(関連目次)→医療事故安全調査委員会 各学会の反応
(投稿:by 僻地の産科医)
前からあげようと思っていたM3とメディカルトリビューンから
やっと記事が上がってきていたのでo(^-^)o ..。*♡
あのバカバカしい検討会、こんな感じで進んでおります。
第16回死因検討委員会関連ニュースo(^-^)o ..。*♡
いまだに“医療事故調”の目的が定まらず、迷走続く 第16回検討会
「医療過誤は犯罪!」by 前田座長 第16回死因究明検討会 その1
「警察に通報される確率がゼロの人が立案者」
と現役官僚
橋本佳子編集長
M3.com 2008/11/10
http://mrkun.m3.com/DRRouterServlet?pageFrom=CONCIERGE&operation=showMessageInDetail&pageContext=CONCIERGE&msgId=200811131445918726&mrId=ADM0000000&onSubmitTimeStamp=1226558235578&onLoadTimeStamp=1226558233968
「警察に通報される確率がゼロの人が、“医療事故調”案の法案作成を支えていることになります」
「約1年7カ月も(“医療事故調”の)検討会が続いています。提出期限がないパブリッ クコメント(パブコメ)は見たことがありません。これだけ大量のパブコメが寄せられたのも始めてです。厚労省が国会に法案を提出する前から、反対意見が続出しています」
次々と展開される“厚労省批判”。驚くべきことに、発言者は当の厚労官僚、同省の改革推進室の村重直子氏 。11月8日に東京都で開催された、「現場からの医療改革推進協議会」の第3回シンポジウムでのことです。同協議会は、医療者、国会議員など様々な立場の人から成る任意組織で、文字通り“現場発”の医療改革を実施するために活動しています。村重氏は「厚労省の公式見解ではなく、個人の立場としてお話します」と断っています。
村重氏は医師。1998年に東大医学部を卒業後、国内外で臨床に携わり、2005年に厚労省に入省、今年3月から現部署で働いています。 村重氏の手厳しい発言は、「行政に“お願い”してはいけない」ことを強調し、“現場発”の医療改革を促すのが主たる目的ですが、 「厚労省改革なくして、医療改革なし」という思いもあったようです。「官僚も医療と同じです。医療者が患者さんと向き合っているのと同様、官僚も国民と向き合うことが重要」(村重氏)。
「“医療事故調”をめぐる動きは、医系技官発案の厚労省案成立を現場から阻止した実例」と村重氏。
診療関連死の死因究明などを行う、“医療事故調”については、 2007年3月に第1次試案、10月に第2次試案、2008年4月に第3次試案、そしてこの6月に大綱案が出ています。その都度、厚労省はパブコメを求めたものの、団体、個人を問わず反対意見が続出、結果的に現在もなお検討会が続いています(『 「第三次試案」「大綱案 」へのパブコメは計732件に』『 「賛否の見解の相違は、性善説 か性悪説かの違い」』などをお読みください) 。冒頭の村重氏の発言はこの現状を指摘したものです。
当サイトが6月に実施した調査『1万人アンケート!「民主党案」支持派が多数』にも村重氏は言及し、 「この程度の支持(厚労省案支持は14.3%)しか得られない厚労省案を国会に提出するとしたら、いったい民主主義とは何か、という素朴な疑問がわいてきます」と問題提起。
「法律は誰が何を守るために作るのでしょうか。官僚が作るのでしょうか 、国民が作るのでしょうか、国民を代表する国会議員が作るのでしょうか。また、法律が守るのは、官僚の無謬性ではなく、国民の生活であるはずです」
「官僚は終身雇用で、医系技官は医療の現場に戻ることは基本的にはありません。つまり、医療事故に巻き込まれる可能性はゼロ、つまり自分が医療事故に遭い、警察に通報される確率もゼロ、といえる人たちが“医療事故調”の法案作成を裏で支えていることになります」
「でも時代はどんどん変わってきます。官による大本営発表ではなく、民によるインターネットを使った現場からのリアルタイムの発信、徹底した情報開示が行われ、皆さんが考える材料を得ることが可能になりました」
“現場発 ”の象徴的な動きは、諫早医師会が今夏に実施したアンケートでしょう。郡市医師会が日本医師会とは独立して調査すること自体、異例です。その上、日医は厚労省の第3次試案に賛成していますが、そもそも9割近い郡市医師会は「都道府県医師会から賛否を聞かれたことがない」と回答するなど、日医の意見は現場の総意ではないことが浮き彫りになっています(『長崎県諫早医師会会長・高原晶氏に聞く 日医の“事故調”厚労省案支持に異議あり』をお読みください)。
「自ら行動する、自律的な提案型へ 」
こう締め くくった村重氏。先例や組織の論理などにとらわれない自律的な行動は、医療者だけではなく、厚労官僚にも求められること。村重氏に、他の厚労官僚が続くことを期待したいものです。
全日本病院協会,全国医学部長病院長会議も厚労省案に反対
―医療従事者の意見を無視した事故調では
医療安全の向上に益なし―
篠原 伸治郎
MTpro 記事 2008年11月17日掲載
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0811/081121.html
11月10日,厚生労働省(厚労省)の医療安全調査委員会(事故調)の検討会に,参考人として,医療側から全日本病院協会常任理事の徳田禎久氏,全国医学部長病院長会議・大学病院の医療事故対策に関する委員会委員長の嘉山孝正氏,患者・遺族側として医療過誤原告の会会長の宮脇正和氏が呼ばれ,医療安全調査の在り方,同委員会設置の是非などが議論された。また,医療者側からは,民主党案も議論・検討するよう要望が出された。
医療安全調査委員会,名と実が相反
—責任追及が目的なら,“医療処罰検討委員会”と改称を
徳田氏は,まず医療安全調査と医療従事者の処罰の問題が同じ検討委員会で検討されていることは問題であると指摘。第3者機関の設置が要望された背景に,医療側としては医師法21条の拡大解釈と刑事訴追の問題があり,患者やその家族の立場としては,医療過誤の事例に対する説明責任,情報開示を怠った問題,対応に重大な問題がある医療施設が存在したこと-があったと述べた。
同氏は,患者が亡くなるような医療過誤に限らず,ヒヤリハットの段階から包み隠さず国民に周知,原因を速やかに明らかにし,再発防止に役立てることが大事だと述べた。
同氏は,医療調査を行う機関の名称も“医療事故調査委員会”から“医療安全調査委員会”にいつの間にか変わっていたが,実情は医療安全に調査をどう活かすかという論点での議論はされておらず,本来の設置目的と検討会による議論の間にずれがあると指摘。検討会では,医療従事者に対する医療過誤の処罰の在り方,つまり“責任追及”ばかりが議論されていることから「医療安全調査委員会を“医療処罰検討委員会”と改称し,原因追及は別の組織で検討してはどうか」と厳しく批判した。
なお,全日本病院協会では,病院の在り方についてシンポジウムを開催するなど検討,報告を重ねてきており,昨年(2007年)3月にも報告書をホームページ上で公表している。
同氏は,そのなかから医療安全を確保するうえで不可欠なものとして,
(1)中立的第三者機関への報告義務制度の確立
(2)収集事例に対する専門家による分析と事故再発防止策などの成果の還元
(3)裁判外紛争処理制度(ADR)と無過失保障制度を含む被害者の救済制度
(4)医療事故当事者の精神的負担その他に関する支援—を挙げている。
一方で,同氏は医療提供者側としても説明責任,情報開示などで同協会などの取り組みの徹底が足りないなど問題もあったことを認め,そのうえで「“医療行政,医療安全に対する国の姿勢”に最大の問題があったのではないか」と指摘した。
同氏は,「医療安全を医療提供に関する最重要課題として捉えるなら,個人への過重な負担や努力によるものではなく,医療従事者が安心して上質な医療を提供できるような制度を構築する必要がある」という。
しかし現状では,医療安全に関する資源は確保されておらず,「各医療施設の自助努力や医療団体の協力に依存している状態だ」と述べた。
同氏は,医療事故調査委員会の真の目的(医療調査と安全性の向上)は,日本医療機能評価機構の医療事故等情報収集事業等の組織強化で十分行えるとし,検討会ではこうした議論が行われていないと言う。
さらに検討会における医療事故調査と委員会設置の議論は「法的責任追及に活用することを目的としていると感じざるを得ない」とし,「医療安全の第一歩は,すべての条件下で事象を詳細に報告することだ」と改めて指摘した。
責任追及がある医療安全調査委員会設置は「かえって迷惑」
—きちんとした医療情報が出されなくなる
次に嘉山氏は,全国医学部長病院長会議による第三次試案に対する見解を示した。
同氏はまず,最もリスクの高い医療を行っているのが,大学病院であることを告げ,そのうえで全国国立大学医学部附属病院は,文部科学省および厚労省とともに,医療問題に関する改革に取り組んできており,「この10年で医療事故に対する大学病院の意識および制度が大きく変わった」と述べた。
世界の多くの国では,犯罪以外の事物に刑事罰を課すことをせず,「誰」ではなく「なぜ」を解明し,医療事故の再発を防ぎ,患者の利益になる制度となっている。
実際,同氏は勤務先の山形大学で院内調査に取り組んでおり,結果に対する責任追及を外す(ブレームフリー)ことで,情報収集に努めている。ただし,隠蔽などの悪質な例には,実際に自律的な処分も行っている。
同氏は「こうした制度の下で初めて誠意を尽くしている医療人が健全な医療を患者さんに注ぐことができる。犯罪ではない医療事故を刑事罰から完全に外す制度にしていただきたい」と要望。厚労省案の示した,責任追及を兼ねた医療安全調査委員会が設置されると,きちんとした情報が医療従事者から提出されなくなり,「かえって迷惑だ」と断じた。
医療安全調査の議論では,よく世界保健機関(WHO)による医療安全に関する設計図(ドラフト)が引き合いに出されるが,厚労省では「ガイドラインが原案であり今後さらに検討される予定だという認識。『専門家による分析』という仕組みの部分で事故調の設置を提案している。また,医療行為について医療関係者の刑事責任が問われないという国の存在は承知していない」と反論している。また,以前開かれた検討会では,「このドラフトの引用論文では刑事訴追に使用すると明示されている」という批判もあった。
この点について,同氏は「つまりWHOがドラフトを作成する際に刑事訴追の項目を採用しなかったからだ」と指摘した。
さらに,厚労省案が導入されれば,
(1)医療の結果を後から判断する“あと出しじゃんけん”となる
(2)ハンムラビ法典のような“応報感情”に基いた刑事処罰を行えば,社会は萎縮することは歴史が証明している
―ことなどを指摘し,「根本的にこの試案のconstitution(組織,構造,性質,法令,委員の任命)がまったく間違っている」と述べた。
また,これら数々の指摘に対して,検討会では“国民の応報感情”を錦の御旗として,検討・改善が進まなかった点については,作家・山本七平氏が著作「空気の研究」のなかで指摘した「“戦前の風の前に,軍部・国民が思考停止になった状態”と同じである」と厳しく批判した。
同氏は,今年(2008年)5月に行われた日本法社会学会学術大会に参加しており,上記の問題に関連して,愛媛大学の小佐井良太氏が行った研究報告『「死別の悲しみ」を伴う紛争事例の解決と法の応答可能性』の内容を紹介した。
それによると,交通事故に対する2003年の東京地方裁判所で,応報感情に基づいた“毎年,被害者の命日に賠償金を分割で払うよう命ずる判決”があり,マスコミでも名判決と評価された。
しかし,同年の横浜地方裁判所における判決では,“一括払い“が命じられた。“近代法では復讐は行ってはいけない,別の問題である”ということが示された判決であり,現在はそうした原告側からの応報に基づいた命日ごとの分割払い請求は却下されているという。
同氏はまた,「私はどこの党にも属していないが,厚労省案の対抗案として示されている“民主党案”がオンラインメディアの調査で,圧倒的に支持を得ている」と報告。「民主主義国家であるなら,他の意見も聞いて議論・検討すべき」と座長の前田雅英氏に要望した。
さらに「民主党案に反論がある,あるいは論破されるなら(同議事録を読む)国民も納得できるだろうが,単にガス抜きとして“聞きおく”だけという姿勢であるなら,納得は得られない」と述べ「何か施策を立案する際には,理念として正しいと,ある一面だけから見ずに,それを行うことでどういう影響をもたらすかまで,きちんと考えなければ国民は右往左往することになる」と座長に訴えた。
調査資料として,医療安全調査委員会でカルテを開示して欲しい
医療過誤原告の会会長の宮脇正和氏は,家族を医療事故によって亡くしており,医療裁判の経験などを語った。同氏は,医療被害における証拠は,医療施設がすべて有していること,カルテが改ざんされることがあること,弁護士に医療知識の壁があること,鑑定する医師が少ないこと-などを報告。こうした点から,医療過誤裁判にたどり着く前に多くの遺族・家族が諦めている現状があると指摘した。
また,医療過誤のため家族を亡くした医師が医療過誤裁判の原告となった件について紹介。この医師は裁判で示されたカルテに改ざんが明らかであったとして,厚労省にもそうした点の改善を訴えており,患者側にもこうした“改ざんされたカルテに基づいて裁判が行われているのではないか”という不信感が背景にあったという。
同氏は「こうした犠牲を次の医療に役立てていこうと取り組んできて,やっと医療被害者や家族に光が当たってきた。第三次試案をもとに十分議論をされてきたと考えており,こういうこと(医療事故調査委員会の設置)は時機もある。国民の大きな要望になっていると思うので,医療被害をこれ以上起こさせないように取り組んで欲しい」と述べた。
また「第二次試案に比べ,第三次試案では,調査委員会の構成,刑事罰の限定化が見られるなど,トーンダウンがあった。届け出範囲に該当すると医療機関の管理者が判断したにもかかわらず,故意に届け出を怠った場合や虚偽の届け出を行った場合は,死者や社会に対する明確な犯罪行為として,行政処分ではなく,厳しく対応すべき」と述べた。また「医療従事者に対しては,真実を話さないよう上司からの圧力がかかることもあり,内部告発者の保護なども明記すべき。医療安全調査委員会における調査資料としてカルテを被害者に開示するようにして,透明性を担保して欲しい」と要望した。
そのうえで,同氏は同検討会では様々な点が検討されてきた経緯を踏まえ,第三次試案をもとにした法案化と具体化を求めた。
なお,同氏が指摘したこの“カルテの改ざん”について,徳田氏は「改ざんのできない電子カルテが有効だ」と指摘している。「電子カルテが導入されれば,そうした問題は起きない」と述べた。
嘉山氏は「そうした行為は公文書偽造などの犯罪であり,さまざまな要因が絡んだ結果として,医療の結果が悪くなることとはまったく別の次元の話」と指摘。医療の調査について刑事罰と結び付ける厚労省案の医療安全調査委員会の是非と,こうした指摘がかみ合っていないことを示した。
ただし,この点について,同氏自身が患者の立場に立って,厳しい処罰も行ってきた経緯もあり「10年以上前ならそういうこともあったかもしれないが,現在は情報を隠蔽したり,カルテを改ざんするような工作を行ったりすれば,病院長が逮捕されるので,現在は大学病院などの院内調査では,積極的に情報を開示し自浄作用に努めている」と説明。そのうえで「犯罪の議論と医療調査の議論は分けないと,議論が進展しない」と理解を求めた。
民主主義に則り「民主党案」も議論・検討すべき
検討会後半では,委員および宮脇氏と,医療側の出席者との間で激しいやりとりもあった。
豊田郁子氏「先生のように医療安全に積極的に取り組んでいる医師もいる一方で,依然,そういった取り組みを行っていない病院もあるのではないか。そういう取り組みが徹底されていないのではないか」
嘉山氏「例えば,医療機能評価機構では情報収集に務め,そうした情報を提供している。大阪大学などではそうした情報に基づき,医療安全調査部で,看護師を中心として薬剤のラベルのチェックをするなど,医療過誤がおきないよう取り組みを行っている。こうしたことは厚労省の指導のもと行っているのに,全然知らされておらず,検討委員にもそうした誤解があることは甚だ残念だ」
堺秀人氏「個人的見解だが,大綱案は変更できないものではないと思う。徳田先生や嘉山先生の指摘する医療機能評価機構の取り組みの部分で変更を行うのもありかなと思う。嘉山先生にお聞きしたい。先生が提出した山形大学病院の“医療事故防止対策マニュアル”では“患者が死亡するなど結果が重大であって医療水準から見て著しい誤診や初歩的ミスが存在する場合”が“刑事責任を問われる可能性のあるような場合”に含まれているのに対し,同時に提出した“全国医学部長病院長会議”の患者支援法案(通称)では,“診療死は医師法21条の届出対象から除外する”となっており,見解に違いがあるようだが」
嘉山氏「日本法医学会が1994年に作成した異状死ガイドラインにおける医師法21条の拡大解釈に則って,山形大学のガイドラインは作成せざるを得ず,そうなっている。日本法医学会に直接このガイドライン作成の経緯を聞いたところ,現状のようになるとは想定していなかったと聞いた」
永池京子氏「全日本病院協会の意見で,院内委員,あるいは全国医学部長病院長会議での医療事故調査の取り組みは大切だと思う。しかし,解剖しても死因がわからない場合はあると思う。医療従事者の説明だけで,すべての遺族が納得できると思っているか」
徳田氏「医療の現場で通常いろいろな治療が行われていて,診療計画書を渡し納得していただいたうえで診療が始まっている。電子カルテが鍵になるが,改ざんできない電子カルテにすべて記録が残る。このカルテを示しながら,こういう診療経過であったと申し上げる」
嘉山氏「医療従事者と患者の間には,医療に対する知識に差があるため,完全な理解は難しい。ただし,両者に信頼関係があれば,理解度は増す。現状の悲劇は,不信感があることだ」
宮脇氏「大学病院の院内医療調査については4割で,患者側からの聞き取り調査が行われていないという日本弁護士連合会の報告がある」
嘉山氏「サイエンティフィックに医療事故の原因を解明するのではなく,患者さん側の気持ちを満足させることが眼目になっていることを端的に示す発言だ。患者さんの気持ちを満足させることは,別の方法論で行うべき」
木下勝之氏「全国医学部長病院長会議が行っている医療安全の取り組みは医療従事者の取り組みとしてもっともだ。ただ,医療事故死が起き,過失があれば,刑法・刑事訴訟法・医事法がある限り,責任は問われる。その枠のなかで医療界は診療をしており“こうして欲しい,ああして欲しい”と要望を述べて,刑事訴訟法を変更すれば,何のために医療事故だけを特別扱いするのかという視点が出てくる。そうしたなかで医療の質を上げていこうという取り組みだ。医療事故調査委員会の仕組みを作らなければ,今のまま警察が捜査を行う状況が続くが,それでいいのか」
嘉山氏「私は医療事故調査を,病院長,学部長としてやってきた。その経験から言うが,刑事罰と調査を結びつければ,情報が出てこないなか,今はクレームフリーでやっているから情報が出てきて事故調査をサイエンティフィックに解明できている。私が言いたいのは,医療調査と刑事罰という犯罪とを分けて考えていただきたいということ。患者さんのために,医療の事故調査をきちんと行うためには,調査と処罰を連結してはいけないことは先進諸国では常識だ」
前田氏(座長)「はっきり言うが,過失も犯罪だ。医療過誤は犯罪だから。医師が犯罪でないと言ったって犯罪だ」
嘉山氏「それなら罪刑法定主義にして,道路交通法のように,これを行ったら犯罪とはっきり示すべき。でも,それは医療の現実では,無理だと指摘している」
前田氏「今は,警察がもう少し医師の立場に立ってくれればという不安感がある。だから医者の側で警察への届け出を振り分けましょうという話で,しかもその対象は非常に狭い範囲になっている。応報という言葉を使ったのは不徳の致すところだが,国民にとっては非常にひどい事件もあったし,そうした事例は刑罰の対象にしないと国民も患者さんも納得しない。なぜ医療だけが過失責任を免除されないといけないのか。それは無理という話だ」
嘉山氏「施策は“運用次第”という話も度々される。しかし,法案や政策が実際に運用されるときは,作った人は死んでいる。法文だけが一人歩きすることになる」
徳田氏「では,あらためてお聞きする。医療安全調査委員会が作られたら“責任追求ではない”と考えていいのか。医師法21条は我々にはあまりに理不尽だ。責任追及じゃないのか」
木下氏「責任追及はしない。でも医療界として追及していく。医療側の判断を尊重する仕組みだ」
嘉山氏「試案が通ったら,私は院内の医療事故調査委員を辞めるつもりだ。勤務している人たちに説明ができない」
徳田氏「一般的にこの文書を見れば,責任追及に使用すると考えざるを得ない。医療安全の原則は,包み隠さず報告をすることで,皆さんよくご存知のはず。それをどう担保するのか,本当のことを言われなくなったらどうするのか。医療安全という観点で,事故死をどう捉えるのか,ぜひ議論をして,もう1度ここに来るチャンスをいただけるなら,お話ししたい」
前田氏「嘉山先生にお聞きする。調査の結果,この医療はひどい,犯罪じゃないかと判断した場合はどうするのか」
嘉山氏「医学という分野では,過失か過誤かは判断が難しい。それは医学界が弁護士のように自律したガバナンス組織をつくり,処罰をしていくのがプロとしての義務だと思ってはいる」
前田氏「それは医学に治外法権を認めるという話か?」
嘉山氏「医療調査と処罰は別の論理のもと議論されるべきだ。それを繋げるのはおかしいということだ。医療安全調査委員会の目的は責任追及でないと言いながら,実態はペナルティーを科す組織ではないか。医療従事者は民主党案に賛意を示している。民主主義なのに,この検討会はなぜ黙殺するのか」
前田氏「法案は国民が最終的に決めるものだ」
嘉山氏「だから,民主党をここに挙げて議論をしてほしいと言っている」
第三者機関の設置に,患者・遺族の応報感情に応える部分は外せないとする検討委員会側の深意が発言のはしばしに現れており,そうした機能も有することで,本来の目的である患者のための医療安全向上が阻害されるという医療従事者からの指摘が続く検討会となった。医療従事者が主体となって,医療調査を行うとしている一方で,その納得が得られない状態が続いている。
麻生総理が医者のことを社会的常識が欠けている人が 多いと発言 抗議抗議だーー 麻生をつぶせー 管理人広めろ
投稿情報: 山本山 | 2008年11 月19日 (水) 19:14
あらららら。。。。
管理人さんは毎日、ニュース拾っているので、かなりスルー力は実は高いんですけれど、(2ちゃんスルー力コンテストでもかなりいけると思います。)
でも流石にあきれるというか。
どうしよ~もないですね。ははははo(^-^)o ..。*♡
動くかどうか、みんなの情勢をみつつ考えます。
というか、放置しておいても誰かが噛み付いてくれそうな。(他力本願) あははw。
舛添大臣せっかく応援しているのですが。気の毒です。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年11 月19日 (水) 20:53