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(投稿:by 僻地の産科医)
パブコメに関するニュースですo(^-^)o ..。*♡
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混迷する“医療事故調”の行方◆Vol.11
第三次試案へのパブコメは647件に達する
厚労省が中間集計、医療団体の多くが
刑事処分との関係を問題視
橋本佳子(m3.com編集長)
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080522_2.html
厚生労働省は、4月3日に公表した「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案―第三次試案―」に対するパブリックコメントの中間集計結果を5月21日に公表した。
4月4日から5月16日までに寄せられた意見は計647件で、団体51件、個人596件という内訳だ。昨年10月の第二次試案へのパブリックコメントは104件(団体17件、個人87件)。第二次試案の際の募集期間が半月弱だったことを踏まえても、件数は第二次試案のときよりも大幅に増え、関心の高さが伺える。厚労省が制度創設を機にパブリックコメントを求めた例は過去にもあるが、これだけ多数の団体・個人から意見が寄せられ、かつ後述するように賛否が分かれたことは特筆すべきだろう。
51の団体の内訳は、医療関連の団体が37件、患者・弁護士団体などが14件、公開された意見はA4判で計176ページ。一方、個人は、医療従事者が圧倒的に多く468件、一般80件、弁護士6件、不詳42件という内訳で、公開意見は実にA4判972ページに及ぶ。
日本医師会は現時点でパブコメを提出せず
厚労省の分類にそって、医療関連団体の意見提出状況を見ると、以下のようになる。学会は、外科系は個別に意見を提出しているが、内科系は12学会の意見を日本内科学会が集約して提出。また医師会は、県や市の医師会レベルでの意見提出はあるが、日本医師会としては提出していない。日本病院会をはじめ、各病院団体が意見を提出しているのとは対照的だ。 「日医としてのたたき台を作成し、現在は都道府県医師会に意見を聞いている段階。それを集約してパブリックコメントを出すことを検討している」(日医医療安全対策室)。都道府県医師会からの意見提出は今週末(23日)をめどとしているが、日医としての意見集約時期は現時点では未定だという。
【医療職能団体 7件】(意見提出順)
・ 神戸市医師会
・ 日本薬剤師会
・ 大阪府医師会勤務医部会
・ 諫早医師会
・ 小樽市医師会
・ 兵庫県医師会
・ 日本看護協会
【医学関係学会 10件(11件のうち1件は非公開)】(意見提出順)
・ 日本臨床細胞学会
・ 日本救急医学会
・ 日本病理学会
・ 日本麻酔科学会
・ 日本産科婦人科学会
・ 日本胸部外科学会
・ 日本産婦人科医会
・ 日本脳神経外科学会
・ 日本内科学会及び内科関連12学会
・ 日本外科学会
【病院関係団体などの例】(意見提出順)
・ 日本医療労働組合連合会
・ 全国保険医団体連合会
・ 全日本民主医療機関連合会
・ 東京保険医協会
・ 北海道保険医協会
・ 全国医学部長病院長会議 大学病院の医療事故対策に関する委員会
・ 愛知県保険医協会 勤務医の会
・ 愛知県保険医協会 政策部
・ 全日本病院協会
・ 日本病院団体協議会
・ 日本病院会
・ 日本医療法人協会
医療事故の届け出と刑事処分との連動に懸念
代表的な医療関係団体について、その意見の内容を見ると、全面的に賛成しているのは日本外科学会だ。「第三次試案に提示された『医療安全調査委員会の設立』の精神を支持する」と表明している。
しかしながら、それ以外の医療関係団体は、総論は支持しながらも各論部分で問題視する団体が多く、中には全面的に反対の学会もあった。
強い反対姿勢を示したのは、日本救急医学会。第三次試案そのものに反対とし、「救急医療の現状や特殊性に対する理解、配慮が十分になされているようには見受けられない。本案のままではわが国の救急医療が崩壊する」と危機感を示した。
日本内科学会は、「中立的第三者機関」の設置自体は評価しながらも、「運用体制をはじめとする詳細については、第三次試案には不明確な点があるため、今後、現場の意見を十分に踏まえて、検討が必要である」とした。
さらなる検討を求める医療関係団体に共通しているのは、刑事事件との関連を問題視していることだ。現状の仕組みでは医師法21条に基づく異状死の届け出が、警察による捜査、さらには起訴、刑事処分につながる懸念がある。第三次試案では、医師法を改正し、医療安全調査委員会に届け出を行った場合には医師法21条に基づく届け出は不要とし、同委員会が「故意や重大な過失、その他悪質な事例」に該当するものについて捜査機関に通知するとしている。この「重大な過失」の定義が曖昧である上、通知対象事例を決めるのは法的判断にほかならず、それを医療安全調査委員会が実施することが問題であるとの指摘は多い。さらに、第三次試案では、「警察に告訴された事例でも、委員会の調査結果や委員会からの通知の有無を十分に踏まえて対応することが考えられる」としているが、これは法的に担保されるものではなく、この点を問題視する声も強い。
患者団体は早期の制度化を求める
一方、患者関係の団体からは、第三次試案に賛成し、早期の制度化を求める声が強く上がった。
「患者の視点から医療安全を考える連絡協議会準備会」(医療過誤原告の会、医療事故市民オンブズマン・メディオ、医療情報の公開・開示を求める市民の会など、計6つの団体で構成)は、以下のように述べている。
「医療事故調査機関の早期設立を実現するために、今後は検討の場を国会に移し、法制化など、より具体的な審議をする時である」「第三次試案に対して一部の医療側は、更なる要求を発表しているが、第三次試案は患者の立場を大幅に譲ったものであり、患者側がこれ以上譲ることは、中立公正な医療事故調査機関の設立の意義を失うものとなる」
パブリックコメントから言えることは、医療者と患者側、さらには医療者の間でも意見の大きな食い違いがある点だ。いったい、これらの意見をどう集約するのか――。そもそも医療者と患者側には、現行制度への問題意識に相違がある。医療者が一番求めているのは、医師法21条の届け出、さらには医療事故が刑事事件化する現状の見直しだ。何らかの問題事例があった場合でも、医療の専門家が調査する仕組みが必要だとの主張だ。一方で、患者側が一番望んでいるのは、事故が起こったときに「いったい何が原因なのか」、つまり真実を知りたいということだろう。
さらに、第三次試案では医療安全調査委員会の目的は、「医療の安全の向上」であり、そのために事故原因を究明し、再発防止などにつなげるとしている。しかし、大阪府医師会勤務医部会は「医療安全と死因究明は、本来、異なった目的であり、それぞれの目的を達成するための調査方法は全く異なる。したがって一つの委員会が両者を担うのは適切ではなく、それぞれの目的に応じた委員会に分離すべきである」と指摘している。いずれも、「原因究明のための組織」の必要性では一致している。果たして一つの組織でそれぞれの目的を達成することが可能なのだろうか。各目的を整理しないと、いつまでも議論は平行線をたどるばかりになると懸念される。
なお、厚労省は引き続き、下記で第三次試案に関する意見を募集している。「いただいた意見を踏まえながら、制度化に向けた準備を進めていく」(厚労省医政局総務課医療安全推進室)。
第三次試案にパブコメ647件-死因究明制度
キャリアブレイン 2008/05/22
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16187.html
厚生労働省は5月21日、創設を検討している「死因究明制度」の第三次試案についてのパブリックコメントの中間まとめを公表した。4月4日から5月16日までの間に647件の意見が寄せられ、このうち医師からが326件と過半数を占めた。厚労省は「意見募集については、引き続き行っております」としている。
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寄せられた647件の内訳は、個人が596件で、団体が51件。個人の内訳は、医療従事者が468件と圧倒的に多く、「一般」が80件、「不詳」が42件、弁護士が6件だった。医療従事者は医師(管理者を除く)が326件で最も多く、医療機関の管理者は133件、薬剤師と「その他医療従事者」はそれぞれ3件、看護師は2件、歯科医師(同)が1件だった。個人のうち、医療紛争の当事者になったことがある人からの意見が120件あった。
医師からの意見では、「根本的な部分が第二次試案と変わっておらず、医療崩壊を加速させる」「医療安全調査委員会の設置自体はよいが、内容を再考してほしい」「WHO(世界保健機関)のガイドライン草案に沿った医療安全の仕組みにすべき」「医療安全調からの指示があるまで警察に捜査させないでほしい」などがあった。
■「医療安全調の業務は刑事手続きの前提手続き」
医療法務弁護士グループ代表の井上清成弁護士からの意見では、「医療安全調は警察の捜査開始と検察の刑事処分をうまく制御できない」として、検察は医療安全調からの連絡がなくても起訴に踏み切れることなどを説明している。法律用語である「重大な過失」の使用方法が間違っているとも指摘し、削除を求めた。「重大な過失」の定義の中にあった「標準的な医療行為から著しく逸脱した医療」の文言についても、「何ら具体例も示されておらず、甚だ不明確であり限定性に欠ける」とした。
調査報告書が刑事手続きなどに利用されることからも、医療安全調の業務を「民事手続き、行政処分、刑事手続きと連続した前提手続き」と断言。設置場所は内閣府にするよう要望した。最後を「(第三次試案は)抜本的な再検討をしなければならない」と締めくくっている。
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