(関連目次)→大野事件
(投稿:by 僻地の産科医)
ちなみにこれまでのニュースです。
一番のおススメは、軸丸靖子さまのオーマイニュースの記事です。
「大野事件は何を残したのか」
私にとっても怨念のこもった課題です。産婦人科医にとって、
とてもとても心理および労務状況のつらい状態が続いた2年半でした。
自浄作用は、「医療」に求められるのではない。
「検察・警察にこそ求められるべき!」
反省するのは、厚労省ではない。
統制のつかなかった法務省だ!
というのが私の意見です。産科を崩壊させたのは法務省です。
だからこそ私は検察を信じません。抗告期間の晴れる9月3日を待ちたいと思います。
「福島地方裁判所における福島県立大野病院事件無罪判決に対する検察当局の控訴断念についての本会声明について」
日本産科婦人科学会 声明
http://www.jsog.or.jp/statement/statement_080829.html
このたびの検察当局の控訴断念は、被告人に過失が無かったとする福島地方裁判所の無罪判決を尊重するものであり、医療現場の混乱を収束する上で産婦人科のみならず医療界全体にとっても妥当な判断であると考えます。
日本産科婦人科学会は、今後も医学と医療の進歩のための研究を進めると共に、関係諸方面の協力も得て診療体制の更なる整備を行い、重篤な産科疾患においても、母児ともに救命できる医療の確立を目指して最大限の努力を続けてゆくことを、あらためて表明致します。
平成20年8月29日
社団法人 日本産科婦人科学会 理事長 吉村 泰典
無罪確定、検察が控訴断念 - 大野病院事件
M3.com 橋本編集長 2008/08/29
http://mrkun.m3.com/DRRouterServlet?pageFrom=CONCIERGE&operation=submitRating&msgId=200808301908919079&mrId=ADM0000000&rating=5&points=5
本日(8月29日)夕方、福島地検は、8月20日に無罪判決が出た福島県立大野病院事件で、「控訴しないことを決めた」と発表しました。以下、加藤先生と弁護団がコメントを出しておりますので、ご紹介します。
◆ 加藤克彦先生のコメント
心中 ほっとしております。
2年6カ月は、とても長かったです。
支えてくださった皆様に大変感謝しております。
これからも、地域医療に私なりに精一杯取り組んでまいります。
あらためまして、患者さんのご冥福をお祈り申し上げます。
加藤克彦
◆ 弁護団のコメント
検察官が主張する医療措置について、全く立証されていない本件では、控訴断念が当然の結論であると考えます。
一方、加藤医師について無罪が確定することにより、本件裁判が、産科を中心とする医療現場全般に与えた悪影響が、収束することを期待します。
県立大野病院事件 弁護団
大野病院事件、検察が控訴断 産科医の無罪確定へ
47NEWS 2008年8月29日
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082901000451.html
福島県大熊町の県立大野病院で2004年、帝王切開で出産した女性=当時(29)=が手術中に死亡した事件で、業務上過失致死などの罪に問われた産婦人科医加藤克彦医師(40)を無罪とした福島地裁判決について、福島地検は29日、控訴断念を決めた。無罪が確 定する。医療行為をめぐって医師が逮捕、起訴され、医療界の猛反発を招いた異例の事件は1審で終結することになった。福島地検の村上満男次席検事は「裁判所の判断を覆すのは困難と判断した」と説明。地検は、主張の根拠となる臨床例の提示や、新たな鑑定人確保などは難しいとの結論に達したとみられる。
公判では、子宮に癒着した胎盤をはがし続けた判断が妥当だったかどうかが最大の争点になり、20日の判決は「標準的な措置だった」と過失を否定した。
「直ちに子宮を摘出すべきだった」とした検察側主張に対し、判決は「根拠となる臨床症例を何ら示していない」と退け、立証が不十分と指摘。死亡を警察に届けなかったとされた医師法違反罪も含めて無罪(求刑禁固1年、罰金10万円)を言い渡した。
大野病院事件で福島地検が控訴断念を決め、記者会見する保岡法相=29日午後、法務省
大野事件の終焉:無罪確定
ななのつぶやき 2008.08.29
http://blog.m3.com/nana/20080829/1
「帝王切開死」無罪判決 安堵の医師、泣く遺族
勤務医 開業つれづれ日記 2008/08/29
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-349.html
医療現場に安堵広がる 大野病院事件で地検控訴断念
河北新報 2008年8月30日
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/08/20080830t63034.htm
医療界を震撼(しんかん)させた事件は一審で幕が引かれることになった。産婦人科医が帝王切開中の過失を問われた福島県立大野病院事件。福島地裁が言い渡した無罪判決に福島地検は29日、控訴断念の方針を明らかにした。事件が暗い影を落とした産科医療現場には安堵(あんど)が広がり、捜査関係者らは淡々と結末を受け止めた。
被告の加藤克彦医師(40)には弁護団から地検の方針が伝えられた。加藤医師は「逮捕からの2年6カ月はとても長く、ほっとしている。今後も地域医療に精いっぱい取り組んでいきたい。あらためて患者さんのご冥福をお祈り申し上げます」とのコメントを出した。
福島県は2005年、判断ミスなどを指摘した事故調査結果に基づき加藤医師らに減給などの懲戒処分を科し、加藤医師は起訴に伴い休職となった。無罪が確定すれば休職は解かれる見通しで、県は処分の取り消しも検討する。茂田士郎県病院事業管理者は、発表した談話で「引き続き県民医療の安全確保に努め、医療事故の再発防止に全力を尽くしていく」との考えを示した。
逮捕には当初から医療界が猛反発し、お産を扱う現場に動揺を与えた。「万が一、控訴されれば、現場はさらに萎縮(いしゅく)しかねなかった」と東北公済病院(仙台市)産婦人科の上原茂樹科長は胸をなで下ろす。
国立病院機構仙台医療センター(仙台市)産婦人科の明城光三医長も「先週、事件のような難しい症例があった。無罪判決があったので比較的冷静に対応できた」という。それでも「今後も逮捕という同じことが起こる可能性はある。ショックは忘れない」と影響の大きさをうかがわせた。
一方、死亡した女性患者の父親渡辺好男さん(58)は取材に対し「無罪有罪は関係なく、1人の命が失われた。医療界には原因を追及し、再発防止に努めてほしいとだけ願っている」と話した。
福島地検の村上満男次席検事は記者会見で「遺族の方にはあらためてお悔やみ申し上げますとしか言いようがない」と述べた。県警の佐々木賢刑事総務課長は「県警としては法と証拠に基づいて必要な捜査をしたと考えている。医療行為をめぐる事件の捜査は本判決を踏まえ、慎重かつ適切に行っていく」と語った。
「新たな立証難しい」大野病院事件
読売新聞 2008年8月30日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20080830-OYT8T00152.htm
大熊町の県立大野病院で2004年12月、帝王切開手術を受けた女性(当時29歳)が死亡した医療事故を巡る裁判は、福島地検が29日、控訴断念を表明したことで、無罪判決が確定することになった。業務上過失致死罪などに問われた加藤克彦医師(40)=休職中=について、県病院局では「判決が確定した時点で復職になる。復職後のことについては加藤医師の考えを聞いて検討する」としている。子宮に癒着した胎盤をはがし続けた処置の妥当性が問われた裁判で、「子宮摘出に移るべきだった」と主張した検察側に対し、20日の判決は立証不足を指摘していた。
福島地検の村上満男次席検事はこの日、「(刑罰を科す基準となり得る)医学的準則には様々な考え方があり、裁判所が要求する程度も考え方としてはあり得る。あり得る以上は覆せない」と立証が及ばないことを認め、「証拠に基づいて過失があると判断したが、裁判所と過失、注意義務のとらえ方に違いがあった」と述べた。また、控訴審は原則として1審の証拠に基づいて審理されるため、新たな立証が難しいと説明した。ただ、任意捜査でなく、逮捕したことについては「逮捕の要件を慎重に判断して行ったもので、正当だったと思う」とし、起訴したことも「証拠に基づいたもので誤っていない」とした。
今後については「より慎重、適正に捜査をしたい」と語った。
また、県警刑事総務課の佐々木賢課長も、「県警としては、法と証拠に基づいて必要な捜査を行ったものと考えている。今後も本判決をふまえ、慎重かつ適切に行って参りたい」と話した。
これに対し、加藤医師の弁護団は「当然の結論」とするコメントを出し、日本産科婦人科学会も「医療現場の混乱を収束する上で医療界全体にとっても妥当な判断」という声明を出した。
一方、女性の父、渡辺好男さん(58)は読売新聞の取材に対し、「(事故について)まだ疑問に思うことがあり、生涯真実を求めていきたい」と胸の内を語った。判決当日に県に提出した、医療事故の再発防止を求める8項目の要望書にも触れ、「要望書は今の自分にとって希望。患者の視点で変えていける環境を提案しており、順番に変えていってほしい」と話した。
産科医の無罪確定へ 帝王切開死、検察側が控訴断念
日本経済新聞 2008年8月30日
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080829AT1G2904I29082008.html
福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性(当時29)が死亡した医療事故で、業務上過失致死罪などに問われた被告の加藤克彦医師(40)を無罪とした1審・福島地裁判決について、福島地検は29日、控訴を断念すると発表した。9月3日の控訴期限を過ぎれば、加藤医師の無罪が確定する。女性は2004年12月、帝王切開手術で女児出産後、子宮に癒着した胎盤をはがす処置を受け出血死した。検察側は「癒着胎盤と認識したら、ただちに子宮摘出手術に移行すべきだった」と加藤医師の過失を主張したが、1審判決は「当時の医学では胎盤をはがし続けた行為に問題はない」として無罪とした。
福島地検の村上満男次席検事は「裁判所の判断を覆すのは困難と判断した」と控訴断念の理由を説明。検察当局は、医師の過失の根拠となる臨床症例を提示することや、新たな鑑定人確保などが難しいとの結論に達したとみられる。
法相、医療事故捜査は抑制的対応を
TBS News 2008年8月29日
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3935758.html
福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性が死亡し、産婦人科の医師が業務上過失致死などの罪に問われた裁判について、検察当局の控訴断念を受け、保岡法務大臣は記者会見で、「刑事司法は医療事故について抑制的に対応すべきだ」との考えを示しました。
保岡大臣は、大野病院の加藤克彦医師の無罪判決について福島地検が控訴を断念したことを受け、29日午後、臨時の記者会見を開き、「個別事件について所感を述べることは差し控える」とした上で、次のように述べました。
「(医療事故については)国民を代表する方々で構成された第三者委員会が判断し、訴追については、その意見を尊重し謙抑的(抑制的)に判断する仕組みが必要と考えています」(保岡興治 法相)
医療事故に関する調査機関設置については、厚生労働省が9月からの臨時国会への法案提出を検討しています。保岡大臣は、「医療の萎縮を防ぐために事故についての判断は第三者機関に委ね、刑事司法は抑制的に対応すべき」との考えを示したものです。
加藤医師「ほっとしている」=現場復帰に改めて意欲-帝王切開死
時事通信 2008年8月29日
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008082900886
帝王切開死の無罪判決に対する検察側の控訴見送りについて、執刀医の加藤克彦医師(40)は29日、弁護団を通じ、「心中ほっとしています。これからも、地域医療に私なりに精いっぱい取り組んでまいります。患者さんのご冥福を祈ります」とコメントした。
弁護団も「控訴断念が当然の結論」と強調。無罪確定で産科を中心とした医療現場全般に与えた悪影響が収束することを期待するとした。
「帝王切開」大野病院事件、福島地検が控訴を断念
読売新聞 2008年8月29日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080829-OYT1T00620.htm?from=navr
福島県立大野病院で2004年、帝王切開手術を受けた女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死罪などに問われた加藤克彦医師(40)に無罪を言い渡した福島地裁判決について、福島地検は29日、控訴を断念すると発表した。
裁判では、子宮に癒着した胎盤をはがし続けた加藤医師の処置が医学的に妥当だったかが争点になったが、20日の判決は、検察側の立証について「根拠付ける臨床例を何ら示していない」と指摘していた。控訴断念の理由について、同地検の村上満男次席検事は「控訴しても裁判所の判断を覆すのは困難と判断した」と述べた。
現在、休職中の加藤医師は、「ほっとしています。(逮捕後の)2年6か月はとても長かった。これからも地域医療に私なりに精いっぱい取り組んでまいります。改めて(亡くなった)患者さんのご冥福(めいふく)をお祈り申し上げます」と、弁護団を通してコメントを出した。
一方、死亡した女性の父、渡辺好男さん(58)は、読売新聞の取材に対し、「娘が死ななければならなかった理由は十分明らかになっていないと思う。有罪、無罪に関係なく、それを知りたい」と語った。
帝王切開した医師の無罪確定へ 福島地検が控訴を断念
朝日新聞 2008年8月29日
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY200808290220.html
福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性(当時29)が死亡した医療事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた執刀医を無罪とした福島地裁判決について、福島地検は29日、「控訴しないことを決めた」と発表した。これにより、執刀医で同病院の産婦人科医、加藤克彦医師(40)=休職中=の無罪が確定する。
福島地検は06年3月、女性が癒着胎盤で大量出血する恐れがあったにもかかわらず、子宮摘出に移行せずに胎盤をはがし続けて失血死させたなどとして、加藤医師を起訴した。治療における医師の判断、手術法の選択にまで捜査当局が踏み込んだものとして注目されたが、福島地裁は20日、「胎盤をはがしはじめたら、継続するのが標準的な医療」と述べ、過失にはあたらないとの判断を下していた。
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