(関連目次)→医療者と患者の感覚の違い 医師の雑感 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
このニュース、面白いなぁ(>▽<)!!!と思って!
> 望ましい死に対する認識の差は、
> 医師らが終末期の現実や治療の限界を知っているのに対し、
> 患者は死の経験がないため生じるのだろう。
というのはその通りだと思います。
それから、家族が、癌で最後かなり苦しんだ経験をもつ方も
私の経験上ではかなり諦めがよく、
「これ以上の治療は却って寿命を縮めますよ」
というお話に耳を傾け納得してくださる傾向があります。
誰にどのような治療をしたらいいのか。
それはわからないですけれど、
お話しながら決めていくしかないのかな。。。
どのような「死」でもやはり、まわりに悔いは残ります。
がん患者、最後まで闘病81% 医師は19%とギャップ
47NEWS 2009年1月14日
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009011401000549.html
がん患者や医師らを対象にした死生観に関するアンケートで、望ましい死を迎えるために、がん患者の81%は「最後まで病気と闘うこと」が重要と回答したが、医師は19%だったとの結果を、東京大の研究グループが14日、発表した。看護師も30%にとどまり、医療側と患者側の意識の違いが浮き彫りになった。
がん患者はどのように死を迎えたいと望んでいるかを探り、終末期医療の在り方に役立てる狙いで調査。東大病院の放射線科外来に受診中のがん患者と同病院でがん診療に携わる医師、看護師ら計1138人が回答した。
「やるだけの治療はしたと思えること」が重要という回答も患者の92%に対し、医師51%、看護師57%と、大きなギャップがあった。一方「体に苦痛を感じないこと」「家族と一緒に過ごすこと」などは患者も医師も大半が重要とし、差はなかった。
調査した宮下光令講師は「医療従事者の回答は、現実や実現可能性を反映していると思えるが、自らの価値観と患者らの価値観が必ずしも一致しないことを自覚すべきだ」と話している。
死への恐怖、がん患者より医師の方が強い
キャリアブレイン 2009年1月14日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/20068.html
医師はがん患者よりも死への恐怖感を強く抱いていることなどが、東大医学部附属病院のアンケート調査で分かった。同病院緩和ケア診療部の中川恵一部長らが1月14日、記者会見して明らかにした。中川部長は「医師は死を哲学的ではなく、科学的にとらえる傾向があることなどが分かった。医療者はがん患者の生き方に学び、歩み寄る必要がある」と話している。
【関連記事】
がん患者「健康時と変わらぬ生活望む」―東大調査
末期がんの女医が贈る患者へのメッセージ
「献体利用のトレーニング 日本でも」
医師・看護師、患者ら討議/ファイザー財団
「ゲノム医学の将来」で公開シンポ
同病院放射線科、緩和ケア診療部は昨年1月から1年間かけて、「死生観」と「望ましい死」についてアンケート調査を行った。対象は、同病院放射線科の受診歴がある患者312人と同病院の医師106人、看護師366人、無作為抽出した一般の東京都民353人の計1137人。患者は75%が治療済みで、治療中の人は20%だった。アンケートでは、各質問項目に対し「当てはまる」(「当てはまる」「かなり当てはまる」「やや当てはまる」)と回答した割合を集計した。
「死への恐怖」の項目で、「死がこわい」が当てはまると回答したのは、がん患者51%、一般市民56%に対し、医師は64%。「死は恐ろしい」というよく似た設問もあったが、こちらでも、がん患者、一般市民とも37%に対し、医師は48%と、医師の方が多かった。
「苦痛と死」の項目で、「死は苦しみからの解放」が当てはまると答えたのは、がん患者24%、一般市民18%に対し、医師は16%。「死は痛みからの解放」というよく似た設問もあったが、こちらでも、がん患者35%、一般市民26%に対し、医師は15%と、がん患者の方が多かった。
■「死後の世界」看護師は「ある」、医師は「ない」
「死後の世界に対する見方」の項目では、がん患者と一般市民に比べ、看護師は死後の世界を肯定し、逆に医師は否定する傾向が見られた。「死後の世界はある」の質問では、がん患者28%、一般市民35%に対し、看護師は48%と高く、医師は19%と低かった。「霊やたたりはある」も同様に、がん患者26%、一般市民33%に対し、看護師は44%、医師は21%。「また生まれ変わる」も、がん患者21%、一般市民30%に対し、看護師は44%、医師は18%だった。
中川部長は、がん患者の死生観について「『伝統的死生観』には頼らず、死を思い、死を恐れず、充実した今を生きている、と言えるのではないだろうか」と指摘。医師の死生観については「医師は科学的死生観を持っている。未来を希望する一方で、死を思うことは少なく、死への恐怖も強い」と語った。
※グラフは3点とも東大医学部附属病院提供
がん患者:「死後の世界」「生まれ変わり」信じる割合低く--東大が死生観調査
毎日新聞 2009年1月14日
http://mainichi.jp/select/science/news/20090114dde041040025000c.html
◇がん患者は現実的
がん患者は一般の人に比べて、死後の世界や生まれ変わりなどを信じない傾向が強いことが、東京大の大規模調査で明らかになった。また「望ましい死」を迎えるために必要なこととして、がん患者が健康時と変わらない生活を望んだのに対し、医師や看護師がそれを期待する割合は低く、認識の差も浮き彫りになった。
調査は、がん患者の死生観を知るため東京大の研究チームが昨年1月から1年間かけて実施。東大病院放射線科に受診歴がある患者310人と同病院の医師109人、看護師366人、無作為抽出した一般の東京都民353人の計1138人が協力した。患者は75%が治療済みで、治療中の人は20%だった。
「死後の世界がある」と考える人の割合は一般人の34・6%に対しがん患者は27・9%、「生まれ変わりがある」は一般人29・7%、患者20・9%で、患者の割合が目立って低かった。生きる目的や使命感を持つ割合は患者の方が一般人より高く、「自分の死をよく考える」という人も患者に多かった。
「望ましい死」に関しては、患者の多くが健康な時と同様の生活を理想とし、「(死ぬまで)身の回りのことが自分でできる」(93%)「意識がはっきりしている」(98%)--などを望んだ。一方、医療関係者はこれらについての期待がそれぞれ30~40ポイント低かった。また、「さいごまで病気とたたかうこと」を望む患者が8割に達したが、医師は2割にとどまった。
調査をした中川恵一・東京大准教授(放射線科)は「がん患者は死と正面から向き合っているようだ。望ましい死に対する認識の差は、医師らが終末期の現実や治療の限界を知っているのに対し、患者は死の経験がないため生じるのだろう。生きている時間を大切に過ごしたいという患者の思いに応える医療が必要だ」と話す。
いつどことは言いませんが、私の昔のオーベンは、患者さんが死ぬ前の日までがんと戦う医者でした。
いい先生なんですよ、勉強熱心で後輩指導も上手で、部下の過労も気遣うし。
もちろんがん専門、手術も上手でした。
でも、いくら上手な手術をしたって再発するものはする、転移するものはする。
化学療法をこれでもか、これでもかとかけるわけです。
そのうち骨髄が息切れしてきてグランとかかけても白血球が戻らなくなる、それでもがんばって時間をおいて次のクール。
そういう患者さんに外来で「いつまで続けるか、自分で決めてもいいのよ」とこっそり言っていました。
化学療法をやめてゆっくり家族と過ごす選択をして、亡くなっていったお方もいました。
がんばる医者もいていいと思う。がんばりたい患者さんもいると思うから。
でも、がんばれないときに「もうがんばらなくてもいいよ?」と言ってあげられる医者も、いないとダメだと思うのです。
投稿情報: suzan | 2009年1 月16日 (金) 12:00
https://news.cabrain.net/article/newsId/20129.html;jsessionid=2D7F1D5B7ADF19251615E0B02145C781
なんちゃって救急医先生の記事です。
投稿情報: 麻酔科医 | 2009年1 月16日 (金) 20:33
面白い統計データですね。
投稿情報: 医師募集 | 2009年1 月17日 (土) 13:05