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(投稿:by 僻地の産科医)
ご紹介しますから!
と主催の三重大学の先生に
お誘いを受けていってきました(>▽<)!!!!
そう!あの有名な「チーム・バチスタの栄光」の作者の先生です。
元外科医にして、病理の現役医師でもあられます。
「医師」といってもてっきり代務とかしながら、
残りの時間で執筆活動をされているのかと思ったら、
大間違い っ!
で大きな病院の先生でした。。。(-_-;)ごめんなさい。。
しかも、「たまたま作家になってしまったのか」とおもってたら、
「フィクションは自分の活動を語る手段なんです。」と!
「地道に学術的に活動していてもなかなか相手にされないんです~。
だから自分の主張をフィクションでしてみたらどうだろうかと。
AI(オートプシーイメージング)学会での地道な活動が先にあって、
今でも、宣伝活動じゃないかとか、売名行為じゃないかとか、
色々言われますけれど。どんな手段でも、
自分の活動が形になるならば、それでいいと思うんです」
と笑っておっしゃっていましたo(^-^)o ..。*♡
もちろん、死因究明委員会には関心があって、
第11回の検討会は傍聴に行かれたとのこと。 ←記事また上げます!
(私も第8回を聴きにいきました。
↓この中から探してください)
http://
「あれ、どうおもわれますか?」とお尋ねしたところ、
「ああ、あれ。ひどい会議だよね~」と一言。
ともかく、講演内容をお伝えします(>▽<)!!!!
講演会場は医療関係者が6割、一般の方が4割でした!
死因不明社会に立ち向かう新しい医療制度
オートプシーイメイジング
(死亡時画像病理診断) は絶対必要だ!
医師・作家 海堂 尊
講演日時: 2月14日(木)18:30‐20:00
場 所: 三重県総合文化センター小ホール
>
今日、お話しする内容は、
オートプシーイメイジング(死亡時画像病理診断) は絶対に必要だっ!
ということで、そこに入るまでにお話していかねばならない前提があります。
最近、医療に関して話題が多いのですが、
その混乱の背景にの原因となっているのが、
「医学」と「医療」をごっちゃにしているという背景があります。
そもそも学問というのは、お金にならないものです。
たとえば、飛行機がなぜ飛ぶのか。
理論を考察して、研究をしても、一銭のお金にもならないわけです。
飛行機が飛ぶようになって初めて、産業として役に立つんですよね。
さて、医療の話です!
「医療」これはわかりますよね。
傷ついている方に手当てし治療するのが医療。
「医学」は学問です。
「医療」の根幹をなす学問です。
患者さんの体に何が起こっているか検索して、
その原因を、結果を、調べるというのが医学。
目の前の「医療」には役に立たなくて、一銭にもならないけれど、
なぜ飛行機が飛ぶのかわからないと、飛行機を作り出すことができないように、
「医学」がなければ、「医療」は成り立ちません。
建築物の構造設計のない建物が倒れてしまうように、
「医学」がなければ、「医療」は倒れてしまいます。
ただ「医学」というのは一銭のお金にもならないんですよね。
だから国や企業は、「学問」の研究にお金をだすのです。
「死亡の原因を調べること」は「医学」の根幹を支える原点にあります。
なにが人体の中で起こっていたか。
知りえるのは「解剖」をおいて他にありません。
たとえばガンにかかっていて、そのまま亡くなった方がいるとします。
でも実は本当の死因は脳出血だったら?
ガンで亡くなったと周囲も医療関係者も思うでしょう。
周囲も解剖をすすめてみたりはしないかもしれません。
でも、その患者さんの臨床経過は、次の患者さんのためには
何の役にも立ちません。
つまり学問として、その患者さんの死は何の役にも立たないのです。
次の患者さんのために何の役にも立たないのです。
しかし、日本の医療現場では、上のような例が多発しています。
50人に1人(2%)の患者さんしか解剖されることはありません。
日本の医師の多くは
「心不全」かな??
「癌」かな???
という推測される理由で死亡診断書を書いています。
何故なんでしょう???
解剖をするということは一般的に受け入れがたいことであります。悲しみの淵にいるときに、やっぱり体を切られるということってつらいものがありますよね。
それ以外にも理由があります。
あまり知られていないことなんですが。
解剖って無償労働なんです。患者さんの御遺族に受け入れがたいと同時に、病院の現場にはそういう「すすめにくいな~」というところもあるんです。
解剖にはとても手間がかかるんです。そして時間もかかります。
ましてただ働き、ボランティアともなると、今でさえいっぱいいっぱいの医療現場で、なかなかすすめにくい。
そういった背景があって、年々解剖数は減っていっています。
まして、現在の医療政策は
「無駄な検査はするな!」
「なるべく検査は減らそう!」
となると、死因を調べるということは
経済的には一文の得にもなりませんし、
今すぐ必要な検査でもない!
なんとなくお茶を濁して「心不全」と書いておけばいいかなぁ?という風になっちゃうんです。日本の社会はそれを許してきましたし、医療現場もそうやってなぁなぁやってきました。
時津風部屋の力士の話題が、最近よくでていますけれど、
体表から推測される原因か、まぁせいぜい状況からの推測か。
現場の医師が批判されていますけれど、
だって仕方ないでしょう?
解剖にお金でないんですし、
患者さんだって嫌がるし!
50人のうち49人は解剖されないんですから!
(それと力士のお話ですけれど、
この例では一回解剖しても、最初は死因特定できなくって
再鑑定にまわされたわけですよね。
解剖しても原因がわからないこともあるわけです。)
何%が正確な死因なんでしょうか?厚労省の
「日本の死因の3割は心不全ですo(^-^)o ..。*♡」
なんて信用ができないことがわかってきます。
でも。時津風部屋の例を見ても
臨床医が、死因をきちんと知らずに「心不全」と書くことが
責められる時代に入ってきています。
患者さんも死因をきちんと知りたい!と思うでしょう?
突然亡くなった場合には納得できません。
下手をすると、医療訴訟になったりするかもしれません。
私のきいた例では「腎生検」の3日後に亡くなった例がありました。
患者さんのご家族は「どうしてでしょう?」と医師に聞きました。
「腎臓の検査が死んだ原因かもしれない」とその医療者もちらっと思ったそうです。
しかし、彼はそこからCTを撮りました。
突然に解剖をおすすめするのは唐突で遺族感情から
受け入れがたかったからかもしれません。
そこで脳出血が分かりました!一枚のCTが医療者と、ご家族を、
不信と泥沼とお金のかかる医療裁判から救ってくれたのです(>▽<)!!
死因が分かりさえずれば、また裁判になったとしても、
客観的な証拠がありさえすれば、泥沼の状態にならずにすむんです。
これほどいい話はありません ..。*♡
ところが、この死因の原因検索、どこからお金が出るのでしょうか。
医療というのは生きている人のため、です。
そんなもんにお金出せません。
でも死んだ人のための検査にお金が出る????
聴いたことありませんよね?
そもそも司法解剖で、警察が捜査のために行う解剖なら
予算がつきますが、死後の方々への死亡原因究明検査って
病院の持ち出しなんです。
病理解剖、25-30万円かかるといわれています。
しかし昨今の医療費削減のあおりを受けて、病院にお金のなくなる
状態では、この25-30万円さえ支えられません。
当然、希望されても行われなくなっていきます。医師も足りません。
108万人と言われる年間の死亡者に5000体しか解剖を行えていません。
そもそも医療費と医師数を削減し続けたので、現在、
治療をやる医師そのものがいなくなっていますから、
病理医、法医だけ増えるわけもなく体力もないのです。
で、これからは死亡時に画像診断を行い、必要とされるのであればCTやMRIをとったらいいのではないか?と思うわけです。
「チームバチスタ」白鳥が行っております。
そもそも遺族の反発が少なく、
早く結果が分かり、体は傷つかないのですから!
世界の50%が日本所有のCTです。MRIも40%だったかな?画像偏重の医療政策が行われた時期があったんですね。だからどの施設でも、ボランティアでなければ請けられるでしょうけれど、それでも死因がわからないご遺族が望めば解剖するという方向のほうがもって行きやすいと思うんです。
図示化してみました(>▽<)!!!
ちなみに法医学の警察の方からお金をもらってやっていらっしゃる方々は100人程度で年間5000人で手一杯のようです。とても、普通の死亡に手は回りませんし。
でもこの「オートプシーイメイジング(死亡時画像病理診断)」
機械もある。でも予算が落ちないから、病院持ち出しだから現在各病院でされないのです。たちえば三重大学では死因不明の方の6割に、病院の持ち出しで検査し、それでそのうち3割から想像とは違った死因がついているそうです。
やってもらえるなら、やってほしいと思いませんか?
こんな良策があるよ!
ってことを報道の方は、きちんと報じてくださいませんでしょうか!
現在、厚労省が「死因関連死死因究明委員会」を検討中ですけれど、その案を見てみると、お金と人手のかかる解剖を制度の根幹とされようとしているようです。でもCTの方が安価でしょう?そのまえに解剖しなければいけない例がガット減って、法医や病理医の数に見合った数のみに解剖症例が絞られるでしょう。
予算配分や、医師の人数が減ったので、もともと少なかった解剖医にしわ寄せがきて、どんどん減っていたりしていますので、きちんと予算をつけてボランティアではないAIを行える社会になっていけると、
この案を流通させるには、
まずボランティアではなく、きちんと医学として認めて、費用を捻出すること!
CT・MRIによる証拠ともなりうる検査は、
解剖よりもずっと安価に行うことができます。
たとえば、千葉大学では、オートプシーセンターを300万で立ち上げたそうです。
解剖を行うよりも人件費もかけずにすませられる。
しかしそれが、現場へのただの押し付けであってはなりません。
そのような制度は長続きしませんし
一時期義務づけたとしても、赤字続きの医療現場では
負担できずにやがて解剖のように
行われなくなっていくでしょう。
あとでもめないためにも。
医療者との悔恨を残さないためにも。
きちんと死亡時検索はルーティンでやるようにならなければ、
死因究明委員会が立ち上がってもただの砂上の楼閣になるだけです。
よりよい医療を、よりよい社会を築くために!
こういった考えを一人でも多くの人々に知っていただきたい!
医療者は頑張っています。
でも世間の人にはなかなか認めてもらえない。
社会と医療のためにどうしていけば一番いいのか
活動を通して一人でも多くの人々に考えていただきたいと思っています。
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