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(投稿:by 僻地の産科医)
【死の淵に立つ倒産不況】
第14回 医療業界
内部から崩壊する“病院の断末魔”
週刊現代 2008年8月1日
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=37877
病院が危ない。ここ数年、病院経営の悪化が叫ばれ、改善するどころか、姿を消す病院が急増中だ。病気を治すはずの病院が、経営の上では“重症患者”と揶揄(やゆ)される始末。病院に何が起きているのか。
●毎年50件が消滅
「9月末で全面休止します」――。7月、千葉県銚子市は銚子市立総合病院の休止を明らかにした。医師や看護師ら205人の職員は整理退職する。突然の事態に市民は驚き、通院患者は別の病院探しに悩んでいる。
堂本暁子千葉県知事は病院閉鎖の事態に直面して「県としても病院を継続できるよう取り組んできたが残念」と悔しさをあらわにした。
だが、病院の惨状はここだけではない。民間・公立合わせて全国には08年4月で8815件の病院があるが、この10年で517件も減少。水面下のM&Aも含めれば、毎年50件をはるかに超えるペースで姿を消しているのである。今年に入ってとくに目立ち、3月だけで17件も減った。
●診療報酬の激減がクビを絞める
病院数急減の理由は何か。
「診療報酬の長年に及んだ引き下げが大きい」
こう打ち明けるのは、元大手病院副院長だ。診療報酬は病院が行った医療行為の対価。技術料や入院費、検査費用がそれぞれ点数化されているが、今年4月の改定を除けば、この10年切り下げられてきた。点数の引き下げは、診療収入の減額を意味する。
「病院の総収入の90%以上が診療報酬というところが多く、これが減り続けてきたわけですから、経営が厳しくなるのは当然です」(前出の副院長)
診療報酬の点数を決める厚生労働省の目的は、「医療費の削減」にある。
今や、民間病院の4割前後、公立病院の8割以上が赤字とされる酷さだ。これじゃ、病院閉鎖は待ったなしだ。
●銀行が病院にカネを貸さない
致命傷になりそうなのが、金融機関の貸し渋りだ。
「一時、幅を利かせていた病院向けファンドが病院経営の厳しい実態を知って、次々と撤退しています。頼みの銀行は、病院に運転資金でさえ貸したがらないし、ましてや新しい病院の建設など論外です」(医療機関関係者)
自治体の大半が財政難だから、公立病院の存続はより難しい。
代わって裏でうごめいているのが、病院乗っ取り屋だ。経営難の民間病院に巧みに近づき、意図的に倒産させて債権をほぼチャラにした上で、新たな経営陣として乗り込み、高値で売り抜ける乱暴ぶりだ。大手病院グループが同様の手口を使っているケースもあるという。
●医師不足の原因は妻にあり
病院内部からの“崩壊”も見逃せない。最大の問題は、医師不足である。先の銚子総合病院も休止の理由に挙げていた。しかし、正確に言えば、医師の適正配置ができていないことにある。
医療ジャーナリストの東栄一氏が言う。
「ネックになっているのが、医師免許を取った新卒医師の研修制度です。評判のいい都会の病院や収入の高い病院、訴訟などのリスクが少ない診療分野に行きたがる。これでは医師が特定の病院に偏ってしまい、慢性的な医師不足に苦しむ多くの病院の悩みは解消されません」
意外なところで中堅医師の妻の意向も大きく働いているようだ。「都心ならいいけれど、田舎暮らしはイヤという考え」(前出の副院長)が、医師の決断を鈍らせているという。表には出てこないホンネが医師不足に拍車をかけているわけだ。
診療報酬の長年に及ぶ漸減、資金難、医師不足と病院を取り巻く状況は八方ふさがり。この逆風に耐えられるのは急性期医療や高度医療を担う大手総合病院くらいなもの。特徴のない中小病院の大倒産時代が本格的に始まる。
既出でしたらすみません。。
(政治的宗教的意図はありません)
http://www.usio.co.jp/html/usio/pickup.php?mcd=150
月刊潮9月号
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シリーズ企画ニッポンの現実「医療危機―過労死する医師」
「医療崩壊」や「医療危機」という言葉が象徴するように、近年日本では、医療をめぐる問題が至る所で起きている。今回は、勤務医が直面する厳しい現実に迫る。井上邦彦氏は、過労死や過労自殺で家族を失った人々や弁護士への取材を行い、医師たちの過酷な勤務実態を浮き彫りにした。ある医師は、30時間以上の長時間勤務が当たり前のように続き、別の医師は、自宅にいても病院から毎日のように呼び出されていたという。「人の命を救いたい」と高い志を持って医療の世界に飛び込み、目の前にいる患者のために自らの命が尽きるまで休むことなく働き続ける。日本の医療は、勤務医の献身的な働きによって支えられてきたといってよい。今、その制度自体を見直すべき時が来ているのではないだろうか。
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買いませんが…
投稿情報: 匿名 | 2008年8 月 8日 (金) 07:38