(関連目次)→医療事故安全調査委員会 各学会の反応
(投稿:by 僻地の産科医)
個人用のパブコメ中間発表の整理を始めてみました。
OCRですので、誤字脱字はお許しください。
あとざっと独断と偏見でまとめを。
↓ 今までの分です
ADRセンター副委員長からのパブコメ その9(>▽<) ..。*♡
さて今日も第4次試案のパブコメにつながることを祈って、
読んでいこうと思っています(>▽<)!!!!
【211】は一般の方のようです。
こういったご意見は嬉しいですo(^-^)o ..。*♡
【216】法案そのものに
「根本的なところで、医学医療、いや、自然科学に対する
勘違いがあるとしか思えません」という意見に同意。
【217】 本質を突いています!
【222】厚労省の人が書いた文章みたい(>▽<)!!!!
それにしても産科って嫌われているのね。
【223】は交通事故総合分析センター(ITARDA)の調査研究を
されている方のパブコメで大変参考になります。
一読の価値あり!
あとは、
民事・刑事・事故調査委員会・行政処分との関係がばらばらで統一感がない
、とか
応酬義務の中で行われた医療に対し、刑事罰が課されるのは酷
とかの意見にも賛成!
ではどうぞ ..。*♡
【209】 50代 医療機関管理 p393
「安全調」のメンバー構成に、異議があります。
第二次試案での「遺族の立場を代表する者」という文言こそ書かれていませんが、実質的には「医療事故遺族の会」などというような会を通じて医療側と対立する立場の人の中から選ばれるものと、思われます。
「遺族感情」というバイアスのかかった人に、公正.中立な判断が可能でしょうか?
もし、可能と仰るのであれば、その根拠をお示しいただきたい。
航空機事故調や海難審判において、遺族代表が事故原因究明に携わったという話は、寡聞にして知りません。また、先般の国会における岡本議員の追及により、安全調での調査案件が山積みになって滞り、遺族から訴えがあった場合は、警察が捜査に乗り出すという事実が浮き彫りになりました。
ありていに言えば、警察は安全調の公正・中立な調査・判断よりも、「遺族感情」という言わば「私怨」のほうを優先するということを、国会という公式の場で明言なきったわけです。
このような状況下で第3次試案をたたき台とした安全調を発足させることには、断固反対いたします。
≪勝手なまとめ≫
・第三次試案の示す委員会は中立ではない
・航空機事故調や海難審判において、遺族代表が事故原因究明に携わったという話は、寡聞にして知りません
・委員会調査の進まないうちに、刑事事件となることを厚労省は止められない
【210】 50代 医師 p394
1. はじめに
医療事故に対して公正な事故調査システムをたちあげることは、医療者からのみならず、国民からも切に求められていると思います。今回の第三次試案は、再発防止の観点から個人の責任追及よりも、背景要因やシステムの問題点を検討し、再発防止につなげることの重要性について強調されているのは評価されます。また、問題の多かった医師法21条の改正についても具体的に盛り込まれており第二次試案より改善された点はあります。是非とも法案化を切に願います。しかしながら、「従来より医療者に対する処分が強化されるのではないか」という懸念が完全には払拭されていないかと思います。この点の不安を解消しないと、リスクの高い医療に従事する医師が減少するおそれがあり、医療崩壊がますます加速することを懸念しております。これは、医療者のみならず国民全体の大きな不利益につながります。その他いくつか疑問も残っており意見として述べたく思います。
2. 医療安全調査委員会
1) 委員会の設置二調査委員会の目的は、死亡事故の真相究明と再発防止の目的については、大多数の合意は得られると思います。しかしながら2-(7)に「医療関係者の責任追及を目的とするものではない。」と書かれていますが、目的はともあれ、調査報告書および調査内容が結果として捜査機関に通知され、あるいは行政処分に用いられ結果的に医療者の責任追及と個人の懲罰に用いられる可能性があることが重要な問題点であると考えます。真に医療事故の真相究明と再発予防を目的とするのであれば、報告は個人情報や施設名を含めて完全に匿名化され、個人の責任追及にはしないことを明文化するべきで、そうでなければ、「医療関係者の責任追及を目的とするものではない。」の文言は入れない方が良いと思います。
3)届け出の範囲
③届け出の範囲:遺族が解剖を希望しない場合に、調査が行われるのかどうかが、不明確です。(27)に既に遺体のない事例についても地方委員会が必要と認める場合には調査を行うと書かれています。この表現では、解剖が行われ無かった事例のどのような場合に調査を行うのか判りません。調査対象の件数が解剖されなかった事例を含めるとかなり膨大になることが予想され、第二次試案では解剖が行われた事例に限るとされてきましたが、それでは死亡医療事故のごくわずかが調査されることとなり、医療事故の再発防止の取り組みのためには充分とは言えません。
解剖されなかった事例については、臨床医を中心にした調査を行う方法もあるかと思います。解剖が行われなくても、手術や検査過程のビデオが保管されておれば、客観的な調査が可能であると思います。手術のビデオ撮影と保管は現在義務づけられておらず、診療記録としての位置づけも不明確です。手術ビデオの保管の推進のためには診療報酬上の加算を行うことを勧めます。
あるいは、それに代わる提案として、当面は解剖されなかったり、特定機能病院や大病院には院内事故調査を義務づけ、また、自治体病院は都道府県または市町村で調査を行うこと、また、小規模病院や診療所については、地元医師会での調査を行う仕組みを作り、その報告書を調査機関で二次審査することでも良いかと考えます。その場合も現行医師法21条や警察の捜査権の問題をクリアしておく必要があるかと思います。
4)地方委員会の調査
①過失の検証:地方委員会による調査地方委員会の調査において(27)③にシステムエラーも含めて背景要因も調査することの重要性が強調されたのは評価できます。しかしながら、院内、院外の多数の医療事故調査に携わった経験から見て、医療事故調査において、個人の過失の検証は避けて通れません。この点に関して第三次試案では明確に書かれていませんが過失に関して明確な記載が無い場合は遺族や社会の納得が得られないと考えます。報告書で過失について言及した場合は、報告書は刑事罰、行政罰に結果として使用される可能性が出てきます。また仮に、報告書に過失に関して明確に記載しない場合も、事実関係の概要と、行われた医療行為と死亡との因果関係について言及した場合には、立件から起訴のための有用な資料となる可能性があります。また、横浜市立大学手術患者取り違え事故の報告書のようにたとえシステムエラーと再発防止を強調した調査報告書が出されても、刑事罰に関して個人の責任は免れない可能性もあります。すなわち、調査委員会の目的が個人の責任追及ではないとしても結果として、医療者の刑事罰、行政罰に用いられる可能性があると考えます。
②調査委員会資料と調査委員の守秘義務:公表された報告書については、捜査機関は自ずと知る事になりますが、その場合、イ)調査報告書とロ)個人を特定できる資料を捜査機関から任意提出を求められる可能性があります。さらにハ)調査委員会資料、ニ)調査委員に対する事情聴取が求められる場合があます.刑事罰の可能性がある場合、医療者は自己を守るため、地方委員会の質問に答えることは矯正されないと黙秘の権利が保障されています(27)6).さらに、追加すべき点として、調査委員には何らかの(見なし公務員としての?)守秘義務を明記する必要があると思います。また、調査委員会において医療者に行ったヒヤリングの記録に関しても捜査機関からの提出を拒否出来るのかどうかも明文化する必要があるかと考えます。追加事項(問4)2.に捜査機関に対し提出しない方針とすると書かれていますが。方針とは法的に意味することは現時点では暖味な表現です。これらの点が保証されていないと、ますます当事者の不利になる証言が得にくくなり、真相究明には大きな障害となる可能性があります。
5)捜査機関-の通知と謙抑的運用
①謙抑的運用:調査委員会から捜査機関-通知する基準として、(40)に(Dから(罫の基準があげられています。この基準で現行より、刑事罰を受ける件数が増加するか減少するかは第三次試案では判りません。警察-の届け出件数については主に調査機関からの通知に夜場合、捜査に着手する件数は減少するかと思いますしかしながら、現行では、死亡事故のうち、一部しか警察では捕捉できていない可能性があるがあげられます。さらに、立件、送致、起訴されるのは例外的に福島県立大野病院事件等をのぞき、一般的に立証が比較的容易な単純ミスが立件送致されることが多いようです。過失かどうかの判断が微妙な事例が、専門的判断が必要な手術死亡まで、いわば鑑定付で通知されるようになるわけですから、運用次第によって、起訴件数が増加する可能性があるかと思います。謙抑的運用は検討部会の中では合意が得られているかも知れませんが、制度化された場合に謙抑的運用がなされるか明文化する必要があると思います。
6)行政処分について
行政処分については処分の軽重はともかく、総数としては大幅増になると予想されます。JR尼崎事故当時のJR西日本のように懲罰(日勤教育)により、安全性を向上させるという考えかたは旧来のものとして否定され、むしろ起こったことのエラーを分析、学習することにより安全性を高めるべきであるとの意見が大勢になっています。そのためには、報告は匿名で懲罰に用いないことが原則とされています。試案によれば行政処分は現行のように刑事罰の後追いではなく、行政処分を担当する厚生労働省の把握が容易となり、刑事罰の対象外の事件も可能となります。ただし、処分の内容は個人に対しては免許の取り消しや業務停止以外に戒告+再教育やといった軽い処分が制度化されます。しかしながら処分の基準が第三次試案においては明確でなく、運用如何によっては医療者にとって処分が増加する可能性があり、業務停止処分が今より少なくなるのかどうか明確な基準を示す必要があります。
7)報告書の公表について
(38)再発のための医療事故の公表については、中央の委員会としては再発防止のために、医療機関名や当事者名は公表しない匿名化が必要となります。調査報告書そのものを公表すると、医療機関が特定できた場合、記者会見を報道機関から要請される可能性があり、現行の医療事故情報等収集事業やモデル事業のように、厳重な情報管理の下に、限定した情報公開にすべきと考えます。ただし、医療機関や遺族に対しては調査報告書そのものを情報提供してもよいと思います。
8)遺族-の情報提供と紛争悪化のおそれ
院内事故調査委員会のみであれば、病院側が調査の進捗状況を患者側に伝えることも可能です。しかし、仮に調査機関が約6ケ月(現行モデル事業の平均)かかるとして、その間病院側は過失の判断が留保され、そのことが患者家族・遺族との話し合いに障害になる可能性があります。長期間患者側とのコミュニケーションが今より取りにくい状態になった場合、遺族感情がより悪化し、その後の話し合いに支障を来す可能性はないでしょうか?遺族との間で円滑なコミュニケーションがとれる方策を考える必要があります。
3.結語
以上をまとめますと、第三次試案では医師法21条を改正して、届け出先を警察以外の組織に変更すること、第三者機関による調査が行われ、再発防止につながるシステムの問題も検討することなど、従来の問題点が改善されることは評価できます。医師法21条の改正も含め、法案化の実現されることを願っております。しかしながら、刑事罰は減少する要因と増加する要因があり、減少するか増加するか不明確です。また、行政罰の基準は明確ではありませんが件数としては今より増加し、現行より医療者にとって厳しい制度になる不安が払拭できません。再発防止に資する医療事故調査システムは匿名化を厳重にし、懲罰に使用しないことが原則であり、従来捜査機関や司法が行ってきた懲罰システムの一部を結果として肩代わりすることになる新たな仕組みを構築することは、その趣旨が根本的に異なると思います。また、調査機関-の通知に関して謙抑的な運用を行うと書かれていますが、警察や司法との間で明文化した合意は得られていません。調査委員会自体の守秘義務も不明確です。従って福島県立大野病院事件のような司法の暴走に歯止めがかからない可能性もあります。その場合、新制度が産科、救急などリスクを伴う医療現場から医療者が立ち去る医療崩壊を今より加速させるおそれがある懸念があるかと思います。
≪勝手なまとめ≫
・従来より医療者に対する処分が強化されるのではないか」という懸念が完全には払拭されておらず、この不安を解消しないと、リスクの高い医療に従事する医師が減少するおそれがあり、医療崩壊がますます加速することを懸念しております。これは、医療者のみならず国民全体の大きな不利益につながります
・捜査機関への通知、あるいは行政処分のための書類となることを恐れる
・真に医療事故の真相究明と再発予防を目的とするのであれば、報告は個人情報や施設名を含めて完全に匿名化され、個人の責任追及にはしないことを明文化するべき
・解剖されなかったものについての扱いが不明
・調査委員には守秘義務を課すべき
・捜査機関に対し提出しない方針とすると書かれていますが。方針とは法的に意味することは現時点では暖味な表現です
・運用次第によって、起訴件数が増加する可能性がある
【211】 30代 会社員 p399(一般の方のようです)
第三次試案について以下の点で問題があると思いますので、本試案には賛成できません。更なる改善案が示されることを希望します。
1.試案全般に関して、WHOの医療事故報告のガイドラインに即していません。国際標準のWHOのガイドラインに即した形への変更を求めます。
2.試案の別紙3の刑事訴追に関する運用に関して、法務省の説明との間に齟齬があります。法務省との関係を明確にすることを求めます。
3.試案のp2(8)の委員会の設置場所に関して、内閣府など第三の省庁に設置し、中立性を持たせることを求めます。
4.試案p2(10)調査チーム一つの人員構成は良いとして、必要な人員の総数や予算に関する検討が不十分であり、実現可能性の判断ができません。必要な人員の総数や予算に関する検討を行い、実現可能性についても検討する必要があります。
1について、2005年に示されたWHOのガイドライン
では「Non-punitive」「ConfidentiaH 「Independent」「ExpertanalysisJ「Credible」「Timely」「System-oriented」「Responsive」であることが医療事故の報告制度が上手く機能する条件としてあげられています。
第三次試案ではこれらが十分に守られているとはいえません。
世界標準ともいえるWHOのガイドラインに添った形とすることが、国際化社会の中では必要なことですので、WHOのガイドラインに添った形への抜本的な修正が必要と思います。
2について、日経メディカルオンライン誌の報道によると厚生労働省としては法務局や検察庁などからは第三次試案の公表に関して了解する旨の覚書を得ており、刑事訴追に関しては謙抑的な対応をすることで了解を得ているものと考えてる」との事でしたが、その覚書の内容が公表されていません。
また、4/22の衆議院決算行政監視委員会でのこの試案に関する橋本岳議員の「厚生労働省は法務省・警察庁との間でどの程度まですり合わせをしているのか」という質問に対して、「特段警察庁と厚労省との問で交わした文章はございません(警察庁米田刑事局長)」「ただいま文書というようなご指摘がありましたけれど、そのような文書を交わしたという事実はございません(法務省大野刑事局長)」との返答がありました。この答弁からすると覚書のような文書は交わされていないことになります。
刑事訴追に関して法務省・警察庁との間で明確な取り決めが無い限りこれまでと変わらない運用が行われ、結果として医療関係者にとってはこれまでの刑事対応に加えて医療事故調への対応が増えるだけとなり、単なる負担増加にしかなりません。法務省などとの間で明確な運用の取り決めを行い文書化し、医療関係者の負担盤減に繋がるよう配慮をお願いします。
3に関して、医療事故調を厚労省内に設置すると、医療に関する認可・調査・処罰の権限が厚労省に集中することになります。
調査の結果、医療システムに問題ありとなったような場合、そのシステムを作った厚労省が自らを問題ありと指摘し、自らを罰するというおかしなことになりかねません。権力の分散という観点からも鉄道t航空事故調査委員会などのように医療事故調を内閣府に設置するなど権力が集中しすぎない構成とする必要があると思います。
4に関して、調査の実務を行う人々の必要な総数が十分に検討されていません。現在実働可能な人員がどれくらいあるのか、他の仕事との関わりを考えてどれだけの稼働率が見込めるのか等を詳しく検討しないと実際に運用を開始しても人手不足で事故調査が遅々として進まないということにもなりかねません。
実際に必要な労力を検討し、それが本当に実現可能であるかの検討は不可欠だと思います。また、この検討無しに必要な予算などの割り出しも不可能と思われます。
【212】 60代 医療機関管理者 p401
次ぎの理由によって第三次試案に反対です。
1.医療事故を刑事罰として裁くという基本的認識である。
2.裁判員制度が導入されれば、医療者側は圧倒的に不利になる。
3 重症患者に対して萎縮医療になる。
4.高度医療を担う勤務医が更に減少する。
5.専門的分野の検討に地方委員会が対応できると思えない。
6 遺族は地方委員会に調査依頼するほかに、警察へ直接告発することが否定されていない。
【216】 40代 医療機関管理者 p402
第三次試案を読みましたが、この内容では医師の信頼、賛同を得られません。
1.「医療の安全」という言葉の定義がされていません。これがボタンの掛け違いの原点と思われます。
2.そこで、「医療事故とは、過誤を伴う事故及び過誤を伴わない事故の両方を含む。」という不思議な文章が現れます。過誤を伴う事故について真相を究明し、再発を防止する、「公平で中立な科学的な第三者機関の創設」は、医療者側、患者側、双方が求めていたことです。
「過誤を伴わない事故」って何ですか?
後の方の文章で、やっとその解説が出てきます。
「ある診療行為を実施することに伴い一定の確率で発生する事象(いわゆる合併症)としては医学的に合理的な説明ができない予期しない死亡やその疑いのあるものが想定される。」診療行為を行おうが行わなかろうが、「医学的に合理的な説明ができない予期しない死亡」はあるのです。
それを研究し、実践を重ねてきたことで、医学医療は発展してきたのです。
「事故」を辞書で調べると、「予期しなかった悪い出来事」とあります。
野口英世が黄熱病で亡くなったのは「事故」でした。では、野口英世は、黄熱病の病原体を見誤ったことで責任を問われなければならないのでしょうか?医療安全調査委員会で査問されなければならないのでしょうか?根本的なところで、医学医療、いや、自然科学に対する勘違いがあるとしか思えません。
3.委員会の構成メンバーに大きな問題があります。
必要なのは「真相を究明し、再発を防止する、公平で中立な科学的な第三者機関」です。事象事象毎に、その道の専門家である臨床医、病理医、そして、システム工学、人間工学等の専門家で構成されるべきです。
日本には優秀な自然科学者が大勢います。ノーベル賞、フィールズ賞受賞者はじめ多くの優秀な方々が。そこにどうして、門外漢の法律家や「有識者」を入れるのか、必要性が全くわかりません。
4.捜査機関との関係ですが、少なくとも、この「医療安全調査委員会」で審議中は、捜査機関は捜査をしないこと、また、「医療安全調査委員会」で問題ないとされた事象については捜査機関はその後も捜査しないこと、検察審査会でも扱わないことを法律で明文化することが必要です。検察審査会でも扱わない理由は、当該事象について既に第三者機関で検証されているからです。
5 医師法第21条は、法医学会等により「解釈改法」されただけですので、本来の趣旨(他殺の疑い等)に戻すよう、国会で確認すればいいだけです。医療事故とかいわゆる「診療関連死」とは全く関係ないということを。
6.以上の帰結として、委員会の設置場所は、厚生労働省ではふさわしく無いことは明かです。「真相を究明し、再発を防止する、公平で中立な科学的な第三者機関」は、全ての権力から独立した存在でなければなりません。
≪勝手なまとめ≫
・法案そのものに、根本的なところで、医学医療、いや、自然科学に対する勘違いがあるとしか思えません
・門外漢の法律家や「有識者」を入れるのか、必要性が全くわかりません
・「真相を究明し、再発を防止する、公平で中立な科学的な第三者機関」は、全ての権力から独立した存在でなければなりません
【217】 50代 医師 p404
第三次試案は第二次に比し一定の改善をみたものと評価するが、依然このままでの成立には断固反対する。以下に理由を記す。
1.医療事故調の目的はほんとうに原因究明と再発防止のみか
であれば「医療を受ける立場を代表する者」が加わるのはなぜか。確かに被害者・遺族は言う「真実が知りたいだけ。同じ思いをする人を二度と作りたくない」。しかしここには欺瞞がある。彼らの言う真実とは「誰の」責任かという「真実」であって、事故がヒュ-マン・エラーでなくシステム・エラーだという説明には決して納得することはない。システム・工ラ-の分析は彼らには庇いあい・責任逃れと映るのみである。
再発防止に重要なのは、個人の責任追及ではなくシステムの改善である。調査への被害者の参加や当事者の実名公表¥は真相究明を阻害する。この意味において第三次試案はWHOのガイドライン(WHO DRAFT GUIDELINES FOR ADVERSE EVENT REPORTING AND
LEARNING SYSTEMS、日本も賛同国のひとつ)に明らかに矛盾している。
つまり本事故調は、刑事訴追を含めた責任追及ならびに被害者感情の慰撫を目的としていると考えざるを得ない。また再発防止というなら人間工学などヒューマン・エラー分析の専門家が加わらないのは理解できない。
2.医療従事者の刑事責任追及の緩和につながるか
ある与党国会議員は、「この試案に賛成しないのなら医師法21条をより厳格に適応するだけだ」と公開の場で洞喝している。個人的には、細い枝の先に実った果実を探りにいく危険な行為である高度医療は刑事免責されるべきと考えているが、これに国民的賛同が得られないというなら、この事故調が刑事訴追に「謙抑的に」作用することを強く希望する。
しかし現実には事故調が捜査機関の行動を抑制できる法的根拠は何もなく、逆に露払い的に機能する危険さえある。医師法21条の改正すなわち犯罪性が予想される死体にのみ適用する旨明文化するか、もしくは業務上過失致死傷を医療事故に適用する場合に限って親告罪とする刑法改正とセットでなければ、本試案のままの採用は容認できない。
仮に本試案通りの事故調が既に機能していたとして、杏林大割りばし事件や福島県大野病院事件の刑事訴追が回避できたか、答えは誰の目にも明らかである。
本試案による医療事故調査単独では捜査機関を謙抑的ならしめる特性を何ら有していないと言わざるを得ない。
≪勝手なまとめ≫
・システム・工ラ-の分析は彼らには庇いあい・責任逃れと映るのみである
・つまり本事故調は、刑事訴追を含めた責任追及ならびに被害者感情の慰撫を目的としていると考えざるを得ない
・仮に本試案通りの事故調が既に機能していたとして、杏林大割りばし事件や福島県大野病院事件の刑事訴追が回避できたか、答えは誰の目にも明らかである。
【222】 30代 医師 p425
p4(20)②の届け出る対象が良く分からない。
①誤った医療を行ったことが明らかである例(高濃度KCIの投与)は分かるが、
②予期せず患者が死亡した例の定義は極めて分かりにくい。
①だけに限定した方が良いのではと思う。
その場合、当然、今紛争中の大多数の医療訴訟については届出の対象外になる。しかし、試案通りの文面であっても、数パーセントの確率で患者が死亡することはありうる(予期される)事態である以上、大半の医療訴訟例は届出対象外になりそうだ。ヒヤリハットの事例数から考えれば、薬液等の取り違えを予期できない事態とは言い難く、ましてや手技中に血管を傷つけた、病原菌が混入した等々は、ある程度予期できるものに入るのではないか。
②に入る状況が何をさすのか、明らかにしないから、実態が分からないままに、医療者の過度の不安をあおる事態になっているのではないか。
私の意見では、まずは、単純ミスだけを対象に届出、調査、処罰するシステムをしっかり構築することが必要と思う。大多数の医療紛争は対象外になってしまうが、第一段階としては仕方がないのではないか。後述するが、もし②のようなものも含めるならかなり広範囲の死亡例を報告するシステムにすべきだろう。ただ、色々な医療過誤を一緒くたにすると混乱を招くだけである。
医療上の単純ミスというのは比較的簡単に定義できる。それは、しっかりと注意していれば回避可能であったミスということ。医療過誤と職業運転手の過失の最大の違いは、多くの医療行為は充分に注意を払い慎重に行動すれば良いわけではない点にある。
運転手が歩行者を轢いたら、最大限に慎重に運転すべきだったという指摘に反論の余地はないが、手術で大事な血管を傷つけたとしてもどの程度慎重に手術を進めるべきかの結論は簡単ではない。慎重になりすぎて、手術時間が通常の3倍も5倍もかかるようになれば、血管は傷つけないかもしれないが、長時間の麻酔による弊害等々問題が出てくる。つまり、全体を見れば最善に近い医療を行っていても確率の低い事故はありうる、事故が起こったからといって悪い医療を行っていたことにはならない。
一方で、医療ミスの中にも実は本当に単純なミス、何度も確認していれば防げたはずの事故はある。薬液の取り違え、患者の取り違えの最大の特徴は、それが予想外の事態というのではなく、時間をかけて慎重でさえいれば防げるミスという点にある。こういう類のミスについては、たとえ医療事故でも過失罪に問われるということを明確にすべきであろうし、試案の通り様々な側面から再発防止を講じる必要がある。
逆に単純ミス以外の医療事故は過失罪とは異質である。対策となると、医師の技量を評価し、その向上を試みることが中心になるのではないか。医療安全調査委員会の設置の本来の目的は、医療紛争の解決に役立ちたいということと医療過誤を医師.医療のレベルアップや未熟な医師の再教育に繋げるシステムを構築したいという点にあったのではないか。この目的を達成するため、最も重要なことは、医療の質を評価できるようにし、その質に応じて病院にペナルティーや報酬を与えるようにすることだろう。
この観点から見たときの試案の問題点は、p4 (20)の通り合併症等を含めないことで届出対象となる医療事故をあまりにも少なくしている点にある。医療紛争の解決という本来の目的を考えるならば、たとえば妊婦の死亡例は全例とりあえず届け出てもらって情報を収集するくらいのことが必要である。可能ならば、死亡例以外も報告して欲しいくらいだ。医師のレベルアップという観点でも、極まれなケースとして起きてしまったあまり予期していなかった妊婦死亡の一例だけを取り上げて当該医師の問題点を追及するという方針よりも、各医師が担当した出産件数と妊婦および胎児の死亡例数のデータを集めて、問題医師を灸り出す方がはるかに信頼性がある。試案が意図している例外的な医療事故のみを調査対象とする方針は医療紛争解決という観点からも医療行為や医師の技量の問題点の把握という観点からも極めて不適切と言わざるを得ない。
調査対象を広くとると、ほぼ全医師が対象になり、医療崩壊など言う人もでそうだが、非常に多くの医師がなんらかの医療の失敗をしているのは事実だ。個々の例について精査することはあまりに困難であろう。しかし、一方で、この医療の上手・下手が診療報酬に全く反映されない、むしろ多少の失敗があったほうが医療費が高くとれる現状はなんとかすべきである。疾患ごとに治療成績を出させて、それをもとに病院にペナルティーを科すのが現実的ではないか。病院経営にとって、良い治療ができることが本当に重要になりさえすれば、学会ももっとまじめに専門認定医等の医師評価システムをつくるようになるだろうし、それに合わせて医師の再教育、問題医師の排除も達成されるだろう。今回の試案が"医療の質に応じて、病院への賞罰を変えていくことの第一歩となることを期待する。決して、例外的な医療事故だけを対象にした小さなもので終わらせないように。
疾患ごとに治療成績を出すといったときに、必ず問題になることに、うちは重症患者が多いといった話が出てくる。しかし、その患者が標準的なリスクを持った人で標準的な医療の対象となるのか否かを医師も患者も病院経営者も厚労省もいまいち明確には理解していないことが、医師・病院の評価だけでなく、多くの医療紛争でも問題の本質になっていると思う。つまり、同じ病名の人よりもはるかに高いリスクをもっていて、より高難度の治療を試みる必要がある場合には、医療過誤はかなりの程度免責されるはずである。標準的な医療と医療過誤が免責される高度な医療を診療報酬等でも明確に区別すること。次に標準的な医療において標準以下の治療成績の場合(1例ごとの評価ではなく!)に病院に対してペナルティーを科す。これがセットでうまく運用できれば、紛争解決・医師のレベルアップという本来の目的はかなL)の程度解決へと向かう。ではないだろうか。
あまりにも意見が違うために、少し的外れな文章になってしまったが、第一弾の法案がどうなろうとも、当初の目的を忘れず、医療制度の改革を続けて頂けることを期待します。
≪勝手なまとめ≫
・届出の基準が曖昧
・単純ミスであれば医療事故でも過失罪に問われるということを明確にすべきであろうし、試案の通り様々な側面から再発防止を講じる必要がある
・妊産婦死亡と胎児死亡は全例届けるべきである。
(お言葉ですが、妊産婦死亡も胎児死亡もそういった意味ではある一定頻度「予定された」死であり、周産期センターではハイリスク症例が多くてリピーター医師扱いされ、どんどんハイリスク産科を行う人などいなくなるわけですね。)
・どんどん罰していくべき
【223】 50代 医師 p428
捜査機関への通知(39)(40)
私は、厚生労働省における「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」による「第三次試案」(平成20年4月3日)に反対いたします。
その理由は、日本救急医学会「診療行為関連死の死因究明等の在り方検討特別委員会」の見解でも述べられているように、「標準的な医療行為から著しく逸脱した医療」であるとして、地方委員会が認めた「重大な過失」が捜査機関へ通知されるのであれば、初期診断や初期治療の誤りが一定の割合で起こりうる危険性と背中合わせの救急医療から多くの医師が撤退し、結果的に救急医療の崩壊に拍車がかかることを危倶するからです。
私は(財)交通事故総合分析センター(ITARDA)の調査研究委員をしています。ITARDAでは、実際に発生した交通事故を総合的かつ科学的に調査する事故例調査(ミクロ調査)を実施していますが、ドライバーや医療機関から得られたデータは、放して外部に漏らされることがなく、交通事故の予防や被害軽減にのみ活用されることが明記されています。
また、千葉県では、交通事故死者(24時間死亡)を対象として、警察、消防、病院が連携して事後検証を行い、防ぎえた外傷死亡(preventableTraumaDeath;㌣TD)であるか否かを判定し、PTDと判定された場合には、救助や医療のどこに問題があったかを詳細に検討し、解決に向けて行動することにしております。この検証委員会には、消防、医療機関の双方から詳細な業務情報、医療情報を提供していただくことになりますが、その際には、これらの情報はシステムの課題を抽出して解決への糸口を探るものであり、捜査に利用される事はないことを明確に示しております。
平成12年3月27日に日本学術会議「人間と工学研究連絡委員会安全工学専門委員会」から出された交通事故調査のあり方に関する提言一安全工学の視点から-では以下のように述べられています。「交通事故調査結果は遅滞なく公表される必要がある。国民の生命にかかわる情報はプライバシーを除いて、企業機密や利害に関係なくすべて公表されるべきである。さらに、インシデントの報告・公開制度も充実させる。ただし、調査結果は責任追及のための裁判資料としては利用できないこと、調査官は裁判に召喚し証言を求められないことを明確に規定する。」
我々医療従事者は、医療事故を根絶し、国民に質の高い医療を提供することを目指し続けなければならないことは言うまでもありません。そのためには、中立的な第三者機関を設けて事故の原因を究明し、効果的な対策を講じることが大切であると認識しています。その上で、調査と捜査は完全に切り離すことが肝要であると考えます。今後、よりよい"試案"が作成されることを強く希望いたします。
≪勝手なまとめ≫
・捜査機関への通知がなされるのであれば、救急医療から多くの医師が撤退し、結果的に救急医療の崩壊に拍車がかかることを危倶する
・交通事故総合分析センター(ITARDA)の調査研究委員をしています。ITARDAでは、実際に発生した交通事故を総合的かつ科学的に調査する事故例調査(ミクロ調査)を実施していますが、ドライバーや医療機関から得られたデータは、放して外部に漏らされることがなく、交通事故の予防や被害軽減にのみ活用されることが明記されています。
【224】 50代 医療機関管理者 p431
・第三次試案の3ページ(19)で、医師法21条の改正に言及しています。医師法21条の元来の趣旨は、犯罪に対し、捜査機関が迅速に対処するためのものであり、犯罪の発見の手がかリとして有用なため、明治時代から存続しています。現在問題になっているのは、本来の趣旨や目的から外れて、拡大解釈され、医療関連死にも当てはめられてしまっているため、現場の混乱を招いているものです。その渡れの契機となったのが法医学会ガイドライン(1994年)、外科学会ガイドライン(2002年)、厚生労働省からの指示やガイドラインなどであり、これらのガイドラインを撤回すべきと考えます。しかし現行法の改正、ガイドラインの見直し等には時間がかかり、とくに現行法の改正には改めて国会の議決を要することから、今回第三次試案に見られる厚生労働省案を基に提出されようとしている法案の内容を十分検討し、国民に不利益をもたらすことがないようなものにすべきであると考えます。
・第3次試案に書かれている通り「責任追及を目的としたものではない」ならば、行政処分機関にも捜査機関にも通知すべきではない。責任追及を目的としていないことの制度上の担保がなければ、現場の医療者は安心して診療に当たることはできない。
・現状において、刑事司法は結果の重大性に着目しているが、その取り扱いを変更することについて、何の権限もない厚労省の一検討会の意見に過ぎず、警察・検察の公式見解は書かれていない。
・届出範囲を限定するとあるが、法令上の条文を個別ケースに適用するか否かは、法的判断をする者が個別に判断することであり、限定することを約束したことにはならない。委員会の結論が警察、検察に対して拘束力を持たない以上、その結論を尊重するといっても、具体的事件においては無視される可能性が高い。
・拙速にこの案件を処理することは避けなければならない。他の法律との整合性を再検証した上で、時間をかけて導入すべきであり。責任追及とは別に、真の原因究明のための組織として機能させる工夫が何よりも重要であり、これこそが国民の欲する組織としての姿である。
≪勝手なまとめ≫
・医師法21条の元来の趣旨は、犯罪に対し、捜査機関が迅速に対処するためのものであり、犯罪の発見の手がかリとして有用なため、明治時代から存続しています。現在問題になっているのは、本来の趣旨や目的から外れて、拡大解釈され、医療関連死にも当てはめられてしまっているため、現場の混乱を招いている
・法医学会ガイドライン(1994年)、外科学会ガイドライン(2002年)、厚生労働省からの指示やガイドラインを撤回すべき
・行政処分機関にも捜査機関にも通知すべきではない
・刑事司法は結果の重大性に着目しているが、その取り扱いを変更することについて、何の権限もない厚労省の一検討会の意見にすぎない
・拙速にこの案件を処理すべきではない
【228】 30代 医師 p432
次の理由で第3次試案に反対いたします。
1 本案は再発防止を目的とするとありますが、刑事処罰との関係で不明瞭な点があまりにも多く、どうしても刑事訴訟を前提とするならば仮に医療事故が発生した場合は、再発防止に協力することが日本国憲法に定める黙秘権を侵害する可能性があり極めて重大な基本的人権の侵害と言わざるを得ません。
2 再発防止と関係者の処分については医療に限らず、航空・鉄道・金融・建築・証券・海難・遭難などは本来は集中審判庁を設けて審判の結果もフィードバックできるようにすることが重要です。また、審判に対しては異義の申し出または取消訴訟ができるようにする必要がありますが、その設置についても明確ではありません。
3 本案では民事・刑事・事故調査委員会・行政処分との関係が基本的にばらばらで竹で木をつないだ感が否めず繁雑すぎます。
4 厚生労働省・警察庁・法務省・検察庁が縦割り行政のなのごとく勝手に解釈しているのが国会答弁でも明らかです。
以上より、本案は到底、再発防止ができないばかりか基本的人権の侵害にもつながり容認できず反対いたします。
なお、本案では到底奈良県南部で産科診療は行うことはできないことも申しそえます。
≪勝手なまとめ≫
・刑事処罰との関係で不明瞭な点があまりにも多く、どうしても刑事訴訟を前提とするならば仮に医療事故が発生した場合は、再発防止に協力することが日本国憲法に定める黙秘権を侵害する可能性があり極めて重大な基本的人権の侵害と言わざるを得ません。
・審判に対しては異義の申し出または取消訴訟ができるようにする必要がある。
・民事・刑事・事故調査委員会・行政処分との関係が基本的にばらばらで統一感がない
・本案は到底、再発防止ができないばかりか基本的人権の侵害にもつながり容認できず反対いたします。
【229】 70歳以上 医療機関管理者 p433
残念ながら、医療事故をゼロにすることは出来ない。調査委員会は医療提供側・受給側の双方から信頼される公平・公正なものでなければならない!刑事捜査抑制の保障が無ければ、萎縮医療・防衛医療が予想され国民の医療に悪影響を及ぼすであろう。真に国民にも、医師にも健全で良質な医療でなければならない。
今、日本の医療崩壊が指摘されている。産科・小児科医療、救急医療など。調査委員会の内容によっては医療崩壊を加速することになるであろう。それでは国民は老後にも、現在にも不安を持たねばならない。安心・安全は国民すべての願いであることを忘れてはならない!
【230】 p434
今回の案には賛成できません。
理由としては、自分が委員会に対して発言したことで、将来的に刑事訴追の可能性があるとすれば、当事者は、自分にとって都合の悪い真実には、ロを閉ざすと思います。これでは真相究明も再発防止もおぼつかないでしょう。
また、医療事故に対しての刑事訴追は、「応召義務」を課せられ、診療を求められた場合に断ることができない医師にとっては過酷すぎると思います。医療には、その場その場では精一杯やったが、力及ばず悪い結果に終わるということがあり得ます。この案では、そういった案件に対し、刑事罰を課せられないという保証がありません。
世の中は、様々な事象に対し厳罰を求める方向にありますが、(故意悪意の無い)医療事故や、先日判決の出た飛行管制のミスといったものと、飲酒運転によって引き起こされた自動車事故などとは、一線を画すべきものと考えます。
≪勝手なまとめ≫
・応酬義務の中で行われた医療に対し、刑事罰が課されるのは酷
・通知されるのであれば、当事者は黙り、真相究明などできようはずもない
【435】 30代 医師 p231
医療事故第三次試案の以下の点に改正を求めます。
1:先日の日経メディカルでも大々的に報道されましたが、厚労省の説明では、この法案が出来たことで、司法の介入はなくなるといった説明をしてきていますが、国会での橋本岳議員の質問では、現時点の第三次試案が法案として決定されたとしても、厚労省の行政処分を強化迅速化されるだけで、司法は司法で今までどおりに動くといったことが明確とされています。これでは、ただ単に第三次試案では、刑事司法の手続はこれまで通り残り、厚労省の処分権限の強化というもう一本の鞭が医療の現場に増えるだけです。やはり、医療に関連して起こった不幸な出来事を医学的科学的に調査する制度、楼関は、刑事司法を明確に刑事に関わる法律でもって抑制する手段とセットでなければ、期待通りに機能しないどころか、もう一本の鞭にしかなりません。
2:日本の各地区に届出機関を設け、検討するとのことですが、この届出機関の内容が不透明です。専属の調査員を置くとしても、医師の調査員を、それも、専門的なことが理解できる人材を確保することが現状の医師不足の中で可能でしょうか?また、財源はどこからもってくるのでしょうか?このことは非常に重要ですが、非常にあいまいにごまかされており、どのような機関を持って制度を運用するかが不明である点は非常に問題と思われます。
3:機関を厚労省管轄にする事は断固反対です。医療行政の認可、指導を行う省庁が一方ではその取締りをするといったことになると、透明性が確保できないように思われます。やはり、内閣府に置かれることがよろしいかと思います。
≪勝手なまとめ≫
・厚労省は刑事捜査を制御できない。そうであれば何のメリットもなく現場医師には却って行政処分のムチが増えるのみである。
・委員会の構成が不明瞭。
・透明性の確保のために内閣府の下に設置を。
【233】 40代 医療機関管理者 p436
今回の試案でも、訴えがあれば警察が介入して医師を逮捕、起訴し、司法が医師に処罰を加える事ができるという、根本的な体制に変化はありません。これでは、現場の医師はとても危険を伴う治療行為を安心して行うことができません。現代の医療は以前に比べて飛躍的に進歩し、治療成績も向上していますが、より危険性を含んだ処置、治療手技も増加しています。明らかなミスがなくとも、偶発症として悪い結果になることも確率的には当然起こり得る、それが医療だと思います。医療事故調査委員会は、あくまでも原因究明、再発防止のために調査を行うべきであって、医師の処罰を念頭に置いたこの制度にはとても賛成できません。同じ命を預かる飛行機のパイロットは、たとえ飛行機事故が起きても基本的に処罰を受けることはありません。また、連続搭乗時間の上限が決められており、何かトラブルがあって引き返したような場合には、乗客は翌日の便に変更にされる事もあります。かたや医師は結果が悪ければ警察につかまリ、当直をはさんで36時間連続勤務が日本中で当たり前に行われているというのが現実です。これが世界一の長寿国のやることでしょうか?
この制度は、捜査機関が調査委員会の判断を優先させることを確実に保証し、加えて、遺族から警察に告訴が行われた場合や調査報告が遅れた場合に、警察が独自に捜査を始め、誤った判断で過失を認定し刑事訴追を行うことも防止できなければ、意味がないと思います。
現場の医師は、自分の体や生活を犠牲にして懸命に頑張っています。このままこの試案が通ってしまえば、さらに防衛医療、萎縮医療が進み、さらなる医療崩壊につながることは必至と考えます。
≪勝手なまとめ≫
・訴えがあれば警察が介入して医師を逮捕、起訴し、司法が医師に処罰を加える事ができるという、根本的な体制に変化はありません。
・これでは、現場の医師はとても危険を伴う治療行為を安心して行うことができません。
・労働環境も悪い状態
・さらに防衛医療、萎縮医療が進み、さらなる医療崩壊につながることは必至
次は【234】 p437からo(^-^)o ..。*♡
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