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(投稿:by 僻地の産科医)
日経ネットPlus 2009-01-11
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/medical/research/res090111.html
日本経済新聞社が実施した「医療と健康に関する意識調査」では、診察に納得いかなかった経験を持つ人の過半数が、別の病院で診察を受けなおしたり、別の医療機関の意見を参考にするセカンドオピニオンを利用したりするなど、受診に関して必ずしも1つの医療機関だけに依存しない傾向が浮かんだ。「かかりつけ医」は3人に2人が決めていた。
■医療機関の変更、若いほど抵抗なく
過去に受けた診察で「納得がいかなかったことがある」と回答した人は39.7%だった。その際の対処は、「医師に告げずに別の医療機関で診察を受け直した」が45.5%で最多。年代別では30代の61.7%が最も高く、若い年代の方が年配者に比べ、医療機関を変えることに抵抗がないようだ。診察に納得がいかなかった人の中には「別の医療機関の意見も参考にした」というセカンドオピニオン利用者も7.3%いた。
■「かかりつけ医あり」、20代女性は5割切る
かかりつけ医を決めている人は67.0%。70代以上は男女とも8割以上がかかりつけ医を決めていた。2008年4月にスタートした後期高齢者医療制度では、高齢者がかかりつけの「担当医」を決めれば毎月の診察料がほぼ定額になる料金体系が導入されており、高齢層で高い割合を示したのは同制度の影響もあるとみられる。
おおむねどの年代も女性の方がかかりつけ医を決めている割合が高いが、20代は逆転し、男性の54.4%に対し女性は47.2%だった。
■「患者様」呼称に6割が違和感
患者のことを「患者様」と呼ぶ病院がある。もともと「患者様」という呼称は、01年に厚生労働省が国立病院・療養所向けに出した指針で「原則として姓(名)に様を付ける」よう求めたことをきっかけに、患者本位の医療やサービス向上の一環として医療機関の間に広まったとされる。だが今回の調査では、この呼び方について違和感を感じる人が60.2%に上った。「何とも思わない」と回答した人は23.9%で、両者を合わせると、8割以上の人がサービスの向上とは受け取っていないことになる。一方、「大事にされていると思う」人は8.8%、「当然だと思う」は2.8%だった。
医療スタッフに対する暴力や暴言を吐いたり、過度の要求をしたりする患者(モンスターペイシェント)を誘発したという指摘もあり、「様」を「さん」などに戻す医療機関も多い。
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