4月4日の元気に医療ニュースです..。*♡ ぽち→
取捨選択してうつしてくるのがいい加減面倒になってきたので、
力技で全部うつしてくることにしましたo(^-^)o..。*♡
慶応大病院(東京都新宿区)は3日、昨年10月に体重265グラムで生まれた女の赤ちゃんが、同日退院したと発表した。無事退院した赤ちゃんとしては、出生時の体重が国内で最も軽く、世界でも2番目の記録だという。「世界最小」は2004年に米イリノイ州で生まれた260グラムの女の赤ちゃん。
赤ちゃんは妊娠25週で、帝王切開で生まれた。出生時の体重が1000グラムに満たない「超低出生体重児」は体の機能が非常に未熟で免疫力も弱いため、感染症をはじめさまざまな合併症の危険があるが、病院によると経過はおおむね順調。2月からは自力でミルクが飲めるようになり、退院時には体重が3020グラムまで増えた。
最近の国内での超低出生体重児の救命率は約80%で、体重500グラム未満になると、救命は非常に難しいとされる。
北海道旭川市の旭川医科大学は2008年度入学試験で、医師不足が深刻な北海道北部や東部地域の出身者を対象にした地域枠推薦制度を導入する。04年度から義務化された2年間の臨床研修を同地域の病院ですることが条件で、定員は医学部医学科(定員100人)の5人。
都市部に医師が集中する一方、大学病院が派遣先の地方の病院から医師を引き揚げており、危機的状況になっている地域医療に貢献するのが狙い。
文部科学省によると、卒業後の研修地を医師不足のエリアに限る地域枠の入試制度は極めて珍しいという。
出願条件は、富良野市、帯広市などから北東の地域(旭川市と周辺8町を除く)にある小、中、高校のいずれかに通学し、保護者が同地域に3年以上住んでいることなど。12月1日に小論文と面接試験を実施した後、大学入試センター試験の得点が75%以上の受験者が選抜対象で、合格発表は2月13日。
流行の中心となるA型インフルエンザだけでなく、B型のインフルエンザでも、治療薬タミフルが効きにくい耐性ウイルスが少ないながら検出され、人から人に広がっているとみられることが、河岡義裕東京大医科学研究所教授、菅谷憲夫けいゆう病院小児科部長らのチームの調査で分かった。4日付の米医師会雑誌に発表された。
タミフル耐性ウイルスが人から人に広がることが分かったのは初めて。現時点で治療に影響は出ていないが、広範に検出されることになれば治療が難しくなるため、チームは「慎重な監視が必要だ」としている。
チームは2004-05年のシーズンにB型インフルエンザと診断された422人から採取したウイルスを調べたところ、タミフルを服用していないにもかかわらず7人(1・7%)から、耐性ウイルスが見つかった。
長崎市は二日、赤字経営に陥っている市の第三セクターの長崎衛生公社と、医師不足などの問題を抱える市立病院の改善策を検討するプロジェクトチームをそれぞれ設置した。
長崎衛生公社のプロジェクトチームは企画部、総務部、財政部、環境部、下水道部の幹部で構成。同公社は二〇〇六年度決算で累積赤字が十七億円に上る。市は毎年度補助金をつぎ込む状態を続け、これまでに計約二十一億円の補助金を支出した。しかし、公社の経営は改善されず、逆に赤字が膨らんでいる。
このため、プロジェクトチームは、職員の約半数を占める五十歳以上を整理退職にして人件費を圧縮するか、公社を清算した後に五十歳未満の元職員を再雇用する案などを協議し、今年九月までに経営改善の具体策を打ち出す。
市立病院のプロジェクトチームは、企画部、総務部、財政部、病院局、病院局管理部の幹部で構成。不足している医師の確保、経営安定のための職員の人件費の見直し、一三年度開業予定の新市立病院の病床数や機能などについて具体策を練る。
両プロジェクトの総括責任者を務める内田進博副市長は発足式で、「十分な協議を行い、市民に理解してもらうような対策を講じたい」と決意を述べた。
自治体病院を抱える管内8町の首長と十勝支庁は、「自治体病院の運営等に関する提言」をまとめた。道が今夏にも策定する「自治体病院等広域化・連携構想」に、地域の実情を反映させるのが狙い。看護師の配置と確保などを求めている。支庁単位で意見集約するのは道内初で、6日に道保健福祉部保健医療局長に提出する。昨年4月の診療報酬改定では、全国でも過去最大の減少幅となる前年度比3.16%減、管内は同10.9%減が見込まれている。
特に、診療報酬算定基準の1つとなる標準医師数や看護職員の配置などでは、都市部の大規模病院と地方の小規模病院に一律の基準が定められ、従来通りの入院基本料を維持するには人員確保が必要になる。このため、経営力のある大規模病院に人員が集中し、地方の小規模病院ではさらなる経営悪化が懸念されている。
十勝支庁は1月、町立病院を持つ8町(士幌、鹿追、芽室、大樹、広尾、池田、本別、足寄)と、地域調整グループ、十勝保健福祉事務所などで意見交換の場を設置。横田実副支庁長を座長にこれまで3回、課題や在り方について議論し、その内容を提言としてまとめた。
「病院の経営」や「医師の確保」、「地域の医療体制」など大きく4項目に分け、それぞれで具体的提案や、その背景、管内のデータを明示。「病院の維持・運営を自治体だけで改善することは困難」と指摘している。
意見交換を呼び掛けた横田副支庁長は「地域の声を反映させるため、より具体的な根拠を盛り込んだ」と話す。
管内で唯一、道内の自治体病院開設者協議会の理事を務める士幌町の小林康雄町長は「地域医療は極めて厳しい実態。道や国に現状を理解してもらい、早急に対策を講じてほしい」と話している。
厚生労働省の「新型インフルエンザ対策専門家会議」は、フェーズ4以降で新型インフルエンザが国内発生した際の、対策ガイドライン(GL)をまとめた。パブリックコメント等の意見を踏まえ、対策に実施主体明確化や、相談体制の充実が図られた。GLは各都道府県に公開するほか、厚労省ホームページにも掲載している。
GLでは、対策の主体について、▽早期対応戦略は都道府県▽医療体制と積極的疫学調査については都道府県及び保健所設置市、特別区--が担うなどの明確化が図られた。
また、発生初期に住民からの相談に応じる発熱相談センターの設置が新たに盛り込まると共に、外部委託等によるコールセンターを設置し、一般向けに幅広く情報提供・収集を行うことなどの対策も実施していくことにした。
抗インフルエンザウイルス薬のGLでは、タミフルに加えてリレンザも盛り込まれた。タミフルは、2500万人分を国と都道府県で備蓄することになっているが、GLでは流通調整をはじめ、予防投与や感染拡大時の投与優先順位の考え方について示している。またリレンザについては、流行しているウイルスがタミフル耐性である場合を想定し、危機管理のために備蓄するもので、タミフルのGLに基づいて投与する。
なお、タミフルに10代への投与中止の緊急安全性情報が出されたことを受け、予防投与のあり方が議論されたが、現段階ではデータが不足していることから、今後の科学的な解明を待つこととなった。治療投与では、新型インフルエンザは致死率が極めて高いことから使用すべきとの意見が主となっている。
厚労省 http://www.mhlw.go.jp/
北九州市立八幡病院(同市八幡東区)は3日、院内に保管してあった全身麻酔用鎮痛剤「レミフェンタニル」の5ミリグラム入りアンプル3本を紛失したと発表した。誤って注射したり飲んだりしても生命への危険はないという。
病院によると、アンプルは手術室内の麻薬金庫に保管。医療用麻薬のため厚生労働省の規定に沿い、使用済みの空アンプルと金庫内の残本数を1日に1回確認した上で、常に10本を保管する態勢をとっていた。しかし、3月29日は残本数の確認をせず、31日夕になって3本が不足していることに気付いたという。大江宣春院長は「保管方法のマニュアルを再確認し、再発防止に努めたい」と話している。
救急でアルコール中毒なんて、運ばれてくるたびに忙しさをさらに忙しくするので
心からムカつきますが、こんな記事も!
日本の救急を悪くさせているのはこういった人々です(笑)!
サクラの開花宣言が出た3月20日から4月1日までの13日間に、都内で花見の飲酒による急性アルコール中毒で63人が救急搬送されていたことが、東京消防庁のまとめで分かった。昨年の同期間より10人少ないが、同庁は「当たり前のことだが、イッキ飲みはしないなど、節度のある飲み方を」と注意を呼びかけている。
同庁によると、晴天に恵まれた1日は、新宿区でアルコール度数の高いテキーラを大量に飲んだ男性(29)が倒れるなど、40人が急性アルコール中毒で搬送された。
13日間で運ばれた63人を年齢別にみると、飲酒が認められていない10代が1人いたほか、20代が28人と大半が若者だったが、60代以上も18人にのぼった。同庁は「適量を知ることや体調に注意することも大切」としている。
内閣府が実施した30歳から40歳代までの女性へのアンケート調査で、1年以上職を離れる女性のうち3割は年収が半分以下になっていることが分かった。 7割の人は年収が下がったと答えている。結婚や出産を理由に職場を離れる女性は仕事を再開しても、十分な収入を得られていない実態が明らかになった。
調査は「女性のライフプランニング支援に関する調査」。昨年12月にインターネットを使い、3100件の回答を得た。
女性は男性と比べると、結婚や出産のときに退職したり、長期の休暇をとったりすることが多い。休職の前後の年収を比べると多くの人が「減った」と答え、「増えた」としたのは10.3%にとどまった。特に結婚して子どももいる人は、43.8%が「半分以下になった」と答えた。
離職後に収入が減るのは、子どもがいる女性は正社員として働きにくいことなどが背景にある。未婚の女性は43.4%が正社員だが、3歳以下の子どもを持つ正社員は10.3%に減る。
県警が二〇〇六年中に「変死体」などとして取り扱ったのは千六百六体で、前年より百三十四体増え、過去最多となったことが三日、県警捜査一課のまとめで分かった。中でも自殺が四百体を突破して四分の一を占めるなど、深刻な社会問題を反映している。
まとめたのは、発見段階で事件性の有無や死因がはっきりせず、県警が検視や見分をした死体の数。性別では男性が千百三十五体と全体の七割に上る。
60代超過半数
年齢別に見ると、六十歳以上が半数以上の八百七十二体で最多。働き盛りの三十―五十代は合わせて六百四十一体で、三十代以上が全体の九割を占めた。二十代は五十七体、二十歳未満は二十八体だった。
死因は「病死」が千九体(62・8%)で、総数を押し上げている。救急搬送の患者が亡くなった場合などは、その人の病歴や生活環境のデータがない病院側が「変死」として警察に通報することが多い。
ウオーキング中に路上で倒れた六十代の男性が搬送先の病院で死亡し、その後の警察の調べで病死と分かったケースなどがこれに当たるという。また、親せきや近所との付き合いが少なく、死後数カ月たって発見された孤独死の高齢者もいた。
高止まり傾向
「自殺」は四百二体(25%)で前年より四十三体増。二百七十六体だった一九九七年に比べると約一・五倍の増加ぶりで、事業の失敗や借金、病苦が原因とみられるケースが多いという。
県内の自殺者は九八年に三百人を超えてから高止まりの状態が続いている。このため、県は昨年九月、県内の医師や労組関係者、悩み相談の窓口など精神保健にかかわる機関の代表らでつくる「自殺対策協議会」を発足。自殺の背景や予防策を探るなどの取り組みを進めている。
このほか、傷害致死や殺人などの「事件」による変死が十体。一酸化炭素中毒や転落、溺死のほか、腐乱したり白骨化したりして死因が特定できなかった人もいた。
署別では、那覇三百九十三体、沖縄百六十体、名護百二十六体、うるま百二十二体などと続いた。
四病院団体協議会の治療費未払問題検討委員会はこのほど、未収金対策に関する作業部会を設置、4月から6月まで3カ月をかけて未収金を発生させない対策を「事務管理マニュアル」としてまとめることを決めた。同時に治療費未払問題検討委員会では未収金の回収に関する「対策マニュアル」の作成もすすめ、7月以降に2つのマニュアルを会員病院などに配布する。
産科医不足のため、出産前の健診を診療所、出産を飯田市立病院で役割分担する体制を導入している飯田下伊那地方で、出産を経験した母親の81%が不満を抱えながらも、「やむを得ない」と考えていることが3日、信大医学部の金井誠講師が行ったアンケート調査で分かった。
現体制を導入した後の昨年2-3月と9-11月に、同病院で出産した399人にアンケート用紙を郵送、238人から回答を得た。回収率は59・6%。
調査結果によると、現体制について「よくできた体制」は18%で、「即刻この体制を中止すべき」は1%にとどまった。「若干不満があるがやむを得ない」が62%、「大きな不満があるがやむを得ない」が19%を占め、産科医不足の現状を受け入れざるを得ない現実を浮き彫りにした。
診療所での妊婦健診について「満足」「やや満足」が計47%だったのに対し、「不満」「やや不満」は計26%。市立病院での分娩(ぶんべん)は「満足」「やや満足」が計79%、「不満」「やや不満」は計9%と、健診、分娩ともに満足している人の方が多かった。
飯田下伊那地方では05年夏から06年春にかけ、出産できる医療機関が6から3に半減。昨年1月、34週未満の健診は診療所、出産は同病院で扱う体制を導入した。
金井講師は県内の産科医、小児科医を各広域圏の連携強化病院に重点配置することを提言した県検討会の委員も務める。アンケート結果について「母親たちが現状を冷静に受け止め、地域の理解が進んでいる」と話し、「産科医が急に増える見込みがない以上、飯伊の事例は県内の産科医療を崩壊させないための一つのモデル」としている。
これに対し、飯伊地方の母親らのグループ「心あるお産を求める会」の松村道子会長=上伊那郡中川村=は「産前の地域連携は進んでいるが、産後の連携は進んでいないのが課題」としている。
地方の医師不足が深刻化している。医師の総数は年4000人のペースで増え続けているにもかかわらずこうした事態を招いているのは、医師の偏在が急激に進んでいるからだ。何とか医師を確保しようと、破格の奨学金を設けたり、医学部の地域枠(地元出身者の入学枠)を拡充させたりと行政も手は尽くしている。さらに国は20年来の方針を転換させ、来年は11大学で医学部の入学定員を増加させることを決めたが、効果が現れるかは不透明だ。
千葉県は来年から、県内に付属病院を持つ東京慈恵医大、東京女子医大、日本医大などの6私大の中から2大学と協定を結び、毎年各大学2人の計4人に、在学6年間で総額3200万円を上限とした異例の奨学金を創設する。奨学生は国立の千葉大学医学部と同等の学費(6年間で約350万円)だけを負担し、不足分を補う3000万円超の高額奨学金は、卒業後に県内の自治体病院などの医療機関に9年間(小児科と産科は7年間)勤務すれば、全額返還が免除される。
全国の都道府県で、人口10万人当たりの医師数が3番目に少ない千葉県では、過疎地から都市部へ医師が流出し続け、昨年3月には県東部の成東病院(山武市)で内科の9人の常勤医全員が辞職。夜間の救急医療体制が崩壊した。その後も、県内では産科や小児科などの診療科を閉鎖する公立病院が相次いでいる。
「一刻も早く自前で医師を供給する仕組みを確立する必要があった」と、千葉県医療整備課の土岐健文・前副課長は奨学金の趣旨を説明する。
◆◇◆
地方の医師不足解消への効果が期待されている地域枠(入学定員の10%前後が主流)の拡充も、2年前から加速している。今年は18大学で地域枠入試を実施し、来年は旭川医大、新潟大、奈良県立医大なども新たに実施する予定だ。
さらに来年からは、弘前大学、三重大学など11大学の医学部で、最大10人、入学定員が増やされる。国は昭和61年以降、厚労省が算出した医師の需給見通しに沿って、医療費抑制と将来の医師過剰を避けるという理由で医学部の定員総数の削減を続けてきた。ピーク時に全国で約8400人にのぼった入学定員は、現在では約7100人(約15%減)になっており、入学定員増は方針転換を意味する。ただ、あくまで国の基本スタンスは「絶対数は足りており、偏在が医師不足の原因」というもので、定員増も最長10年の暫定的な緊急措置だ。
◆◇◆
多くの医療現場の関係者が偏在を加速させた要因としてあげるのが、平成16年の臨床研修必修化に伴って導入された「マッチングシステム」だ。マッチングとは医学生にとって就職活動のようなもので、日本医師臨床研修マッチング協議会に希望などのデータを登録すると、コンピュータが希望に合う(マッチする)研修先を探してくれる。
従来は研修といえば、出身の大学病院で行うことが多かったが、マッチングシステムが導入されてからは学生の視野は全国に及び、基本的に売り手市場(ほぼ9割が第2希望までに入れる)なため、結果として都市部の病院や魅力的な研修プログラムを備えた病院に集中するようになった。
現状を踏まえ、日本医師会の諮問委員会はこのほど、臨床研修を終えた医師のへき地勤務義務化を盛った報告書をまとめたが、強制には反対の声も根強い。
≪医学部が定員増となる大学≫
【国立】弘前大、秋田大、山形大、新潟大、山梨大、信州大、岐阜大、三重大
【公立】福島県立医大
【私立】岩手医大、自治医大
■人口10万人当たりの医師数(人)
全 国 211.7
(1)徳 島 282.4
(2)鳥 取 280.6
(3)東 京 278.4
(4)京 都 274.8
(5)高 知 273.6
(6)福 岡 268.0
(7)長 崎 262.5
(8)岡 山 258.8
(9)島 根 253.0
(10)石 川 252.8
(11)香 川 249.7
(12)和歌山 247.8
(13)熊 本 247.5
(14)大 阪 244.6
(15)大 分 238.5
(16)山 口 237.9
(17)広 島 237.0
(18)愛 媛 233.2
(19)富 山 230.4
(20)佐 賀 228.2
(21)鹿児島 224.3
(22)宮 崎 218.4
(23)北海道 216.2
(24)福 井 212.4
(25)兵 庫 207.1
(26)沖 縄 204.9
(27)奈 良 204.3
(28)群 馬 201.4
(29)宮 城 201.0
(30)滋 賀 200.8
(31)栃 木 200.2
(32)山 形 198.8
(33)秋 田 193.2
(34)山 梨 193.0
(35)長 野 190.9
(36)愛 知 184.9
(37)三 重 184.3
(38)新 潟 179.4
(39)岩 手 179.1
(40)福 島 178.1
(41)静 岡 174.9
(42)神奈川 174.2
(43)青 森 173.7
(44)岐 阜 171.3
(45)千 葉 152.0
(46)茨 城 150.0
(47)埼 玉 134.2
※厚労省調べ。平成16年12月31日時点
全国の総合周産期母子医療センターなどの代表者が作る「全国周産期医療連絡協議会」(末原則幸代表)が、同センターにある母体・胎児集中治療室(MFICU)の実態調査を初めて実施した。05年1年間の妊婦の搬送依頼に対する受け入れ率は最高100%、最低27%と開きがあり、危険なお産を引き受ける「最後のとりで」とも言える施設間で大きな差があることが分かった。
調査は、昨年8~11月に全国の同センター60施設を対象に実施し、59施設から回答があった。受け入れ率は平均で72%だったが、東京・大阪の都市部は平均46%にとどまった。都市部では複数施設が調整し合っているという実態はあるが、「満床で断ることが増えている」「MFICUにだれを入れて、だれを出すか、毎日検討している」など、切迫感に満ちた意見も寄せられた。
勤務医数は最大38人、最低3人で、平均は12.9人。大学病院を除くと平均7.9人にとどまった。現場の産科医1人あたりの1カ月の宿直回数は最大10回に上り、平均でも月6.5回だった。24時間態勢の施設のため、労働基準法に沿うと交代制が必要だが、実際に交代制を導入しているのは3施設だけ。宿直制を取っている残りの56施設のうち、宿直明けも早めに帰らず翌日夜まで通常勤務をしているのが全体の8割にあたる48施設に上った。1晩あたりの宿直医数も平均1.7人で、同時に複数の患者に対応できる2人に満たなかった。
調査した海野信也・北里大教授は「妊婦の受け入れ率の平均が3分の2を超えたことは、厳しい勤務環境の中でも現場が頑張っている数字と言えるが、施設間の差は大きい。体制が整備されているべき総合周産期母子医療センターでの過酷な勤務実態も問題だ。厚生労働省は早急に改善に乗り出すべきだ」と話している。
▽母体・胎児集中治療室(MFICU) 母体や胎児の命に危険があるお産に24時間態勢で対応する施設。切迫流産や妊娠中毒症など地域の診療所などで対応できないお産を受け持つ。妊産婦や新生児専門の救命救急センターとして、96年から全国の大学病院や総合病院などで整備が始まった総合周産期母子医療センターに設けられている。
◇違反でも指導に限界
大阪市立北市民病院(同市此花区)の産科は05年8月、休診に追い込まれた。厚生労働省が示す宿直回数などの基準を満たそうにも、産科医不足で必要な医師数を確保できなかった。
「宿直勤務は週1回、日直勤務は月1回を限度とする」。厚労省が02年3月、日本病院会などに送った通知にはそう明記されている。同病院は休診直前まで、産婦人科医3人と大学病院からの宿直応援で対応していたが多い時には夜間の宿直や休日の日直が月12回に及ぶ医師もいたという。
北市民病院産科の休診後、大阪市は住吉市民病院を分娩(ぶんべん)施設の拠点にしようと、産婦人科医を4人から5人に増やした。同市立総合医療センター(同市都島区)の前田美樹・運営課長は「市立病院間で医療機能の選択と集中を行うことにした」と説明する。
ところが、1年もしないうちに、この体制も崩れてしまう。開業などで医師が次々と退職し、昨年9月には3人に減ってしまった。住吉市民病院の医師は、月7~8回の当直をしなければならなくなった。今年4月からようやく医師5人に戻ったが、当直体制はまだ固まっていない。
■ ■
宿日直の問題は、回数だけにとどまらない。
医師に宿直や日直をさせるには、労働基準監督署長の許可が必要だ。厚労省の通知は許可条件として、「病室の定時巡回など軽度・短時間の業務で、十分な睡眠時間が確保されなければならない」とする。許可されれば、宿日直は労働時間にカウントされない。
しかし、頻繁に救急患者への対応が必要で、昼間と同様の勤務内容が常態化している場合は、宿日直扱いはできない。宿日直も労働時間にカウントされるため、医師の労働時間が週40時間以内になるよう複数の医師による交代制にするか、時間外・休日労働の割増賃金を支払う必要がある。
ところが、厚労省が03~04年に指導、監督を実施したところ、宿日直に関して全国430施設で法令違反が見つかった。特に195施設は「昼間と同様の労働に従事することがまれではない」ことが判明した。
■ ■
99年にうつ病で自殺した小児科医、中原利郎さん(当時44歳)の労災認定訴訟の判決が先月、東京地裁であった。裁判長は、妻のり子さん(51)の訴えを認め、「月8回もの宿直は長時間勤務と同等のストレス要因」と指摘した。中原さんの宿直について「疲労を回復し得る程度の深い睡眠を確保することは困難だった」とし、事実上、宿日直とは言えない状況であったことを認めた。
判決後に会見したのり子さんは「いいかげん、医師を使い捨てにするような労働環境を改善してほしい。これ以上医師を殺さないでください。私の夫は『病院に殺される』と言って亡くなりました」と、声をつまらせた。
控訴を断念した厚労省は、理由を「関係機関と検討した結果」とだけ説明した。改善策については「問題があれば、指導をしている」と歯切れが悪い。医師不足の実情を考慮し、直ちに宿日直の許可を取り消すのではなく、時間をかけて指導する姿勢だからだ。
昼間と同様の勤務をしているのに、労基署から宿日直の許可を取り消された病院はほとんどないとみられる。厚労省の担当者は「医師の養成を増やさないと、いくら指導しても改善には限界がある」と本音を漏らした。=つづく
==============
ご意見、ご感想をお寄せください。ファクス(03・3212・0635)、Eメール[email protected] 〒100-8051 毎日新聞社会部「医療クライシス」係。
最近のコメント