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(投稿:by 僻地の産科医)
新型インフルエンザのガイドライン改定案が提示
木下 愛美
MTpro 記事 2008年11月25日掲載
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0811/081129.html
感染拡大時の対策を具体化
厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議(座長=国立感染症研究所感染症情報センター長・岡部信彦氏)は,11月20日,昨年(2007年)3月に策定された対策ガイドラインの改定案を示し,担当委員による説明をもとに議論を行った。
改定案が示されたのは,(1)検疫,(2)感染拡大防止,(3)個人,家庭および地域における対策,(4)埋火葬,(5)積極的疫学調査実施要項(仮題),(6)抗インフルエンザウイルス薬,(7)医療体制,(8)サーベイランス,(9)情報提供・共有(リスク・コミュニケーション)-に関する9分野。国内未発生の第一段階から感染が拡大した第三段階までの各段階における具体的対策が盛り込まれており,今後,政府の方針として正式に打ち出される。
発熱外来で患者を振り分け
軽症者は感染蔓延期には自宅療養に
改定案のポイントは以下の通り。
感染拡大防止には公衆衛生学的対策が重要となることから,新型インフルエンザの患者が発生した地域においては,不特定多数の者が集まる活動の自粛や学校の臨時休業を実施する。
感染発生早期には,感染の疑いがある患者は保健所などに設置される「発熱相談センター」に電話で問い合わせをし,その指示に従って医療機関を受診する。感染が確認された場合には入院治療を受けるが,感染蔓延期には,軽症者は原則として自宅療養となる。
新型インフルエンザの暴露を受けた者に対しては,第二段階には,同居者および患者と同じ学校や職場などに通う者に対し,抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を実施し,第三段階には,増加する患者の治療を優先し,同居者以外への予防投与は見合わせる。いずれの段階においても,患者に濃厚接触した医療従事者や水際対策関係者は予防投与の対象となる。
抗インフルエンザウイルス薬の選択では,オセルタミビルを第一選択薬とし,オセルタミビル耐性ウイルスにはザナミビルを使用する。
医療機関については,発生前の段階から,慢性疾患の患者に対して定期薬を長期処方する,発熱外来を準備するとしている。入院措置中止後は,かかりつけ医が電話診療を行って感染が認められた場合,ファクスで処方せんを発行できる。
医療体制について,出席した委員からは,「学校などを閉鎖すると(育児中の)多くの医療スタッフが出勤できなくなるが,それについての対策は議論されているのか」という質問があり,担当委員は「今回の改定では取りまとめに至らなかったが,医療機関における事業継続計画については,重要な検討問題と考えている」と述べた。
また,発熱外来の具体的な実施方法や有効性を問う意見に対して,「発熱外来については議論が白熱しているところであるが,発熱している患者とそうでない一般患者を分ける努力は必要である」と答えた。
感染拡大期の検査体制に関して具体化されていないといった指摘があり,座長の岡部氏は「すべての患者に病原検査をすることが実際的であるかどうかという問題はある。診断キットの開発などを進める一方で,具体的に議論しなくてはならない部分である」と述べた。
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