(関連目次)→大野事件
(投稿:by 僻地の産科医)
というわけで、福島に行って来ました!!!
前日福島入りの方々と美味しく飲みながら、
えーっと何話したか覚えていません(笑)。
ホテルに門限があったので(←都会では考えられませんw)
12時前のお開きになりました。
お昼に雨が降ったせいか肌寒く、
わんこ先生発案のうちわくん→
ムダになるかも。。。と悲嘆(;;)。
ここはもう、ホッカイロだったかしら?さすが東北!
でも当日は晴れ上がったきれいな空!!
「あ~なんてステキな傍聴券並び日和かしら(>▽<)!!」
と麻実先生も大喜びです。
一枚110円ちょっとで500枚用意したんですもの。
8時30分にホテル出発。
お手伝いしてくださる学生さんたちやその他のグループや、
同じホテルだったDr.IとともにGO。いくとすでに結構並んでいます。
ウチワ配りを手伝いながら、何かいわれるかな?
と思ったけれど、裁判所の人も欲しそうに横目で眺めていました(笑)。よくみるとみんなもっています。
受け取らない人は数人のみ。それくらい日差しが暑くて。
記者さんたちもたくさんいらっしゃって、
共同通信の傍聴券並びバイトの人たちは、
なぜか黄色の折り紙を△にたたんだ紙をもってらっしゃいました。
(傍聴券あたると、当たった人にはプラスでお小遣いもらえるそうです!)
佐藤教授はその時、よろっとしたポロシャツに帽子といういでたち。
とても教授には見えない格好。後で見ると背広だったので、
着替え用意していらっしゃったのかな?
1時間くらいたった頃、ようやく抽選!
全然かすりもせず。紫色の顔色先生が1番違いで外して
「惜しいっ!」と叫んでいました。さすがロシアンルーレットの漢です。
M3の橋本さま、ロハスの川口さまはなんとか押しこむ事ができました。
福島医大のある先生は後輩を18人連れてきたけれどダメだったそうです。
でも押し込めてよかった(^^)!!!
だって788人並んだんだもん。
一番大きな法廷なのですけれど、それでもいつも25・26人しか入れません。
加藤先生の入廷を裁判所入り口で見守りました。
軽く目礼して微笑んでくださったのが印象的でした!
にしても、すごい中継車の数!!!!
判決は廊下で聴くことに決め、
紫色の先生たちとちょちょっと上がっていくと
テレビ撮影2分間終了の後に閉まったドアから
すぐに駆け出る記者さんたち!
見知った記者さんが「無罪です!」と教えてくれ、
入り口正面の仲間の所に戻ると、
いきなり取材攻勢が始まっていました。
産婦人科医全滅。(私含む)
しかもその中に超VIPの産科医がいらっしゃったのに、記者さんは気づかず。
裁判所の敷地外に最後は追い払われたら、今度はテレビの取材陣に
囲まれてエラい目にあいました。
しかもその超VIPの産科医先生はしっかり正午地元のニュースで
インタビューが流れていましたが、字幕とかなし。
もったいないよ~(>_<)!!
その人の取材したかったら、病院まで行って、
平身低頭しなきゃいけない人なんだよ~。ま、いっか。
というわけで、みんなで控え室にたむろしつつ、時間まで
あんまり手伝うこともなかったので、お腹を満たしつつ、
ごろごろと号外をもらいに行ったり、ジュースを飲んでみたり。
仲良しの記者さんは片隅で記事を東京に転送していたり。
(報道=国民と考えて、まず報道と人間としてのつきあいを大事にしよう
という動きも草の根ではじめているのです。)
Mixiでしかあったことのない人が、実は助手だったり、助教授だったり
するんですが(笑)、そんな感じの出会いもありました。
みんな法廷前で落ち合ったわけでもなく自然発生的にやってきた方々。
ある産婦人科医のひとりごと先生にも初めてお会いしました。
さて時間。
ここから先はいろいろきっと傍聴記が上がってくるとおもいます。
私はなんとなくハラハラしながら聴いていました。
まとまるのかな?大丈夫かな?ってそんな感じ。
Dr.Iの傍聴記0はこちら!
あと橋本編集長の記事も上げちゃいますo(^-^)o ..。*♡
「被告人は無罪」- 大野病院事件の判決公判を傍聴して
M3.com 橋本編集長 2008/08/22
http://mrkun.m3.com/DRRouterServlet?pageFrom=CONCIERGE&operation=submitRating&msgId=200808221556002712&mrId=ADM0000000&rating=5&points=5
8月20日の朝、8時30分前に福島地裁に到着すると、既に多数の報道陣と傍聴券を求める人の列、 列…。当日朝のニュースでも、また夜は全国放送のニュースのトップになるほど、さらには地元紙では号外が出るほど、この福島県立大野病院事件に対しては、医療関係者に限らず、世間の関心が高いことを改めて実感しまし た。
実に一般傍聴券入手の倍率は31.52倍(25の一般傍聴席を求めて788人が並びました)。列の中には、顔見知りの先生が何人もいらっしゃったのが驚きです。遠くは九州・熊本の先生もおられました。皆様、「居ても立ってもいられない」と駆けつけられたようです。
さて肝心の傍聴券。私自身は外れてしまったのですが、知り合いの先生から1枚いただき、無事 、法廷に入ることができたのでした。本当にありがたい限りです。
判決は午前10時から。冒頭2分間のテレビ撮影の後、ゆっくりとした足取りで入廷した加藤克彦医師は、いつものように着席する前、遺族席から検察側にかけて一礼して着席。その後に、裁判長が法廷の真ん中に立つように加藤医師を促した瞬間、法廷内には緊張が走り、静まり返りました。
「主文」、つまり無罪か有罪かは、場合によっては判決の最後に読み上げられることもあります 。しかし、加藤先生が前に出たということは、「主文」が最初です。そして裁判長は「被告人は無罪とする」と一言、読み上げました(加藤医師がこの日、一番印象に残ったのは、やはりこの言葉のようです(「加藤医師が公判後、記者会見で心境を語る」をご参照 ください)。
その瞬間、傍聴席は一転して慌ただしく。「無罪」と叫びながら、報道各社の記者が傍聴席を飛び出していったからです(私は実は「無罪」と「有罪」の二つのバージョンの記事を用意し、スタッフに託していました。20日の当コーナーで判決速報を出しましたが、法廷の外にいたスタッフが、「無罪」との言葉を受け、記事を出す手配をしたわけです) 。
その後は、途中休憩もなく、約2時間20分、淡々とかつ早口で判決を読み上げ た裁判長(『無罪の根拠は「胎盤剥離の中止義務なし』) 。実はその後に、弁護団や関係者に配布されたのは「判決要旨」で、A4判8ページ(8ページ目は1行のみなので、実質7ページ。添付の資料です)。一方、この日、裁判長が読み上げた「判決文」そのものははるかにボリュームがあるもので、これは後日、公表されることになるようです。
弁護団の前の椅子に座っていた加藤医師は最初、裁判長の方を見上げながら判決を聞いていましたが、その後はほぼ視線をほぼまっすぐに据えて聞いていました。途中、咳き込みハンカチで口などを抑える場面も。これは、涙などではなく、久しぶりにエアコンの風に当たったことによる刺激が原因のようです。公判の時はいつも、加藤医師は背筋をまっすぐにして座っておられます。その姿勢の正しさからは、自らが直面した運命を受け止める覚悟が伺えます。
さて、傍聴席から右手の弁護団は総勢9人。主任弁護人の平岩敬一氏は、時折腕組みしながら、また裁判長の方に目をやりながら、聞き入っていました。他の弁護士は、時々メモを取る人、パソコンで記録する人…。一方、左手の検察官は6人です。あまりメモを取ることな く、聞いていたようです。
公判終了後、加藤医師と弁護団(「加藤医師が公判後、記者会見で心境を語る」)、遺族 (『遺族が「一生、真相を追究していきたい」と会見』) 、福島県(「事故報告書は再発防止が目的、法的意味なし」)、福島地検(これだけは記者クラブ加入社限定だったので取材できませんでした)…と、地元福島では様々な記者会見が続きました。また関連シンポジウム(「福島県の産科標榜科数は15.3%減」) も開催されました。
翌21日にお伺いしたのは、加藤医師の所属医局である、福島県立医科大学産婦人科教授の佐藤章先生です(「ほっとしたが、なぜ逮捕されたか疑念は晴れず」)。 冒頭、先生がこうおっしゃった言葉が印象に残っています。
周産期医療に関わる皆様を心より尊敬しております。へたれの内科系の医師です。今回の大野病院の判決に賛同します。周回遅れで誠に申し訳ないのですが、亡くなられた妊婦様の御尊父があちこちのメディアで、「娘は適切な大病院へ転院されることもなかった」旨の発言をされたり、検察の主張でも助産師が前置胎盤があるのでK医師に転院を勧めたがK医師が拒否したなどの記述がある一方で、ネット上ではK医師が前置胎盤を診断した時点で、妊婦様に大学病院等への転院を勧めたが、妊婦が拒否したなどの記載もあります。
いったい、事実はどうなのでしょうか?この事は民事に関わるので触れてはいけない話題なのでしょうか?
投稿情報: 当直医B | 2008年8 月23日 (土) 12:42
本音を言えば、手術はすべて大病院でやりたいのではないでしょうか。まして、前置胎盤であれば癒着胎盤でなくても、大変な手術ですからね。事前には癒着胎盤と診断されていなかったのですから、大野病院でも大丈夫との判断だったのでしょう。
非常にまれなリスクに対しても安全を保証するには、多額のコストがかかります。例えるならば、車をぶつけられると危険だからと言って、丈夫な車に乗るようにと言われる。エアバッグくらいならいいでしょうが、装甲車に乗るとなると数千万を払わなくてはいけません。自宅の駐車場に入らなければ、引っ越すか新築するかする必要もあるでしょう。そんな事をしていたら現実社会で生きてはいけませんよ。何事も、バランスが必要です。
そういう意味では、転院を勧めた助産師も深い意味で言ったのではなく、だからこそ患者も従わなかったのではないでしょうか。
予想されていたリスクは転院に値する物ではないと判断していたと言うことでしょう。
投稿情報: 首都圏の産科医 | 2008年8 月23日 (土) 17:25
えっと、助産師の件は技術的な問題でなく、「他院の前置胎盤手術で大量出血があったという話を聞いて不安になった助産師が、医師でなく患者に転院を勧めた」という話だったと思います。公判記録のどこかにあったはず。
妊婦・家族側が転院を拒否したかどうかについては公判では出なかったと思います。医師に過失があったかどうかを問う裁判なので、争点になっていない話は出ないと思いますね。
詳しくは周産期医療の崩壊を食い止める会HP(このブログ左上のお勧めブログに入ってます)で公判傍聴記をごらんになれます。
投稿情報: 山口(産婦人科) | 2008年8 月23日 (土) 19:29
僻地の産科医先生おつかれさまです。
私なりの援護射撃として、とりあえずNHK宛に飯野奈津子解説委員(20日のニュース解説で「産科事故」「被害者」「医者は相手が納得するまで説明すべき」などなど)の抗議メールを送りました。
それにしても、結局この患者さんの直接死因はなんだったのでしょうね。出血量が3000ml程度で適切に輸血されていれば、20代妊婦の心臓がそんなに簡単に止まるものではないことは、産科に携わるものならば直感的におかしいと思うはずです。
「手術終了間際に突然心停止」というのも前置胎盤+癒着胎盤の臨床経過としては非定型的ですし。単なる失血死ならば、赤ちゃんを見せたり「ちっちゃい手だね」と言う余裕はないと思うのですが。
個人的には、「長時間の低Hbにさらされてヘタっていた心臓に、急速MAP注入によるK上昇+Ca低下、CVPラインから冷蔵庫から出したての冷たい輸血を急速注入、これらの併せワザでVfをきたし蘇生できなかった」あたりを考えていますが、手術中の血ガスデータや麻酔記録などは公表されていませんので、あくまで推測の域を出ません。
「羊水塞栓?」説も出ていましたが、その他にも肺塞栓や周産期心筋症についても検討が必要でしょう。コプロポルフィリンは測定したのでしょうか?麻酔科医としては、大変興味ありますが、これだけ多くの医師が関わっておりながら、純粋に医学的な症例検討があまりされていないのは残念なところです。
投稿情報: clonidine | 2008年8 月23日 (土) 23:36
うちわ??って何を配っていたんだろう?と思っていたので、実物を拝見できて面白かったです。500枚用意して、大杉かとおもったら全然たりていなかったんですね。丁度暑くて、実用的でCMにもなって良かったですね。
投稿情報: 麻酔科医 | 2008年8 月24日 (日) 13:25