(関連目次)→医療事故安全調査委員会 各学会の反応
(投稿:by 僻地の産科医)
前回までのおさらいですo(^-^)o。
厚労省は第三次試案の法案化作業を進めていました。
パブコメも日医のものが揃ってから出すつもりだったのでしょう。
ところがその案がどうやらすっぱ抜かれてしまったことにより
慌ててその日の深夜にパブコメを公表します。
慌てたのは日医側でした。
だって、パブコメ発表まだ先だって、
まってくれるって言ったじゃん(;;)!
ということで、都道府県の県支部あてにFaxを流しました。
「これで出すから文句あるなら、
次の日までにFaxしてね ..。*♡」
ちょっと強引だったけど、今日どうにか定例記者会見にて
パブコメを発表できる体制に。ふぃ~おつかれさまo(^-^)o!!!
でもちょっと気が緩んでしまったのでしょうか。
↓ 記者さんのツッコミにこんな事態が!!
でもいいの。パブコメ出せたから!
というところで、こちらにつながります。
Fax案との比較でお楽しみくださいませ(>▽<)!!!!
(99%訴追を防げるではなく、なくなるにバージョンアップしていました)
厚生労働省第三次試案に関する
日本医師会の見解
平成20年5月27日
社団法人日本医師会
現在の医師法第21条による異状死の解釈問題に関して、都立広尾病院事件における平成16年4月13日の最高裁判決は「死体を検案して異状を認めた医師は自己がその死因等につき診療行為における業務上過失致死罪の罪責を問われるおそれがある場合にも、本件届出義務を負うとすることは憲法第38条1項に違反するものではないと解するのが相当である。」との判断を示すことで決着した。このことは、現行医師法第21条が存在する限り、医療事故による死亡のうち相当部分は警察への届出義務を免れないことを意味する。
このように、医師法第21条による医療事故による死亡事例の警察への届出義務から始まる刑法第211条の業務上過失致死罪を適応する仕組みが続く限り、全ての医師、特に外科や産婦人科、また救急救命担当医等の不安は一層大きくなり、さらに若手研修医の外科系診療科を敬遠する流れを止めることはできず、医療崩壊に拍車がかかることは必定である。
この状況を抜本的に改めるためには、刑法第211条の医療行為への適応を十分に議論しなければならないが、現状を早急に打開するためには、医師法第21条を改正し、警察ではなく新たな届出先として中立的な第三者機関である医療安全調査委員会を新たに設置することにより、医療の質の向上と安全に資するべく死因究明・再発予防の制度を作ること以外に方策はない。
本会では、本年4月3日に厚生労働省から発出された「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案―第三次試案―」を受け、直ちに全国47都道府県医師会に対し、第三次試案に関するアンケート調査を行った。
その結果、「第三次試案に基づき制度を創設すべき」という回答は「種々の問題はあるが、それらが解決できれば賛成」という医師会を含めて36医師会(77%)、「第三次試案に基づき制度を創設すべきでない」は7医師会(15%)、その他4医師会(9%)であった。
このアンケート調査結果に基づき、「厚生労働省第三次試案に関する都道府県医師会担当理事連絡協議会」を開催し、各都道府県医師会との質疑応答を行った。
そこでは、この第三次試案が今日の刑事訴追の誤った流れから一歩も二歩も改善させた現実的解決策であると評価した意見が多数であった。
一方で、刑事罰の適応の問題や行政処分の実施方法、調査委員会の設置場所の問題並びに重大な過失の意味するところ及び救急医療現場における対応、現在ある院内事故調査委員会との関係あるいは県単位の剖検システムとの関係など、まだ明確にしなければならない点や疑問があるとの意見も出された。これらの明確にすべき内容は、改めて厚生労働省に要望を行うことは勿論、警察庁・法務省に対しては、参議院決算委員会での両刑事局長による「試案の内容は厚労省と合議し、了解している」との答弁の通り、文書は交わしていないが、試案の記載内容の遵守を求めていく。
今回の医師法第21条の改正問題のように、利害関係が異なる人々に影響する法律を作成するということは大変難しい作業であるが、第三次試案で示されたように、全ての医療事故を免責にするということは出来ないまでも、調査委員会に届出を行うことによって医師法第21条の所轄警察署への届出を必要としなくなり、届出義務から刑事訴追への流れがなくなること等、司法・警察当局者を交えた厳しい議論と協議の結果、合意がなされた点は、我々医療従事者として十分評価しなければならない。
本会は、反対意見として貴重な意見が寄せられたことを十分受け止めつつも、多くの医師会の賛意を重く受け止め、今回の厚生労働省第三次試案に基づく、医師法第21条の改正と、医療安全調査委員会設置の法制化を強く要望する。
この理事さん、確信犯なのでは?
明文化なんかしてないの、知ってて、わざと、大丈夫、明文化してるから、って言っている?
医師会の約束取り付けて来るご褒美に、安全委員会ができたら、中央や地方の委員に医師会の役員を登用するって、厚生省あたり(あるいは、自民党筋)からハナぐすり飲まされたんじゃないのですか?
誤り方が、すごくイージーすぎて、軽いですもの。
冗談じゃない!こんな試案に賛成して。臨床医が安心して診療に打ち込めるかどうかの分かれ目なのに、とかなーり怒っております。
投稿情報: 鶴亀松五郎 | 2008年5 月28日 (水) 23:30
いけ~いけ~!!!
怒るのじゃ~(>_<)!!!!
っていうか、彼を信じて2回も産婦人科学会で講演聴いて、そのあと第八回の検討会に出たときから、あ、全然違うこの人!
と思っていました。実は。
だからちょっぴり笑っちゃいます。わたし。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年5 月28日 (水) 23:44
この文章、もしかして反対を表明していない?
投稿情報: nyamaju | 2008年5 月29日 (木) 17:25
> 99%訴追を防げるではなく、なくなるにバージョンアップしていました
や、それはさすがに悪意に取りすぎでは。
「届出義務から刑事訴追への流れがなくなる」の日本語的意味は、「流れがなくなる」。
つまり第三次試案では、医療事故は警察に届出なくてよくなるのだから、
医師法に基づく警察への届出→警察による捜査→書類送検→起訴
という流れは無いよ、という説明です。
刑事訴追そのものが無くなるという意味ではありませんから、
嘘は言っていません。
代わりの流れは、
調査委員会設置法に基づく委員会への届出→委員会の調査→重過失認定→警察への通知→警察による捜査→書類送検→起訴
見解では「法務省や警察庁は医師法21条の改正には合意した」と取れますが、
その点はたぶん正しいのでしょうね?
上記の委員会調査ルートと並行して、従来の刑事訴追ルート、
遺族の被害相談・告訴→警察による捜査→書類送検→起訴
というのがしっかり残されている以上、
法務省や警察庁としては反対する理由はないから。
医師法21条の改正は、それだけでは、医師にとって別にありがたがる話でも何でもはないと思います。
投稿情報: YUNYUN(弁護士) | 2008年5 月29日 (木) 19:30
>法務省や警察庁は医師法21条の改正には合意した
21条の改正を議論することに合意した、ということでしょうか?
異常死の届け出は、以前のように犯罪行為または自殺が疑われる死亡事例に限定という改正への合意であって、診療行為の結果が刑法の業務上過失致死と過失傷害に応用される限りは、医者が刑事立件されることには変りないと言うことですね。
悪意でもない故意でもない診療関連死であっても、刑法そのものの改正が無ければ、医者が刑事事件の被告になることには依然として同じ。
僻地の産科医先生がエントリーにされたイギリスなどの例を読むと、ヒューマン・エラーであっても故意と悪意でない診療関連死・傷害は刑事事件の検討にならないようですね。
諸外国(といっても欧米レベル)にまで、法律を整えないと、依然として不当な毛時事件化は避けられません。
投稿情報: 鶴亀松五郎 | 2008年5 月29日 (木) 22:53
各見解はわかったので、これから先は
功労賞に頼らず、議員立法を目指して
議員に声をぶつけるべきと考えます。
議員に声をぶつける努力が足りないし、
そういう戦略も聞かれません。
そう思いませんか?
投稿情報: ss_ss | 2008年5 月30日 (金) 13:26
それよりも、何を目指して議員立法をあなたは考えますか?
その時点から私たちは議論を始めなければならないのではないでしょうか。医師会や厚労省にもしかしたら頼りすぎていたのかもしれませんね。だからこんな舐められた意味のない提案が出てくるのです。
でも医師の本領は「医療」であるはず。
ただでさえ少ない医師が、一生懸命こんなことを考えなきゃいけないのは、同時にばかげた世の中でもあるわけですが。
ちなみに私たちは議員との対話を持ち続けています。
数人とではありますけれど。どうしたらよくできるか。
ただ彼らは医師ではないので、やはり齟齬があることも確かです。
私には今のところ、日常とさまざまな活動とで手一杯でどこからも余裕は出てきません。パブリックコメントを全て読みきることはまずはこの「どんな仕組みが必要なのか」を読み取るために大事なことと思い個人的に行っています。そのついでに公表しているのみです。
刑法211条の改正をし、国際基準に近づけるべきと思われますが。あなたならどのような提案をされますか?
まずそれから教えてください。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年5 月30日 (金) 14:56
というか、何人がきちんとパブコメよんでいるのでしょうか?
私はそれが聴きたい。
出したら出しっぱなし?
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年5 月30日 (金) 15:01