(関連目次)→医療事故安全調査委員会 各学会の反応
(投稿:by 僻地の産科医)
M3の橋本さまから報告が上がっていますo(^-^)o ..。*♡
彼女も私や川口さまとおなじく、今回の検討会には
呆れかえるほかないという状態だったようです。
正直な話。
というわけで、こちらもどうぞ(>▽<)!!!
「責任追及なら“処罰委員会”に改称を」
“反対派”2団体と患者会へのヒアリング、最後まで議論はかみ合わず
橋本佳子(m3.com編集長)
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/081111_1.html
「原因究明・再発防止と責任追及を同じ組織で行う、第三次試案には反対。文字通り、“医療安全調査委員会”とするなら、医療安全の仕組みづくりを徹底的に検討すべき。責任追及が目的であれば“医療事故死処罰委員会”に改称して議論を」(全日本病院協会常任理事の徳田禎久氏)
「第三次試案で“医療事故調”を作るのは、迷惑。大学病院が現在実施している医療事故の調査ができなくなるからだ。第三次試案の責任追及の仕組みは“応報”であり、ハンムラビ法典を近代社会に持ち込むようなもの。第三次試案以外にも、民主党案がある。行政の不作為と言われないために、民主党案も議論すべき」(全国医学部長病院長会議・大学病院の医療事故対策に関する委員会委員長の嘉山孝正氏)
「医療被害者の一つひとつの命が、闇に葬られることなく、次の改善に役立つことを望んでいる。約1年半の議論で、かなり医療者寄りの内容になっているが、この第三次試案を基に医療事故を調査する仕組みを早く作ってほしい」(医療過誤原告の会会長の宮脇正和氏)
これらは11月10日に開催された厚生労働省の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」の第16回会議での3人の参考人の発言骨子だ。前回(「賛否の見解の相違は、性善説か性悪説かの違い」)に続き、第三次試案に反対している2つの医療団体、および患者団体へのヒアリングが行われた。反対2団体と、第三次試案を支持する検討会委員や患者団体、それぞれの主張は明確になったものの、「何らかの結論を得る」という意味では進展はなく、相互の理解は深まらなかった。
次回の検討会では、日本内科学会などが行う、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」についてのヒアリングを行う予定。また厚労省は、一般公開の形で地域説明会を開催することを公表した。皮切りは11月19日、九州厚生局主催により福岡で開く。12月18日東海北陸厚生局、12月24日近畿厚生局、2009年1月25日東北厚生局の主催でそれぞれ開催する予定になっている。
厚労省は次期通常国会への法案提出を目指しているが、地方説明会のスケジュールを考慮すると、日程的には厳しい情勢になってきた。
3人の参考人の発言概要は以下の通り(ディスカッションの詳細は「いまだに“医療事故調”の目的が定まらず、迷走続く」を参照)。
11月10日の検討会は、午後4時から約2時間半にわたって開催された。
◆全日本病院協会常任理事の徳田禎久氏
「原因究明・再発防止と責任追及を同一組織でやるのは問題」
第三次試案への賛否は別として、この検討会を設置し、医療安全等について議論したことは評価できる。被害者の声や法律家の物の考え方などを聞くことができた。しかし、第三次試案に対しては、重大な問題と疑義がある。
第一に、名称に問題がある。(原因究明などを行う)「医療安全調査委員会」は、(昨年末に)自民党がまとめた案に記載された名称。この名称についてほとんど議論されず、この名称と、委員会の設置目的や第三次試案の内容との間に乖離がある。
また確かに現状では、すべての医療機関の医療安全への取り組みが同じレベルにあるとは言えず、患者・家族の不満解消に至らず、信頼関係が損なわれていることも事実。その責任の一端は医療提供者、全日病などの医療関係団体にあるが、最大の問題は安全に関する国の姿勢にあると考える。医療安全を最重要課題と捉えるならば、そのための施策を強力に推し進める必要がある。
患者・家族の信頼を得るために、医療機関には以下のことを義務付けるべき。
1. 患者・家族に診療の内容を十分に説明し納得を得る
2. リスク回避も考慮した診療システムを構築する
3. 診療記録を電子化し、修正された場合の記録(時刻、修正理由等記載)も残るような仕組みとする(改ざんが不可能なシステム)
4. 診療の経過を必要に応じ説明し、予定通りに進まない場合は必ず説明する
5. 特に医療行為の中で患者に不利益をもたらす結果となった場合、その説明は診療記録を提示して行うこととし、患者家族の疑問も記録する
十分な説明によってもなお患者・家族の納得が得られない場合に、必要に応じて第三者の意見も踏まえて対応する。改善策を講じ、その実行状況を患者・家族に知らせる。こうした義務を果たしている施設を認証、公表するという仕組みを提案する。
原因究明・再発防止と責任追及を同じ組織で行う第三次試案には反対。文字通り「医療安全調査委員会」とするなら、医療安全の専門家を中心に医療現場の委員や有識者あるいは国民の代表を入れた委員会構成として、国を挙げての「医療安全」に取り組む徹底した仕組み作りを検討・提示しすべき。「医療事故」を処罰するのなら法律専門家を中心にした現在の委員会を「事故死処罰委員会」と改称し、明確な事例を示して処分内容を決定すればよい。
なお、故意、証拠の隠滅、改ざんなどの明らかな犯罪性のある人が刑事告発されることは当然と考えており、医療にかかわる行為すべてが免責とすべきとは考えていない。
◆全国医学部長病院長会議・大学病院の医療事故対策
に関する委員会委員長の嘉山孝正氏
「応報の概念は捨てないと医療は破綻。民主党案を議論しないのは不作為」
1999年の横浜市立大学の“患者取り違え”事件以降、大学病院では医療安全への取り組みを強化してきた。2007年9月には、「大学付属病院における医療上の事故等の公表に関する指針について」をまとめ、一定以上の医療事故は公表するようになっている。この10年で、大学病院は大きく変わった。
しかし、第三次試案の形で“医療事故調”を作ると、かえって迷惑になる。これまで実施してきた、医療事故調査ができなくなる。医療事故の調査に当たっては、当事者がエビデンスを話してくれるかどうか、また「誰が原因なのか」ではなく、「何が原因なのか」が重要。また患者の目線では、情報がきちんと開示されているか、それを基に再発防止に取り組んでいるかが重要になる。しかし、“医療事故調”ができると、(刑事責任追及の仕組みと連動しているため)それが難しくなる。
医療事故を本当に調査するのであれば、航空機事故調査、日本学術会議の提言(2005年人間と工学研究連絡委員会安全工学専門委員会による「事故調査体制の在り方に関する提言」)、WHOのドラフト(WHO DRAFT GUIDELINES FOR ADVERSE EVENT REPORTING AND LEARNING SYSTEMS)などを参考にすべき。医療事故調査と責任追及、患者の仲裁などは分けるべき。(これらを同一組織で行う)第三次試案の構成は根本的に間違っている。
この第三次試案を見れば、「応報」の感情を含めていることは明らか。「ハンムラビ法典」のように、結果から見て判断して物事を進めると社会は破綻する。これでは、患者のための“医療事故調”にはならない。近代法では復讐は否定されているにもかかわらず、「ハンムラビ法典」を近代社会に持ち込むのか。
“医療事故調”については、民主党案が出ている。m3.comの調査では、また民主党案が出た直後で、あまり知られていない時点(今年6月)の調査であるにもかかわらず、圧倒的に厚労省案よりも民主党案が支持されている(『1万人アンケート!「民主党案」支持派が多数』を参照)。
卒後臨床研修が必修化される以前、私は厚労省に「この制度が導入されたら、地域医療が崩壊する。医師の偏在が起きる。いったい誰が責任を取るのか」と訴えた。医療崩壊は現実になったが、誰も責任を取っていない。今回も同様の事態になる恐れがある。
今、政権与党は自民党だが、この検討会は国民のためのもの。民主党案をここで議論しないと、後で行政の不作為が問われる。厚労省案では、医療の萎縮が起き、医療事故の調査もできなくなる。「性善説」「性悪説」のいずれであっても、機能する制度を作ってほしい。理念を考えるのは重要だが、法案を作る際には、それにより、どう社会が動くかを考えないないと、結局は国民が右往左往することになる。
◆医療過誤原告の会会長の宮脇正和氏
「医療被害を闇に葬るな。第三次試案の早急の制度化を望む」
徳田先生や嘉山先生の病院であれば、こうした“医療事故調”は必要ないのだろうが、第三次試案を基に、医療事故を調査する仕組みを早急に作ってもらいたい。
私は家族が医療被害に遭って以降、約25年間、医療安全のために取り組んできた。医療過誤原告の会がスタートしたのは1991年のことだ。「医療被害が闇に葬られないように」との思いで取り組んできた。医療事故があった場合に、医療機関は「裁判になる、訴えられる」というが、実際には、一番重要なカルテをはじめ、証拠はすべて医療機関が持っている。しかも、カルテの改ざんが認められる場合もある。裁判においては、医療の素人である、われわれが立証責任を負う。また医療問題を扱う弁護士は少ない。
つまり、二重三重の壁を乗り越えないと裁判はできない。しかも、医療過誤訴訟の場合、勝訴率は約3割と低い。患者側の犠牲は大きく、簡単に訴えられるものではなく、圧倒的多数は泣き寝入りしている。私たちは一人ひとりの命が、次の改善に役立つことを期待しているが、闇に葬られるしかない。
これまで「医療被害者の声」がなかなか表面に出てこなかったが、ここ2~3年「やっと光が当たってきたと思う。今日、この検討会で話すのもその一端だろう。「これ以上、医療被害を闇に葬るな」。これが多くの国民の声。
この検討会の1年半以上の議論の中で、かなり医療機関に配慮されたものになったが、医療被害者の声は検討されている。この第三次試案を基に、再発防止のために法案化してほしい。
多くの医療者は過酷な労働条件で勤務していることは知っている。ただ一部に、医療被害者を“クレーマー”として誹謗中傷する人がいる。しかし、そうではない。われわれは一生をかけて、「日本の医療を良くしていきたい」と考えている。医療の安全性を進めるために、「誤りから学ぶ」という姿勢で制度化を望む。
第三次試案については、以下の5点を要望する。
1.医療事故の調査チーム構成は、「医療を受ける立場の代表者等」ではなく、「医療被害者の立場を代表する者」(医療被害者の立場に立つ弁護士、医療被害者団体代表者など)と明記。
2.「届出範囲に該当すると医療機関の管理者が判断したにもかかわらず故意に届け出を怠った場合または虚偽の届け出を行った場合」、「故意」や「虚偽」は犯罪行為であり、厳しく対応すべき。
3.地方調査委員会が、明らかに届け出るべき事案にもかかわらず届け出を行わなかったと判断した場合は、ペナルティーを課すべき。
4.意図的な真相究明調査妨害について、重いペナルティーを課すべき。
5.調査の進捗状況を遺族に伝える際、遺族が要求すれば医療機関からの提出資料を遺族に開示すべき。するかという目的もある。
いまだに“医療事故調”の目的が定まらず、迷走続く
「医療者が警察に通知する仕組みは責任追及ではない」と日医
橋本佳子(m3.com編集長)
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/081111_2.html
「医療安全調査委員会で、われわれ医療界が中心となり、医療事故の原因究明を行う。故意など警察に通知すべき基準に当てはまるものについては警察に通知する。その判断はわれわれが行う。つまり、第三次試案は医療の専門家の判断を尊重する仕組みである」
さて、これが「責任追及」に当たると解釈するか、医療安全の枠組みの一環と捉えるか――。
11月10日の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」の第16回会議は、3人の参考人へのヒアリング(「責任追及なら“処罰委員会”に改称を」を参照)と、ディスカッションという構成で展開し、議論の内容は多岐にわたった。その焦点は、厚生労働省の第三次試案・大綱案の目的が、医療安全か責任追及かという点に尽きる。
日本医師会常任理事の木下勝之氏は、冒頭のように述べ、「責任追及の仕組みではない」と主張。
これに対し、参考人の全日本病院協会常任理事の徳田禎久氏と、全国医学部長病院長会議・大学病院の医療事故対策に関する委員会委員長の嘉山孝正氏の意見は真っ向から対立、「責任追及」と受け止める。「私たちが一般的に(第三次試案・大綱案)を読むと、医療事故の調査を行い、警察に通知する仕組みは、医療者が“判断”を下すことを意味する。やはり責任追及の一端を担っていると考えざるを得ない」(徳田氏)。
木下氏、徳田氏、嘉山氏ともに、各団体の代表者として出席している以上、“医療事故調”の議論への理解不足があってはならないはず。したがって、この見解の相違は、「責任追及」という言葉の解釈の相違、さらには第三次試案・大綱案が医療の現場でいかに運用されるか、その想像力の相違としか言いようがない。
原因究明、再発防止、患者救済、法的責任の追及――。医療事故に関しては、様々な観点からの取り組みが必要なのは確か。これらすべてを担う組織・機能を作るのか、別々にやるのか、換言すれば今、この時代に必要とされる“医療事故調”の目的は何かという点は、従前から何度も様々な場で議論されてきた。しかし、ここに至ってもなお、この“出発点”とも言える部分で議論が混乱している。このままこの検討会で議論を続けても、何らかの合意形成ができるとは思えない状況と言える。
以下、第16回の会議から、特に責任追及をめぐる議論を紹介する(やり取りをすべて再現したものではなく、発言者・発言内容、いずれも抜粋。「刑事免責」、つまり業務上過失致死罪の適用対象から医療事故を除外する話と、“医療事故調”と刑事責任追及が連動する仕組みとするか否かは別の問題だが、やや混同されて議論される面などがある)。
木下 過失があれば、責任が問われる。これは仕方がない。刑法、刑事訴訟法がある中で、われわれは仕事をしている。医療界がこれらの改正(免責)を求めれば、「なぜ医療界だけを特別扱いをしなくてはいけないのか」となる。その中で、どうすればわが国の特殊な刑事責任の追及をなくすことができるか。こうした中で、医療安全の質を上げるという取り組みをしてきた。
今回の新しい仕組み(厚労省の第三次試案・大綱案)では、われわれ医療界が第三者機関で真剣に医療事故を調査する。「これは問題である、本当にどうしようもない事例を通知してほしい、それは捜査機関で対応する。それ以外は医療界が自分たちでやっていただいて結構」と(警察・検察が)言うところまで話がきた。これは医療界にとっては決してマイナスの話ではない。しかし、それを(嘉山氏が)「迷惑だ」というのは不穏当な発言だ。むしろ「よかった」と言ってほしい。
嘉山 先生は今、物の見事におっしゃった。先生は3カ月前に、「この仕組みは、刑法とは関係ない、つまり原因究明と責任追及とは分けている。警察との話し合いではそうなっている」と言った。しかし、先生は今、矛盾したことを言っている。
木下 それは違う。
嘉山 第三次試案・大綱案には、「これは医療関係者の責任追及を目的としたものではない」と書いているが、先生は刑法との関連で話している。
木下 違う。
嘉山 私は病院長、あるいは医学部長の立場で、医療事故調査を自分でやってきた。そうした現場から見て、刑法と結び付いたら、情報は出てこない。今は、ブレームフリーでやっているから情報が出ている。事故調査を科学的にやっている。先ほど、「迷惑だ」と言ったのは、これをやればちゃんとした調査ができなくなる可能性があるからだ。だから医療事故の調査と刑事責任の追及は分けてほしい。
先生は以前、「警察には回さない」と言った。矛盾したことを言わないでほしい。
木下 誤解しないでほしい。わが国には刑法がある。その枠の中で、医療事故の原因究明をやる。しかし、どんなにやっても、新しい仕組みができない限り、「これは問題だ」となったら、警察は入ってくる。それでいいんですか、ということを問いたい。
嘉山 日本の明治以来の刑事訴訟法でそうなっている。しかし、国民のため、患者のために医療事故の原因究明を行うのであれば、(刑事責任追及と)連動させてはいけないというのは、国際的な常識。
木下 そんな常識があろうと、わが国の刑法の下でやっていかなければならない。
嘉山 先生は日本の社会をどうしたいのか。健全な医療を受ける権利をあなたは奪うのか。
木下 われわれ医療界はもう少し冷静、謙虚にならなければならない。われわれ医療界がどんなに勝手なことを言おうとも、警察が「それは違う」といったら、どうするのか。法律の方が上なのだから、勝手なことは通らない。
嘉山 私は日本の社会の中で“応報”はやってはいけないといっている。
木下 いけないということは分かる。しかし、刑法がある。今、制度を作らなければ、医師法21条は続く。そのままでいいのか。第三次試案には21条を改正すると書いている。
(中略:刑法211条と医師法21条の改正について、議論が混乱)。
前田 両者の話にすれ違いがある。「過失犯も犯罪、医療過誤も犯罪」。はっきり言うが、医師が「(過失犯は)犯罪ではない」と言っても、犯罪だ。
嘉山 刑事責任を追及する場合は、交通事故のように「犯罪に当たるのはこれだ」と規定してほしい。
前田 犯罪であるものを、今は医師法21条で届け出ることになっている。今も、警察には「もう少し医師側の基準でやってくれれば」という声はある。(新しい仕組みは)医師の不安感を取り除くために、警察が入る前に医師の側で振り分けましょう、ということ。しかも、その対象となるのはごく一部にすぎない。
“応報”と言ったのは私の不徳の致すところだが、国民にとっては、本当にひどい事件は、やはり刑罰の対象にしないと、国民も患者も納得しない。それが応報。なぜ医師だけが刑法211条、刑事責任追及から一切免責されなければいけないのか。どんなにひどい過失を犯しても免責されなければいけないのか。それは無理。
嘉山 しかし、医療の質の内容に法律をどう当てはめるのか、標準的医療と言っても何がそれに当たるかは難しい。それを運用で決めると言っても、実際に運用されるときには、制度を作った人はいない。だから法文だけが一人歩きする。そのときの保証がほしい。さもなければ、若い医師が、これから日本の医療を背負っていく中で、何も自然科学の中でチャレンジできなくなる。社会学的な面からも、この法案を見てほしい。ある面から見れば、木下先生の話は正しい。しかし、教養を持って物事を見て、この法案が運用される場面を考えてほしい。
徳田 確認だが、この「医療安全調査委員会の目的は責任追及ではない」ということでいいか。今の座長のお話も、また特に木下先生の話は「21条はあまりにもわれわれにとって理不尽である。したがって違う組織で調査をし、その中で警察への通知の有無を決める」と言っている。これは責任追及ではないのか。
木下 医療界として第三次試案を支持した者として言う。「責任追及はしない」。しかしながら、新しい委員会でわれわれ医療界が中心となって医療事故の原因を追究する。警察への通知基準に当てはまるかどうか、その判断をわれわれがする。つまり、われわれ医療の専門の委員の判断を尊重する仕組み。そういう理解だ。新しい仕組みがなかったら、今まで通り警察の判断で進む。われわれ医療界は事故の結果だけではなく、背景も全部分かる。「標準的医療から著しく逸脱した医療」などは、問題だから警察に伝える。非常に狭い範囲のみを通知する仕組みであり、それ以外のことは先生方に任せる、責任追及とは関係なしに、われわれの判断を尊重する。そういう仕組みだ、
徳田 私たちが一般的にこの文章(第三次試案・大綱案)を読むと、調査をしたことによって通知をすることは、「判断」を下していることになる。やはり責任追及の一端を担っていると考えざるを得ない。われわれは医療安全が基本だと考えている。この仕組みでは率直なことが言えなくなる。ぜひこの検討会でやっていただきたかったのは、「医療安全という観点で事故死をどう捉えるべきなのか」という議論。この点、そして私の提案を含めて議論した上で、もう一度、私を呼んでもらいたい。
私も公聴を申し込んで参加しました。
で、思うこと。
委員の方々は、人間という生き物を舐めてます。もしくは、人間という生き物をまったくご存じない です。
だれがわが身に刑事訴追の危機が訪れているときに、自分に有利な言動をしないでいられるものですか。はっきりいって、そんな馬鹿はいません。
私の施設でも、ヒヤリハットはせっせと挙げていますが、委員の方々はヒヤリハットすら書いたことがない人々なんでしょうね。
ヒヤリハットを書きながら、自分の心にどんな感情がわきあがってしまうかすら、経験がないんでしょう。そんな人々が検討する 恐ろしいというか、哀しいです。
投稿情報: ばあば | 2008年11 月11日 (火) 17:24