(関連目次)→医療事故安全調査委員会 日本医師会について考える
(投稿:by 僻地の産科医)
M3の記事から!この記事内容についてですo(^-^)o ..。*♡
医療事故調原案でアンケート 回答医師会の7割で議論せず
下野新聞 2008年9月17日
http://www.shimotsuke.co.jp/news/domestic/science/news/20080917/53539
日本医師会(日医)傘下の諫早医師会(長崎県諫早市)は17日までに、日医が賛成を表明した医療版事故調の厚生労働省原案について、全国の郡や市、区の医師会にアンケートしたところ、回答した医師会の7割が「賛否を議論していない」と答えたとする調査結果をまとめた。厚労省原案は「医療安全調査委員会」(仮称)の第3次試案と呼ばれ、今年4月に公表。日医は「全国の都道府県医師会のうち、条件付きを含め36団体が賛成した」と説明していた。
諫早医師会のアンケート対象の医師会は、都道府県医師会ではなく、その傘下にある団体。諫早医師会は17日までに、「広く開かれた議論を行い、会員の合意を得るよう努力されるべきだ」とする要望書を日医の唐沢祥人会長あてに提出。日医は「要望書が届いたばかりでコメントできない」としている。アンケートは8月に全国960医師会を対象に実施、うち447医師会から回答を得た。
「厚労省案の賛否を正式に議論したか」という質問には「した」25(5・59%)、「していない」325(72・71%)。「医師会で会員への説明会などを行ったか」については「行った」17(3・8%)、「行っていない」428(95・75%)だった。
でも、これ読んで思ったのって、
日医ってすっごく下の意見きかないんですねo(^-^)o ..。*♡
先日、勤務医の加入数と、幹部の人数の表についても載ってましたけれど。
やっぱりこんなもんだよね~と思わせる内容です(>▽<)!!!
諫早医師会の勇気ある行動に思う、日医の行方
橋本佳子編集長
M3.com 2008/09/18
http://mrkun.m3.com/DRRouterServlet?pageFrom=CONCIERGE&operation=submitRating&msgId=200809231655421828&mrId=ADM0000000&rating=5&points=5
長崎県の諫早医師会がこの8月、全国の960郡市医師会を対象に、「新しい死因究明制度に関するアンケート」を実施したところ、回答数は実に447医師会に上りました。このアンケートが画期的なところは、日本医師会ではなく、調査の実施主体が、諫早医師会である点です。調査実施を決断したのは、今年7月28日に東京で開催された日本医学会主催の公開討論会。
その席上、諫早医師会会長の高原晶氏は、「日本医師会は開業医の代表と言われるが、その開業医の意見すら日医は聞いていない。アンケートを行い、医師会の7割くらいが(厚労省案に)賛成だと言うが、医師会の常任理事クラスの意見を聞いただけ」と発言しました(『「第三の過ちを犯すな」、厚労省案に異議あり』をご参照ください)。
調査結果は9月12日に公表されたとのことで、この連休(9月14日)に諫早にお伺いし、高原氏にインタビューしました。高原氏は特段の気負いもなく、「自ら正しいと思ったことを理事会に諮り、諫早医師会として実施しただけ」ということでした。従来から、“医療事故調”の厚労省案を問題視する声が少なからずあるにもかかわらず、こうした現場の声が中央に反映されない現状を実証するのが調査の一番の目的です。
諫早医師会の調査では、「日医または都道府県医師会から、“医療事故調”の厚生労働省案についての賛否を問われたことがあるのは、10%強にとどまる」ことが明らかになっています。日医の組織運営や合意形成のあり方が果たして妥当か、疑問視せざるを得ない結果です。
日医は今、大きな変革期を迎えています。2008年12月1日に、公益法人制度改革三法の施行が予定されているからです。内閣府の公益認定等委員会の説明によると、「現行の公益法人制度に見られる様々な問題に対応するため、従来の主務官庁による公益法人の設立許可制度を改め、登記のみで法人が設立できる制度を創設するとともに、そのうちの公益目的事業を行うことを主たる目的とする法人については、民間有識者による委員会の意見に基づき公益法人に認定する制度を創設しました」とあります。
この辺りの議論はまた別途、触れますが、日医に当てはめると、5年以内に、公益社団法人か一般社団法人に移行しなくてはなりません。その名が表す通り、公益性が高い運営を行うためには、公益社団法人に移行することが求められ、日医はその準備を進めています(日医のホームページ「新公益法人制度の施行に向け定款変更案の検討開始」をご参照ください)。
しかしながら、虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹氏は、中央公論の今年9月号で『公益法人制度改革がもたらす日本医師会の終焉』という刺激的なタイトルの原稿を書いています。
(1)代議員制度は取れない
(2)会長選挙は一般法に反し、キャビネット制は一般法の精神に反する
(3)日本医師連盟と並存できない
(4)勤務医を「第二身分」にとどめることは不可能
などの理由から、現行のままでは公益社団法人に移行できるか疑問視しています。医学、そして医療制度がますます複雑、高度化する時代であるからこそ、医師という専門職集団の舵取りが重要になっています。現時点では日医に代わる組織がないのもまた事実です。日医の動向が注目されるところです。
長崎県諫早医師会会長・高原晶氏に聞く
日医の“事故調”厚労省案支持に異議あり
独自調査に960郡市医師会中447が回答
「賛否を聞かれた」は1割
m3.com 医療維新 2008年09月16日
聞き手・橋本佳子編集長
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080916_1.html
「日医または都道府県医師会から、“医療事故調”の厚生労働省案についての賛否を問われたことがあるのは、10%強にとどまる」。これは、長崎県の諫早医師会が今年8月、全国の郡市医師会を対象に行った「新しい死因究明制度に関するアンケート」の結果だ。調査対象は960の郡市医師会で、回答数は447。諫早医師会という郡市医師会による、全国の医師会への調査実施は画期的である上、半数近くの医師会が回答したことは特筆すべきだろう。さらに日医は、厚労省案を支持しているが、これは郡市医師会まで含めた医師会の総意ではないことが、今回の調査では浮き彫りになった。諫早医師会の会長を務める高原晶氏に話を聞いた(2008年9月14日にインタビュー)。
「“医療事故調”のような重要案件については、一般会員も含め、十分に議論を尽くして合意形成すべき」と語る、諫早医師会長の高原晶氏。
――今回の調査は、どんな経緯で実施されたのでしょうか。
一言で言えば、われわれの立場から日本医師会や県医師会に、“医療事故調”の件で問題提起し、反対意見を述べても、一向に反応がなく、日医は医師会の総意として、厚生労働省の“医療事故調”を支持する旨を表明していたからです。われわれ以外にも、厚労省案に対しては、一部の都道府県医師会や郡市医師会、さらには学会などからも反対意見が出ています。
最終的に私自身が調査実施を決意したのは今年7月28日、東京で開催された日本医学会の「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」の席上です(『「第三の過ちを犯すな」、厚労省案に異議あり』を参照)。この公開討論会が開催されたのは平日、月曜日の午後です。仕事を休まないと出席できない日時にもかかわらず盛況で、多数の先生方が“医療事故調”の厚労省案に反対意見を述べたり、内容を疑問視していました。しかしながら、日本医学会と日医は、全く耳を貸そうとはしませんでした。
前々から考えていたのですが、この公開討論会を目の当たりにして決意、発言の機会を得て、その場で調査の実施を参加者の前で宣言しました。調査の一番の目的は、厚労省案に対する賛否以前に、日医や都道府県医師会がどの程度、郡市医師会や一般会員に“医療事故調”問題を諮っているのかを確認することにあります。
――諫早医師会は、パブリックコメントをはじめ様々な形で、厚労省案に対する反対意見を表明しています。
私自身、“医療事故調”について具体的内容を初めて知ったのは、2007年11月、九州の医師会の会合で、小松秀樹先生(虎の門病院泌尿器科部長)の講演を聞いたときのことです。
2007年10月に厚労省が“医療事故調”の第二次試案(『続出した反対意見を無視した検討会』を参照)を出した直後でしたが、同試案には問題が多いと感じ、その後、諫早医師会では勉強会や講演会で検討を重ねてきました。今年1月には日医に対して、第二次試案に反対する意見書を提出しています。その後、4月に厚労省の第三次試案(『21条改正で前進だが「警察への通知」残る』を参照)が出され、われわれは5月にパブリックコメントを厚労省に提出し、反対意見を述べています。そのほか、県医師会の代議員会など様々な場で意見を表明してきました。しかし、その間、日医は都道府県医師会に対して、今年2月には死因究明組織の必要性について、また4月には第三次試案に関してアンケートを実施しています。そして5月27日、47都道府県医師会中、条件付き賛成も含めて36医師会が賛成しているという、「厚生労働省第三次試案に関する日本医師会の見解」を発表しています。
われわれは、地元長崎県医師会の常任理事会の議事録などを読みましたが、これら日医のアンケートについて議題にしたり、議論した形跡はありませんでした。「報告」という形で、「賛成と回答した」という旨が記載されているだけでした。他の多くの地域でも同様に、郡市医師会は日医のアンケートについて意見を求められていない、つまり日医の「見解」は各郡市医師会、一般会員の意見を聞き、十分に議論を尽くした結果ではないと考えられたため、今回調査をしたわけです。
――では、調査結果をお教えください。
調査は、7月末の諫早医師会の理事会で正式に実施を決定し、8月5日に全国の960郡市医師会に発送、最終的に9月5日までに回答があった447医師会の意見を集計しました。9月12日の諫早医師会の理事会で調査結果を公表、同日、960郡市医師会のほか、日医や都道府県医師会も含め、1008カ所に調査結果をお送りしました。
「日本医師会または所属の都道府県医師会から、厚労省案についての賛否を質問されたことがある」のは、447医師会のうち48(10.74%)にとどまり、「医師会の理事会などで厚労省案の賛否を正式に議論した」医師会も25(5.59%)にすぎませんでした(文末の表1を参照)。その上、「厚労省案におおむね賛成である」医師会は少数派でした。
“医療事故調”について、一般会員に対して広報周知するための説明会などを行った医師会は、17(3.80%)です。つまり、日医の一般会員の間では、“医療事故調”問題は十分に議論がなされていないのは明らかです。
また民主党は今年6月に、厚労省案への対案(『民主党が厚労省「大綱案」の対案まとめる』を参照)を出しています。“医療事故調”案はこの二案がメーンであり、この二案を対等に議論すべきですが、民主党案を内容まで知っている医師会は42(9.39%)でした。
ただし、自由意見欄には121の医師会から、多岐にわたるコメントが寄せられ、今回の調査に対する関心の高さが伺えました。厚労省案への賛否のほか、われわれの取り組みを支持する意見や“医療事故調”についてこれから勉強するといった声もありました。
――独自に調査を実施するに当たって、不安はなかったのでしょうか。またどのくらいの回答があるとお考えだったのでしょうか。
不安などはありませんでした。間接的にはわれわれの調査対して、「快く思っていない」という声は聞きましたが、直接私のところに否定的な意見は来ませんでした。回答は3分の1来ればいいと思っており、400医師会から回答があれば大成功だと考えていました。実際にはそれを上回ったわけです。
――現在、医療分野では解決すべき課題が多々あります。今後、日医はどんな形で合意形成をすべきだとお考えでしょうか。
確かに、個別案件一つひとつについて、郡市医師会に意見を聞いていたのでは物事が進まないでしょう。しかし、“医療事故調”のように日本の医療を大きく左右する重大な案件、また明らかに賛否が分かれる案件については、郡市医師会まで諮り、議論を尽くして合意形成をすべきではないでしょうか。今回の件についても、引き続き様々な場で問題提起していきます。また一定期間後、どの程度、“医療事故調”について議論が深まったのか、フォローしたいと考えています。
表1 諫早医師会の「新しい死因究明制度に
関するアンケート」結果
アンケート集計結果
送付数:960通 回答数:447通
回答率:46.56%(9/5 14:00現在)
Q 1. 貴医師会は、日本医師会または所属の都道府県医師会から、
厚労省案についての賛否を質問されたことがありますか?
1.質問されたことがある・・ 48(10.74%)
2. 質問されたことはない・・395(88.37%)
未回答・・・・・・・・・ 4(0.89%)
Q 2. 厚労省案についての賛否を、貴医師会の理事会などで正式に
議論されたことはありますか?
1.賛否を議論した・・・・・ 25(5.59%)
2. 賛否を議論していない・・ 325(72.71%)
3. 議題として話し合ったことはあるが
賛否は決めていない・・・ 95(21.25%)
未回答・・・・・・・・・ 2(0.45%)
Q 3. Q2の質問で1と回答された医師会にお尋ねします。
厚労省案に賛成ですか?
1.厚労省案におおむね賛成である・・・ 15(3.36%)
2. 新制度の趣旨には賛成するが厚労省案にはまだ問題が
あるのでこのままでは賛成できない・・44(9.84%)
3.反対である・・・・・・・・・・・・ 16(3.58%)
未回答・・・・・・・・・・・・・ 372(83.22%)
Q 4. 貴医師会では、この問題を一般会員へ広報周知
するための説明会などを行なわれましたか?
1.行なった・・・・・ 17(3.80%)
2. 行なっていない・・ 428(95.75%)
未回答・・・・・・ 2(0.45%)
Q 5. 民主党は厚労省案への対案として、6月に民主党案を発表しています。
民主党案をご存知ですか?
1.内容まで知っている・・・・・・・・・・・・ 42(9.39%)
2. 聞いたことがあるが、内容はよく知らない・・ 215(48.10%)
3. 聞いたことがない・・・・・・・・・・・・・ 185(41.39%)
未回答・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5(1.12%)
Q 6. 民主党案について、貴医師会で正式に議論されたことはありますか?
1.議論した・・・・・ 4(0.89%)
2. 議論していない・・ 440(98.44%)
未回答・・・・・・ 3(0.67%)
Q 7. Q6の質問で1と回答された医師会にお尋ねします。)
厚労省案と民主党案、どちらがよいと思われますか?
1.どちらかといえば、民主党案の方がよい・・ 11(2.46%)
2. どちらかといえば、厚労省案の方がよい・・ 2(0.45%)
3. どちらともいえない・・・・・・・・・・・ 49(10.96%)
未回答・・・・・・・・・・・・・・・・・385(86.13%)
Q 8. この新制度について何かご意見があれば教えてください。
意見記載あり・・・・121(27.07%)
意見記載なし・・・・326(72.93%)
なおQ3は、Q2で「1」と回答した方に限定して尋ねたものですが、実際にはそれ以外の方も回答されているので、回答総数はQ2で「1」と答えた方よりも多くなっています。Q7についても同じです。
コメント