(関連目次)→ADRと第三者機関 目次 各学会の反応
(投稿:by 上昌広先生)
私達の研究室として、パブリックコメントを提出いたしました。
また、我々の情報配信サイトにパブリックコメント集一覧を公開いたします。こちらは随時更新していく予定です。
もしパブリックコメントを公開して欲しいという方は、当方までご連絡ください。
○刑事処分について
・ 現状において、「軽度な過失」でも処罰されている。「重大な過失」か「軽度な過失」かという判断は、運用によってどのようにでも解釈し得る。
・ 悪質か否かも、運用によってどのようにでも解釈し得る。例えば、証拠隠しをしたものに限らず、営利目的、実験的、名声追求の利己目的、説明不足でも、どのようなものでも悪質というレッテルを張られかねない。つまり、運用に歯止めがない。
・ 現状において、薬剤や患者の取り違いといった、単純ミスは「重大な過失」とされている。死亡という結果の重大性に着目して「重大な過失」とされ、業務上過失致死罪が適用されている。
・ 現状において、刑事司法は結果の重大性に着目しているが、その取り扱いを変更することについて、何の権限もない厚労省の一検討会の意見に過ぎず、警察・検察の公式見解は書かれていない。
・ 第3次試案に書かれている通り「責任追及を目的としたものではない」ならば、行政処分機関にも捜査機関にも通知すべきではない。責任追及を目的としていないことの制度上の担保がなければ、現場の医療者は安心して診療に当たることはできない。
刑事処分について、ソネット・エムスリーに井上清成弁護士のわかりやすい記事があります。
○行政処分について ・ 厚労省は、管理者に対する新たな行政処分を設けようとしているが(医療法)、既に存在する行政処分について、十分説明すべきである。例えば、現状において既に次のような行政処分権限が存在する。 ○健康保険法 ほぼすべての病院に毎年1回立ち入る ○医療法 ほぼすべての病院に毎年1回立ち入る(医療監視員) ・ 医療法に基づく医療機関に対する処分権限は都道府県がもっているが(地方分権の流れになる前から、歴史的にも医療は県の行政)、重複して国が処分権限を持たなければならない理由は何か。国に新たな権限を創設するのではなく、県に任せるのが筋ではないか。ひとつの事案について、医療機関に対する処分と、医師(主治医等)への処分とが、両方発動される(厚労省が暴走する・単に処分が二重になるだけ)危険性が高い。 ・ 現に、厚労省は、保険医取り消しの行政処分と、医業停止の行政処分を二重に行っている。医療機関や管理者に対する行政処分権限を創設すれば、医師(主治医等)に対する行政処分がなくなるわけではない。従って、「個人に対する行政処分については抑制する」保証はない。 ■厚生労働省への医療事故調パブリックコメントリンク集 ■我々の研究室からのパブリックコメント
社会保険事務局が保険医・保険医療機関・保険薬剤師・保険薬局の指定・取消の権限をもつ
都道府県が医療機関の開設・休止・廃止、増員命令、医療機関の業務停止命令、施設使用制限命令、管理者の変更命令の権限をもつ。(医療法25の2)
厚労省は特定医療機関に関してのみ権限をもつ
○医師法 厚労省が医師免許取消・医師の業務停止命令の権限をもつ
■厚生労働省への医療事故調パブコメ投稿用フォーム
http://expres-info.net/acv/2008/04/post-29.html
http://expres-info.net/acv/2008/04/post-30.html
http://expres-info.net/acv/pubcom/ourpubcom.html
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