(関連目次)→海外医療事情 目次 ワクチンの問題 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
日本産婦人科医会発刊
「ワクチンのすべて」
平成23年10月号から..。*♡
前回ご紹介しました、
妊娠中・授乳中のワクチンについてo(^-^)o..。*♡
海外渡航者についてまでご親切にも
記事を上げてくれていました。
なかなか参考になります。
ありがとうございますo(^-^)o..。*♡
という訳で今回は渡航者編です!!!
海外渡航者・移住者への予防接種
ワクチンのすべて
日本産婦人科医会 平成23年10月p51-56
●海外渡航前には専門医療機関(トラペルクリニック)で予防相談を行うとよいが,とくに感染性疾患の多い国に渡航する際には,
1)病原菌に触れないようにすること(感染経路遮断)と
2)個人の防御能力の向上(ワクチン接種)を図ること
が重要である.
1)感染経路遮断
予防対策は病原との接触をさけるために重要であるが,確実に実行することは困難な場合が多い.
①食品感染
(感染性腸炎, A型肝炎,腸チフス,細菌性赤痢,コレラ,腸管寄生虫)
・ミネラルウオーターや沸騰させたものを飲み,氷入りのものはさける.
・十分に加熱され,すぐに提供されるものを食べる.
・果物は自分で皮をむいたもの,野菜は調理されたものを食べる(使用するナイフなどにも注意をはらう).
②動物・昆虫感染
(狂犬病,マラリア,デング熱,日本脳炎,黄熱,ウェストナイル熱)
・野生動物には近寄らない.
・夜間の外出をさけ,日中も長袖・長ズボンを着用する.皮膚露出部には防虫剤を塗る.
・マラリア流行地への渡航の際には,予防内服を考慮する.
③性感染(クラミジア,淋病,梅毒, B型肝炎,HIV)には十分注意する.
④皮膚感染
(住血吸虫症,レプトスピラ症,破傷風)
・河川や湖沼での水遊びはしない.裸足で歩かない.
・怪我をしたら,水でよく洗い消毒して病院で処置を受ける.
2)ワクチン接種
3)海外渡航に必要なワクチンの選択
●義務接種ワクチン:黄熱病は,国際保健規則(International Health Regulations : IHR)に基づいて,各国が入国時に接種を義務づけている.
WHOに承認された接種証明書(イエローカード)の提示が入国時に要求される.
参 考
IHRの規定ではないがメッカ巡礼の時期にサウジアラビアに入国する際に、髄膜炎菌ワクチン接種が要求されることがある。
●麻しんや風しん,三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)などの定期予防接種を受けていなければ渡航前に接種が勧められる(米国では,移住や留学に際して麻疹の予防接種の証明が要求されることがある).
●トラベラーズワクチンで一般的なものは,黄熱, A型肝炎,B型肝炎,破傷風,狂犬病,日本脳炎ワクチンである.
●腸チフス,髄膜炎菌性髄膜炎,ダニ脳炎ワクチンは,国内でも接種することは可能だが,未認可ワクチンのため接種できる医療機関が限られる.
●ワクチン選択の場合に考慮すべきこと
①渡航内容:渡航先,渡航目的(観光・留学・仕事),渡航期間,宿泊施設.
②渡航者自身の状況:ワクチン接種歴,年齢,アレルギーの有無,活動形態(パックツアー・バックパック).
③罹患リスクのある疾患:疾患の重症度,罹患率,治療の可能性,現地医療機関活動情報
④ワクチンの特徴:予防効果,費用,渡航先での接種可否
4)ワクチン接種計画
●トラベラーズワクチンの多くは,複数回接種が必要で,少なくとも渡航前1か月の余裕をもって接種を行う.
●渡航前に必要回数を接種できなかった場合には,渡航先の医療機関で接種を継続する.
●海外留学の場合には,接種すべきワクチンに関する規定が学校や州によって定められており,ワクチンとその接種回数を満たすように接種計画を作成する.学校が決まっていない場合には,渡航先の定期予防接種として決められているワクチンを選択することが求められる.
●妊娠中,授乳期間中のワクチン接種に際しては,「妊娠と予防接種」44~46頁を参考にして,渡航先の疾病の広がりと安全性を考慮して行う.渡航先の情報をインターネットなどで収集することが勧められる.
5)英文予防接種の記載方法
●ワクチン記録手帳に製造会社,ロット番号,接種日,接種者を記載して受診者に渡す.渡航先や国内の他機関で接種する場合に必要である.小児で母子手帳への記載を希望する場合には両方に記載する.
●海外留学の場合に予防接種記録の作成の依頼がある.例を資料1に示す.
参 考
1)法務局;出入国管理統計統計表
http://www.moj.go.jp/housei/toukei/toukei_ichiran_nyukan.html
2)WHO International travel and health chapter 6 Vaccine-preventable diseases and vaccines. http://www.who.int/ith/chapters/ith2011chap6.pdf
3)日本渡航医学会 海外渡航者のためのワクチンガイドライン2010 協和企画 2010
4)CDC Recommended childhood and adolescent immunization Schedule
5) 厚生労働省検疫所 海外渡航と予防接種 http://www.forth.go.jp/index.html
6)母子衛生研究所 子供ための予防接種 各国の状況 2004年度版
7)CDC Children and school Immunization Requirements 2008 http://www2.cdc.gov/nip/schoolsurv/immunizationrqmts.htm
他にも昔の記事ですが、どうぞ..。*♡
海外旅行中に入院!?困らないための事前準備、教えます
マイナビニュース 2011/10/31
http://news.mynavi.jp/r_career/level1/yoko/2011/10/post_1261.html
海外旅行中に、事故に遭ったり病気になって急きょ現地で入院……となったとき、体調の次には治療費や滞在費などの費用のことが心配です。
そこで、添乗員・編集者・旅行ライターとして40カ国余の渡航経験があり、「ひとり旅活性化委員会」主宰の山田静(やまだ・しずか)さんに、事前に知っておくとよいことや、海外の医療事情についてうかがいました。
■救急車を呼んだだけで28,000円
「治療費や滞在費などのお金が心配なら、海外旅行保険に加入することが必須です」と言う山田さん。
「例えば、アメリカに旅行した知人の場合ですと、過呼吸で意識がもうろうとなって救急車を呼んだところ、救急車を呼んだ費用が350 USドル、乗って病院までの搬送費用が350 USドル、そして治療費が500 USドルかかっています。
診察の結果、栄養不良による過労で、りんご味のジュースを飲み点滴を打って無事帰宅しましたが、これだけで1,200 USドルの出費です」(山田さん) 1ドル約80円として、96,000円の出費とは! これぐらいで驚いてはいけません。
「欧米に限らず、物価が安いアジアでも、外国人が安心して行けるような病院になると、医療費は高額です」という山田さん
「アンコール・ワットなどの遺跡で有名なカンボジアは、公務員の月収が20~50USドル程度という国ですが、外国人が救急搬送されるような病院、例えば首都シェムリアップの高級病院ロイヤル・アンコール・インターナショナル・ホスピタルでは、初診代が100 USドル、入院が1泊150 USドル、サービス料が1日30 USドル、診察代が20 USドル、ナースケアが1日50USドルです。
さらにCTスキャンは300 USドルから、エコーを取ると95USドルから、レントゲンは50USドルから。外国人観光客の多くは海外旅行保険に加入していると病院側も知っているので、手厚く診察・看護してもらえるのですが、その分、出費もかなりかさむわけです」(山田さん)
■外務省のウェブページで渡航先の下調べを
これほどの高額医療費は、とても自腹では払えません。そこで、海外旅行保険に加入するときのポイントを聞いてみました。
「一番無難なのは、旅行会社が紹介しているセットプランですが、もし値段を安くあげたい場合は『フリープラン(「ばらがけ」と呼ぶことも)』にして、自分が必要な項目の一番安い金額のみ加入することもできます。
最近ではクレジットカードに海外旅行保険が付いている場合が多いですが、病気やケガ、携行品など何に対して保証されるのか確認を。また、ゴールドカードは別ですが、一般のカードは旅先でクレジットカードを使ってからでないと医療保険が発生しないなど条件がつく場合があるので、注意が必要です。
自分は絶対病気にならないという自信がある人でも、いつ事故に遭うかわかりませんし、先日、私が添乗したツアーでは、1人が渡航直前にインフルエンザに感染していたらしく、現地についてから発症し、その後次々とツアー客が感染。病院では個室に隔離され、まるで疫病のように大騒ぎとなりました」(山田さん)
海外の医療事情はどんな感じなのでしょうか?
「先進国、発展途上国に限らず、いわゆる大都市で、駐在員が赴任したり観光客が多く訪れるような場所にある大病院は、医療技術や施設で不安に思うことはないでしょう。
外務省ホームページの在外公館医務官情報(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/)では、英語や日本語が通じる医療機関や、カードが使える病院、現地に流行している病気や、マラリアなど受けたほうがよい予防接種について情報が掲載してあるので、渡航前に読んでおくと安心です」(山田さん)
■薬は日本から持参がおすすめ
入院とまでは行かなくても、旅先で具合が悪くなることはあらかじめ想定しておいたほうがいいでしょう。市販薬の心得を教えてください。
「外国の薬は、効きが強すぎることが多く、睡眠薬など人によっては、睡眠薬強盗にあったんじゃないかというくらいに効いてしまうので、薬は持参がおすすめです。
ただ、例えば腰痛など、1つの病気で、痛み止め、胃の粘膜を守る薬、吐き気止め、睡眠導入剤など1回4~5錠、1週間の旅行でも多種大量の薬を持参するとなると、特にアメリカ方面は空港でチェックを受けてしまう場合があります。英文の処方せんを事前にもらっておくようにしましょう。
海外でよく重宝されるのは、正露丸やビオフェルミンなどの整腸剤、ロキソニンなどの解熱剤です。また、個人的におすすめなのは葛根湯(かっこんとう)です。風邪のひきはじめはもちろん、慣れない環境による緊張やストレスで首や肩がこったり眠れないときなどに役に立ちます。
女性なら、ラベンダーのようにリラックス効果があるアロマオイルを持参するのもいいですね。海外のホテルの部屋は独特のニオイがすることも多いので、ニオイ消しにもなります」(山田さん)
ほかに気を付けるべきこととして、山田さんは次のように続けます。
「寒い国に限らず、南国でも建物内は冷房が効きすぎて、屋外と中の寒暖差が激しく、また空気も乾燥しているため、風邪をひきやすいようです。
それに、私もそうですが、女性は好奇心旺盛でなんでも食べてみたい、という人が多く、食べ過ぎでおなかを壊すことがありますね。男性は、『疲れた』と弱音を吐きにくく、頑張りすぎて疲労で倒れてしまうこともあります。
あと、日本人はマスクをする人が多いですが、海外では、マスクを着用すると重症の病人のように思われます。マスクをして町を歩くと、現地の人からは驚かれるかもしれません」(山田さん)
備えあれば憂いなし。海外旅行の際は保険に入りつつ、マスク着用しなくて済むよう、体調管理には気を付けたいと思います。
監修:山田静氏。編集者・旅行ライター・添乗員として40カ国あまりに渡航。「女ひとり旅読本」シリーズ、「ハッピーハッピー香港・マカオ」などハッピーシリーズ(いずれも双葉社)ほか企画編集本多数。女性の旅を元気にしたいと結成した「ひとり旅活性化委員会」(http://www.hitoritabi.jp/)主宰。現在「どらく」にて「達人とまち再発見」(http://doraku.asahi.com/earth/tatsujin/index.html)連載中。ttp://netallica.yahoo.co.jp/news/234901
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