えていました。生活時間がきちんとできるので、ライフスタイルを大事にするためには病理医はいいようです。放射線科医や病理医は向こうでは一般の臨床科医よりステイタスが高く、尊敬されていました。トレーニングはハードですが、中身はフィールドが広いしおもしろいですね。日本では裏方、ド請けのイメージがあり、希望者が少ないとも思われます。 海堂 表面上立てられているのと現実の地位の間に大きな落差があります。臨床の先生方は病理を尊敬はしてくれるのですが、院内のいろいろなことを動かすときに直結するかというと、それはないのです。診断場面では尊敬されるので、空回りのような感じです。私は臨床医と病理医の両方を経験しているので、そのあたりの空気というものはとてもよくわかります。 長谷川 先生がおっしゃっていることはよくわかりますね。病理医自身のキャラクターのような問題はないですか? 海堂 ありそうですね(笑)。純正病理医は信念の方が多いような気がします。ここは信頼されるところでもあるし、煙たがられるところでもあります。診断という真理の追究となると、政治力とメンタリティー的に離れるところがかなりあります。 長谷川 特に大学病院のような大きな組織では、それなりの意思決定力を持ったポジションにつくのは政治力ですね。真理追究の純粋性より周りを見ていかに上手に□をきけるかでしょう。本書では、大学病院のことが実に的確に書かれていると思います。 岩岡 感心した部分は、ネズミの実験を田口が頼まれて、大学においては、ネズミの死骸を、いかにペーパーに転換できるかという能力が大事だとあります。そういう部分はあると思いました。また、田口は出世競争にまったく興味がないのになぜかサバイバルしている特殊な才能の持ち主という設定ですが、こういう人物は現実にいそうですね。 海堂 ふつうに考えると精神科になるのですが、精神科だと内科の現場とはやや距離があるので、そうすると医療現場から離れた診療相談になってしまいます。それで神経内科かなと。 岩岡 ミステリーは読後感が暗くなるといやですが、本書は終わり方が明るく、読み終わって、ハッピーな気持ちになれるところがいいですね。 海堂 爆笑したという感想もありますが、どうして爆笑されるのか、自分ではよくわからないんです。白鳥はとんちんかんに見えますが、セリフだけ抜き出してみると真面目ですし、べつにおちゃらけてもいないし、田口はすねているだけで真面目ですし。それでも一部の方たちは、どうも確実に爆笑されているらしいのです。 海堂 発売後3ヵ月くらいまでは、すごくうれしかったんですけれど、今はもう私のものではないみたいな感じがします。私の手の届かないところにいってしまった感じです。 岩岡 バチスタ手術は、今、名前を変えて改良してやっているようですが、心臓外科の友人には、「心臓外科医は、こんなにあきらめは早くないです」ともいわれました。 ルールは破られるためにある 長谷川 大学病院院長である高階の会話で、「ルールは破られるためにある。ルールを破ることが許されるのは未来に対してよりよい状態をお返しできるという確信を個人の責任で引き受けるとき」とあります。このようなセリフは思いつきで書くには非常に深いですね。人は何か過ちを犯したときにいかに責任をとれるのか、哲学的、思想的な問題でもあります。その一つの回答として、応答責任があります。たえずその問題についてかかわりを続ける、究極的責任のとり方です。医療界が社会の問題に対して萎縮して悪い方向にいっていることの一つは、法的な言葉、法的な問題に拘束され、それにすがってしまっている医師が多いことです。医療現場の生死にかかわる問題、医療倫理の問題では、既存の法をはるかに超えて高い次元の思考と判断が求められているのに、そこで参照項として法とか判例を持ってきてもだめなのです。むしろ自分たちが考えてこうあるべきだということをきちんと発言しなければならないのではないでしょうか。医療は一つ間違えば、法との共犯関係で強靫な権力機構になります。ハンセン病の問題のように、歴史のなかで医療と法がからんでとんでもない抑圧機構としてはたらいてきた歴史があります。それを考えたときに、高階のセリフには深い重みと同時に大きな危険とが含み込まれています。 海堂 ルールを変える必要があると思ったときには、多くの人の反対があるでしょう。それでも変えたほうがいいと思ったとき、ある意味でその決断には傲慢な部分が生じます。その傲慢のツケをどこかで収支を合わせる必要があるのではないかな、と。そこはかなりよく考えて書きました。でも、今の長谷川先生のお話を伺っていると、どうも自分が考えた以上に深く読み込んでいただいているように思います。 長谷川 社会のなかで生きていくとき、すべての法体系やルールを知っているわけではなく、医療に間する法でさえ全部知っているわけではないのに、社会のなかでわれわれが適切に行動しているというのは神秘です。たえず新しい情報を入れながら、よりよいものはどうかということを考えてわれわれは動いています。ときにそれは古びた法に抵触することがあって、場合によっては法を変えていかなければならないのですが、法というのはある種の強制力を持った国家に密着した仕組みなので、摩擦が生じます。大変な労力も必要です。そこをどうやって変えるかというと確かに難しいのですが、過去の判例に縛られることなく、人間として医師として、守っていかなければならない良質なものをくみとって、アクションを変えていかなければならないのです。そのためには現実に適切に向き合う必要があります。それを失って、ある種の権威を基準にして意思決定、判断を行う方向にいくのは萎縮医療につ^ながる悪い流れだと思うのです。 海堂 たしかに萎縮医療は問題だと思いますが、今の状況だとデイフェンシブにならざるをえないところがあります。われは法なり、の気概は表に出しにくく、医師にとっては不幸な時代です。気概を持ってやったときのリワードは少なく、だめだったときはたたかれる。それが萎縮医療の最大の原因です。社会が医療を見る目がギスギスしすぎています。この小説を書き上げるときに意識したのは、医療現場は、悪いやつがいても検出しにくい環境である、ということです。たいがいの医師、9割9分の人は、患者がよくなってはしいと思っています。ふつうの読者は、犯人のような悪人が混じると検出できないことと、そういう悪人はほとんど医療現場にはいない、という矛盾した二つのことを同時に感じてほしいのです。そうした理解をしていただいて初めて、われわれ医療従事者は、萎縮医療に対抗する鍵を手にすることができるのではないでしょうか。 長谷川 本書のなかの記者会見場面で示されているのが、病院という組織内で病院を監査するというやり方ですね。トカゲの尻尾切りで下手人をつくり出してその1人を罰して辞めさせて終わりにするのでなく、あえて当事者を残して応答責任を果たし、立ち向かえる状況を続けていきましょうということです。事故調自体、外部委員を入れることが必ずしもいいとは思えません。外部委員を入れてやるようなファンクションを組織の内部で持たせることが実はいちばんよい解決ではないでしょうか。調べて原因を明らかにし、かつ、再発しないようにするにはどうすればいいかを検討し、しかも病院のパフォーマンスを変えることが大事です。外の人を入れるコストを考えたら内部でやったほうがいい場合もあります。 海堂 たとえば内部委員でやって気家族などを調査委員会にオブザーバーで参加させるのも透明性を確保する手ですね。 長谷川 家族をすべてのところに同席させるのは、感情的な問題がからむので不可能です。多少のテクニカルな隔離は必要でしょう。しかし方針としてそういうことはもっと考えてもいいですね。 長谷川 外科、病理をやっている人間としてはわかるところもあると同時に、臨床医としては難しいと思いながら聞きました。 海堂 事故調査委員会なるものをつくり、医療の透明性を社会にアピールしていこうというおつもりなら、そこまでドラスティックなことをやる必要があるかもしれない、ということです。医療をやっている人間は自分たちの診断、治療行為の質を高めることにもなるのだから、問題は少ないはずです。 ただ、単純に今の枠組みではとてもしいでしょう。でも、考え方を変えてそういうものをやろうとしたら、必要経費はあまり変わらず、コスト増はほとんどなしで変えられるのです。 長谷川 事故の分類の整理をすると一つ目は薬の取り違え事故のような単純ミスで、これはシステムの問題です。二つ目は、レントゲンの見落としのようなことで、医師の力量のレベルの問題です。三つ目は、治療はうまくいったけれど、患者が怒っているケースで、紛争として発生するケースで感情の問題です。これらを整理して対処すべきです。質管理の次元のことでは、診療科を超えたところでのピアレビュー、横につなぐ感染制御など、対策を強化しなければなりません。もう一つの紛争処理の問題は、間接的にわれわれのパフォーマンスに影響し、萎縮医療につながります。先はどの診断センターという制度をつくることによって質の管理や紛争処理の軸は解決できるといいなと思って問いていました。 岩岡 おもしろいですね。確かに、読影、診断能力など差があるので、チームで経験豊富な人をインストラクターとして、経験の浅い人は単独でできないとか、そのように管理していくといいですね。胸部X線の読影でも、放射線専門医と呼吸器専門医がダブルチェックするとか、専門医の維持のための試験をするとか。ピアレビサーーや専門医制度も含めた質の管理ですね。ケア型のADRのための担当者も必要です。 海堂 これは早急にやらなければならないことです。医学情報の分離によってADRのほうも楽になるはずです。感情同士の激突を抑えるために、論理的思惟が存在します。医療ミスがなくても遺族の感情が荒れて紛争になることもあります。ディスカッションしても埓があかないことだってあるでしょう。そのときに、公正と認知された、分離された組織からの中立的な意見が提出されれば、遺族感情を和らげることにも役立ちます。ただし、死亡時医学検索をきちんとやるには、現状では総体的マンパワーが足りません。そこで地域センター化を勘案すると、それなりに間に合うのです。 長谷川 地域の話はすごく大事だと思います。私か栃木県でやりたいと思っているのは、そのレベルのことを医師会、警察、弁護士会とも合議のうえで、十分に納得してもらったうえで医学的な死因究明をまず先行させ、結果として出た情報を共有し影響力のある機関をコーディネーションすることです。 海堂 とりあえずはA・Iセンターでいいでしょう。検索して、2次的に剖検センター、医事紛争の事務局など、広げていけばいいのではないでしょうか。 岩岡 日本はCTもMRIも世界一普及した国ですから、それを使わない手はないですね。 海堂 現場の声を聞くと、検査に少しでもお金がつけばモチベーションになるといいます。 長谷川 医師の能力の向上にもつながります。地域のセンターをつくることによって、向上心のある日本の医師は、もっと勉強するでしょう。勉強の場所、チャンス、時間、お金などを提供できる制度設計が必要ですね。 岩岡 安全管理をする人の情熱や勉強を、トップが認めてくれないと困りますね。 長谷川 この高所院長は抜群に優秀ですね。 岩岡 こういう院長の下で働きたいと思う医師は多くいるのではないでしょうか,日本では院長の意向か大きく院長がどう考えるかによって変わりますからね, 海堂 A・Iは、院長の鶴の一声で施行できます。 岩岡 昨年出版された『100万人のオートプシー・イメージング(A・I)入門』(篠原出版新社)『オートプシー・イメーンング(画像解剖)(文光堂)等の参考書籍を読み、私の勤務先でもいかにA・Iを採り入れるかを考えています。 A・Iはミステリーではない 海堂 『チーム・バチスタの栄光』は実は、ミステリーとしては少し足りない部分がある、という評価を受けています。医療の現状をよく知っている人は最後にA・Iをすることにびっくりするはずなので、一般の人もびっくりしてくれるだろうと思って書いたのですが、「びっくりした?」と聞くと、「え、A・Iって、一般的には行われていないんですか?」と、遂に聞き返される始末で、一般の人がA・Iをまったく抵抗なく受け入れている様子に、こちらはびっくりしてしまいました。ですから、一般の人はあの本を読んで、AIを一般的な検査だと思い込んでしまうので、ミステリー要素が薄くなってしまうのです。作品受けとしては少々残念ですが、遂にA・Iの普及という面から考えれば、これはものすごい朗報だと思っています。つまり、A・Iは社会的に受け入れられにくいだろう、と考えている抵抗勢力の方たちが学会や役所には散見されるのですが、こうした事実が認知されれば、こうした圧力をかける人たちの抵抗は少なくなるでしょう。そうなると、もうA・Iはほとんどわけなくできるようになります。現在、某大学で非常勤講師として授業を行っていますが、学生に意見を聞いてみると9割5分、AIはやって当たり前の検査で、自分たちが医師になる頃にはそういうシステムになっていてほしいと答えます。こうしたことを施行する施設としては、大学病院が最も難しいと思っていましたが、実は、千葉大ではもうすでに、こうしたシステムが確立されています。ガン患者では、解剖なしでは、最後の病状が把握できません。また、解剖を行ってもそれまでの経過画像と、異質なので比較できません。その意味でもA・―画像は、医療現場には存在していて当然で、なかったことのほうがおかしいのだと思っています。 長谷川 今は緩和医療が進んできたので、ガンの最期は写真も撮らないで亡くなっていきます。その診療過程で悩んだことがどうだったのかはっきりすれば、臨床医や看護師も得るものがあるし、家族の納得も得られるでしょう。インフォメーションの意味は大きいと思います。 k海堂 興味深い具体的な話があります。肺ガン脳転移症例で、亡くなる1カ月前から腰が重いと訴えていました。医師と看護師で意見の相違があり、看護師は麻薬を使ったほうがいい、医師は座薬でいいと意見が対立していました。死亡時にA・Iを行ったところ、腸骨転 長谷川 非常に大事なことですね。最終的に病院としての診療の費を上げることになります。 海堂 実費としてはあまりかからないので、病院のリスク管理として拠出しても、剖検費用より安上がりです。ここまで一般の人に認知が広がれば、A・―にすら対応できない病院は、患者主体の医療に本腰を入れていないと判断されてしまう時代になるのではないでしょうか。
(本当は10ページからですけれど、
私の体力が持たないので12ページ目からとさせていただきます!)
「事件性はなさそうだ」という警察からの非公式の連絡のみです。また、病理解剖には移行しませんので、その死因については不明のままで終了してしまいます。これでは、医師も遺族も納得がいかず、両者に不満が残ります。
司法解剖と病理解剖は、まったく別個で、法医学者と病理学者は別カテゴリーになっていますが、両者の連携・連続性の確立は難しいのでしょうか?
長谷川 倫理的には許されないことですが、死亡宣告する前にCT室に運んで全身スキャンして死亡原因を調べるケースもあるでしょう。
解剖を死亡時医学検索のメイン・ディッシュに据えれば、Aiもそれに並ぶ重要な検査である、という形で整合性がとれます。医師法に則って検死をきちんとやるためにA・Iを行い、問題があれば解剖に回す。その後、問題があれば医師法21条に則って異状死として届けるというように、医療の範囲を拡大することで、こうした混乱はかなり解決できるのではないでしょうか。このような、検死、A・I、剖検という流れをつくれば論理的ですし整理しやすいと思います。こうした考え方は、新しい流れですが、不自然ではありません。生前の診療とアナロジーで考えてみれば、ごく簡単に理解できます。
また、内科医として、不定愁訴外来は重要だと思いましたが、神経内科医はプライドが高いので、いちばんやりそうもないですね(笑)。これは、あえて神経内科医にしたのでしょうか?大病院の外来では、不定愁訴外来の存在は必要なのですが、誰もやりたがりません。
岩岡知り合いの真面目な弁護士に読んでもらったところ、ただ一点だけ、「厚生労働省に、白鳥みたいな人はいないと思う」と指摘されました(笑)。本書は20万邦を超えた大ベストセラー作品です。著者として、すごくうれしいでしょう。
地域単位にAiセンタ-をつくる
中立公正な事故調査委員会は、日本では、航空機事故の事故調がよい意味でも悪い意味でも一つのモデルになります。これは業務上過失死亡に対する考え方にも通じていきます。航空機事故の問題とリンクさせて、司法に対してシステムアプローチではこうだという問いかけをし続けるのがいいやり方ではないでしょうか。毎回 医療面でも構想が必要だということはわかります。ただ、事故調査委員会を地域限定でつくるのはなかなか難しいでしょう。ここ一つ試案があります。それは、診断と治療の完全分離です。診断にかかわる医師を地域診断センターに集中させ、そこに事故調の機能を持たせる。診断センターは、剖検センターおよび、オートプシー・イメージングセンターを兼ね、死亡時医学情報の集積も行う。その中立性、オープン性を確立しておけば、たいがいの問題は医療内部で解決できるのではないでしょうか。刑事事件に訴えるかどうかはその組織で公正な議論をして判定すればいい。医療の責任範囲をできるだけ後ろに持っていき、なおかつ人員配置を変え、適正化するのです。今そうした業務にかかわっている医師の人数を考えると、論理的には実施可能です。
移が発見されました。その情報があったことで、看護師さんは自分の見る目が正しかったと自信を持て、医師はそういうケースもあると学ぶことができる。こうした事象の積み重ねが、医療の費を高めていくことにつながることは間違いないと思うのです。
岩岡 第2作の出版予定はありますか?
海堂 第2作は、東城大学医学部小児科を舞台にした、「ナイチングールの沈黙」というタイトルで、10月に刊行予定です。やはり、白鳥と田口のコンビ物で、第3作、第4作と続く予定です。
岩岡 それは吉報ですね。白鳥と田口のシリーズ化か楽しみです。氷姫の登場にも期待しております。本日は貴重な意見交換ができたと思います。海堂先生、長谷川先生、長時間にわたり、どうもありがとうございました,
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(投稿:by 僻地の産科医)
おはようございますo(^-^)o..。*♡
今日もなんだか悲惨なニュースがつづいています。
東京ド真ん中、中核病院でも産婦人科が消える
JanJan 2008年2月27日
http://www.news.janjan.jp/living/0802/0802261569/1.php
内科医退職の道立病院が夜間、休日救急停止へ
MSN産経ニュース 2008年2月28日
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080227/trd0802272232011-n1.htm
北見赤十字 4月から内科医2人 救急体制維持に見通し
北海道新聞 2008年2月28日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/78580.html
【北見】内科医全六人の三月末退職で、四月から内科(消化器、循環器科を除く)を一時休診する方針の北見赤十字病院は二十七日、日本赤十字社(東京)を通じ、内科医二人の短期派遣を受けることを明らかにした。これにより、同病院にある網走管内唯一の救命救急センターの機能は維持される見通しとなった。
派遣期間は半年から一年以内で協議中。救急対応を最優先するため内科の外来・入院診療の体制維持は困難で、四月以降の一時休診は避けられない見通しだ。
また、派遣医師の専門は未定で、北見赤十字病院の内科が網走管内で唯一実施している、膠原(こうげん)病やリウマチ治療の専門医である可能性は低いという。荒川穣二副院長は「全国的に膠原病の専門医確保は非常に厳しい。(派遣元の)北大に派遣を引き続き要請中」としている。北見赤十字病院は一月下旬、同社を通じ全国の赤十字病院に内科医の派遣を要請していた。
山陽市民病院、3月13日から診察を順次中止
中国新聞 2008年2月27日
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200802270308.html
重症患者の「たらい回し」1割超 京都府内の救急搬送
京都新聞 2008年2月27日
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008022700041&genre=O1&area=K00
勤務医の疲弊、患者にも原因
キャリアブレイン 2008年2月27日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14724.html
「雨が降ったからという理由で救急車を呼ばないでほしい」「患者の暴言で仕事への誇りがズタズタにされる」――。厚生労働省の審議会で、産科・小児科・救急の医師が共通して挙げたのは勤務医の疲弊で、その原因の1つに「クレーマー患者」や「暴力患者」などの存在を挙げた。西川京子厚生労働副大臣は「医療の分野では国民の意識が育っていない。すべて受け入れる側が悪いというのではなく、一緒に医療を構築するという方向性を持たないと不毛の議論になっていく」と感想を述べた。厚労省は2月25日、「安心と希望の医療確保ビジョン」会議を開き、産科・小児科・救急の現場で先進的な取り組みをしている医師から意見を聴いた。この会議は、長期的な視点に立って日本の医療の問題点を考えようと、舛添要一厚生労働大臣が中心となって1月7日に設置された。
4回目を迎えたこの日のテーマは、医師不足が深刻な産科・小児科・救急医療などの現状把握。各分野の医師が現在の問題点や今後の課題などについて意見を述べた。
東京都立府中病院・産婦人科部長の桑江千鶴子氏(東京医科歯科大産婦人科臨床教授)は「産婦人科臨床現場の3つの問題」として、(1)劣悪な労働環境と待遇、(2)医療事故と訴訟への恐怖、(3)医療者への暴言・暴力(モンスターペイシャント)の存在――を挙げた。
桑江氏は「大野病院事件で産婦人科の医師が逮捕されて以来、ビクビクする状況で萎縮医療になっている」と述べ、過酷な労働環境に追い討ちをかける訴訟リスクや患者の暴力などが医師のモチベーションを下げていると指摘した。
「優しい気持ちでなんとかしてあげたいと思っても仕事に対する誇りをズタズタにされ、若い医師は疲弊している」
桑江氏はこのように述べ、早急に解決することが難しい大きな問題であるとした。
続いて、愛知県岡崎市の花田こどもクリニック院長の花田直樹氏は「現在の小児医療の問題点」として、(1)不当な報酬の低さとフリーアクセスによる患者数の多さ、(2)小児科勤務医の減少、(3)乳幼児医療無料化に伴う救急外来のコンビニ化、(4)訴訟リスクとクレーマーの存在――を挙げた。
花田氏は「コンビニ感覚で救急車が利用されるが、コンビニ診療さえ難しい状況だ。しかし、司法判断は救急外来にも最高級の医療レベルを要求している。無理して対応しても刑事事件の対象になり得ることを医師は学習している」と述べ、産婦人科の医師が逮捕された福島県立大野病院事件の影響で入局する医師が減少し、現場では「無理に救急を受け入れない」という萎縮医療が生じているとした。
花田氏はまた、医師らに言いがかりを付ける「クレーマー患者」の存在が萎縮医療に拍車を掛けているとした。
「過熱する医療事故の報道で、不信に満ちた攻撃的な言動が目立ち、現場のやる気をさらに萎えさせている。今までは医師の使命感でカバーしてきたが、現状では医療安全上も自分の健康上も無理がある」
■ 救急患者の増加と国民の意識
疲弊した勤務医をさらに追い詰める「クレーマー患者」と訴訟リスク。その背景には救急患者の増加がある。
日本医科大学付属病院・高度救命救急センター部長の山本保博氏は、救急患者が増えている一方で救急医療機関が減少していることを指摘。「救急医療の現状、課題」として、(1)救急医療施設の負担の増大(救急患者の増加など)、(2)資源の圧倒的な不足(救急医不足など)、(3)救急医の士気の低下――を挙げた。
山本氏は救急車の出動件数(2005年)のうち搬送されていない約9%について、「救急車が到着しても現場に患者がいない」と指摘。その主な理由として、▽119番した後の辞退、▽いたずら、▽酔っぱらい――を挙げた。
その上で、119番通報した患者を重症度や緊急度などによって分類する「トリアージ」の必要性に触れた。
「アンダートリアージ(過小評価)をどう考えるかという問題がある。『ちょっと胸がつかえる感じがする』という患者のうち1万人に1人ぐらいは心筋梗塞の場合がある。このような患者を自宅に戻してしまった場合の問題がある。しかし、これからはトリアージをしていかなければ、“たらい回し”はどんどん増える」
この日、舛添厚労相が欠席したため、西川京子副大臣が次のように感想を述べた。
「安全で安心な食物にコストがかかるという意識は国民の間に育ってきたが、医療の分野では国民の意識が育っていない。今日はマスコミの方もいるようだが、すべて受け入れる側が悪いという指摘の仕方ではなく、一緒に医療を構築するという方向性を持たないと不毛の議論になっていく。今、これを厚生労働省が一番先にやっていかなければならない」
大分・中津市が市民病院の医師確保へ分娩手当支給へ
読売新聞 2008年2月27日
http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/044/044_08022701.htm
中津市は市立中津市民病院の医師確保対策として、県内の公立病院では初めて分娩(ぶんべん)手当(1分娩あたり3万円)の支給を制度化することを決めた。同病院などへの勤務を前提に、大学の医学部生向けの奨学金制度も創設する考えで、28日開会の定例会に関連条例案を提案する。可決されれば、いずれも4月1日から施行する。同病院の産科は昨年4月から休診中。現在も医師確保のめどは立っていないが、現在地で建て替えを進める方針で、2012年度に予定している新病院の開業を視野に産科医の確保対策を明確に打ち出すことにした。
奨学金は大学4~6年生と大学院生、同病院の臨床研修医が対象。貸付額はいずれも月15万円で、期間は大学生3年、大学院生4年、臨床研修医2年で最大7年。大学5、6年生については希望があれば最大1000万円の修学一時金を無利子で貸し付ける。貸付期間と同期間、同病院や市内にある国保直営の槻木、津民、山移の各診療所で勤務するか、同病院に医師を派遣している大分大などの医局に所属すれば、全額の返済を免除する。
小児科の前に薬剤師に相談
読売新聞 2008年2月28日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20080227-OYT8T00859.htm
離島妊婦の宿泊費助成 道が新年度 島外受診時に半額
北海道新聞 2008年2月28日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/78597.html
[県予算2008]医師確保対策を強化/山口
読売新聞 2008年2月28日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news/20080228-OYT8T00094.htm
全国的に深刻化する医師不足。県内も例外ではない。とくに救急病院が小児科や産婦人科を閉鎖するケースが出始めているため、地域の公的病院などでの医師確保対策を強化する。
県医務保険課によると、2006年12月末時点の調査で、県内の医療施設に従事する医師は3376人。人口10万人あたり医師数は227・6人で、全国平均の206・3人を上回っている。だが、診療科別で見ると、産科・産婦人科が7・8人(全国7・9人)、小児科は11・3人(同11・5人)と、いずれも全国の水準を下回っている。
山口市内の中核的な医療機関の一つ、小郡第一総合病院は、産婦人科の常勤医師が2人から1人に減ったため、07年3月から正常分娩(ぶんべん)を中止。一方で、本来は危険性を伴う出産を主に受け入れてきた県立総合医療センター(防府市)は、周辺医療機関の分娩中止の影響で正常分娩が急増しているという。このような現状を踏まえ、県は緊急課題の一つとして医師確保対策強化のために6768万円を計上した。
小児科や産婦人科に多い女性医師が、結婚や出産を機に医療現場を退くことが医師不足の一因となっていることから、女性が働きやすい環境づくりを推進する2病院(女性医師が3人以上いる病院が対象)に各150万円を補助する。ワークシェアリングや長期の育児休暇制度、育児中の宿直免除などの取り組みをモデル的に進め、将来は他の病院にも広げたい考えだ。同時に、地域医療全体の「即戦力」を確保する目的で、県外の医師ら7人を県職員として採用し、医師確保が難しい公的病院に5年間派遣するドクタープール事業を開始。県内での就職を希望する研修医5人には、研修資金(月額20万円)を貸し付け、貸付期間と同じ期間を県内で勤務すれば返済義務を免除する。
このほか、効率的な地域医療のあり方を研究するため、山口大医学部に寄付講座「地域医療学講座」を設ける。効率的な医師配置や、幅広い診療科目を見ることができ、過疎地域の医療を担う総合診療医の養成などが研究テーマ。08年度から2年間、各年度2500万円を充てる。今村孝子・健康福祉部長は「地域で安心して医療を受けられるよう、即効性のある対策を中心に取り組む」と話している。
改善なければ2次救急撤退
日刊スポーツ 2008年2月27日
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080227-328150.html
複数の医療機関が受け入れ拒否は83件 07年の県内
信濃毎日新聞 2008年2月27日
http://www.shinmai.co.jp/news/20080227/KT080226ATI090015000022.htm
埼玉で13病院が拒否、93歳女性死亡
TBS 2008年2月27日
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3790435.html
両足骨折の女性を14病院が受け入れ拒否 津で昨年6月
MSN産経ニュース 2008年2月27日
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/080227/dst0802271151005-n1.htm
救急搬送受け入れ拒否 4回以上12人/岐阜
読売新聞 2008年2月27日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20080226-OYT8T00673.htm
九州、山口で3例目の民間救急ヘリ導入
MSN産経ニュース 2008年2月27日
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080227/bdy0802272110009-n1.htm
整形外科の常勤医確保 丹波市の病院
神戸新聞 2008年2月27日
http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/0000852832.shtml
公立おがた総合病院に内科医派遣へ
テレビ大分 2008年2月27日
http://www.tostv.jp/news/index.php?nno=4839
給与3割カットを提示 米内沢病院
秋田魁新報 2008年2月27日
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080227b
公立病院の経営難
しんぶん赤旗 2008年2月27日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-02-27/2008022704_06_0.html
診療所化の落とし穴/花巻の遠藤医師が本県にも警鐘
東奥日報 2008年2月22日(金)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2008/20080222141253.asp
医師不足認め対策
しんぶん赤旗 2008年2月27日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-02-27/2008022701_02_0.html
県議会議長が厚労省に地域医療確保で意見書提出
愛媛新聞 2008年2月27日
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20080227/news20080227578.html
宇和島徳洲会病院の診療報酬不正請求問題 保険医取り消し 病院側は徹底抗戦
MSN産経ニュース 2008年2月27日
http://sankei.jp.msn.com/region/shikoku/ehime/080227/ehm0802270316002-n1.htm
麻酔薬を誤って投与、患者が死亡 福岡市の病院
朝日新聞 2008年2月27日
http://www.asahi.com/national/update/0227/SEB200802270003.html
福岡市博多区のさく病院(朔寛(さく・ひろし)院長)で、入院中の男性患者(68)が、血液製剤と取り違えて全身麻酔薬を点滴され、容体が急変し、死亡していたことがわかった。病院はミスを認めて遺族に謝罪し、博多署に報告。同署は業務上過失致死容疑で、病院からカルテなどを押収し、関係者から事情聴取するなど捜査を進めている。
病院によると、男性は今月6日に直腸がんで入院し、13日に人工肛門(こうもん)を取り付ける手術を受けた。手術は成功し、術後の意識ははっきりしていた。
しかし、手術翌日の14日午後、看護師が体調管理のため、血液製剤を点滴で投与しようとした際、過って全身麻酔薬を投与したという。直後に男性がいびきをかき始めたため、付き添っていた家族が不審に思い、近くにいた看護師に連絡。看護師が容体の急変に気づいて医師を呼び、救命措置がとられたが、男性は意識が回復しないまま、22日夜に死亡した。
病院は救命措置をとった段階から、家族にミスを認め、謝罪。男性の死亡後、投薬ミスが引き金になったとして、医師法に基づき、同日中に博多署に報告した。
同病院では、こうしたミスを避けるため、投薬の際、医師が薬剤師に対し、パソコン上での発注と手書き書類による発注を出すことで二重チェックし、看護師が実際に投薬する時にも再度確認することになっていた。投薬ミスのあった全身麻酔薬は、本来投与するはずだった血液製剤と同じような形態の容器に入っていたという。 山根信隆事務局長は「麻酔薬と死亡の因果関係は捜査の結果を待つが、死亡の引き金となる重大なミスをしたのは間違いない。遺族には誠心誠意対応し、再発防止に病院を挙げて取り組んでいる」と話している。
心停止見逃し患者死亡 病院に賠償命令 札幌地裁判決 判決によると、男性は一九九八年十一月、そう状態と診断され同仁会が運営する長野病院に入院。心電図が付けられ、心拍数が百四十以上か四十以下になるとアラームが鳴るよう設定された。 入院の二日後、男性の心拍数が百四十を超えてアラームが鳴り、担当看護師が心電図を確認。その直後、心拍数が四十以下となり再びアラームが鳴ったが、看護師は「また百四十を超えたのだろう」と思い込んで画面を確認しなかったため、心停止に気付くのが約四十分遅れた。男性はそのまま死亡した。 判決理由で奥田裁判長は「心電図画面を見ていれば心停止の状態は容易に発見でき、救命できた可能性は高い」と述べ、病院側の過失を認定した。 タミフル効かぬインフル、国内初の集団感染 5人確認 舛添厚労相が血液製剤関連で対応問題視 トイレで新生児見つかる はしかで学年閉鎖 国分中央高、3人発症 高齢者の所得保障拡充が必要 カップケーキの大食い競争で男性が死亡。 その延長として、医師が団体として力を持つためにも、「プロフェッショナルコミュニティ」を作り、医師の団体として情報発信する必要性を説いています。「政治家を動かすことは、官庁に陳情するより、民主主義の基本であり、有効」「医師が医療はどうあるべきと考えているかを、医師の団体から発信しなければダメ。医療の姿を厚労省が決めているような現状は、間違っています」と小松先生。こうした発言の根底には、医師会など既存の団体への批判があります。 Part3 医師が全員加盟するプロフェッショナルコミュニティをつくるべき。 NEW! 黒川:ほとんどの医師は非常に真面目で、一生懸命いい医師になろうとしています。けれど、極端な表現をすると医師はみんな村長さんなので、市民社会に馴染みづらい。医師はどのようにして社会に働きかけていけばいいのでしょうか。 小松:今、医師たちの動きには目まぐるしいものがあります。私の活動も、そのひとつですが――。おもしろいことに取り組んでいる人が大勢います。 黒川:ただ、それは、ある意味陳情活動ですよね。陳情となれば議員のもとにはたくさんの案件が集まるわけで、必ず医療問題への意見が取り上げられるとは限りません。 小松:政治家を動かすことは、官庁に陳情するより、民主主義の基本であり、有効でもあることを申し上げておきます。そのうえで、専門職としての団体については、おっしゃるとおりですね。類することは、最近の医療の質・安全学会でも盛んに語られています。やはり日本弁護士会のような医師が全員加盟する専門職団体をつくるべきと、ほぼ意見は一致しています。 黒川:その話は、聞いた記憶があります。 小松:日本医師会は、開業医の利益団体として活動しつづければいい。しかし、もうこれまでのように医師全体の代表かのような意識は捨ててもらわねば。もっと大きな立場からものを言う、もっと気位の高い団体が必要です。 黒川:ものを言える医師団体が生まれず、結局は医療政策が政治の力でつくられるなら、今ある国民の医師に対する不信感はつのるばかり。回復不可能なところまでいってしまうでしょう。 小松:医師が医療はどうあるべきと考えているかを、医師の団体から発信しなければダメ。医療の姿を厚労省が決めているような現状は、間違っています。 黒川:同感です。 小松:医師の専門職団体は、医師が自らを律することと、医療の質を向上させることだけに専念する。あとは、ほかの団体がやればいい。 黒川:そのような志を持った団体は、日本には今までどの分野にもなかった。日本弁護士会も戦後、他者の力によってつくられました。 小松:哲学がなかったのが、いけなかったと思います。だから、力をまとめられなかった。 黒川:医学部の先生方の意識改革も――。 小松:大学の先生はダメです。期待していません。 黒川:ダメですか(笑)。 小松:医学部に限らず、大学の教授陣に共通なのかもしれませんが、決定的に教養が欠けています。 黒川:実社会のリアリティから乖離しているのは、事実ですね。 小松:だいたい、常識的に知っているべき、過去に議論された重要な問題を知らないのですから。丸山眞男が『日本の思想』の中でササラ型とタコツボ型の議論の比較をしていますが、まさにタコツボ型。自分の周囲だけしか見ていなくて、過去からずっと連綿とつながっている議論の経緯を、大学の先生たちは知らないですね。 黒川:どうして、そうなってしまったのでしょう。大学の先生の数が増えすぎたのですかね。 小松:選び方に問題があるのでしょう。 黒川:それはそうですね。内部で調整をして教授を決めている。会社人事となんら変わりない選び方ですから。 「診療関連死の調査機関設置の同行と法案化の動き」 「第三次試案」提出の要請 「医療安全調査委員会」 「どこに食い違いがあるのか」 「法案提出の動き」 「勤務医の会記念講演会にご参加を」 【本日の予算委員会!】 診療関連死検討会に関する質問が行われる予定です! お時間があれば、衆議院TV
北海道新聞 2008年2月28日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/78555.html
入院中の男性患者=当時(31)=が死亡したのは、病院側が男性の心停止に気付くのが遅れたためだなどとして、男性の父親が、札幌市白石区の医療法人社団同仁会(長野俊光理事長)に約九千六百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が二十七日、札幌地裁であった。奥田正昭裁判長は「病院側が患者の心電図画面を確認しなかったために、救命措置が間に合わなかった」と述べ、同仁会に約二千九百万円を支払うよう命じた。
朝日新聞 2008年2月28日
http://www.asahi.com/health/news/TKY200802270366.html
日刊スポーツ 2008年2月27日
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080227-328203.html
日刊スポーツ 2008年2月27日
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080227-328185.html
南日本新聞 2008年2月27日
http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=9408
公明新聞 2008年2月27日
http://www.komei.or.jp/news/2008/0227/10883.html
Techinsight japan 2008年2月27日
http://japan.techinsight.jp/2008/02/200802262336.html
小松秀樹先生をお迎えして(3)-「医師が全員加盟するプロフェッショナルコミュニティをつくるべき」 - 2008/02/20
http://www.m3.com/tools/Healthpolicy/chapter4/index3.html
今回の資料:
黒川・小松対談の第3回です。最近は、小松先生に代表されるように、学会や医師会の長ではなく、臨床の第一線で活躍される方々が講演したり、本の執筆などの形で、情報発信をするようになりました。その上、IT(情報社会)時代にあって、個々人がブログなどを通じて、意見を世の中に問う場面もよく見受けられます。
インターネット上には、国会議員のメールアドレスが簡単に調べられ、アクションを起こすための書類も書き込めばいいだけの定型書式があるツールがあります。そうしたツールを使って、地元の国会議員に直接働きかけをする医師など、自分の考えをしっかり持ち、意思に従って行動しようとする動きは着実に生まれています。
そこで浮かび上がるのが、プロフェッショナルコミュニティの存在意義ではないでしょうか。医療に関しては、医師のプロフェッショナルコミュニティが理念を持って中長期的な意見を申すことが、プロフェッショナリズムを求めている現在の社会では、重要なのだと私は思います。
今の時代、日本の医師コミュニティがどのような理念を発信しているかが海外からもリアルタイムに見えているわけで、海外の医師たちからどれほどの敬意を払ってもらえるかを気にするべきだとも思う。
実は、そういう団体は戦後にできる寸前までいっていたらしいですね。ところが、厚生省の役人が「GHQの命令だ」と言って潰した。後にGHQの文書を調べたら、命令を指し示す記述はどこにもなかったらしいですが。
ただ、どうでしょう、医師が一致団結できるのかと問われれば、一抹の不安が残るのは事実です。たとえば銀行の世界だと、業界全体がつぶれたりしたら銀行員は食べていけなくなる。だから銀行業界の存続にかかわるような問題に対しては、一体となって闘います。けれども医師は、職能者として、ひとりぼっちになってもなんとかなると考えている点が、力をまとめるにおいてネックになるように思えますが。
愛知県保険医協会の新聞、勤務医コーナーより
1/31に「第11回診療行為に関連した死亡に係る死因究明等のあり方に関する検討会」(以下「検討会」)が開催された。そこで注目されたのは、座長が検討会の最後に、届け出の要件などを具体的に示した「第三次試案」の提出を厚労省に強く求めたことである。昨年10月パブコメ募集で医療関係者から強い批判や意見が寄せられており、十分な説明なしに法案化することには無理があるとするものである。「第三次試案」がどのような記述となるか注目されるところである。
今後の動きと課題を知る上でよい機会となったのが、2/9に開催された愛知県医師会主催の「診療行為に関連した死亡の死因究明等のあり方に関する講演会」である。自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」副座長の西島英利参議院議員、「検討会」委員でもある木下勝之日本医師会常任理事を招いて、西島氏が自民党案を、木下氏が厚労省の「検討会」の議論を元に、「医療安全調査委員会(仮称)」についての講演と質疑応答が行われた。
西島、木下両氏は「安全調」への届け出と医師法21条の届け出の重複は避けるとすることで、21条の届け出義務違反に問われることはなくなる。「安全調」に届けられ調査中であるものは警察、検察は関与しないことになると説明。
第三者機関の必要性と、医療現場への警察、検察の介入を最小限にしたいという事では一致できるはずで、「一歩前進」となる法案提出への理解を求めた。
一方で21条の改正や医療分野だけが業務上過失致死傷罪から免責されることは困難として、重大過失など警察に通知することはやむを得ない処置であると説明。目的はあくまでも医療事故の再発防止で、自民党案では調査会の仮称を「医療安全調査委員会」としていることを強調。この会でも「安全調」という仮称で呼んで欲しいと訴えた。
この仮称は、自民党案が出された後の第10回「検討会:行こう、それまで「医療事故調査委員会」等の仮称で呼ばれていた調査会が「医療安全調査会」で統一されており、自民党案を軸に法律案が作成されていくことは想像に難くない。
質疑では「安全調」の報告を刑事、民事裁判に使う事を認めているが、この制度が訴訟を増加させるのではないか。21条違反による刑事訴追の心配はないとしても、刑法211条の業務上過失致死傷罪の適用を受けないという明文の担保がなく、調査と別に訴追される可能性が残るのでは、など疑問が投げかけられた。この危惧を裏付けるように2/16に開催された日本集中治療医学会主催の市民公開講座で厚生労働省医政局総務課医療安全室長は「医療安全調査委員会が出来れば、基本的には警察はこれを活用するが、遺族から告発を受けた場合、警察が絶対に動かないとは言えない」と発言している。患者家族の調査依頼の増加や民事訴訟を誘引しないかという不安は完全には払拭されていない。
安全調の設置を「一歩前進」とみるのか、その歩幅に比べて踏み込まれる側の歩幅の法が大きいと危惧を抱くか、議論を尽くさないとこの食い違いはすぐに埋まるものではない。
講演会で自民党の検討会座長を務める大村秀章衆議院議員が急遽補足発言を行ったが、そこで「第三次試案をふまえて法案を準備し、通常国会には提出したい。国会で議論し、成立させてから施行までに時間を取って練ると言うこともある」と通常国会に提出し成立をめざすと取れる発言があった。第三者機関の必要性では大多数が一致するのと同じくして、拙速を避け議論を尽くしたいという気持ちも現場の医師に共通した思いであるはずだが。
愛知県保険医協会勤務医の会は、3/23(日)に虎の門病院泌尿器科部長小松秀樹氏を招き「医療を崩壊させないために」をテーマに総会記念講演会を開催する。小松氏は早くから、死因究明の目的が医療事故の再発防止のための真意医療安全に資するものとなるよう発言されている。議論を深める機会として、是非ご参加を頂きたい。
9:30~10:00の30分間の予定で、
衆議院予算委員会第五分科会
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
にて生中継されてますので、ご覧ください。
(関連目次)→カナダにおける妊娠生活 目次 海外医療事情 目次
(投稿:by 葉明)
ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます(>▽<)!!!!
前回のカナダの医療制度では、無料アクセスについてご紹介しました。
<前回の復習>
ビバ! カナダの医療。診療費無料バンザイ。
貧乏人でも、お金持ちでも診療費は無料。平等バンザイ!
さて、この医療を支えるのは、州税です。 個人に関係のある州税は、所得税と、消費税で、所得税の半分弱が ちなみに、がっつり稼いでいるオットの所得税は45%。 所得税のうち、どのくらいが健康保険料に相当するかも、 なお、非課税となる個人の収入は、日本よりずっと低く、 私の場合、日本での不労所得がちょっぴりあり、 いや、まあ、カナダのインフラをワタクシも活用しておるわけなので、 消費税は、連邦国家への消費税が7%。オンタリオ州での州税が7%。 消費税は州によって異なり、お金持ちのアルバータ州などは、 何が言いたいかというと、 ということです。 前回の日記では、診療費や入院での治療、 何度病院にいっても無料。 と こ ろ が、 オンタリオ州では、 ええ、100%です。 糖尿病などで、血糖値を自己測定する道具がありますよね!? アナフィラキシーもちで、 さらに、歯科医療には保険が利きません。 ですから、病院に行って、診察してもらったはイイが、 はい、そうです。残念ですが。 まあ、でも、申請してから貰えるまでに2ヶ月位かかるとはいえ、 また、プライベートの健康保険に加入している人もいて、 よって、私たちの場合は、薬代と一般の歯科診療 でもね、プライベートの健康保険に加入しているのは、 ビンボー人にも、お金持ちにも、診療費は無料の国カナダ。 でも、ビンボー人は処方薬すら買えず、お金持ち(とはいわずとも、 ただ、これも州によっては異なりMTLさまのご指摘により、 カナダの医療が無料って報道する時は、
州によって、少しずつ仕組みは違いますが、だいたい基本構造は同じ。
州税として持って行かれます。
ちょぼちょぼ稼いでいる私の所得税は20%。
確定申告の時に分かるのですが、今、ちょっと調べられません。
すんません。全然注意を払ったことがなかったんで。。。でも、たぶん、
月に1人1万円くらい相当だったと思います。
だいたい7,500ドルくらいからは所得税を払うことになります。
日本では税金はかからないのですが、
なぜか「カナダ」で税金をはらっておるのです。めそめそ。
まあ、いいんですけどね。
つまり、合計14%が消費税として課税されます。
消費税の州税は0%ですから、消費税として課税されるのは7%です。
【カナダでは、健康保険に州税が適用されるが、
カナダ人の感覚としては、それは所得税や消費税であって、
健康保険料を支払っている意識は皆無】
妊婦検診と出産は無料。と書きました。
かなり多くの部分が無料なのは、本当です。
(ちなみに、領収書なんてでませんよ〜。無料だからだれも気に留めないし。)
どんだけ処方箋書いてもらっても無料。
どんな高度医療を受けても無料です。
処方箋をもらって、お薬を薬局に取りに行くと、
お薬は100%自費なんですよ。
それも100%自費です。
自己注射用のエピペンの携帯を勧められたりすることもありますよね!?
それも100%自費です。
それも100%自費です。
お薬が買えなくて、結局放置。。。という人達は少なからずいます。
ビンボー人は死ねというのか!?
実際には公的な救済措置もありますけどね。
例えば、私たち夫婦も月に2万円払ってプライベートの保険プランに
加入しています。(現在は、夫の会社がこれを全部負担してくれています)
(年2回の歯の健診とクリーニング)は2割負担。
ワタクシ、只今歯科矯正中ですが、こちらまでカバーされちゃってて
自己負担は2割です。メガネの購入や、鍼治療やマッサージ
(有資格者による)にも適用されちゃうんですよ〜。どうだー。
夫は、このプランを利用して、2年に一回、無駄にお洒落な
ブランドメガネを購入しています
(メガネ1万5千円までなので、超えた分は自己負担)。
統計によると人口の20%。プライベートの保険に加入出来る家族は
そんなに多くはないのです。
保険に加入するゆとりのある人)は、歯科矯正もブランドメガネも
思いのままなのでした。
ケベック州では、州の健康保険プランの他に、
任意で州の処方薬保険プランに加入することができるそうです
(年間5万円の保険料で、上限9万円までの処方薬がカバーされる)。
ちゃんとこういうところまで報道してよねっ!!!
(関連目次)→本日のニュース・おすすめブログ..。*♡ 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
おはようございますo(^-^)o..。*♡
2.18の運動についてM3で取り上げられていました!
DPCバブルの終焉
なんちゃって医療経営学 2008-02-22
http://ameblo.jp/mm-office/entry-10074559162.html
重症救急撤退を通告 札幌市産婦人科医会 市に「夜間の負担増」
北海道新聞 2008年2月27日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/78393.html
札幌市の産婦人科の救急医療で、重症患者を診る二次救急を引き受けている札幌市産婦人科医会(遠藤一行会長)が「各病院の負担が重く、これ以上は担いきれない」として、二次救急からの撤退を市に申し入れていたことが、二十六日分かった。市は医師や住民による協議会を三月中に設置し、負担軽減策を話し合う考えだが、同医会は具体案が出ない場合は、九月で撤退すると通告している。市内では現状でも妊婦のたらい回しが起きており、撤退となれば、市の産婦人科救急に大きな影響が出そうだ。
札幌市の各診療科の夜間、土日・祝日などの救急体制は《1》軽症者を診る初期救急《2》初期救急の医療機関から重症者を受け入れる二次救急《3》より重症な患者を二十四時間受け入れる三次救急-に分かれている。このうち、産婦人科は同医会所属の医療機関のうちNTT東日本札幌病院など九医療機関が、二次救急に加え、夜間(午後五時-翌日午前九時)の初期救急も担ってきた。
担当医師の負担が増えたのは、産婦人科医の減少で二次救急を毎日交代で引き受ける医療機関が、四年前の十四から五カ所も減少したため。各医療機関の担当回数が二週間で一回から一週間で一・三回程度に増え、担当医から「産婦人科は慢性的な人手不足で、受け持ち患者の診療と出産で手いっぱい。これ以上、救急を分担できない」と、声が上がった。
このため、同医会は二○○八年度に向け、市の夜間急病センターに夜間の初期救急を診る産婦人科医を置き、初期と二次を分離するよう市に要請した。遠藤会長は「センターで患者を振り分け、子宮外妊娠や早産などの重症患者だけを二次救急に送れば、医師の負担が大幅に軽減される」と説明する。しかし、市は新年度予算案に、二次救急医療機関への報酬の一千万円増額を盛り込んだものの、センターへの産婦人科医配置は見送ったため、医会として撤退を申し入れた。 市医療調整課の飯田晃課長は「夜間急病センターに産婦人科医を配置すると、約七千万円の予算が必要になる。財源が限られる中、住民合意を得られるだろうか」と説明。三月中に協議会を設置し、負担軽減に向けた代案を話し合う。
医療機関に二次救急を担う法的な義務はない。撤退が決まった場合、市が個別の医療機関に担当を依頼しなければならず、三次を担う市立病院や、市の依頼に応じる一部医療機関の負担が増大するのは確実。最悪の場合は救急体制が崩壊する恐れもある。 遠藤会長は「医療にどうお金をかけるか、市と住民で考えてほしい」と話している。
姫路市 4病院、救急輪番撤退 4月から「崩壊寸前」の声も
読売新聞 2008年2月27日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20080227-OYT8T00012.htm
救急搬送中の姫路市の男性が昨年12月、19病院に受け入れを断られるなどして死亡した問題で、休日・夜間の重症患者を交代で診療する同市の「輪番病院」のうち、内科と外科の計4病院が4月から撤退することがわかった。残る9病院だけではカバーが難しいため、輪番に参加している総合病院が空白日を担当するとしているが、関係者は「市の救急医療体制は崩壊寸前」と危機感を募らせている。
同市の輪番病院は2000年を境に減り続けており、今年度は内科が6、外科が7とピーク時の半分以下に減少していたが、08年度は内科が5、外科が4とさらに減る。撤退する病院は「当直医が確保できない」「財政面で運営できない」などを理由に挙げているといい、両科以外の科を受け持つ医療機関でも同様に撤退する動きが出ているという。
市医師会では4月から運用する新たな輪番体制を編成中だが、内科は5日、外科は10~15日程度、穴が開く見込み。内科と外科の両方を診察する輪番の総合病院が代わりに受け持つことになるが、市は「ベッド不足は必至」とみており、満床で受け入れを断るケースがますます増えるとみられる。市医師会の空地顕一副会長は「昨年と同じ問題がいつ起きても不思議ではない。市の救急医療は崩壊の一歩手前」と指摘し、「市民にはこの現状を踏まえ、不要不急の利用を控えるよう、協力をお願いしたい」と話している。
お産が危ない 減りつづける産科医
しんぶん赤旗 2008年2月26日(火)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-02-26/2008022613_01_0.html
東京 毎年14施設消える
東京都北区で保育士をしている三十七歳の女性は昨年九月、東十条病院で妊婦健診を受けました。月末に突然「十月で全科を休診する」と告げられました。東十条病院がなくなると区内でお産ができる総合病院は北社会保険病院だけになります。女性は北社会保険病院で「ここで産ませてくれますか。途中でまたほかに回されたら困ります」と必死に訴え、分娩予約が受け付けられました。
「患者が集中」
「患者が集中し、先生がとにかく忙しそうで。流産も経験したので病院を替わるのがとても不安でした」といいます。東京都内の産婦人科・産科の病院・診療所は一九九九年の七百九十二施設から二〇〇五年に七百七施設と八十五施設も減りました(東京都調べ)。毎年約十四の施設がなくなった計算です。
都立病院では豊島病院(=公社化計画、板橋区)が〇六年九月に産科を休診。同病院のNICU(新生児集中治療管理室)の受け入れも〇七年十月に休止、閉鎖の方向です。墨東病院(墨田区)は〇六年十一月、分娩新規受け付けを停止しました。
〇七年十月に分娩をやめていた荏原病院(=公社化、大田区)は住民の運動が実り来年四月から産科を再開します。しかし再開のメドが立ったのは荏原病院に医師を派遣している私大病院が長野県内の病院から産科医を引き揚げるためでした。
ハイリスク出産や緊急時に対応する都内の周産期母子医療センター(総合九カ所、地域十三カ所)も設備や医師数の絶対的不足でベッド満床の状態が恒常化しています。
全国の産婦人科医のうち女性医師は三十―三十四歳で53%、二十五―二十九歳で73%を占めます(〇六年厚労省医師・歯科医師・薬剤師調査)。しかし結婚や出産を機に分娩の現場から離れる場合が多く、お産を扱う女性医師は経験十一年目で46%(日本産科婦人科学会調査)と半分以下に減ってしまいます。
低い待遇改善を
都立病院医師の平均月収(基本給・手当)は百一万三千六百六円と全国六十一の都道府県・政令市立病院で最低です。都は〇八年度予算案で常勤医師確保対策として前年比八億八百万円増の九億六千万円を計上しましたが、日本医療労働組合連合会の全国調査によれば退職した医師の57%が他の病院に移っており、都立病院の待遇面の改善が急務となっています。
◇
日本医労連の池田寛副委員長の話 医労連の調査では産婦人科医の四人に一人が月八回以上の宿直を行い、調査した医師の三分の一が過労死ラインの月八十時間以上の時間外労働をしています。
こうした勤務状態を改善するには先進国中で最低クラスの医師の絶対数を増やすことが急務です。医師養成削減政策を根本的に改め、週四十時間労働や救急・夜間の交代制、休日・年休取得が保障される予算の裏づけと診療報酬の改善が必要です。産科で比重の高い女性医師が働き続けられる対策も進めるべきです。
埼玉 産科医の負担ワースト1
埼玉県は産科医一人当たりの分娩数が二百六十八人と全国平均百四十一人を大きく上回り(日本産科婦人科学会調べ)、全国で最も産科医の負担が重い県です。特に秩父地域や北東、東部地域で分娩数に対し医師数が手薄になっています。
県の統計では産婦人科・産科のある医療機関が二〇〇〇年の二百八十二施設(病院六十三、診療所二百十九)から〇五年に二百四十六(病院五十、診療所百九十六)に減少。残された医療機関に負担が集中しています。
県東部の春日部市立病院は〇七年十月、医師の相次ぐ退職で小児科と、小児科医の支援が必要な産科も休止になりました。〇八年二月に非常勤医五人を確保し小児科は再開したものの、産科再開の見通しは立っていません。市民は「安心してかかれる地域医療を実現するために力を合わせよう」と小児科・産科の再開をめざす市民の会を結成し、署名や学習会など活動を始めています。
県東南部の草加市立病院産科は草加市内で出産できる数少ない病院でした。産科医の病休や退職で〇五年三月に休止していました。市民の運動を病院の医師確保の努力が実り、〇七年十月に二年半ぶりに再開しました。
神奈川 県立病院残して
神奈川県内でお産を扱う病院、診療所、助産所数は二〇〇六年度の百六十施設から〇七年度には百五十三施設に減り、これに伴うお産取り扱い件数は六万五千百十二件から六万二千四百九十五件と二千六百十七件も減る見込みです(県調査)。
公立病院でも産科が縮小しています。三浦市立病院では〇七年四月から小児科医師が二人から一人に減ったため、お産ができず、大和市立病院では昨年七月から分娩入院にも制約を受ける状況に。厚木市の市民病院は、〇七年七月から産婦人科が休止し、年間六百例あった出産ができなくなりました。県立足柄上病院(松田町)で出産した女性(29)と夫の男性(31)は同病院が〇六年四月から分娩を制限していることに、「不安です。個人レベルの努力ではどうしようもない」と語ります。
こうしたなか、県は、足柄上病院を含む六つの県立病院を、採算重視の「独立行政法人」にしようとしています。昨年末、結成された「地域医療の充実と県立病院の直営を求める会」は二十三日、七十六人で宣伝行動に取り組みました。妊娠している女性(35)は「少子化といわれるのに子どもを産むのが厳しい。県立病院をなくされると困ります」と同会の署名に応じました。県病院事業庁労組委員長の植木眞理子さん(57)は「独立行政法人になれば本当に必要としている医療が守れません。運動をみんなで広げていきたい」と話しています。
産科医1人減へ 奈良県立三室病院
奈良新聞 2008年2月26日
http://www.nara-np.co.jp/n_all/080226/all080226c.shtml
県議会の少子高齢化社会対策特別委員会(井岡正徳委員長、9人)が25日開かれ、この中で県は、県立三室病院(三郷町三室)の産婦人科常勤医師が1人減員する可能性があることを明らかにした。
三室病院の産科継続問題については、服部恵竜委員(自民)が質問。竹村潔健康・県安全局長は「4月からの三室病院での出産の受け付けは厳しい状況。出産できるよう努力している」と述べ、4月から出産が受け付けられなくなる可能性を示唆した…
阿多田島に常勤医 7月着任、25年ぶりに不在解消
中国新聞 2008年2月26日
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200802260336.html
県立三病院に事務補助員配置 県病院局、医師確保へ負担軽減
徳島新聞 2008年2月26日
http://www.topics.or.jp/contents.html?m1=2&m2=&NB=CORENEWS&GI=Kennai&G=&ns=news_120398945959&v=&vm=1
北見赤十字病院、内科医2人確保
読売新聞 2008年2月26日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20080227-OYT8T00015.htm
雲南病院へ1市2町が財政支援
山陰中央新報 2008年2月26日
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=500674004
妊婦の搬送先、ネットで即決 岐阜県が新システム導入
中日新聞 2008年2月27日
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008022702090873.html
医師確保へ分娩手当/医学部生向け奨学金制度も~中津市
読売新聞 2008年2月27日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/oita/news/20080226-OYT8T00612.htm
都が医師確保に向けた提言を発表
キャリアブレイン 2008年2月26日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14706.html
追跡・静岡:県内の院内助産 助産師を信頼できない? /静岡
◇医師抜き「リスク高い」/「技術育たない」の声も
毎日新聞 2008年2月26日
http://mainichi.jp/life/edu/child/archive/news/2008/02/20080226ddlk22040120000c.html
助産所の嘱託医確保、あと18カ所
キャリアブレイン 2008/02/26
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14694.html
近江八幡市立総合医療センター:4月から分娩予約再開 医師確保、健診も /滋賀
毎日新聞 2008年2月26日
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20080226ddlk25040461000c.html
高齢者97%「健診」除外地域も
キャリアブレイン 2008年2月26日
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/14697.html
出産後に主婦死亡で医師らと和解成立
日刊スポーツ 2008年2月27日
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080226-327791.html
名古屋市の主婦(当時31)が出産後に死亡したのは適切な処置が取られなかったためとして、遺族が同市港区の男性医師(49)らに損害賠償を求めた訴訟は、名古屋高裁(堀禎男裁判官)で和解が成立していたことが26日、分かった。和解内容は明らかにされていない。
主婦は2000年8月、医師の勤める医院で男児を出産後、大量出血し出血性ショックで死亡。06年9月の1審名古屋地裁判決は「設備の整った医療機関に搬送しなかった」として医師の過失を認め約7700万円の支払いを命じ、医師側が控訴していた。医師は業務上過失致死罪にも問われ罰金50万円を求刑されたが、昨年2月、名古屋地裁で無罪判決が言い渡された。
妊婦さんも歯が命 口腔ケアで出産時のリスク軽減
MSN産経ニュース 2008年2月27日
(1)http://sankei.jp.msn.com/life/body/080227/bdy0802270818003-n1.htm
(2)http://sankei.jp.msn.com/life/body/080227/bdy0802270818003-n2.htm
(3)http://sankei.jp.msn.com/life/body/080227/bdy0802270818003-n3.htm
鳥インフルでまた死者、今年4人目
日刊ベトナムニュース 2008年2月26日
http://www.viet-jo.com/news/social/080226033915.html
瓦礫の下の医療象徴がなぜ
読売新聞 2008年2月26日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20080225-OYT8T00664.htm
日本新薬、月経困難症薬軸に婦人科領域へ本格参入
化学工業日報 2008年2月26日
http://www.chemicaldaily.co.jp/news/200802/26/02801_2121.html
一時保育 (上)働き方多様に 高まるニーズ
読売新聞 2008年2月26日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/saizensen/20080226-OYT8T00408.htm
20代65% 正社員化望む 県が非正規雇用の実態、意識調査
福井新聞 2008年2月26日
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news2/article.php?storyid=3316
「2.18」事件から2年、数多くのブログで取り上げられています
m3.com 橋本佳子 2008/02/22
今回の資料:
「2.18」。 多くの医療関係者の心に刻み込まれている日付です。2006年2月18日に、福島県立大野病院の産婦人科医、加藤克彦医師が逮捕されてから、今週の月曜日で2年が経過しました。
「加藤医師を支援するグループ」が、このことに触れたブログなどを集めています。これらを読んでみると、いかにこの事件が多くの医療関係者にとって衝撃的なものだったかが分かります。
「我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医の無罪を信じ支援します」
「医学史上最悪の刑事事件ー医療者のこころの傷は消えない」
「福島大野病院事件から2年、日本の医療を守るためにも応援し続けます」
など、加藤医師を支援する言葉が並びます。「加藤医師の逮捕・起訴が、“医療崩壊”の引き金となった」という見方をする人は多く、「日本の検察は間違いなく、本件をもって医療を破壊したと思います」といったコメントが見受けられました。
先日のこのコーナー(「舛添・厚生労働大臣に皆様のご意見をお届けしました」)でもご紹介しましたが、舛添大臣へのご意見でも、「今の医療崩壊を食い止めるには、大野病院事件の裁判を中止するのが一番効果的」など、医療事故が刑事事件に発展することへの懸念が多数上がりました。
ある先生とお話したところ、「検察は(無理をして)よくここまで裁判を維持したものだ。検察の意地でやっているのでは」との見方をされていました。また医療関係の訴訟に詳しいある弁護士は、「検察は、『無罪』を求刑すればいい」と指摘されていました。
公判は昨年1月からほぼ1カ月に1回のペースで開催されました。加藤医師の所属医局である福島県立医科大学産婦人科教授の佐藤章先生は、毎回、公判を傍聴されています。また東京で開催される医療事故関連のシンポジウムなどでも、先生のお姿をよく拝見します。土・日曜日を利用して、上京されているのです。加藤医師を助けたい、また二度と同じことを繰り返してはいけないという思いからなのだと思います。論告求刑は3月21日です。このコーナー、および「医療維新」で詳報する予定です。
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