医療ミス、過酷な勤務も一因か 名古屋5病院で防止策検討
中日新聞 2007年11月17日
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20071117/CK2007111702064926.html
名古屋市立城西病院(中村区)で起きた医療過誤を受け、市は16日夜、市内5病院の病院長や看護部長、診療科部長ら責任者を集め事故の原因や防止対策を話し合った。勤務歴20年以上のベテラン看護師(42)が犯した医療過誤について、同病院は「単純なミス」というが、その背景には過酷な勤務実態があると指摘する関係者も少なくない。会合では、城西病院の看護部長らが事故経過を報告。各病院の責任者が意見を出し合い、似た器材は絶対に近くに置かない、器具を取り換えた後は必ず不具合が起きていないか患者の様子を見るなどのマニュアルを早急に作成し、各病院で徹底することなどを決めた。
事故が起きた15日、この看護師は午後4時45分から翌日午前1時までの「準夜勤」だった。市によると市立病院は平均して月に計8回、この準夜勤か、未明から朝まで働く「深夜勤」がある。
「現場からはいつも夜勤がきついという声を聞く。だから(勤務が)長続きしないし、人が少ないので、妊娠していても夜勤に入らないといけない」と市職労の中川悟書記長は現場の声を代弁する。
関係者によると、昨年4月の診療報酬改定以来、全国の病院による看護師の“争奪合戦”が始まった。単純に看護師の数が多いほど、病院の収入も増えるシステムに変わったからだ。「東大病院を頂点に争奪合戦が繰り広げられ、名市大系の市は後塵(こうじん)を拝しているのが実態」という。市病院ではここ2年続けて100人強が退職し、補充が追いつかない状態が続いている。
市病院で本来、必要な看護師計980人に対し、現在は41人が不足。ただ、今月末に締め切る看護師募集も現時点で応募がゼロ。市は今後も毎月募集する考えだが、今春、やむなく休止した東病院(千種区)と緑病院(緑区)の計2病棟は再開のめどすら立たない状態だ。
「給与面だけでなく、魅力ある職場づくりを進めたい」と市の西川徹職員係長。期待を寄せるのは、予算原案の作成や柔軟な給与体系ができるようになる来年4月からの病院局新設。「事故防止も含め、いろんな知恵を出し合って、考えてゆくしかない」と話す。
出産取り扱う病院 兵庫では10か所休止
2007年11月15日 読売新聞
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20071115p201.htm
産科医不足の深刻化に伴い、昨年4月以降に出産の取り扱いを休止した病院が、全国で少なくとも127か所に上ることが読売新聞の全国調査でわかった。出産を扱う病院がこの1年半で約1割減ったことになる。休止は、地域医療の中核を担う総合病院にも及び、お産の「空白地帯」が広がっているほか、その近隣の病院に妊婦が集中し、勤務医の労働環境がさらに悪化する事態となっている。
調査は、各都道府県が休止を把握している病院の数に、休止を周知している病院への取材も加えて集計した。それによると、2006年4月以降にお産の扱いを休止した病院は132病院だったが、このうち5病院は、産科医を確保するなどして再開。また、来春までに休止方針を打ち出している病院も12か所あった。
国は3年に一度、出産を扱う病院数を調査しており、直近の05年10月現在では1321病院だった。これを母数とした場合、すでに休止した127病院は全体の9・6%に相当し、来春までの休止予定も含めると、10・5%の病院がお産の扱いをやめることになる。
都道府県別では、兵庫の10か所が最多。北海道の9か所、福島、東京、新潟の6か所、大阪、千葉、神奈川、山梨、長野の5か所と続く。主な休止理由は〈1〉医師不足に伴い、大学医局からの派遣医を引き揚げられた〈2〉労働条件の悪化を理由に、勤務医が開業医や(お産を扱わない)婦人科に転身してしまい、穴埋めができない〈3〉産科医不足対策の一環で、近隣病院に産科医を集約する――などとしている。
病院や診療所 84%労基法違反
2007年11月17日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news001.htm
県内の病院や診療所などを対象に労働基準監督署が昨年1年間に行った立ち入り調査で、労働基準法などに違反した事例が84%に上っていたことが、富山労働局のまとめでわかった。違反率は全業種を20ポイント余り上回っていた。こうした違反に対し、同局は是正を勧告し、いずれも勧告に応じたため、送検したケースはなかった。背景には深刻な医師不足などによる長時間労働があるとみられ、過酷な医療現場の実態が改めて浮き彫りになった格好だ。
同局によると、県内4労基署が昨年、医療保健業計25か所を対象に行った立ち入り調査で、違法行為を行っていた事業所は21か所に上った。県内全業種の違反率は63%で、医療保健業の違反率は主要18業種の中で最悪だった。厚生労働省労働基準局によると、医療保健業の違反率の全国平均は昨年、81%で、本県の違反率は全国平均も3ポイントも上回っていたことになる。
違反行為が判明した県内医療機関で最も多かったのが、「8時間、週40時間労働」などを定めた労基法32条違反で16件。次いで、「時間外、休日、深夜の割増賃金」を規定した同法37条違反が7件だった。同局は「32条違反が多いことは勤務形態に問題があることを示す。医師不足と無関係ではない」と分析する。
県医務課によると、今年4月に県内の公的病院25機関を対象に行った調査で、小児科は7病院で8人、産婦人科は7病院で9人、麻酔科は8病院で11人の医師不足を報告した。県は、症状に応じた救急患者の受け入れ態勢整備などを通じ、医師の負担の均等化に努めているが、医師不足の解決にはほど遠い。同課は「長時間労働の改善には、県内の医師を1か所に集めて交代勤務制を実現する方法もあるが、病院までの距離が長くなる。根本的には医師を増やすしかない」と話している。
患者の意識 ■ 軽症者も安易に利用/群馬
2007年11月17日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news005.htm
県内の夜間・休日の救急医療態勢は、前橋、高崎・安中など10の圏域ごとに整備されている。軽症患者を扱う1次救急は、在宅当番医や休日夜間急患センターが行い、入院や手術を必要とする2次救急は、複数の中核病院が輪番制で担当する。重篤な患者を扱う3次救急は、前橋赤十字病院など3病院が担う。同病院には日中も救急患者が集まるが、特に他病院が閉まる夕刻以降は重要性が増し、救命センターは戦場となる。
一方、患者は振り分け通りに訪れるわけではない。県内の06年の救急搬送は約7万6000件で、その半数程度の約3万5000件が軽症患者だった。同病院にも1次から3次まであらゆる患者が訪れ、救急医は「重症者に手が回らない」と嘆く。中には昼間に仕事を終えた後、悠々と救急に来る人もいるという。軽症患者の安易な利用が、相対的に救急現場の医師不足を加速させている。
◇
伊勢崎市の主婦(40)が代表を務める市民グループは、3年ほど前まで、年1回の小児医療勉強会を開いていた。地元病院の医師不足を聞き、「軽症患者が救急に殺到すれば、重症の時に診てもらえないかも」という思いから始まった企画で、地域の母親たちが毎回100人ほどが集まり、地元医師の講演を熱心に聞いたという。 しかし、「みんな、自分が関係する病気の話は聞き、病院の事情やホームケアの大切さには関心がなかった」と、主婦は当時を振り返って話した。その後、勉強会は地元病院が引き継いたが、以前ほど参加者は集まっていない。主婦は「住民が病院を賢く利用すべきなのに」と悔しがるが、一方で自分も子どものせきが止まらない時、慌てて病院に駆け込んだ経験を思い出し、「母親に『行くな』というのは難しいのか」とも考える。
◇
厚労省は今、幅広い診療能力のある開業医を育てようと、「総合科」創設を打ち出している。軽症患者がまずかかりつけ医にかかることで、入院や専門医療を担う病院との役割分担を進めるのが狙いの一つだ。県医務課も、症状によって患者を振り分ける無料電話相談「#8000番」などでの利用を呼びかけており、「コンビニエンスストアのように、何でも病院にというのはもう無理」とする。
病院は、住民の理解なしには立ち行かなくなっている。行政がより利用しやすい制度づくりに取り組むとともに、住民側も地域の医療を守るためには、その意識を高める必要があるだろう。(おわり)
増える「飛び込み」出産、経済苦や産科施設減が背景に
朝日新聞 2007年11月17日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200711170085.html
妊婦健診を一度も受けず、生まれそうになってから病院に駆け込む「飛び込み出産」が増えている。今夏、奈良など各地で妊婦の搬送受け入れ拒否が発覚したが、病院側が断った理由の一つは「未受診」だった。医学的にもリスクが高く、振り回される医師からは「妊婦としての自覚をもって」との悲鳴が上がる。背景には経済苦や産科施設が減って遠くなったことなど、様々な格差が横たわる。
◇
「破水した」――。
大阪市浪速区の愛染橋病院に、40歳代の女性がいきなり訪れたのは7月上旬の夜。妊娠30週で一度も妊婦健診を受けていなかった。そのまま入院、2日後、帝王切開で出産。早産のため、赤ちゃんは新生児集中治療室(NICU)に入った。その10日ほど後にも、この病院に未受診妊婦が救急車で運ばれてきた。妊娠40週。すでに産道が開きかけており、到着30分後に出産した。
同病院によると、今年1~7月、20週以上で未受診のまま陣痛や異常を訴えて駆け込んできたのは、19歳~40代の18人。「妻が無職で夫の欄が空欄」か「夫婦ともに無職」が11世帯、生活保護を5世帯が受けていた。同病院など府内2院が96~00年に受け入れた205人のうち、カルテから未受診の理由が分かる99人の半数が「経済的理由」をあげた。
神奈川県産科婦人科医会が、周産期救急搬送システムの八つの基幹病院を調べたところ、03年に20件だった飛び込み出産が、07年1~4月には35件。通年では100件を超える見込みだ。 同県内では産科医不足などで昨年度、7病院が産科を閉じた。調査をまとめた横浜市立大学の平原史樹教授は「妊娠は病気ではないという安全神話が広まったところに、分娩(ぶんべん)施設の相次ぐ閉鎖が追い打ちをかけた。健診費が比較的安い公立病院から産科が撤退、収入が少ない若い貧困層が健診を敬遠している。経産婦も上の子の手を引いて遠くの病院を受診するのはおっくうなのでは」。
●現場は疲弊●
未受診出産は、医師不足でかつかつの現場をさらに疲弊させている。
日本医科大多摩永山病院が、未受診妊婦41人を分析したところ、子が死亡したのは4例。周産期(妊娠22週~生後1週間)の死亡率は、通常の約15倍だった。11人が出産費用を支払っていなかった。 調査した中井章人・同大教授は「医学的にハイリスクで、高次医療機関でしか対応できない。未収金のリスクもあり、病院側の負担が増す」。
奈良で11病院に搬送受け入れを断られ死産▽千葉で16病院に断られ切迫流産▽大阪で19病院に断られ自宅出産。8月から相次ぎ発覚したケースはいずれも未受診妊婦だった。
搬送受け入れ拒否問題を受け、奈良県立医大が緊急調査をしたところ、同大学病院への飛び込み出産は98~06年に50件。98年の3件が、03年に11件と3倍以上に増えていた。妊婦・新生児ともに異常は多く、妊婦の胎盤早期剥離(はくり)は2人で通常の10倍、呼吸障害など治療が必要な新生児は19人と通常の約20倍だった。同医大産婦人科の小林浩教授は「未受診だとリスクが非常に高い。妊婦さんも家族もそのことをよく知って、必ず健診を受けてほしい」と話す。
●少ない助成●
ただ、未受診の背景には経済苦が広がる。生活保護の出産扶助で現金支給を受けた人は、97年の839人から06年には1396人に。これとは別に、低所得者の出産費に自治体が配布する「助産券」を利用した人は97年の3392人から05年には5756人に増えた。受診できる態勢づくりも必要だ。 妊婦健診は1回5千~1万円程度かかる。出産までに14~16回受診する必要があるが、自治体の公費助成は平均2.8回。厚生労働省は今年1月、5回程度が望ましいとしたが、多くの自治体が財政難などを理由に回数増には踏み切っていない。特に関西は1回の自治体が、大阪32、兵庫19、奈良24と低調だ。
大阪府の阪南中央病院産婦人科の加藤治子医師は、最近、こんなケースに遭遇した。「派遣社員で妊娠を機に退職したが、前年度に課税所得があり、助産券が交付されなかった」「国民健康保険の滞納があったため、出産一時金はその解消に充てられた」 茨城県立医療大学の加納尚美教授(助産学)は「国は妊娠・出産に関し最低必要な医療内容と費用を算出し、その部分は公費で手当てしてほしい」と話す。
産科医療機関と産科常勤医、ともに過去5年で最大の減少/神奈川県内
神奈川新聞 2007年11月18日
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiinov0711377/
県内で分娩(ぶんべん)を扱う産科医療機関がこの一年間で十五施設減少し、産科常勤医も三十五人減ったことが、県産科婦人科医会(八十島唯一会長)の実態調査で分かった。ともに過去五年間で最大の減少幅で、激務を背景とした産科医の「お産離れ」が一段と進んだ形。少子化に伴う出生減のペース以上のため、限られた産科に出産が集中。現場が疲弊し、担い手がさらに減る悪循環に歯止めがかからない。実態調査は同医会加盟の病院や診療所を対象に年一回行われ、これで三回目。今年七月現在の常勤医数や二〇〇六年の分娩実績などを尋ねた。
それによると、〇六年一月から今年七月までに分娩を一件以上扱ったのは百三十八施設(病院六十八、診療所七十)。百五十三施設(病院七十五、診療所七十八)だった前回調査以降、横浜と川崎で各三施設、平塚と相模原で各二施設、横須賀、鎌倉、藤沢、秦野、寒川で各一施設減った。
【1】人手不足の大学病院から産科医が派遣されなくなる
【2】開業産科医が高齢化し、婦人科診療などに特化する-のが主な理由。横浜市大病院産婦人科部長の平原史樹教授は「(帝王切開で女性を死亡させたとして産科医が刑事責任を問われた)福島県立大野病院の事件や横浜市の堀病院への強制捜査が及ぼした影響も大きい」と指摘する。
分娩を扱う県内の産科は〇二年に百七十四(病院七十一、診療所百三)を数えたが、五年間で約20%減少。この間、常勤医も五百十五人から四百四十一人へと七十四人(約15%)少なくなった。一方、分娩件数は七万二百六十二件(〇二年)から5%程度しか減っておらず、分娩を続ける産科がしわ寄せを受けている。調査に当たった小関聡医師によると、「一人や少数の産科医でなんとか維持している病院も少なくない」という。
苦肉の策として、女性が実家近くの産科で産む「里帰り出産」や分娩予約を制限する動きが進むが、負担軽減にはつながっていない。調査を基に試算した〇六年の常勤医一人当たりの年間分娩件数は、横須賀(一七七・六件)や湘南(一七五・一件)、西湘(二七二・一件)などで県平均(一四三・九件)を上回り、地域格差も拡大している。横浜市栄区や川崎市麻生区、厚木市などで調査後に分娩を休止した産科があるほか、横浜市緑区や三浦市、寒川町では十年以内に出産ができなくなる見通し。同医会は「危機的状況」と訴える。
医師の絶対数増をアピール 札幌 医療問題考える集い
北海道新聞 2007年11月18日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/61133.html
産婦人科医希望は4% 横浜市大生らへのアンケで
2007年11月18日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news004.htm
横浜市立大(金沢区)などの医学部生のうち、現在、産婦人科医を第1志望にしている学生は320人中14人と4%にとどまることが17日、分かった。同日、同学部で開かれたシンポジウムで、医学科4年雨宮愛理さんが調査結果を発表した。過去に一度でも志望したことのある学生は3割程度いたが、訴訟リスクや昼夜を問わない過酷な勤務条件が敬遠されているとみられる。
雨宮さんらの調査班は、先月22日から今月9日までの間、同大医学部の1~6年生を中心にアンケートし、計320人から回答を得た。このうち、過去に一度でも産婦人科医を志望したことがある人は、93人(29%)だったが、現在、第1志望と答えた学生は、わずか14人。各学年とも3人程度で2年生(59人)はゼロだった。志望動機として「命の誕生という感動にかかわることができる」などが挙がったが、「勤務実態がハード」「(出産事故で)訴訟リスクが高い」を理由に志望を変えた学生が多かった。また、「産婦人科医になっても良い条件」という質問では、「絶対に刑事責任を問われない」ことを挙げた学生が計83人(26%)にも上った。
調査は、「妊婦たらい回し問題」についても記述してもらい、学生からは、「救急システムの不備や医療制度に問題がある」「一度も検診を受けていないなど、病院だけでなく、妊婦の側にも問題はある」などの意見が寄せられた。雨宮さんは、「実際に産婦人科病棟で実習を経験して、進路を変えてしまう学生も多い。医師不足を背景に勤務実態が厳しくなっているのでは」と分析した。
産科医不足で医学生がシンポ/神奈川
NHK 2007年11月17日
http://www.nhk.or.jp/yokohama/lnews/
全国で産婦人科の医師不足が深刻になる中で、医学部の学生たちがどうしたら医師不足の問題を解決できるか考える公開シンポジウムが横浜市で開かれました。
このシンポジウムは、横浜市立大学の医学部の学生たちが学園祭の催しとして開いたもので、学生や一般の市民などおよそ100人が参加しました。
はじめに医学部の学生300人余りに行ったアンケート調査の結果が報告され、学生の3人に1人が、一度は産婦人科を志望したものの、当直が多い厳しい勤務や訴訟のリスクなどから、多くの学生が途中で断念している現状が説明されました。
また、学生と大学の研究者、それに神奈川県の担当者が医師不足の解決策について意見を交わし、産婦人科医の過酷な勤務に見合うよう報酬の引き上げなどの処遇の改善や、ゆとりのある勤務時間を設けるなどの対策を早急に進めるべきだといった指摘が出されていました。
参加した女子学生は「いのちの誕生に立ち会える事に魅力を感じますが、自分が産婦人科医になったら子育てに十分な時間がとれるか不安を感じます。ぜひ働きやすい環境を整えて欲しい」と話していました。
「宿直が月10回…」過労死110番へ医師・教師ら続々
2007年11月17日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071117i213.htm
過労死弁護団全国連絡会議(幹事長・川人博弁護士)などが17日、全国20都道府県で「医師・看護師・教師 過労死・過労自殺110番」の電話相談を行った。
計66件の相談があり、「宿直勤務が月10回あり、過労が原因でうつ病になった」(40歳代男性医師)、「授業や行事の準備に追われ、保護者からの過大な要求もあって精神的に参っている。せきが止まらず、不眠の症状もある」(小学校女性教諭)といった深刻なものが多かった。
過労死110番は、毎年この時期に全国一斉相談を行っているが、医師や教師が過労死で労災認定されるケースが増えているため、今回は、特に医療従事者や教育関係者に対し、重点的に呼びかけた。川人弁護士は、「医師や教師は、責任感が強くまじめな人が多い。苦しさを訴えられずに症状を悪化させてしまう」と話し、労働環境の改善を訴えている。
救急医療の負担どう軽減 山形で医師会活動考えるシンポ
山形新聞 2007年11月17日(土)
http://yamagata-np.jp/newhp/kiji_2/200711/17/news20071117_0283.php
臨床研修:大学病院に戻る若手医師は半分…全国調査で判明
毎日新聞 2007年11月16日
http://mainichi.jp/select/science/news/20071117k0000m040137000c.html
医療事故の対応策議論 中区で県病院協シンポ
静岡新聞 2007年11月18日
http://www.shizushin.com/local_west/20071118000000000042.htm
上野原市立病院 公設民営に/山梨
2007年11月17日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news003.htm
上野原市は、医師不足が深刻で診療に支障を来している市立病院(10診療科、150床)について、来年10月から指定管理者制度を導入して公設民営で運営することを決め、16日の臨時議会で関連条例案が可決された。市は同日から指定管理者の公募を始め、29日までに選定する。
同病院の常勤医師は、2004年4月には17人いたが、同月始まった新臨床研修制度による派遣元大学への医師引き揚げで減り続け、現在は常勤医師4人、非常勤医師53人。この影響で05年4月から出産の取り扱いを、昨年10月から産婦人科を相次いで休止。昨年度の患者数は入院(2万2326人)、外来(8万6529人)とも引き揚げ前より約4割減少し、昨年度の赤字は一般会計から4億646万円を繰り入れても1億5837万円の赤字を計上している。市は、指定管理者制度導入時に、診療科目は元々あった15科とし、築37年の同病院庁舎は近くの旧上野原中グラウンドを候補地に3年後に移転新築する考え。奈良明彦市長は記者会見で「住民不安の早期解消のため、医師確保と効率運営が期待される公設民営がベターとの選択をした」と話した。
武雄市民病院、市が経営改善策説明/佐賀
2007年11月17日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news002.htm
武雄市は16日、6億円以上の累積赤字を抱える市民病院について、利用率が低い結核病床見直しなどの経営改善策を市行政問題専門審議会で説明した。今後、審議会が新築移転の是非、民間移譲を含む新たな経営形態などについて検討し、樋渡啓祐市長に意見書を提出する。
同病院は、市が国立療養所武雄病院の経営を引き継ぎ2000年2月に開設。一般病床135床、結核病床20床。相次ぐ診療報酬改定などで赤字が続き、06年度は累積赤字が6億1000万円となった。結核病床の利用率は26・5%と一般病床(72・4%)より極端に低く、累積赤字のうち1億4000万円は結核医療関係が占めている。審議会で、市は累積赤字が11年度に7億5900万円まで膨らむとの見通しを示し、医師や看護師などの人材不足などの課題やコストを意識した経営の必要性を強調した。
福岡県立病院の累積赤字が106億円、未収金は5000万円に
読売新聞 07.10.31
http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/medical/news/me_news_07110101.htm?from=goo
県議会決算特別委員会が30日開かれ、県は昨年度の県立病院事業が、9億7629万円の赤字となり、累積赤字が106億2219万円に上ったことを明らかにした。県は、2005年に朝倉病院と遠賀病院を民間移譲し、太宰府病院を公設民営化。今年4月に柳川病院と嘉穂病院も民間移譲し、全5病院の民営化を終えた。
昨年度は柳川、嘉穂、太宰府の3病院の運営が行われた。太宰府は入院・外来患者数が前年度より微増し、収支も約1500万円の黒字となったものの、柳川、嘉穂で、入院・外来患者数が前年度より約2割減ったことから、赤字が膨らんだ。県の特別措置条例に基づく移譲先病院への補助金は、06年度、07年度(見通し)の合計で45億5693万円。運営費の赤字補てん(赤字額の2分の1)や、施設の建て替え費(上限20億円)に対し補助した。入院費や治療費などの未収金の総額は、5病院の合計で1335件、5112万円に上った。県は「(公設の)太宰府病院を精神医療の中核的施設として充実させたい」とする一方で、「累積赤字の解消は重要な課題。滞納者への督促に努めるなどして対応していきたい」としたが、根本的な解消策には言及しなかった。
野菜不足でうつ多く、葉酸摂取カギ・食習慣調査で判明
日本経済新聞 2007年11月17日
http://health.nikkei.co.jp/news/top/
野菜や果物などに含まれる葉酸の摂取量が少ないほど、うつ症状の人が多い傾向にあることを、村上健太郎東京大医学部助教と溝上哲也国立国際医療センター研究所部長らが調査で見つけた。
日常の食事が精神的な健康にかかわっていることを示す研究。関連は欧米では報告されていたが、日本人のデータは初めてという。国際栄養学雑誌に近く発表する。研究グループは昨年、福岡県の20代から60代の517人(男性309人、女性208人)に、過去1カ月間に食べたものを詳しく聞き、各栄養成分の摂取量を算出した。同時に別の質問でうつ症状があるかどうかを調べ、摂取した各栄養素との関連を探った。
その結果、葉酸の摂取が少ない人ほどうつ症状の割合が高かった。摂取が多い人では、少ない人よりうつ症状が半減していた。この傾向は女性でもうかがえたが、男性でよりはっきりしていた。年齢や肥満、喫煙、飲酒、結婚しているかどうか、ストレスなどの影響を除いて解析した結果で、葉酸そのものがうつ症状を減らしている可能性が高いという。
苫小牧民報 救急当番医の24時間受け入れ困難
苫小牧民報 2007年11月17日
http://www.tomamin.co.jp/2007/cp071117.htm
千歳市内の救急医療体制が大きな転機を迎えている。医療機関が24時間体制で患者を受け入れているものの、医師不足や高齢化で対応ができなくなったため。千歳医師会(尾谷透会長)は、2008年度からの現行制度の維持が困難な方針を示したことを受け、市は新たな体制づくりへの検討に入った。
市内の救急医療体制は大きく市内の医療機関の在宅当番医制による一次救急と、急病告知の二次医療の二本立て。1986年度から市が医師会に業務を委託。当番医に当たると、24時間患者を受け入れている。救急患者は年間2万人を超えるなど多忙だ。
協力する医療機関が限られており、当番医で深夜勤務をこなし、その翌日も平常勤務に就くなど医師の勤務は過酷。軽い病気でも救急外来に行く患者は多く、「コンビニ化している」との指摘もある。
さらに▽臨床研修医制度の改正で大学医局からの担当医師派遣が困難▽看護師などスタッフ不足▽救急業務に協力する医師の高齢化―から、医師会は「来年度、千歳の医療機関だけでは責任を持った対応ができない」(市民環境部)との方針を示した。
「当番医の診療時間の短縮」が有力視されるが、対象科目や短縮後の時間帯のフォローなど課題は多い。市は「あくまでも市民の安全安心のため、ぎりぎりまで医師会と協議していきたい」と話し、年度内には新たな体制を決めたい意向だ。
中国新聞 兵庫・明石市民病院産婦人科 入院と出産業務休止へ
読売新聞 2007年11月16日
http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/birth/mb20071117kk01.htm
助産所2割が嘱託先決まらず廃業の危機
読売新聞 2007年11月17日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071117-OYT8T00176.htm
産科医ら意見交換「安全なお産」考える
丹波新聞 2007-11-16
http://tanba.jp/modules/bulletin6/article.php?storyid=288
「丹波の周産期の今、 むかし」 と題した座談会がこのほど、 丹波市氷上保健センターで開かれ、 産婦人科医師と助産師、 保健師が、 自宅分娩から施設での分娩へと変わっていった背景を学び、 「安全なお産」 と、 「お産の持つリスク」 について理解を深めた。
10月末で医院を閉めた元越川産婦人科医院院長の越川裕正医師、 柏原病院副院長 (産婦人科) の上田康夫医師、 同病院主任助産師の塩見市子さんと同病院助産師の挽地まさ代さんの4人が、 パネリストを務めた。
自宅分娩以上の安全性を求め、 氷上郡各町が、 昭和30年代半ばから相次いで助産師による母子健康センターを開設、 自宅から施設へと分娩が変わった。 当初はセンターの利用が多かったものの、 事故が起こるなどし、 より高い安全性を求め、 診療所や病院など医師がいる所で出産するようになり、 10年から15年ほどでセンターの助産業務が休止された歴史を振り返った。
越川医師は、 「助産師さんが医師を呼んだが、 母体を助けられなかったことがあった。 助産師さんは大分苦情を言われ、 気の毒だった。 事故をきっかけに利用する人も減り、 常勤の医師もいないので、 役割が終わったとして町が (センターを) 閉めてしまった。 産婦人科医を始めた頃は、 まさか通常分娩をどんどん医者が診るようになるとは思わなかった。 最初の10年ぐらいで 『時代が変わったなあ』 と感じた」 と述べた。
また、 全国的な産婦人科医不足のあおりで言われる助産所の活用について越川医師は、 「経験から言うと、 最初はいい。 しかし、 1つ何かあると腰が引け、 医者にどんどん負担がかかる。 助産所は助産師も、 助けに行く医師も両方しんどいのでは。 病院や診療所から独立した建物でやるのは無理」 との見解を示した。
上田医師も、 「なくなった母子センターの復活を考えるようなもの。 人の安全への意識は変わらない。 ニーズがあり、 どうしてもやれと言われるなら院内助産所。 離れた所ではできない」 と語った。
母子2代で助産師という挽地助産師は、 「母親は自宅分娩、 母子センターを経て、 勤務助産師をしていたが、 最後が一番安心して仕事ができていたように思う。 お産では、 出血が一気に500ミリあったり、 胎盤が40分間出ないなんてこともある。 医師がいる安心感があるから助産師を続けられている」 と述べた。
公立8病院が縮小化対象に該当か
東奥日報 2007年11月17日
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20071117135749.asp
自殺対策白書 社会全体で対応強めよう
山陽新聞 2007年11月17日
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/11/17/2007111708035314001.html
10~11月ごろ妊娠は流産率低め
日刊スポーツ 2007年11月17日
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20071117-284286.html
“脳死”とされた子供、自発呼吸や脳波復活
読売新聞 2007年11月18日
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20071118p101.htm
新型インフル対策 ワクチン問題の解決急げ
産経新聞 2007.11.18
http://sankei.jp.msn.com/life/body/071118/bdy0711180239000-n1.htm
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