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(投稿:by 僻地の産科医)
疲労でミス寸前、半数が経験
県内勤務医 過酷実態裏付け
京都新聞 2009/03/06
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009030600056&genre=C4&area=S00
滋賀県の病院に勤める医師の5割近くが、過去1年間に疲労が原因で医療事故やミスを起こしそうになり、7割超が以前より疲れやすいと感じている-。県がこのほど行った調査で、激務が指摘される勤務医の過酷な実態が裏付けられた。医師の使命感ややりがいについて、4割近くが「失われていく」と回答し、県は「地域医療を守るために、勤務医の負担軽減が必要だ」としている。
医師不足などの実態把握を目的に昨年12月、県内全60病院の勤務医1469人にアンケートし、927人から回答を得た。都道府県単位で行政が全勤務医を対象に行う調査は珍しい。
疲労から医療事故を起こしそうになったのは47%(434人)。最近1カ月の自覚症状について、最も当てはまる項目を問うと「以前と比べて疲れやすい」が「時々ある」「よくある」と合わせて73%(676人)に上った。「いらいらする」「朝起きた時ぐったりしている」「へとへとだ」なども60-70%が当てはまると回答した。
週当たりの平均超過勤務時間では、20時間以上が25%もいた。1カ月の平均当直回数は「2-3回」が54%と最多だったが「5回以上」も16%。当直明けは83%が「通常勤務」で、当直からの連続勤務時間は「24-36時間未満」が60%、「36時間以上」も30%に上った。
「患者や家族から暴言・暴力を受けたことがある」のは82%もおり、医事紛争経験者は21%だった。医師としての使命感ややりがいが増しているのは20%だったのに対し、「失われていく」と答えた人は37%。改善点としては「診療以外の業務を軽減」「休日の確保」「医師と理解し合える住民意識を醸成」を求める声が多かった。
県医療政策室は「勤務医を守るためにも、医療機関の機能分化や連携など地域で医療を支える仕組みが求められている。調査結果の分析から県が目指す方向をしっかりと打ち出し、医師が働きたいと思える環境をつくりたい」としている。
広島市立4病院:人手不足深刻
1カ月無休の医師6.8% 1日含め14% /広島
毎日新聞 2009年3月8日
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20090307ddlk34040519000c.html
広島市の市立4病院で、1カ月に休日が取れない医師が正職員、嘱託合わせて全体の6・8%に当たる25人に上ることが分かった。月に1日しか休みを取らなかった医師は27人おり、合わせて14・1%にも上る。市は「人手不足や医療への熱意で休日にも出勤している医師が多い。医師数を増やしたいのだが、経営面や人材面から難しい」と頭を抱える。
6日、この問題を松坂知恒市議が市議会予算特別委員会で質問した。同市は広島市民(中区)、安佐市民(安佐北区)、舟入(中区)、総合リハビリテーションセンター(安佐南区)の4病院を運営。4病院で368人が昨年11月1日現在で在籍している。08年10月5日から11月1日までの4週間で休みが0日だったのは、広島市民14人▽安佐市民9人▽舟入2人の計25人だった。1日しか休みがなかった人も27人いた。
08年4月から09年1月では、月100時間以上の時間外勤務を行った医師は安佐市民14人▽広島市民と舟入で各1人の計16人いた。6日の市議会で、大庭治・広島市民病院長らは「医師たちが休みがまったくない状態だったとは知らなかった。これから改善していきたい」などと答弁した。
勤務医の負担軽減を論議 県医師会2部会/岩手
岩手日報 2009年3月8日
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090308_5
県医師会(石川育成会長)の勤務医部会と病院部会の合同講演会は7日、盛岡市菜園2丁目の県医師会館で開かれた。勤務医の労働環境をテーマに、県立病院の院長らが女性医師の就業支援や医療クラーク(医療秘書)などについて討論。医師不足などを背景に勤務医の過重労働が問題になる中、その負担を軽減する方策について意見を交わした。病院長ら約100人が参加。パネルディスカッションでは、菅野千治県立宮古病院長、伊藤達朗県立千厩病院長、近藤ゆき子岩手医大薬理学講座助教、遠藤秀彦県立釜石病院長の4人が、医師の勤務環境について報告した。
増え続ける女性医師の出産や育児に伴う離職を防止するための方策として、近藤氏は「育児支援など職場の環境整備、個人と職場全体の意識改革が必要」と強調。その上で「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)が改善されれば、男性医師も働きやすくなるだろう」と述べた。
参加者からは「当直室や更衣室を整備するなど、病院が女性に対応する姿勢を見せないと女性医師は集まらない」「ワークライフバランスを進めるにはマンパワー(人的資源)が不可欠。医師不足の本県ではどうすればいいのか」などの意見が出された。
医師の事務業務を補助的に行う医療クラークについても議論。導入している千厩病院の伊藤院長は「書類作成業務など負担軽減になっているが、それでも医師に余裕はない。医師の絶対数が少ないと効果が小さい」と指摘した。参加者からは「これまで医師の手が回らなかったことができるようになっただけでも効果がある」「医師を支えていた看護師の負担が減っているケースもある」などの報告があった。パネルディスカッションに先立ち、ワークライフバランスを進めている大阪厚生年金病院(大阪市)の清野佳紀院長が講演。地域連携の重要性などについて説明した。
http://k.nhk.jp/knews/t10014626521000.html
全日空 ミス不問の制度導入へ
全日空は、パイロットなどから事故やトラブルの防止に役立つ情報をありのまま報告してもらうため、ミスを処分しないとする新たな社内制度を導入することになりました。
(3月9日 5時33分)
投稿情報: 麻酔科医 | 2009年3 月 9日 (月) 07:59