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(投稿:by 僻地の産科医)
とりあえず、大淀事件の背景、というか今の状態の説明から。
前回は、お友達が傍聴したのですけれど、
「折角来たのに、裁判の予定表に、のってないんですけどっ(-_-;)!」
と焦っておられて。
私も今回見にいって、「あ~のってないな~」とおもいました。
というのも、正式な裁判じゃないんですね。
多分、書面整理とかなんとか、いまそんなところをやっています。
もうあと1-2回で争点整理にいけるみたい。
次回の告知
次回は2008年2月6日(水) 午前11時~
大阪地方裁判所 第1006号法廷
で、現在の状況について説明すると、 書類のやり取りをたかたかすすめて、争点とかも整理して、 時間の節約のために、そういうのやる事にしたみたいなんですけれど、 本来なら、関係者だけが集まってタッタカすすめるところなのですが、 さて。 逆に書面をみないと、 というわけで、一生懸命、資料閲覧にいっているわけです。 原告側の主張は、 病院側は 0時の頭痛とか、意識消失は、 で、0時の時点でコールしつつ、ルートも取ってる。 で、なんで子癇でいいと思うかってことだけど、 弁護士先生もちゃんとウィリアムスひいて あと脳卒中ガイドラインとかローデという人の文献もありました。 次回、また時間があればみてきます。 【追記】 天漢日乗さまのところで、下記のブログを教えていただく。 このブログが書かれたのは2006-10-21、つまりちょうどニュースが騒がれていたころ。 CTは死のトンネル ----【引用】---- 救急処置室のすぐ隣にCT室があるようなところは別として(いや,例えそうであっても),CT撮ってる最中に何か起きたら,普通は目も当てられない.そもそも急変に気付くのが遅れるし,処置もしにくい.CT室に救急カート常設してるところはそう多くはないだろうし.
だから,特に外傷において強調されるのだが,呼吸・循環に異常がある場合は,それらを安定させずしてCT室へ急いではいけない・・・それが“CTは死のトンネル”の意味するところであり,戒めなのである. 大淀病院はCT室が少し離れたところにあったようだから,CT室への移動・撮影中に子癇発作が起きたら...とか,それより搬送を急いだ方がよい,というのは至極妥当,というより賢明な判断と思われる.
本来の場合、円卓かこんでチャチャッと関係者だけあつまって、
非公開でやってしまうものなのです。
「さあっ!!!法廷です。がんばりましょ~o(^-^)o..。*♡
証人尋問だ、なんだかかんだか、一気に判決までつっぱしろう~っ」
っていうものなんです。本来。
(http://obgy.typepad.jp/blog/2007/10/post_1341.html )
大淀の場合はちょっと特殊で、
本当は非公開でやるものを、公開でやっている。
それは原告側が、家族や支援者を入れてやりたいと主張したためです。
(第二回 http://symposium.b-r.under.jp/?eid=666855 )
そのために裁判所の一室を押さえて、時間をそろえてやるので、
時間がかかっているんですね。
ただそのため、私たちも2ヶ月に一回ペースなので、
予定を空けて参加できるという利点があります。
最近は、きちんと法廷で少しばかり弁護士さんも裁判官も
説明していただけるようになったのですけれど、
民事裁判というのは、書面のやり取りが基本になります。
何やっているかわからないのが民事裁判でもあります。
(実は、そうはいっても私の裁判傍聴経験はこの大淀だけです)
臨床医ですから、あたりまえといえば当たり前。
というか、自分が呼ばれでもしない限り、普通いきませんけれどね。
その書面を見ると、
一回目から双方言っていることはたぶん、そんなにかわらない。
途中、ちょこちょこっとさまざまなところが出てきていますが、
「CTを撮り、とにかく高次病院に移送すべきだった」ということ。
それから「脳出血がじわじわ広がったんじゃないか」ということ。
「脳出血が最期にあったから、最初から脳出血だったんじゃないか」
「搬送先が見つからなかったことに関しては、仕方がない」みたいなこと。
あと、
①ヒステリー②子癇③脳出血と3つあったのか?と書いてあった。
たぶん、子癇で一貫しているんだとおもう。
私も、子癇でいいんだとおもう。
後方視的に見ればやっぱり子癇の前駆症状なのだろうし、
そうでなければ(失禁とかもあるので)
ヒステリー発作って病名は今あるんだかないんだか
わかんないけれど、まぁヒステリー発作って普通に
院内では使われてるし、過換気とかなのかな?
ともおもう。SaO2 SpO2 あてにならないしな~。
証明するには血ガスがほしいところですが。
一人しか病棟に看護師がいなかったなら、よく対応している。
(もう一人の待機看護師が呼ばれたのはいつなのか知らないけど)
内科直も診察している。
・片側麻痺がどの時点でもみられない。
(最終的には右前頭葉巨大血腫だったらしい。
事実、開頭も左へ45度回旋させたこめかみ部分を開頭している様子)
・やっぱりマグネゾールが効いている
(脳出血でマグが効くなんてきいた事ない)
・搬送の時点で、病状がガクンと悪くなっている。
(脳出血はこの時点だとおもう)
ってこと。
「子癇以外と判断するまでは、子癇として対応すべき」
と基本に忠実に行ったことを書いている。
ちなみに、提出文献は
「産科と婦人科 2005/11 p1383-」
「産婦人科治療 2007/2 p178-」
「日本妊娠高血圧学会ガイドライン」
「日産婦医会研修ニュース 2006.8 No.12」
「妊娠中毒症 日産婦医会研修ノート」
あとは厚労省鮫島報告とか、
日産婦誌の母体死亡および重症管理妊婦調査と検討小委員会
ほとんど持っていますので、あげてってもいいかな、とおもうけど~。労力が~。
原告側の出した数字の根拠の論文って、どれなんだろうな~とおもいました。
あったのかもしれないけれど、医学論文は病院側のものがほとんど。
「原告側は、医学的な論証をしようとしていない」という批判はその通りだと思います。
もともとはphysician 先生からだけど。ありがとうございますo(^-^)o..。*♡
結局は、この記述に帰るんだな、という気がします。
ぜひぜひお読みくださいませ。
qq14 2006-10-21
http://qq14.exblog.jp/4044412/
CTは死のトンネル ・・・ってのは救急医にとっては常識である.
もし,CT室への移動中や撮影中に何かあったとしたら「子癇で易痙攣状態であった患者を無理に移動させ,CT撮影を強行したことにより・・・」と叩かれるのは間違いない.
第4回の大淀裁判まとめ
【傍聴記】
お決まりの日々?
(1)http://okimari.blog26.fc2.com/blog-entry-1698.html
(2)http://okimari.blog26.fc2.com/blog-entry-1698.html
日々のたわごと・医療問題資料館
(1)http://symposium.b-r.under.jp/?eid=777039
(2)http://symposium.b-r.under.jp/?eid=777136
ただの(ry
http://d.hatena.ne.jp/tadano-ry/20071217
【関連ブログ】
奈良事件第4回裁判・原告側主張編
新小児科医のつぶやき 2007-12-18
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071218
第4回奈良裁判・閲覧資料編
新小児科医のつぶやき 2007-12-19
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071219
大淀病院の件とか
S.Y.’s Blog 2007-12-18
http://d.hatena.ne.jp/shy1221/20071218/p2
「マスコミたらい回し」とは?(その111)大淀病院産婦死亡事例民事裁判第四回弁論@12/17 大阪地裁→追記あり
天漢日乗 2007-12-17
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/12/1111216_1751.html
「マスコミたらい回し」とは?(その113)CTは死のトンネル
天漢日乗 2007-12-19
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/12/113ct_af80.html
CT室で失われた命
日々是よろずER診療 2007-12-18
http://blog.so-net.ne.jp/case-report-by-ERP/20071218
CTは死のトンネル
qq14 2006-10-21
http://qq14.exblog.jp/4044412/
産科医療のこれから
NICUのなかった場所で、児の救命なんてありえない!大淀病院事件
http://obgy.typepad.jp/blog/2007/12/post_1341_6.html
CTを撮りに行ったら、呼吸が止まっていたのでは? 大淀病院事件
http://obgy.typepad.jp/blog/2007/12/ct_f7d9.html
院内では使われてるし、過喚起とかなのかな?
ともおもう。SaO2 あてにならないしな~。
証明するには血ガスがほしいところですが。
小姑的なことですいません
>過換気
>SpO2
SaO2は通常、血ガスでの酸素飽和度です。
パルスオキシメーターで測定した酸素飽和だは、SpO2と書くのが麻酔科医として違和感のないところです。
投稿情報: 麻酔科医 | 2007年12 月19日 (水) 18:24
おお。
ありがとうございますo(^-^)o ..。*♡
はっきり言って、産婦人科ごっちゃにしている気がします。ごめんなさい。
今度から気をつけます!
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年12 月19日 (水) 20:32
訴え提起
↓
口頭弁論(主に訴状の朗読)
↓
争点整理手続
・準備書面・証拠提出
・診療経過一覧表の作成 ←いまここ
・争点整理表の作成
↓
証拠調べ
・証人尋問
・被告・原告尋問
・鑑定の申し出、鑑定事項の作成
・裁判所による鑑定人の選任
・鑑定の実施
・鑑定人の補充質問
↓
結審
↓
判決・和解
投稿情報: ただの(ry | 2007年12 月19日 (水) 22:06
ありがたいです!参考にします ..。*♡
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年12 月19日 (水) 22:42
遅まきながら、お忙しい中傍聴お疲れ様でした。
3児の母として「有事には、身を挺しても子は守りたい」と(少なくとも平時は)思っています。万一脳外だけの病院に運ばれて、さらに万一助けられたら、赤ちゃんを見捨てた罪の意識から一生逃れられない気がします。
各サイトで先生方が「母体と胎児を総合的に考えて最善を尽くすべき」という前提で丁寧に検討されているのは、素人ながら納得させられます。ご指摘のとおり、原告弁護士さんは、殊更胎児を無視して母体に絞った主張をされていますが、夫や家族の意向で、救命可能性が十分にある胎児を捨ててまで母体を優先させるのは・・・それこそ許されるのでしょうか?
未だに涙なしに語れない悲しい事故でしたが、それでも救済だけのために不条理な判決が出ないことを祈ります。
投稿情報: きよ@一般 | 2007年12 月20日 (木) 13:20