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(投稿:by 僻地の産科医)
おはようございますo(^-^)o..。*♡
今日は読売から、画期的な社説が。
では、どうぞ!
医療関連予算 機械的削減の限界が露呈した
2007年12月19日付・読売新聞社説
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071218ig91.htm
医師や看護師の不足が深刻化し、「医療崩壊」という声すらある。こうした現状を考えれば診療報酬の一定の引き上げもやむを得まい。来年度予算案の閣僚折衝で、診療報酬のうち、治療の技術料などに充てる「本体」部分については、0・38%引き上げることが決まった。本体部分は2002年度以来、引き下げか現状維持が続いていた。プラス改定は8年ぶりだ。医療費の国庫負担を約300億円増やすことになる。
救急医療や産科、小児科など、勤務が過酷で医師不足がより顕著な分野に配慮すべきだ、との声が、今回の引き上げにつながった。報酬の具体的な配分を決める中央社会保険医療協議会は、メリハリのある議論を展開して、配分先を大胆に見直す必要があろう。
医療をはじめとする社会保障関連の予算折衝はほぼ決着した。しかし、従来になく苦し紛れの措置が目立った。社会保障費は、高齢化によって年に約8000億円ずつ自然に増える。この伸びを毎年2200億円ずつ圧縮する、というのが、政府の方針になっている。
厚生労働省は、診療報酬の「薬価」部分を1・2%引き下げたほか、安価な後発薬の使用促進などで計約1500億円を抑制することにした。問題はその先だ。厚労省は、中小企業の従業員が加入する政府管掌健康保険への国庫補助を1000億円削り、その分を大企業の健保組合と公務員の共済組合に支援させることで、診療報酬本体の引き上げ財源を含め、帳尻を合わせた。大企業の健保組合などが中小企業の健保組合を支援する、と言えば聞こえはよいが、国庫負担分を民間に肩代わりさせるものだ。大企業の健保が反発したのは当然だ。結局、暫定的な窮余の策ということになった。一方で政府は、来年4月から始まる新高齢者保険で、予定していた窓口負担の引き上げなどを凍結する。このために1700億円の補正予算を組む。
新たな歳出抑制策はその場しのぎのものしか浮かばず、前年までに決定していた医療費抑制策は先送りする。これはもはや、機械的削減路線の限界がはっきりした、ということではないのか。無論、社会保障費が野放図に膨張せぬよう、厳しく監視しなければならない。だが、超高齢社会に必要な予算はきちんと確保すべきである。それには消費税率の引き上げが避けられないことは明白だ。その議論を先送りしたままでは、社会保障の予算編成は毎年、迷走することになろう。
周産期医療の危機に声明/産科婦人科学会
キャリアブレイン 2007年12月18日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/13634.html
産科や小児科の勤務医の負担軽減を緊急課題と位置付けて厚生労働省が来年度の診療報酬改定に向け「産科・小児科の重点評価」に関する議論を進める中、日本産科婦人科学会(吉村泰典理事長)は12月18日までに、「政府は、改定の目的が勤務医の負担軽減・待遇改善であることを明確に示すこと」「都道府県は、各病院が現場の医師の勤務条件の改善と適正な報酬の支給を行うよう指導・誘導すること」などとする声明を出した。
産科・小児科医の激務やそれによって引き起こる医師不足の改善を求める声を受けて、診療報酬の改定に向けて審議する厚生労働省は、今月発表した来年度の診療報酬改定の基本方針の中に、「産科・小児科の重点評価」を明記している。
同学会はこのような流れについて「私たちの要望に沿ったものであり、関係者の尽力に感謝する」と評価するとともに、周産期医療の危機的状況を打開するさらなる方向性を示すため、今回の声明に至った。
求めたのは、▽政府は、診療報酬改定の基本方針における「産科・小児科の重点評価」の目的が、勤務医の負担軽減と待遇改善であることを明確に示すこと▽都道府県は、各病院が現場の医師の勤務条件の改善と適正な報酬の支給を行うよう指導・誘導すること▽高次周産期医療を提供する病院は、周産期医療に従事する医師の勤務条件改善に努めるとともに、救急対応への適正な報酬を支給すること―などの4項目。
目的の明確化については「診療報酬改定による病院の収入増が直ちに医師の待遇改善に結びつくわけではない」と指摘。「政府が明確に示すことで、各病院に対して最大限の努力を促すことが必要」と説明している。
また、都道府県ごとの指導・誘導については、協力指定病院で登録産科医がハイリスク分娩を実施した場合、県が一定の助成を行う「ハイリスク分娩受入促進事業」が栃木県で実施されていることなどを例として挙げている。
妊婦死産問題 県の対応後手悲劇再び/奈良
2007年12月19日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20071218-OYT8T00707.htm
妊婦死産問題を受け、再発防止策などが検討された第1回の調査委員会(9月7日、県庁で) 8月29日午前2時44分。橿原市の妊婦が腹痛を訴えた。通報を受けた中和広域消防組合が電話で9医療機関に問い合わせたが、すべて断られた。約1時間20分後、大阪府高槻市の病院への受け入れが決まったが、搬送中、妊婦は死産した。
「教訓は、なぜ生かされなかったのか」。県庁で問題の一報を受けて取材を始めて、まず頭をよぎったのは、そんな思いだった。というのも、昨年8月にも、大淀町立大淀病院で出産中に意識不明となった妊婦が19病院に転送を断られた末、搬送先の同府吹田市内の病院で死亡し、社会問題となっていたからだった。
今回の問題の取材を進めるうち、相次ぐ妊婦の悲劇は、起こるべくして起こったのだと確信した。前年の搬送問題の際に、柿本善也・前知事が搬送システムの問題点を検証する会議を発足させると表明していたが、会合は1度も開かれていなかったのだ。この不手際について、県側は「総合周産期母子医療センターの整備を急いだあまり、搬送システムにまで手が回らなかった」と釈明。しかし、そのツケは、あまりにも大きかったと言わざるを得ない。県は9月7日になって、医師や消防などによる調査委員会の第1回会合を開催。この中で、▽消防と医療機関の連携不足▽産婦人科の救急患者の受け入れ態勢が未整備――などの問題点が次々と指摘された。
だが、最も問題なのは、産婦人科医不足だ。県内では2005年度以降、5病院が産科を休診し、産科医師の数は07年4月現在で72人。人口10万人当たりでは04年調査で0・3人となり、近畿2府4県では滋賀県と並び、最下位となっている。
調査委の報告書に基づき、県は、県立医大(橿原市)の卒業後に県内で指定する病院や産婦人科などに勤務することを条件にした入試の特別枠5人を設ける制度を来年度から導入。また、同大の在学生や研修医を対象に、県内での産婦人科などへの従事を条件とした県独自の奨学金制度も来年度に設置する方針。「とにかく県内で1人でも多くの若い産婦人科医が増えてほしい」。県医師会産婦人科医会の齊藤守重会長は、県の再発防止策に期待を寄せる。ようやく動き始めた県の再発防止の取り組み。産婦人科医の確保や育成は一朝一夕には、いかないだろう。だが、いつか奈良が産科医療の先進県になってほしいと、切に願う。
過疎PTで医師不足など報告/ 広島
中国新聞 '07/12/18
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200712180216.html
広島県が10月に発足させた新過疎対策推進プロジェクトチーム(PT)が、県内調査の中間報告をまとめた。医師不足や農業の衰退など過疎地域が直面する課題をあらためて指摘している。報告は、23市町のうち9市町で産科医が不足して地元で出産できない状態に陥っていることや、県内の耕地面積が1995年からの10年間で14%も減少したことなど、面積で県内の6割を占める過疎地域の厳しい現状を指摘している。
精神科病床休止へ 由利組合総合病院 /秋田
読売新聞 2007年12月19日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20071218-OYT8T00600.htm
由利本荘市の由利組合総合病院(西村茂樹院長)は、来年1月から精神科の入院病床を休止し外来のみに縮小する。精神疾患のある患者の入院を決める精神保健指定医が12月末で離職するためだ。このほか、同指定医が休日や夜間の出勤がある総合病院勤務を避けるケースが目立っており、県内の精神科医療体制は危機に面している。
県内の精神科の医療体制は、「鹿角・大館」「能代・鷹巣」「秋田周辺」「県南」「本荘・由利」の5圏域に分かれ、各圏域ごとに設けた地域拠点病院が休日、夜間の救急患者に対応している。由利組合総合病院は本荘・由利圏の拠点病院になっている。県障害福祉課によると、2006年度1年間の県内の精神科の救急対応は2807件。圏域別では、本荘・由利が502件で最も多く、県南455件、能代・鷹巣350件などと続き、毎日1~2件の救急対応をしている計算になる。
由利組合総合病院は、入院中の患者17人を12月末までに周辺の精神科に転院。09年4月には入院病床を再開する見通しだが、1年3か月の間、救急患者は秋田、大仙、由利本荘、にかほの4市の11病院が持ち回りで受け入れることになる。
精神保健指定医は、精神疾患の患者の自傷行為などを防止する措置入院や、患者の保護者の同意に基づく医療保護入院について、患者本人の同意がなくても入院を決定することができる。県内には12月1日現在、114人の指定医がいる。しかし、県によると、休日、夜間の出勤を嫌い、開業医やクリニックなどの勤務医になるケースが多く、別の診療科の医師になることもあるという。
このため、各圏域の拠点病院に勤務する精神保健指定医不足は深刻だ。「能代・鷹巣」の山本組合総合病院には1人、「鹿角・大館」の大館市立総合病院には2人だけ。数が少ない指定医に負担が集中し、由利組合総合病院のように入院病床の休止に追い込まれる可能性もある。県南のある精神保健指定医(55)は「自傷行為やパニックなどの救急患者の場合、緊急入院を指示しなければならず、ほとんど休めない。休みの日でも、いつ呼び出されてもいいように常に自宅待機。こんな状態ではいつまでも続けられない」とため息を漏らす。
医師相互派遣など提案/ 石川
読売新聞 2007年12月19日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20071219-OYT8T00150.htm
氷見市民病院・市議会が改正案可決/ 富山
読売新聞 2007年12月19日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20071218-OYT8T00773.htm
伊万里55%、有田45% 公的病院、建設費負担割合に合意/ 佐賀
読売新聞 2007年12月19日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saga/news/20071218-OYT8T00652.htm
本体0・38%増で決着 診療報酬 政府・与党8年ぶりプラス改定
中日新聞 2007年12月18日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007121802073038.html
診療報酬改定 配分の調整へ
NHK 2007年12月18日
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/12/18/k20071218000021.html
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/12/18/d20071218000021.html
おがた総合病院が産科再開へ/大分
NHK 2007年12月18日
http://www.nhk.or.jp/oita/lnews/07.html
医師不足を理由に2年ほど前からお産を扱う産科を休診していた豊後大野市緒方町の「公立おがた総合病院」が、産婦人科の常勤医が確保できたとして、年が明けて1月から産科を再開させることになりました。豊後大野市緒方町にある公立おがた総合病院は、産婦人科の医師が退職したため、2年ほど前にお産を取り扱う産婦人科を休診しました。
病院では、ことし9月から週1回、非常勤の医師を確保して婦人科に限って診察を始めていましたが、この医師が常勤医として勤務することが決まり、来月1日から産科を再開させることになりました。公立おがた総合病院は、「ここ数年、豊後大野市と隣の竹田市は深刻な医師不足に見舞われている。こうした状況の中で地域の産科を再開できることは、喜ばしいことだと思う」と話しています。
政府の少子化対策、医療・保育の充実提言
読売新聞 2007年12月18日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20071218-OYT8T00363.htm
子育て支援に最大2兆4000億円追加支出・政府、少子化対策で
日本経済新聞 2007年12月18日
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/soumu/index.cfm?i=2007121802587b3
少子化対策を検討してきた政府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議(議長・町村信孝官房長官)は18日午前、首相官邸で会合を開き、育児休業制度や保育サービスなど子育て支援策の充実に国、地方、企業・個人を合わせて最大で約2兆4000億円の追加支出が必要だとする最終報告をまとめた。政府は関連審議会で具体策を検討するほか、都道府県や市町村に少子化対策推進本部の設置を要請する。
福田康夫首相は「若者や女性の労働市場への参加を促し、労働力人口減少の緩和に直ちに取り組まなければならない。来年度予算でも保育所受け入れ総数の拡大などに内閣として重点的に取り組んでいく」と強調した。
最終報告は人口減少下で経済成長を持続するには、仕事をしている女性の約7割が妊娠・出産を機に退職するといった「『就労』と『結婚・出産・子育て』の二者択一構造」の解決が不可欠と指摘。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現と、子育てを包括的に支援する社会的基盤の構築を求めた。
救急出動、3年連続500万件・07年版消防白書、現場到着遅れ懸念
日本経済新聞 2007年12月18日
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20071218AT1G1800O18122007.html
増田寛也総務相は18日の閣議に2007年版消防白書を報告し、了承を得た。06年中の救急車などによる救急出動は524万件。前年を初めて下回ったが、3年連続の500万件台で高い水準が続いている。現場に到着するまでの平均所要時間も延びる傾向にあり、消防庁は緊急性の低い利用を控えるよう呼び掛けている。
救急出動件数は1996年に比べ約55%増えた。半面、全国の救急隊数は約10%の増加にとどまっている。この結果、救急車の現場到着までの平均所要時間は96年に6分だったのが、06年には6.6分となった。白書は「タクシー代わりの利用や事前予約のある外来通院なども少なくない」などとして利用実態の問題点を指摘している。06年中の出火件数は67年以来、最も少ない約5万3000件。ただ、住宅火災での死者数は1187人と4年連続で1000人を超えた。そのうち65歳以上の高齢者が58%を占める。
道内救急コンビニ化 軽症患者が夜、気軽に・・・医師疲弊
北海道新聞 2007年12月18日
緊急性が低い病気や怪我で夜間や休日に医療機関を受診する患者が増えている。本来は重篤な患者を受け入れるはずの道内十カ所の救命救急センターにも軽症患者が押し寄せ、医療スタッフは夜通し対応に追われている。二十四時間、三百六十五日診察してくれるという患者の利便性や安心感の裏で、「救急のコンビニ化」に苦悩する道内の医療現場を見た。
帯広厚生病院ルポ
午後十時、十勝管内唯一の救命救急センター「帯広厚生病院」(帯広市))。救急車のサイレントともに、転落事故で全身を打った男性が担ぎ込まれた。車にひかれた女性、高熱でぐったりした乳児…。六つある救急ベッドはすでに四つが埋まっていた。精密検査や入院手続きに追われ、医師らは一息つく間もない。
さらに待合室では四人の患者が待っていた。三つの救急電話もひっきりなしに鳴る。「相当待つことになると思いますが…」。緊急性が低そうな患者に看護師がやんわりと日中の受診を勧めるが、「すぐ診てほしい」と言う患者を断ることはない。午前零時すぎに一段落した後も断続的に患者は訪れ、午前五時半まで診療は続いた。
意識が変化
命の危険がある高度な救急医療に二十四時間対応できる救急センター。同病院の昨年度の救急実績は約一万四千人で、開設した一九九九年度の1.5倍に増えた。ただ心肺停止などの重症患者は4%の約六百人。76%は入院の必要がないと判断された軽症で小児患者が四分の一を占める。
「夜間に気軽に受診する救急のコンビニかは全道的な傾向。医師が疲弊してやめてしまい、医師不足の一員になっている」。北海道医師会の目黒順一常任理事は指摘する。受診者増加の背景には高齢者や共働きの増加のほか。夜でも病院に行くことをいとわない受診者側の意識変化もあるとみられる。
人手が足りず
医師が百人以上いる同病院だが、夜間救急は毎晩常駐する小児科医一人を含め実質五人の当直医と三人の看護師が担う。六人しかいない小児科は、若い石田と月に七。八回夜勤。夜に一睡もできなくても、翌日は通常勤務だ。日中に比べ人手が少ない夜間は検査も時間がかかる。「重症だと処置に数時間かかる人もいるが、患者が多く、かかりきりになれない」と当直医。軽症でも緊急性がないとは限らないが、「夜の方が待たないから」「あす旅行に行くので、今診てくれ」といった理由で深夜に来る患者もいる。
格差に悩む
「共働きで日中はおられない。時間外診療を充実してほしい」と熱が出た五歳の子供の受診に訪れた主婦(35)。しかし医師不足の現状では容易ではない。「日中のような診療を期待されても難しい」。一瀬広道副院長(57)は患者ニーズと現場実態の格差に悩む。道医師会は軽い症状の場合は、日中に受診するように促す冊子を二万部作り、九月から病院窓口などで配布している。ただ「患者に万が一のことがあっては…」と、受診抑制には戸惑う医療関係者も少なくない。
救急搬送 たらい回しをどうなくす
信濃毎日新聞 2007年12月18日
http://www.shinmai.co.jp/news/20071218/KT071215ETI090004000022.htm
住民がヘリ離着陸場造った 広島県安芸太田町那須
中国新聞 2007年12月18日
http://www.chugoku-np.co.jp/Disaster/An200712180203.html
北原道議、道立紋別病院で見解示す~道の継続的な関与を強調
北海民友新聞 2007年12月18日
http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/071218_1.htm
医学部「地域枠」広まる 地元学生で医師不足解消を狙う
朝日新聞 2007年12月18日
http://www.asahi.com/edu/university/zennyu/TKY200712170192.html
がんの病理診断 良性か悪性か。病理医はどう診断するの。 ■治療方針の前提に ■深刻な医師不足 ◇病院間の連携広がる--各臓器の専門医に依頼 坂元医師を慌てさせたのは、この女性の組織診断用の標本だ。女性はその総合病院で、画像診断ではがん、細胞診と針による組織診断では良性とされた。病理医が一部を切り取る組織診断をもとにがんと診断したが、外科医が疑問を感じて坂元医師に診断を求めていた。女性は無駄な手術で乳房を失う寸前で救われた。坂元医師は癌研で約40年間、乳がんの病理診断に携わった。病理診断では、意見が食い違ったり判断に悩むケースも多く、臓器別の専門の病理医に診断を求めることも多い。坂元医師は「悪性か良性かは考えて分かるものではなく、長年の蓄積で体が反応する」と話す。坂元医師は同研究所を退職後、坂元記念クリニック乳腺病理アカデミー(東京都新宿区、03・5225・3301)を設立し、全国の病院からの診断依頼を受け付けている。「良性か悪性かで患者には天と地の差がある。正しい情報を伝え、病理診断についての理解も広めたい」と話す。 国立がんセンターは昨年10月から、「病理診断コンサルテーション・サービス」を始めた。診断に悩む全国の医師に、各臓器ごとに詳しい病理医を紹介する。利用は無料。セカンドオピニオンを希望する患者は、主治医を通じて頼むことができる。推進室長の長谷部孝裕医師は「病理診断の悪性度の評価などが治療法選択のかぎとなり、再発や生命予後にも大きくかかわってくる。しかし、病理医が1人の病院では、臓器ごとの最新の研究をフォローし、最先端のレベルを保つことは難しく、そこを補いたい。患者も自分の病理診断に関心を持ち、セカンドオピニオンなどを求めていけば、病理医の診断力も向上するはずだ」と話す。各地の病院では、病理医が患者に直接説明する「病理外来」を開設するところも出始めている。 担い手減少、福祉も崩壊… 諏訪中央病院を提訴 遺族が損害賠償求め 訴状によると、男性は1997年10月上旬に大量の血が混ざった排便をしたことなどから、同病院を受診し、進行性の胃がんで余命3カ月程度と診断され入院。手術を想定した胃バリウム検査や腹痛を抑えるモルヒネ投与などの治療を受けたが、11月下旬に死亡した。病院の治療のうち、バリウム検査では、事前に肺機能などのチェックをしなかったため、バリウムが気管に流入。男性に肺炎を発症させた。一方、モルヒネ投与では、呼吸回数の減少、無呼吸状態や意味 不明な言動の増加など、過剰投与による副作用の 症状が現れていたにもかかわらず、漠然と投与し続けた。急変後の患者の苦痛軽減のため、心停止後に蘇生措置を行わないとした方針は、一部の家族に延命治療と蘇生措置との区別をあいまいに説明し、患者やほかの家族のはっきりとした意向を確認せずに決めた。 原告は「病院は治療方針、緩和医療、延命及び蘇生措置について10分な説明をしない まま治療を進め、患者の医療に対する自己 決定権と人間らしい死を迎える権利を奪った」と主張している。提訴について同病院は「病院としての対処に間違いはなかったと考えている。訴状の内容を検討し、対応したい」としている。第1回口頭弁論は来年1月10日に開かれる。 「医療ミス」 1億円賠償提訴 訴状によると、酒井さんは02年11月と12月、筑波メディカルセンター病院で早期胃がんと診断され、同12月26日に手術を受けた。しかし、麻酔の際に脊髄(せきずい)を損傷され、下半身がマヒ状態になった。手術で腸を誤って損傷したり、縫合不全で腹膜炎を発症させたにもかかわらず、医師は気づかず、必要な治療をしなかった。下半身マヒの治療をするためにつくばセントラル病院に転院した後も、縫合が十分でないことや、腹膜炎の発症を確認する義務があるにもかかわらず気づかず、食事を指示されて腹膜炎が悪化し、03年1月6日に死亡した。 酒井さんの死亡直後から県警の捜査が入り、昨年3月、執刀した男性外科医らを業務上過失致死容疑などで書類送検したが、水戸地検はいずれも嫌疑不十分で不起訴処分とした。妻は「起訴されていれば医師もミスを反省しただろうが、不起訴になれば反省の機会がなくなる」と民事で病院の責任を問う決心をした。遺族はミスをした医師らの使用者として、法人に不法行為責任があり、医療契約に基づく債務不履行責任がある、と主張している。提訴について、2病院とも「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。 医療 納得は得られるか-動き出す医療版ADR 患者との接し方 園児と遊び習得 子どもの脳死診断 食生活の問題はバランス、食べ過ぎ、間食 解熱剤はつらそうな時に 感染性胃腸炎が流行 県、手洗い消毒呼び掛け 野生のチンパンジー「おばあさん」時期なし 死期近くまで出産 【学会のお知らせ】 社団法人日本超音波医学会主催「超音波医学フォーラム」開催のご案内 社団法人日本超音波医学会 理事長 千田彰一 記 テーマ : 「超音波医学の将来と臨床展望」 (中略) 特別講演 【問い合わせ先】
毎日新聞 2007年12月18日
http://mainichi.jp/life/health/news/20071218ddm013100091000c.html
◆良性か悪性か。病理医はどう診断するの。
◇経験から異常見極め--細胞の色、並び方、大きさなど観察
写真<1>と<2>を見てほしい。いずれも乳房にできた組織の一部を切り取って作った標本だが、どちらが悪性か分かるだろうか。答えはいずれも、左が悪性の乳管内がん、右が良性の乳管内乳頭腫だ。素人にはよく分からない細胞の配列。病理医はこれを見極めて診断を下す。
「良性の場合は細胞の組織構造に同じ傾向がある。それから外れているものが悪性。色や並び方、大きさなど『顔付き』をみて診断する」と横浜市立大付属市民総合医療センター病理部の佐々木毅・准教授は話す。数値で測れるものではなく、さまざまなタイプのがんの知識を蓄積して診断していく。
診断には、大きく分けて「細胞診」と「組織診断」がある。細胞診は、子宮頸(けい)部や内膜からこすりとった細胞などを、細胞がばらばらの状態で見て、明らかに悪性でないものをはじく。組織診断は、内視鏡で臓器の一部を切り取ったり、太い針を刺したりして、細胞が集まった状態の組織を観察し、診断を確定して治療方針を決定する。手術中に採取された組織を10分ほどで診断し、その結果をもとに執刀医が切除する範囲などを決める「術中迅速診断」や、摘出した組織を観察して追加治療が必要かなどの情報を提供するのも病理医の仕事だ。乳がんや消化器がんなど多くのがんで、ホルモン療法と化学療法のどちらが適しているか、どのような薬剤を用いればよいかなども判断する。
しかし、病理医は不足している。日本病理学会によると、日本の全医師の中で病理が専門の医師の割合は0・8%(03年現在)にすぎず、3・2%(同)の米国より大幅に少ない。同学会が把握する病理医数は2905人(今年9月現在)。全医師に占める割合は、50代は1・9%だが、30代では1%を割り込み、20代では0・4%と、今後を担う若手が少ない点も問題だ。がん拠点病院でも、1割の病院には常勤の病理医がおらず、1人だけの病院が4割に上る。
昨年8月下旬。癌(がん)研究会癌研究所の坂元吾偉(ごい)・乳腺病理部長(当時)は、関西地方の総合病院に大急ぎで電話をかけた。「これはがんではない。すぐ取りやめて」。乳がんとされていた30代の妊娠中の女性への手術は、あと数時間で始まるところだった。
キャリアブレイン 2007年12月18日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/13641.html
長野日報 2007年12月19日
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=9258
茅野市玉川の組合立諏訪中央病院で、胃がんの治療を受けていた同市内の男性=当時(84)=が、入院から約2カ月後に多臓器不全で死亡した際、病院側が余命を認識しながら、適切な治療と家族への説明義務を怠ったとして、遺族が同病院を運営する諏訪中央病院組合相手に、慰謝料約2000万円を求める損害賠償訴訟を地裁諏訪支部に起こしたことが18日、分かった。
読売新聞 2007年12月19日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20071218-OYT8T00772.htm
つくばの法人など相手 胃がん手術死亡男性遺族
つくば市の病院で2002年、胃がんの手術を受けた土浦市の酒井宏行さん(当時47歳)が転院先で死亡したのは病院のミスが重なったためだとして、酒井さんの妻(53)ら遺族3人が、筑波メディカルセンター病院(つくば市)を開設する財団法人「筑波メディカルセンター」などを相手取り、慰謝料など約1億円の損害賠償を求める民事訴訟を水戸地裁土浦支部に起こしたことが分かった。訴えられたのは、同センターのほか、つくばセントラル病院(牛久市)を開設する医療法人「つくばセントラル病院」。
MSN産経ニュース 2007年12月18日
(1)http://sankei.jp.msn.com/life/body/071218/bdy0712180815000-n1.htm
(2)http://sankei.jp.msn.com/life/body/071218/bdy0712180815000-n2.htm
(3)http://sankei.jp.msn.com/life/body/071218/bdy0712180815000-n3.htm
読売新聞 2007年12月18日
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20071218us41.htm
読売新聞 2007年12月18日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071218-OYT8T00168.htm
信濃毎日新聞 2007年12月18日
http://www.shinmai.co.jp/news/20071218/KT071217FUI090006000022.htm
読売新聞 2007年12月18日
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/childcare/baby/20071218ok01.htm?from=yoltop
山陽新聞 2007年12月18日
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/12/18/2007121809193178006.html
京都新聞 2007年12月18日
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007121800043&genre=G1&area=K1D
日超医「超音波医学フォーラム」で「行政と語る医学と医療」
http://www.e-kenkyu.com/jsum_forum/
企画委員会 委員長 岡井 崇
超音波医学フォーラム
日 時 : 平成20年2月23日(土)
フォーラム 13:30~18:00 懇親会 18:30~20:30
会 場 : 都市センターホール コスモスⅡ
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-4-1
TEL:03-3265-8211 参加費 : 5,000円(懇親会費含む)
16:00~ 18:00 「行政と語る医学と医療」
① 「これからの日本の医療」(仮題) 演者:舛添要一 (厚生労働大臣)
② 「医療関連産業の現状と将来」(仮題) 演者:林 良造 (東京大学公共政策大学院教授)
③ 「医学教育の将来展望」(仮題) 演者:未 定 (文部科学省)
※講演時間各40分(質疑応答含む)
18:30~ 20:30 懇親会 (オリオン)
社団法人日本超音波医学会
「超音波医学フォーラム」係 宛
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町2-23-1 お茶の水センタービル6F
TEL:03-6380-3711 FAX:03-5297-3744 mail:[email protected]
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