(関連目次)→産科医療の現実 目次 地方医療の崩壊 実例報告
(投稿:by 僻地の産科医)
福島県のいわき市医師会報より、
このような産婦人科の話題が届けられましたo(^-^)o ..。*♡
5文字以内で表現するなら「パツパツ。」あるいは「一杯一杯。」
7文字なら「もうダメかも・・・」
大野事件判決日のシンポの時点でも、いわき市市議さんは
「もう、本当にギリギリの状態です!」
と仰っておられました。
そういえば、福島中央テレビで昨日から12日(金)の1週間、
「医療の行方」というシリーズ企画が行われているようです!
もし見られる方はみてあげて下さい!
更にこの上、日立病院の産婦人科瓦解が4月に。。。(;;)。
うまく乗り越えられることを祈っています。
産婦人科医療の崩壊(いわき市の場合)
かしま病院 産婦人科
鈴木 庸介
(いわき市医師会報 第451号 2008年10月号 P14 )
8月20日に、大野病院裁判の判決が下りました。
皆様も御存知のとおり ”無罪” であり、検察側も控訴を断念し、加藤先生の”無罪”が確定しました。一般に刑事事件の場合、起訴されると裁判では99.7%が有罪になるそうです。今回の場合、それを考えますと刑事裁判では奇跡的なケースと考えられます。この裁判を機に、”産婦人科医療の崩壊が進んだ”と言われていますが、いわき市ではどうでしょうか。現状を述べてみたいと思います。
私が福島県立医大から福島労災病院に赴任してきたのは、2000年10月でした。この時点で、いわき市には、産婦人科のある病院は、磐城共立病院、福島労災病院、松村総合病院、呉羽病院の4施設、また、分娩を扱っている開業の先生も12施設存在しました。病院に勤務している産婦人科医の数も、一番多いときで、磐城共立病院に7名、福島労災病院に4名、松村総合病院に3名、呉羽病院に2名と合計16名おりました。
ところが、現在の状況といえば、産婦人科のある病院は磐城共立病院1施設のみ、婦人科ではかしま病院1施設のみ、そしてそこに勤務している産婦人科医の数はそれぞれ4名と1名で、合計でもたったの5名、1/3以下になってしまいました。分娩を扱っている開業の先生も6施設と半減しました。分娩数が減少しているといっても、10年前から1割減少しているだけで、依然として、いわき市には年間3,000から3,500件の分娩があります。勿論、婦人科の手術件数は減っておりません。こういった状況で、産婦人科医は、分娩、手術をこなしております。
皆様の中には、いわき市の産婦人科施設を、昨年の4月に磐城共立病院に集約化し、これで安泰だとお考えのかたもいらっしゃると思います。確かに、その時点では、磐城共立病院には非常勤医師も含めて8名の産婦人科医がおりました。しかし前述しましたが、現地点では4名と半減してしまい、本多先生をはじめとして、磐城共立病院産婦人科に勤務している先生方の仕事の量は、限界をはるかに超えております。私の勤務しているかしま病院でも、お手伝いの先生(中田先生と矢野先生)に助けていただきながら、婦人科手術を行っていますが、現時点でも、3~4ヶ月待ちの状態です。9月からは、私も磐城共立病院産婦人科で当直をする予定で、磐城共立病院産婦人科に勤務している先生がたの負担を少しは軽くできるかもしれませんが、これも根本的な解決方ではありません。
このように、いわき市の場合、産婦人科の医療は崩壊しつつあり、徳俵1個でかろうじて踏みとどまっているのが実情です。では、どうすれば崩壊を食い止められるのか?最終的には、病院に勤務する産婦人科医の数(できれば、磐城共立病院に勤務する産婦人科医の数)を増やすしかありません。そのためには、自治体であるいわき市は勿論のこと、医師会や市民の皆様が声を上げて、産婦人科医をいわき市に招請しなければならないと思います。そうして、どうすればいわき市に産婦人科医が残ってくれるのかを議論していかなければなりません。
このままだと、皆様の子供さんやお孫さんが妊娠しても、いわき市では分娩ができなくなり、御家族が婦人科疾患にかかっても、いわき市では手術を受けられなくなります。そうならないように、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
婦人科手術3~4ヶ月待ちって、ウチ(いわきじゃないけど東北地方中核都市)では当たり前なんだけど、何か?
この病院で産婦人科研修を受けると、それはそれはできるようになって帰ってくると評判だったのにねぇ。
当時の部長が自殺してからすっかり変ってしまったようです。
自殺の原因?…過労、だったんじゃないかな?
10年以上前のことですけどね。すでにそのあたりから、産科医療崩壊は序章を迎えていたってこってす。
投稿情報: suzan | 2008年12 月 9日 (火) 16:00
東北地方は段々とひどくなっていきますね。
産婦人科崩壊は緩やかに10年前から始まっていたように思います。
「そのうち産婦人科医なんかいなくなる」
と入局時にいわれたのが理解できなかったのは、もうかなり昔のように思えるのですが。
まさかこんなんになるなんてね。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年12 月 9日 (火) 16:27
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=2711
あれ、、
超奴級病院出撃
いわき市立2病院統合へ常磐病院施設を民間譲渡
まさにここですか?
投稿情報: 麻酔科医 | 2008年12 月 9日 (火) 21:37
ど・・・どうだろう???
わかりません(;;)。
(東北人じゃないので~)
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年12 月10日 (水) 00:14
地元住民ですw
磐城共立病院と常磐病院は、統合されるみたいです。
どちらも、給料が安い上に勤務がキツいらしくて、お医者さん達は逃げてしまうんだとか(噂ですけど)
8年ほど前に、自殺された磐城共立病院産婦人科の部長は、当時医療ミスがあって、それを苦にした自殺だったとか。
真相は、本人にしか判りませんが・・・
お医者さんが、3~4ヶ月待ちの手術を、1人でするのが普通の時代になったんですね。
おちおち病気にもなれませんww
投稿情報: nori | 2008年12 月10日 (水) 09:41
事情を知っていますが、アレは医療ミス、ではありません。
あえて言えば、急激に重症化した特殊な病気の患者さんが亡くなり、そのときたまたま夏休みをとっていた部長が「自分が休んで手が足りないことで手遅れになったのか?自分さえいたらなんとかなったかも…」とご自分を追い詰められたのも、自殺のひとつの原因になった、とされております。
投稿情報: suzan | 2008年12 月11日 (木) 09:00