(関連目次)→大淀事件
(投稿:by 僻地の産科医)
速報が入りました(>▽<)!!!!
判決は予想通り、
原告側の全面敗訴 です。
詳細はこちらをどうぞ!!!(続々入ってくると思います)
大淀病院事件、嬉しくない当然の判決
うろうろドクター 2010/3/1
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/31136998.html
転院拒否で妊婦死亡、遺族の賠償請求を棄却
読売新聞 2010年3月1日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100301-OYT1T00808.htm
奈良県大淀町立大淀病院で2006年8月、出産時に脳内出血で意識不明となった高崎実香さん(当時32歳)が相次いで転院受け入れを拒否された末、搬送先の病院で死亡した問題で、夫の晋輔さん(27歳)と長男、奏太ちゃん(3)が「主治医の判断ミスで転院が遅れた」として、町と主治医に計約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、大阪地裁であった。
大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は「主治医に過失はなかった」などとして原告側の請求を棄却したが、「人の命の大切さをもう一度考え、救急医療や周産期医療の充実を求めたい」「産科医が一人しかいない『一人医長』問題への対策を期待する」などと異例の付言をした。
判決によると、実香さんは06年8月8日午前0時過ぎ、同病院で分娩(ぶんべん)中に頭痛を訴えて意識を失い、午前1時40分頃にけいれんを起こした。主治医は午前1時50分から転院先を探し、実香さんは午前6時頃、大阪府吹田市の国立循環器病センターに搬送されたが、奏太ちゃんの出産後に死亡した。
「救急は名ばかり」大阪地裁言及 妊婦の遺族訴えは棄却
朝日新聞 2010年3月1日
http://www.asahi.com/national/update/0301/OSK201003010134.html
奈良県大淀町の町立大淀病院で2006年8月、出産中に意識を失った高崎実香さん(当時32)が19病院から転送を拒否された末に脳内出血で死亡したことをめぐり、夫の晋輔さん(27)=奈良県五條市=ら遺族が町と当時の担当医師(62)に慰謝料など約8800万円の賠償を求めた訴訟で、大阪地裁の大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は1日、遺族の「診断を誤り、すぐに処置しなかったのが原因」とする訴えを棄却する判決を言い渡した。
ただ判決は、付言で「もっと早く搬送されれば助かったのではという気持ちは十二分に理解できる」と指摘。そのうえで、日本の救急医療について患者が何時間も待たされる事態があることを挙げ、「救急医療とは名ばかり。命を守ることは国や地方公共団体に課された最も基本的な義務だ」と述べ、救急体制整備に異例の言及をした。
妊婦転送死訴訟:遺族の請求棄却 裁判長、救急医療充実を
毎日新聞 2010年3月1日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100301k0000e040070000c.html
奈良県大淀町立大淀病院で06年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先で死亡した問題を巡り、遺族が町と産科医に約8800万円の賠償を求めた訴訟の判決が1日、大阪地裁であった。大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は遺族の請求を棄却したが、19病院から受け入れを断られた経緯に触れ、「産科救急医療の崩壊と言われており、充実を願いたい」と意見を述べた。原告は、夫晋輔さん(27)と転送先で生まれた長男奏太ちゃん(3)。
実香さんは06年8月7日、分娩のため同病院に入院。8日午前0時ごろ頭痛を訴え、間もなく意識不明になり、けいれんを起こした。産科医は妊娠高血圧症の子癇(しかん)と診断し、病院は産科救急の転送先を探し始めたが、19病院から受け入れを断られた後、同5時47分ごろ、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に搬送。頭部CT検査で血腫が見つかり、帝王切開で奏太ちゃんが生まれたものの、実香さんは同月16日、脳内出血で死亡した。
原告側は「当初から脳の異常を疑っていれば適切な対応ができ、救命できた」と主張。町と産科医側は「当初の段階では誤診とは言えず、救命可能性もなかった」と反論していた。判決は「午前0時の段階で脳内出血が生じたと考えられ、救命可能性は低かった」と指摘した。
「重症患者引き受ける体制を」=搬送拒否で裁判長付言-遺族請求は棄却・大阪地裁
時事通信 2009年3月1日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100301-00000100-jij-soci
2006年、分娩(ぶんべん)の際に脳内出血を起こし、19の医療機関に受け入れを断られ死亡した奈良県大淀町の高崎実香さん=当時(32)=の遺族が、町立病院の担当医の診断ミスが原因として同町などに約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁の大島真一裁判長は1日、「医師に過失はなかった」として請求を棄却した。
同裁判長はその上で「『救急医療』は名ばかりで、崩壊の危機にあると評される。実香さんの死を無駄にしないために、重症患者をとにかく引き受ける体制づくりが必要だ」と異例の付言をした。
訴えていたのは夫の晋輔さん(27)ら。
原告側は、実香さんが意識を失った直後に脳の異変を疑い検査すべきだったと主張したが、同裁判長は「担当医が緊急事態と判断し、検査より早期搬送を優先したのは合理的。病態の進行は急激で、最善を尽くしても救命できなかった」と述べた。
判決によると、実香さんは06年8月7日深夜、町立大淀病院で分娩の際、意識を失った。担当医は陣痛による失神と判断し、けいれんなどの症状が出たため搬送先を探したが、満床などの理由で相次いで断られた。8日、国立循環器病センター(大阪府)が受け入れ、脳内出血が判明。帝王切開で出産したが、実香さんは16日に死亡した。
大淀病院の西浦公章院長の話 さまざまな観点から審理が尽くされた結果であると受け止める。今後病院として医療体制の充実に努力していく。
また一枚、薄氷の上の歩みが進んだというところでしょうか。
控訴審がどういう評価を下すのか、まだ先のことですが、安心できません。
投稿情報: rijin | 2010年3 月 1日 (月) 15:39
当然の判決です。
投稿情報: 放置医 | 2010年3 月 1日 (月) 17:41
判決を聴きに行きました。棄却で良かったです。
傍聴券の抽選で並んでいるときに、遺族の父親の方が支援者の方と話しているのが漏れ聞こえました。それで思ったこと。
遺族の方々にとって、あくまでも医師対患者のマンツーマンの関係なんですね。医師が抱えている他の患者さん達は眼中にない...
確かに、患者にとって「医師を独占しているが如く」の対応を望みたいものですから判らないでもないのです。が、それって無理じゃん... と思うのですよね。
判決の最後に、一人医長の問題を裁判官は触れていました。
大淀病院の医師は前夜が当直であり、当日早朝国立循環器センターに同行した後 午前の外来をしていることに触れて、産科医の労働時間の過酷さをあげ、一人医長であることが医師にとって過酷であり、ひいては患者にとっても万全の医療が受けられない事になりかねないと。
これを遺族の方々はどのように聴いたのかは判りませんが、裁判官が「一人医長の問題」に触れざるを得なくなったことに、時の推移を感じました。
投稿情報: ばあば | 2010年3 月 1日 (月) 17:59
当然の判決結果ですが、まずは、医師側の主張が裁判所に認められ、安心しました。
投稿情報: 通りすがり | 2010年3 月 1日 (月) 18:24
お忙しい中、更新ありがとうございます。今回の裁判は、被告はもちろん、原告にとっても負担に見合うものは得られなかったのでは、と思ってしまいます。付言で指摘された問題が改善しない限り。
投稿情報: きよ | 2010年3 月 2日 (火) 12:40
きよさま!お世話になりました!!
また本当に有難うございました。
(お疲れ様でした!!)
次がないことを祈って、また別のところでぜひ再開しましょう。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2010年3 月 2日 (火) 14:25