(関連目次)→医療事故安全調査委員会 各学会の反応
(投稿:by 僻地の産科医)
キャリアブレインの知合いの記者さまからメール頂きましたo(^-^)o ..。*♡
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先週の金曜日、すずかん先生主催の議連の取材に
行ってまいりまして2本の記事を書かせて頂きました。
そのうち、阪大の門田教授の事故調に関するコメントの記事が
土曜午後にyahooニュースのトップページに掲載されまして、
現在1200件を超えるコメントがついており、
ランキングも4位まで上がってます(>▽<) ..。*♡
http://headlines.yahoo.co.jp/cm/list/
yahooニュースには普段から弊社ニュースを配信していますが、
なかなかヘッドラインとしては掲載されません。
掲載されたとしても、
トップか
別の欄かなど
完全にyahooの判断なので、
今回あのようにyahooがトップに載せたということは、
医療問題が、国民的議論の段階になってきた!
ということではないかと思われます。
かつ、医療問題に1200件ものコメントが付くということも、
それを表していると思います。
(パンダや船場吉兆などの問題に紛れてはいますけれど・・・)
yahooのようなサイトに掲載されると、一般紙が取り上げにくい
なかなか知られない
だけど大事な医療の問題を
一般に知らせることができる
「とっかかり」となり得るのかもしれません!
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ということでどうぞ ..。*♡ 嬉しいですね(>▽<)!!!!
ランキング、もう下がっちゃったかもしれませんけれど
みてあげてください!!
「刑事責任追及に違和感」
キャリアブレイン 2008/05/10
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15956.html
元日本外科学会会長の門田守人阪大医学部教授は5月9日、「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」(会長・尾辻秀久元厚生労働相)の会合で、厚生労働省が設置を検討している医療安全調査委員会(医療安全調、仮称)が作成する調査報告書の取り扱いに関連して、「刑事責任の追及には違和感がある」と述べた。
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席上、民主党の仙谷由人衆院議員が「医療行為と業務上過失傷害、過失致死といわれる刑事犯罪との関係について率直に話していただきたい。『医療についてはこう考えるべき』ということを声高に言った方がいいと最近感じる」と語った。
門田教授はこれに対し、個人的な考えと前置きした上で、「電車事故などは人間がつくった機会を人間が扱うことで起こる事故。医療事故は神がつくったものを人間が扱うことによって起こるものなので、全く違うものだ」と強調。その上で、「例えば大動脈瘤(りゅう)が切迫破裂したとして、手術しても、しなくても死ぬ。でも1割の確率でも助かるかもしれないからやる。これをどう読むか。やってみないと分からないが、機械的に処理できるものではないため、医療の世界で刑事責任を追及されることについては違和感がある」と主張した。さらに、もし刑事責任が追及されるようなら、「医療はますます崩壊する。万が一、助かるかもしれないとして実施する手術などを誰も手掛けなくなる。国民がそれを認めるかどうか、国民とディスカッションすべき」と述べた。
また、門田教授が臨床部会運営委員長を務める日本医学会としても、各学会の枠を超えた議論をしていく姿勢を示した。
医学界と国会議員が意見交換
キャリアブレイン 2008年5月9日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15955.html
超党派の「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」(会長・尾辻秀久元厚生労働相)は5月9日、衆院第二議員会館で会合を開き、元日本外科学会会長の門田守人阪大医学部教授と日本内科学会理事の池田康夫慶大大学院教授、日本耳鼻咽喉科学会理事長の八木聰明日本医科大主任教授が医師不足など医療の現状について講演した。会合には国会議員約20人が参加。医学界と同議連が、日本の医療の危機的状況を打開するため、今後の協力を確認し合った。
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諮問会議「帳尻合わせの議論のみ」―日医常任理事
門田教授は講演で、医師全体の数は毎年約8000人ずつ増えてはいるものの、いわゆる「一般外科」の外科医は1996年には2万8245人いたが、8年間で約6%減少しており、当直明けの手術など過重労働や訴訟リスクなどが外科医不足に拍車を掛けていると述べた。「救急医療の崩壊は、救急を担っている外科医の不足が問題」とも指摘。その上で、「世の中がここまで傾いている時に、議連が立ち上がったことは、わたしたちにとって非常に心強い。やっと立法府が動いてくれるという強い気持ちを持てる」との期待感を示した。国が進める医療費抑制政策については、必要な医療が提供できなくなるため憲法25条の生存権に反するとの見解を示し、議連には医療費の確保を求めた。
池田教授は「医学界は日本の医療についての社会的責任を持つため、行動しようという考えに移ってきている。こういう機会を多く持ち、医学界と国会議員のパイプをつくっていかねばならない」と述べ、学会という医師のコミュニティーと国会議員の交流が今後必要との考えを強調。また、これまで国会議員らと議論するのは医師会が多かったと指摘し、将来的な展望を見据えて医学界とも交流してほしいと要望した。さらに、今後医師が看護師や薬剤師などと医療の業務を分担していく方向性についても触れ、「法的な問題が出るので、国会議員の協力をお願いしたい」と述べた。八木教授は医師不足について、「技術を継ぐ人がいなくなり、医療が発達しなくなる。次の世代が育たなくなることが問題」と、指導者がいなくなることへの懸念を表明。「議連と一緒に考えていきたい」との姿勢を示した。
■「中医協はもっと幅広い議論を」
講演後の意見交換で、自民党の南野知恵子参院議員は「中央社会保険医療協議会(中医協)にはわれわれも正規の委員としては入れないので、(委員の枠を)もっと広げるべきだと思う。(医学界にも)声を出してもらわないと、インカムのバランスが取りにくい」と指摘した。これに対し、門田教授は「中医協の占める役割は非常に大きいが、わたしたちも入れない。ぜひ国会議員にお願いしたい」と応じた。また、池田教授は「今、医療について多くの人たちが話し合うようになってきている。中医協はもっと幅広い議論をしていくべき」と指摘したが、南野参院議員は「なかなか変わらない」と述べた。
同議連副会長の公明党の坂口力衆院議員は閉会のあいさつで、「今回の議論で問題が浮き彫りになった」と感想を述べた。また、「経済財政諮問会議などは経済に医療を合わせようと真剣に言うのだが、できるわけがない。立場によって見方は違うが、医療費について合意を目指したい」と、医療費抑制政策の方向転換に向けた意気込みを強調、医学界と今後も協力していく姿勢を示した。
南国中央病院院長 山本 浩志先生のページから。
スウェーデンでは医療事故を含めた診療関連死を、刑罰ともせず、民事訴訟ともしうていないそうです。
(1)医療行為はすべて傷害行為である。
(2)正当なる医療目的、国家資格で保障された医療者、普遍的な倫理に基づく医療行為である限り、刑法上の「傷害」とは同一視されない。
(3)一方、医療が人によって履行される限り、ヒューマンエラー(人為ミス)の発生は避けられない。
詳細はこちら↓
http://www.chisio-group.or.jp/hotushin/0606.html
医療事故に対し「紛争外処理」を望む
私自身、大阪の医療事故調査会(森功・世話人)の理事を9年間させてもらっているが、帝王切開を受けた女性が死亡したことで福島県の産婦人科医が逮捕、起訴されたという報道に正直違和感を覚えた。森功氏の友人のスウェーデン医師も、「日本はなんと野蛮な国か」というのが第一の感想であったとのことである。
医療というものの主旨はこうである。
(1)医療行為はすべて傷害行為である。
(2)正当なる医療目的、国家資格で保障された医療者、普遍的な倫理に基づく医療行為である限り、刑法上の「傷害」とは同一視されない。
(3)一方、医療が人によって履行される限り、ヒューマンエラー(人為ミス)の発生は避けられない。
ところで医療者にミスがあったと思われる場合、わが国は、「米国型医療紛争」にならい、損害賠償裁判で争うことが多い。今回のように警察が介入することもある。それがスウェーデン医師にとっては野蛮と映るのである。
スウェーデンなどは、医療事故に対しては、すでに「紛争外処理」というシステムを取り入れている。それは簡単に言えば、患者の苦情を受けつけ、患者救済(補償)と医療者の審判が分割され、かつ同時進行で行われるシステムである。ある意味患者救済を第一にするもので、医療者の過失がない場合でも救済、支援する制度でもある。
わが国がそれを真似るとなると、厚生労働省が「医療事故報告義務を課した法」に基づき、医療機関、患者のいずれかからでも提出可能な事故報告を受け取る。
それを国の懲戒委員会で審議し、医師等の過失に応じ懲戒が行われる。と同時に患者保険に連絡し、救済作業を行う。また患者支援センターが、患者のクレームへの対応と支援を行うというものである。
そしてスウェーデンでは医療事故の98%がこの紛争外処理であり、裁判になるのは2%に過ぎない。
もちろんこのシステムをわが国ですぐに導入するという訳にはいかないが、そのためには森功氏は以下の4点の提案を行っている。
(1)法律整備 患者の権利法、個人情報保護法、医療情報公開法の成立、さらには強制加入の医師会のための法規定など。
(2)医療事故事件の鑑定方式の確立。
(3)医療者の審判制度 審判制度は専門職の責任、懲戒、復帰を定めた法の下に国家機関を設け、理事は市民を含めた幅広い構成。
(4)医療事故被害者救済システム 事故被害者は過失の有無にかかわらず、スウェーデン方式での救済が望ましい。そのため医療機関、医療保険、損保会社、国の負担により、資産をプールし給付を規定する。
以上であるが、私はこの方式を先の土佐高生の落雷事故にも当てはめるべきと考えている。最高裁での最終の審判がどうなるかは分からないが、もし敗訴したらこの親子にとって人生とはいったい何であったろうと思う。
親が子を思う気持ちはよく分かる。一方校長が落雷事故を予見不能として引率の教諭をかばう気持ちも分かる。
裁判に対しては私自身良く分からないが、親がこの事故を裁判に持っていかざるを得ないシステムではなく、国がこの子を補償し、これからの人生をいかに支援していくかを事故と同時に持つシステムが求められる。
はっきり言えば、落雷事故も医療事故と同様、裁判は似つかわしくないというのが私の結論である。
また、医療事故の「紛争外処理」においても、医師を懲戒するということ以上に、真実を究明し、再発をいかに防止するかを審議することが大切であることは論をまたない。
投稿情報: 鶴亀松五郎 | 2008年5 月13日 (火) 14:13
診療関連死が刑事事件化せず、刑罰フリーの国スウェーデン。
日本だってやろうと思えばできるはず。
WHOのヨーロッパ・リージョンが作成している国別の医療システムリポートのスウェーデン編。
http://www.euro.who.int/Document/E88669.pdf
44ページから45ページまでは、有害事象や診療関連死、患者への保証への記述があります。
1982年にHealth and Medical Services Actが制定された。
(1)HSAとthe National Board of Health and Welfareと言う部局が別個に独立してある。
(2)有害事象に関する患者サイドのクレームはHSAが審査し、医療スタッフの過失あるいは過誤の有無を分析する。
(3)その分析をもとに保健省相当のNational Board of Health and Welfareが医療スタッフへの警告、医療行為の限定あるいは停止を命ずる(刑事事件化して、刑罰をくだすことはありません)。
(4)2002年には3227のクレームのうち75%が医師の医療行為によるもので、さらに医療職として資格停止になったのは20人ほど。
(5)有害事象はNational Board of Health and Welfに報告されるが、ここでは処罰は下さず、なにが原因か、なにが足らなかったかを分析し、ヘルスケア・システムの改善に役立てる。
1997年にはPatient Injuries Actが制定された。
誤診や治療による障害といった医療過誤の有無にかかわらず、有害事象への賠償(保証)が行われる。・・高額な保証ではないが、スウェーデンは医療費無料なので、後遺症等への治療費は掛からない。また福祉施設も充実しており、永久の障害を受けた場合でも、心配がいらない。
医療サイドや患者サイドいずれもが納得できる制度だと思います。
投稿情報: 鶴亀松五郎 | 2008年5 月13日 (火) 15:32
鶴亀松五郎先生!ありがとうございます(>▽<)!!!
今度ぜひ、エントリーあげさせていただきます!!!
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年5 月14日 (水) 00:03
>今度ぜひ、エントリーあげさせていただきます
僻地の産科医先生、ありがとうございます。
後半のコメント部分に抜けがあったので、修正追加して書きました。
1982年にHealth and Medical Services Act
(http://www.sweden.gov.se/content/1/c6/02/31/25/a7ea8ee1.pdf)
が制定された。
(1)スウェーデン保健省に関連した部局として、HSAN(http://www.hsan.se/eng/start.asp)とthe National Board of Health and Welfare(http://www.socialstyrelsen.se/en/)と言う部局が別個に独立してある。
(2)有害事象に関する患者サイドからのクレームはHSANが審査し、医療スタッフの過失あるいは過誤の有無を分析する。
(3)その分析をもとにNational Board of Health and Welfareが医療スタッフへの警告、医療行為の限定あるいは停止を命ずる(刑事事件化して、刑罰をくだすことはありません)。
(4)2002年には3227のクレームのうち75%が医師の医療行為によるもので、さらに医療職として資格停止になったのは20人ほど(日本での行政処分に相当)。
(5)病院からの有害事象報告はNational Board of Health and Welfareに報告されるが、ここでは処罰は下さず、なにが原因か、なにが足らなかったかを分析し、ヘルスケア・システムの改善に役立てる。
1997年にはPatient Injuries Actが制定された。
誤診や誤投薬や医科や歯科の治療による障害は、医療過誤の有無にかかわらず、有害事象への賠償(保証)が行われる。・・高額な保証ではないが、スウェーデンは医療費無料または低額なので、後遺症等への治療費は掛からない。また福祉施設も充実しており、永久の障害を受けた場合でも、心配がいらない。
投稿情報: 鶴亀松五郎 | 2008年5 月14日 (水) 12:58