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(投稿:by 僻地の産科医)
札幌市産婦人科救急医療対策協議会
http://www.city.sapporo.jp/eisei/tiiki/sanfujinka/
という資料が上がっていまして、第一回の議事録が出ています。
【関連ブログ(>▽<)!!】
ようするに
S.Y.’s Blog 2008-05-14
http://d.hatena.ne.jp/shy1221/20080514/p4
北の大地の春の陣
新小児科医のつぶやき 2008-05-14
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080514
冗長ですので、興味深いところだけ抜粋してみます。
・一般救急で妊婦搬送が行われる場合
資料3: 〔産婦人科への搬送状況(平成19年)〕
どんな原因なのかという内訳でございますけれども、そこに、交通、火災、一般、加害と。一般というのは、転んだとか、どこかにぶつけたとかというものでございまして、火災、交通、一般、加害につきましては、妊産婦さんがおなかの子供が心配だということで搬送したものでございます。
3番の傷病程度別件数でございますけれども、死亡というのは、現場到着をしたとき死産であったというものでございます。重症というのは3週間以上の入院が必要とされるもの、中等症というのは1日以上3週間未満の入院を必要とするもの、軽症というのは、入院を要しないものということでございます。
4番目の受入確認病院数でございますけれども、1回の受け入れ確認で受け入れたというものが978件で91%を占めてございます。2回目あるいは3回目、つまり2回目というのは、1回断られて、2回目で受け入れますよということになった数でございます。3回というのは、2回断られて、3回目で受け入れるという数でございます。3回以上断られた、つまり、上に4、5、6、7というふうに書いてございますけれども、これにつきましては全部で18件、全体の1.7%が3回以上断られているということでございます。
で、これに対する産婦人科医会の堂々たる宣言がこちらです。
http://www.city.sapporo.jp/eisei/tiiki/sanfujinka/0804/siryo4.pdf
札幌市救急医療体制検証委員会 御中
平成19年6月20日
札幌市産婦人科医会
会長 遠藤 一行
札幌市産婦人科医会からの要望
拝啓
平素は札幌市産婦人科医会の事業運営にあたり格別の御配慮を賜わり厚く御礼申しあげます。
最近、産婦人科(特に産科)医療を、取り囲く環境は、多くのマスコミの報道にも見られる如く、非常に厳しい状況にあります。
その要因としては医師の高齢化、分娩数の減少による経営への圧迫、産婦人科医の激務、医療訴訟の増加、また若手医師の産婦人科敬遠などが挙げられます。
このため分娩を取り扱う医療機関は年々減少し、現在救急医療を担当している医療機関への負担がさらに重くなっています。
当医会では、昨年度末緊急に勤務医へのアンケート調査を実施した結果、今後は救急当番医は辞退したい、との意見が大多数でした。
このままでは現在の2次救急体制は維持できそうにありません。当医会内部では、より多くの医療機関が参加する新しい救急医療体制を再編成する予定です。
つきましては、現在札産婦医会員が要望しています以下の事項につき貴委員会で御検討していただければ幸甚です。
1.第3次医療機関の絶対的確保
NICU等への搬送が必要なケースでも病床で断られる事あり。
これを避けるため収容可能な医療機関を責任持って確保。
2.救急当番日に搬送される妊産婦さんでは不払い例が問題。
救急当番を依頼する以上、その医療機関に対し、応分の
費用(分娩料)の補填。
3.産婦人科救急担当医療機関への助成金の増額。
以上何卒よろしくお願い申しあげます
敬具
で、それに対する補填です(>▽<)!!!
・NICUが満床で市立病院でも、現実的には、お断りしている。
・10カ月という妊娠期間があるにもかかわらず、
一回も病院を受診されない女性がいるということ自体、普通考えられない。
そういう人たちが、陣痛が来たからといって、救急車を呼んで病院にくる。
お金は払わない。補填もされない。
・18年度、札幌市で払わなかった患者さんは26例。
約1,000万円近いお金が未収になっていて、
それだけの負担を強いられながら、二次救急はとてもやっていられない。
・救急医療というのはすべて赤字部門。
病院は必ず損をするというような仕組みになっている。
赤字でも仕方がないというのは、今の時代、認められない。
あとはうわわわわーんとみなさま、苦情と愚痴の嵐です(>▽<)!!!
行政側は何もいえない状態で終わってますね。
ま、お暇のある方どうぞ ..。*♡
資料6がステキでしたので、こちらの方を順次あげておきます。
http://www.city.sapporo.jp/eisei/tiiki/sanfujinka/0804/siryo6.pdf
札幌市産婦人科救急医療対策協議会
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第1回札幌市産婦人科救急医療対策協議会
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資料1: 〔札幌市の救急医療体制〕
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資料2: 〔産婦人科救急医療の患者数(平成18年度)〕
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資料3: 〔産婦人科への搬送状況(平成19年)〕
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資料4: 〔札幌市産婦人科医会からの要望書〕
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資料5: 〔要望書に基づく札幌市の対応〕
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○産婦人科二次救急医療体制の存続対策
○救急医療体制整備支援事業(全体)
資料6: 〔基礎資料〕
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○札幌市の出生数と出生率
○母の年齢別出生数割合(札幌市)
○出生時の体重別出生数割合(札幌市)
○札幌市の産科系医師数と医師総数の推移
○札幌市の産科系医師数
○札幌市の産科系医師数と医師総数の推移
○北海道の産科系医師数と医師総数の推移
○全国の産科系医師数と医師総数の推移
○札幌市の産科系医療機関数
○札幌市の産科系医療機関1施設当たり産科医師数
資料7: 〔札幌市産婦人科救急医療対策協議会のスケジュール(案)〕
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札幌産科救急の爆弾は天使病院です、
カレスアライアンスのクーデターで理事長解任の原因になった天使病院は経営不振でカレスアライアンスに買収されました。
カレスが経営改善のためにおこなった人事や組織替えに抵抗して、クーデターがおきましたから赤字体質のままであり、損失を補填するカレスアライアンスの主要病院、日鋼記念病院は医療法人・母恋に衣替えしましたが医師不足で大幅な赤字基調が予測されます。
札幌産科医療の中核である天使病院が倒れることが予測されていますから、一次から三次までの再構成が必要なのですが、一次の改革でつまずいているので、天使病院が破綻すると手のつけようが無くなります。
最後の受け手として北海道全体を札幌が支えているので、先が思いやられます。
三次が危ないので一次で出来る限り受け入れて、破綻を食い止めようとしているのに、行政は一歩も先に出てこなかったのです。
投稿情報: 近森正昭 | 2008年5 月14日 (水) 14:27