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(投稿:by サイファ)
※サイファさまから投稿いただきました!
ありがとう!!!現役の耳鼻科医師の方です(>▽<)!!
年末に年末に朝日新聞でムンプス難聴の特集をやっていました。
感染症 ムンプス難聴: 朝日新聞 2011年12月8-12日
1 「イヤホン、聞こえない」
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201112070169.html
2 異変見逃し、自分責める
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201112080210.html
3 予防接種なぜ勧めなかった
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201112090276.html
4 10回聞き返し「悲しい」
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201112100213.html
5 話聞き取れる塾が楽しい
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201112110077.html
とある女性教員の娘さんの話が連載されていたのですが、
ときどきのぞいている女性教員さんのブログ、
ブログ版ききみみずきん
http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/MYBLOG/profile.html
に書いてある内容と全く同じだったので、
すぐにその人だな、とわかりました。
基礎医学系の研究をされていて、
大変に熱いブログで、子供も3人いて、
読むと刺激になるので、たまにチェックしていたのです。
よろしければ皆さんものぞいてみてください。
さて、片耳難聴です。
先天性だったり、ムンプス難聴だったりが多いです。
ムンプス難聴は
小児から大人まで
みなさんリスクがあります。
治療法はなく、一応突発性難聴に準じた治療とか、場合によってはグロブリン製剤の投与をしたりするのですが、難聴が発症しだすとどんな治療をしてもあれよあれよという間に聴力がさがって聾になってしまいます。
市中病院で年に1例前後みるので、実はかなりの人数がいると思われます。実際小児では不顕性感染で、知らない間に落ちていて、小学校の入学健診で明らかになったりすることも結構あります。
朝日新聞の記事では任意接種であるおたふくかぜのワクチンの是非についても取り上げられていましたが(下記)、私は接種すべきだと思っています。難聴だけでなく髄膜炎とか睾丸炎とかだって起こすわけだし。
もちろんうちは次男以外はうってます。そうだ、次男も打たねば!
残念ながら片耳難聴は障害としては認められず、なんの保障もありません。
そのためか、片耳だとほとんど問題ないように思われがちですが、もちろん苦労はあります。小学校からの友人に片耳難聴の子がいて、ずっとそのことは知らなくて、私が耳鼻科医になったときに初めて告白されたことがあります。
しかも片耳難聴をかくしてスチュワーデスもやっていました。聴力検査はありますが、簡易だとタイミングを見計らってボタンを押すと結構パスできてしまうもののようです。実際には片耳難聴は1対1の会話で困ることは少ないと思いますが、雑音負荷状況では左右の音の差による音源定位ができないために一気に聞き取りが悪くなります。なので、大勢での会話についていけずに結構心理的なストレスは高いのです。
片耳難聴の対策としては、クロス型補聴器というものがありますが、ほとんど売れてないようです。現在はデジタル補聴器で左右での通信システムがついているものでクロス型の代用をすることができます。頭の影になってしまって聞き取りにくい、難聴側からの音を健聴側で聞き取るだけなので、多少音のカバー領域が広くなる、ということの他にあまりメリットがなく、両耳に補聴器を装用しなければいけないわずらわしさやコスト的な問題(両耳補聴器数十万はします)で、試聴したいという人自体も少ないし、試聴して買うといった人もみたことがありません。
埋め込み型骨導補聴器であるBAHAというものも認可されたばかりですが、クロス型よりは音質もよく、外耳道を塞がなくていいという利点はありますが、本当にどれぐらいよいのかは未知数です。どちらも補聴器の性能次第というところはあるので、今後より発展していくのは確かでしょうが。
BAHAがもっと簡略化されてピンで差し込むだけぐらいになるとニーズもぐっと増えることでしょう。BAHAを扱っている施設はまだ日本では数箇所しかありませんが、いずれ取り扱ってみたいと思っています。
感染症 ムンプス難聴:6 情報編 ワクチン接種が有益
朝日新聞 2011年12月13日
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201112120023.html
感染症から身体を守るワクチンの接種は、国が接種を勧め、公費で負担する「定期接種」と、個人が接種するかどうかを判断し、自費で受ける「任意接種」の2種類にわかれる。
おたふく風邪ワクチンは、任意接種だ。医療機関にもよるが、5千~1万円ほどの自費負担となる。感染後、治った経験のある人が多いため「うつるのは当たり前」と軽視されがちで、接種率は3割程度。保育園などで流行すると感染は広がる。
しかし、ムンプス難聴のような治療法のない後遺症に苦しむ人もいる。東京医科歯科大の喜多村健(きたむら・けん)教授(耳鼻咽喉〈いんこう〉科)によると、年間で約650人がムンプス難聴になると推定されている。大人で発症すると、子どもより重くなりがちという。
欧米の予防接種事情に詳しい斎藤昭彦(さいとう・あきひこ)・新潟大教授によると、先進国のほとんどで、乳幼児に必要なワクチンは自費負担なしで接種できる。「『任意』というと、『してもしなくもいい』という印象。先進国で患者がほぼいない病気が、日本では流行するのは残念だ」と話す。
ただ、ワクチンによる副作用を心配する保護者は多い。頻度や深刻さはワクチンにより異なるがゼロではない。 体調悪化がワクチンによるのか、別の原因かわからない場合もある。免疫獲得には個人差もあり、接種しても病気になる場合もある。
ワクチンを接種せずに病気に感染し、後遺症が出るリスクと、接種して副作用が出るリスクについて、庵原俊昭(いはら・としあき)・国立病院機構三重病院長は「ワクチンを接種しない方が、リスクは高い。ワクチンは100%安全とは言えないが、病気の発症や重症化を防げるためメリットの方が大きい」と話す。
接種の標準的なスケジュールは、国立感染症研究所の感染症情報センターのウェブサイト(http://bit.ly/9EtjI)のほか、小児科医による「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろう。」の会(http://www.know-vpd.jp)の情報も参考になる。
厚生労働省の予防接種部会では、ロタワクチンを除く図の任意ワクチンの定期接種化について検討中だ。
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