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(投稿:by 僻地の産科医)
一昨日、参加してきたのですが、まずは総論からo(^-^)ow。
(プログラムは以下の通りでした)
http://iryoushimin.cocolog-nifty.com/blog/
17:00より19:30
司会:黒岩祐冶
足立智和(丹波新聞・記者)、大谷貴子(元白血病患者)、大塚勇二(NPO法人みんなの歯科ネットワーク・副理事長)、神津仁(神津内科クリニック・院長)、黒川衛(全国医師連盟・代表)、小松秀樹(虎の門病院泌尿器科・部長)、崔秉哲(滋賀県立成人病センター放射線治療科・医師)、塩見健三(がんまんクラブ・代表)、竹内麻里子(医師のキャリアパスを考える医学生の会)、豊島勝昭(神奈川県立こども医療センター新生児科・医長)、取手涼子(初台リハビリテーション病院・ソーシャルワーカー)、長尾和宏(長尾クリニック・院長)、中田善規(帝京大学麻酔科・教授)、畑中暢代(東京大学・看護師)、福田衣里子(薬害肝炎被害者)、竜宗正(千葉県がんセンター・センター長) 他
なんとまぁ!
短い時間になにもかも詰め込んだようなプログラム。。。
それに一人3分づつのプレゼン。。。
期待できないかなと思っていたのですが、
司会がプロだけのことがあったのか、とてもまとまりよく、
またプレゼンターのレベルが高かったことと、
バランスよく配分されていて、とても面白い会になりました。
川田龍平議員に始まり、梅村聡議員、鈴木寛議員など
(あとの議員さんは認識できず、すみません)が参加され、
橋本岳先生、村田修一選手からも応援メッセージ。
(村田先生のお子さんはNICUに入られた経験をおもちとのことで
説得力のあるご挨拶でした!)
政治家、患者の方、医療関係者と3拍子そろったのは画期的ですが、
こういう会に
厚労省の方が来てくれればもっとステキなのに!
と思いましたです。
さて、黒岩祐冶アナウンサーの司会で
「日本は世界一の医療といわれているが、
市民に実感されないまま崩壊に至ろうとしている」
との前置きから3分づつのプレゼンリレーがスタートです。
元白血病患者の大谷貴子さんから、
「お金もない、医者もいない」という実感が語られた後、
神奈川県こども医療センター 豊島勝昭先生より、
NICUというのは赤ちゃんの40人に1人が入る場所で、
早産児が増え、救命率も上がり、慢性的満床状態であるにも
かかわらず、財源が限られており、医療が高度化しているのに
医師もNsも確保が難しい、人手がかかる状態で、
なんとかモチベーションを保ちながらやろうとしている
状況が紹介されました。
滋賀県立成人病センターの崔秉哲先生からは、
病院の労務管理とみなし管理職についての説明。
また当直時間帯の勤務についての違反の指摘がありました。
(下記M3記事参照)
全国医師連盟黒川衛先生から、
臨床医の三大不安は
訴訟不安 過労 経営不安
とのこと。
これらの3要素を取り除いていかないと
医療は持続不可能だという意見で、
「経営不安」というとなんだかよくわからないようですが、
診療報酬のはしご外し、コロコロ変わる医療態勢、
3分ルールやそういった医療行政についてへの批判で、
うまいことまとめていらっしゃるな!という感想ですo(^-^)o ..。*♡
東大医科学研究所畑中暢代看護師さんから、
米国での先端医療などは国民から募金を募っている話。
こういった活動は大変だけれども、
医療の発展や日々受ける医療について人々が考える契機にもなっていて
こういった努力が日本にも必要なのかもしれないという
モデルケースの参考になるようなお話でした。
開業の神津仁先生と長尾和宏先生からは、
地域医療について苦労しているお話や、
望まざる在宅医療などのゆがみが
国の政策からでてきているお話。
黒川先生がおおざっぱにまとめられた
「経営不安」より患者側の目線で、
実際に困っていらっしゃる患者さんの話と感じられました。
思わぬ「在宅医療」の弊害が「駐車禁止」なのだそうです。
最近取締りが厳しく、医療行為には大きな荷物が必要だったりして
大変だというようなお話でした。
歯科医師の大塚勇二先生からは、歯科の
診療報酬が2006年から急激に下げられたために、
歯科技工などの費用をコストカットせねばならず、
歯科技工師たちは生活が成り立たなくなっていて、
さらに材料代も切り下げたために中国製など、
問題のある材料をつかわねばならない話がなされました。
プレゼンのあとに議論がなされ、長時間労働、
診療報酬のゆがみについてが議論の対象になりました。
また日本医師会ではなぜ「現場」の議論が上がっていかないのか、
国に伝えることが出来ないのか?
というお話もありましたが、
医師会と一口に言っても、
・日本医師会
・都道府県医師会
・地域医師会
は別物で日本医師会以外は地域に根ざした活動を行っている。
どうも代議員制というのが悪いらしく、
代議員になるのに何十年もかかり
おかげで幹部になった頃はすっかりお爺さんで、
「もう10年もしたらいないしね~ボクたち」
という状態なのだと仰っていましたね。。。。
学会でもわりとエライ先生方はおじいさんで、
似たようなところがあるかもしれません。
現場にすべて丸投げで、お金もない人がいない
過剰労働だけれど、工夫してやっていくしかない
でも歳をとっても続けられるようなものでなくてはならない、
現場のやりがいをなんとか作って行かねばならないし、
人材をどのように育成していくのか、
という熱い議論がかわされました。
また本当に忙しい先生は学会はいうに及ばず、
このような議論の場に出られないなどの問題点も。
「勤務医は何故声をあげられないのか?」
という問いもありましたが、
純粋に私達に言わせれば、
「そんな時間ないもんっ!
あったりまえじゃん(>_<)!!!
家に帰る時間削って、体力削って、こんなところにいるなんて、
もはやタダの医療オタクなんだから!」
わからないのかなぁ。。。訊かないでよそんなこと!!!
家中に反対されて出かけてるのに、
みんながそんなことするわけないじゃん。
第二部などもありましたが、それはまた。
成育センターの久保先生も会場から
周産期医療に関する診療報酬などの考えを
述べられていました。
周産期医療の大変さもすこしでも会場に伝わったのではないか
(というよりも、他の医療も本当に大変そうではありましたが)
問題点が共有されるようになれば少しは現場もよくなるのでは
と可能性が期待されるような会でした。
M3からの報告も先に出してしまいましょうo(^-^)o ..。*♡
私からも各論報告もまた出していきたいと思います。
「救急外来は宿直医対応では不可能」
「医療志民の会」の設立シンポジウム開催
多岐にわたる問題提起を展開
橋本佳子編集長
m3.com 2009年4月13日
http://www.m3.com/iryoIshin/article/95206/
4月11日に東京都内で、300人以上の出席者を集めて、「医療志民の会 設立シンポジウム」が開催された。約2時間半近くに及んだシンポジウムは、「第一部 志民発の医療再建~今何が問題になっているのか~」、「第二部 志民発の医療再建~これからどうずればいいのか~」という二部構成で、勤務医や開業医、看護師、地域住民、患者など、計15人のシンポジストが様々な立場から、各自が考える医療の現状の問題提起あるいは改善に向けた取り組み事例を紹介した。
話題は非常に多岐にわたったが、複数のシンポジストが異口同音に指摘していたのは、「医師不足」「医療訴訟のリスク」「低医療費政策」の問題。中でも、医療者の参加者が多かったためか、賛同を得たのが、元滋賀県立成人病センター放射線治療科医の崔秉哲氏の発言だ。
シンポジウムの参加者は300人以上に上った。
「宿直医による救急外来の対応は、賃金のピンはねと同じ」
崔氏は、この3月まで滋賀県立成人病センター放射線治療科の部長を務めていたが、「名ばかり管理職だった」と自己紹介。同センターは2008年4月に、労働基準監督署から、院長を除く管理職は、実態上、管理職ではないとし、「時間外手当」を支払うよう、是正勧告を受けている。
是正勧告では、医師の宿直についても指摘された。「医師“当直”と称する勤務は、夜間勤務に相当する。にもかかわらず、労働基準法37条に定める時間外手当を支払わないなど、労基法に定める労務管理を怠っている。“名ばかり管理職”は労務問題のごく一部であり、この宿直問題の解決が重要」(崔氏)。
崔氏は2008年5月に、自民党のプロジェクトチームでも講演。その際に、「当直明けの通常勤務をしているのは98%であるが、ほとんどは宿直での対応」などの現状を問題提起した。労基法41条による「宿直」は、「常態として、ほとんど勤務することのない勤務」であり、「救急外来は宿直医対応では不可能」とした。「宿直医による救急外来の対応は、勤務医の賃金をピンはねし、休みを与えないことと同じ。また、労働時間にも算入されないので、役所も目をつぶり、統計にも表れない。実は医師の過重労働は(統計よりも)もっと激しい」(崔氏)。
崔氏は、東京都立病院について、「宿直許可」を得ているかを調べるため、東京都や東京労働局に、情報公開請求を行った。そもそも救急外来を「宿直医対応」で行うことには無理があるものの、仮に「宿直医対応」で行うとすれば、「宿直許可」を行政官庁から得なければならない。都立駒込病院については「宿直許可書および宿直許可に伴う申請書の一切は、現在存在しない」という回答だった。都立墨東病院では、麻酔科医1人分の宿直許可があるのみ。都立府中病院については、1973年に「宿直許可申請書」が7人分出ているが、勤務内容として、「入院患者および救急患者の診療。ただし、簡易な診察受付をなし、他診療行為は宿直医以外の医師が診療する」と記載されている。
都立墨東病院と都立府中病院では、2001年から「東京ER」がスタートしているが、その後も、これらの宿直許可申請書および宿直許可は見直されていない。「いったい、誰がERを担当しているのか。宿直の問題を解決しない限り、救急医療の改善もない」と崔氏は強調、労基法をはじめ関係法令違反の状態が放置されていることを問題視した。
「今のシステムは、スーパーマンしか働けない。社会は一つのミスでも許さない状況になっている。スーパーマンががんばるほど、普通の医師がついていけなくなる。ドロップアウトすると『根性がない、体力がない』とされる。市民、行政、医療機関が合体して、医療を何とかしようとすると、全部、現場に負担が来る。三者が医療について議論する際、勤務医の実態がほとんど無視されている。既に医療崩壊は始まっているが、このままでは壊れ、ゼロになるかどうかだが、壊れたら元には戻らない。このことを前提に、医師が『労基法を遵守した普通の労働』をするためには、どの程度の医師数が必要かというボトムアップの議論から初めないとダメ。医師が生きていける社会、医師を大事にすることで医療が持続できる社会にしないといけない。特に、マスコミの方にはそのための啓蒙活動をお願いしたい」(崔氏)。
草の根的なネットワークが医療を変える時代に
もっとも、各シンポジトの問題提起は多岐にわたり、シンポジウム自体は総花的なものにとどまった。そもそも何らかの「結論」を出すのではなく、参加者の問題意識の共有自体がシンポジウムの目的だったと言える。
司会を務めたフジテレビ報道局・解説委員の黒岩祐治氏は、シンポジウムをこう締めくくった。「医療崩壊と言われる中、どうすればいいか。一つの大きな目標に向かって様々な分野の方々が、情報公開しながら、共通理解を持って、変えるところは変え、我慢するところは我慢するということをやっていかなければならない。その時期にちょうど来たのではないか。大きなシステムを変えることも大事だが、県立柏原病院(「県立柏原病院の小児科を守る会」)の事例にもあったように、医療者とそれを受ける側が、本当に目と目が見える、手触り感のある形で共同作業を行う、その積み重ねで医療の新しい姿を構築していけるのではないか」。
黒岩氏が指摘した「県立柏原病院の小児科を守る会」は、小児科閉鎖の危機に直面した同病院を救うために、子供を持つ母親らが立ち上げた組織。現在は小児科に限らず、地域医療全体を視野に入れた活動を展開するほか、同地域では他にも住民による活動が始まっている。そのほか、神奈川で新生児医療の崩壊阻止に向けて立ち上がった「頑張れNICU事務局」、千葉の山武地域で活動を展開する「NPO法人地域医療を育てる会」など、様々な草の根的な活動が活発化しつつある。
医療の問題は、各地域あるいは疾患に固有で個別性が高いもの、あるいは国に訴えるべきものがあり、その解決方法はおのずから異なる。問題意識を持つ人、あるいは団体が、お互いにノウハウや情報を共有したり、普段は別々に行動していてもお互いの目的が一致した時には一緒に行動する。そして目的を達すれば、また個々の活動に戻る。そして働きかける先は行政ではなく、政治……。「医療志民の会」はそんな有機的なネットワークを目指していると言える。
従来型の医療団体とは異なり、草の根的な組織が機能するか否かは、関係者が自立して活動できるか否かにかかっている。
「マスコミが日本の医療をダメにしたと思う」と竜氏
橋本佳子編集長
m3.com 2009年04月13日
http://mrkun.m3.com/mrq/top.htm
「そういうマスコミが、日本の医療をダメにしたのだと思う」
4月11日に東京都内で開催された、「医療志民の会 設立シンポジウム」後の記者会見でのこと。シンポジストで同会発起人の一人、千葉県がんセンター名誉センター長の竜宗正氏が、記者の質問に対し、こう切り返しました。
記者の質問は、「政治家には力がないので、政治が医療を変えることはあり得ない。医療行政の責任者である厚生労働省、あるいは中医協や医師会の責任者が、今日のシンポジストにいない。声をかけて断られたのか、あるいは会の趣旨に関係がないから初めから呼ばなかったのか。そもそも会の趣旨は何か。団結して医療を変えようというエネルギーが感じられない。変えるためのワンステップは、医療行政に影響力のある責任者を呼び、質すこと。ただの“仲良しクラブ”の雑談会では意味がないのではないか」といった内容でした。別の記者からは、「発起人は147人だが、会のメンバーは何人か。会はどんな法人格にするのか。報道するに当たって、会の全体像を知りたい」など、「組織」の形態を問う質問も出ていました。
この記者会見は、「会の趣旨説明ではなく、シンポジストとの交流の場」(医療志民の会の事務局)という、やや曖昧な性格で、事務局の仕切りに問題があったことは事実ですが、記者とシンポジストのやり取りは、非常に興味深いものでした。
この日のシンポジウムは、午後5時から午後7時半まで開かれ、15人のシンポジストが、勤務医あるいは開業医、看護師、患者団体など様々な立場から各自が今、考える医療の問題点を指摘しました。発言時間は一人当たり3分。話題は多岐にわたり、この時点で何らかの「結論」が出るはずはありません。そもそも主催者側はそれを期待しておらず、シンポジストが相互の、さらには300人以上に上った参加者が問題意識を知ることが狙いだったと思われます。
記者会見ですが、まず「会」の組織について、シンポジストかつ発起人の虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹氏は、「“かちっとした”組織ではなく、“ふあっとした”組織だと思う。それぞれが独自にやりなさいということではないか」とコメント。
竜氏は、「小松氏のことは知っていたが、親しく話したのはこの会がきっかけ。私はシンクタンクを作り、千葉県の医療をどうしていくかを、患者団体も含め、いろいろな方を集めてやっていきたいと思っている。現場の意見を医療政策に生かすような形で進めたい。その時に、この会で様々な情報をいただきたいと思っている。私たち医師は、狭い世界でやってきた。こうしたシンポジウムの場で、様々な真摯な意見を聞けたことは、私たちのこれからの活動の糧であり、その積み重ねが日本の医療をよくすることにつながると思う」と述べました。
さらに、シンポジストのメンバーについて小松氏は、「私自身は厚労省に何かを頼もうとは思っていない。今まで厚労省に物を頼み続けてきたが、全然うまくいかないことが分かってきた。厚労省にデータを出させて分析し、厚労省に命令するように、政治に働きかけるべき」と返答。
小松氏のコメントに対して、「(政治に働きかけて医療を変えることは)100年かかる」と記者が疑義を呈したところ、冒頭の竜氏の発言が出たわけです。「厚労省にお願いして、何かをやってもらおうという考え自体が間違っている。そんなことを戦後60年以上やってきて、結局、今の事態を招いた。厚労省にお願いする時代は終わった。厚労省にお願いすることを抜本的に全部変えない限り、問題は解決しないと思っている。医師や患者から上がってきた声をマスコミはどんどん伝えるべき。今やらなかったら、もう日本の医療は終わりなんだという意識を持ってほしい」(竜氏)。
従来、医療関連の団体・組織は、まず会の代表者と規約、運営方針、行動計画を定め、体裁を整えるのが一般的。そして厚労省の審議会に委員を送り込む…。こうした従来型の組織の限界を感じたからこそ、この「医療志民の会」が発足したのでしょう。「会」の形態を明確化すればするほど、組織運営自体が目的化する。会長や役員などの肩書きを求める人も出てくる。複数の立場の方が集まれば、優先順位を付けて行動せざるを得ない。そもそも厚労省の審議会に委員を送りこんでも何も変わらない……。
「医療志民の会」の活動は始まったばかりですが、同会がこうした問題意識を持っていることは確か。医療改革のプロセスは、トップダウンからボトムアップへと大きな変革期を迎えています。
竜さんに褒めてもらえたりして、私。・・・・笑
投稿情報: Med_Law | 2009年4 月14日 (火) 13:34
十分、褒めてもらえますo(^-^)o ..。*♡
今日の参議院質問、うまくいくといいですね!(もう終わったのかな)
あとで文字に起こしたいけど、あれ大変なんですよね。。。直明けにはつらい。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2009年4 月14日 (火) 13:40