(関連目次)→医療事故安全調査委員会 各学会の反応
(投稿:by 僻地の産科医)
もちろん、死因究明検討会、
第16回のニュースがどのように配信されているかも
ちょっと集めてみようと思いますo(^-^)o ..。*♡
いまだに“医療事故調”の目的が定まらず、迷走続く 第16回検討会
「医療過誤は犯罪!」by 前田座長 第16回死因究明検討会 その1
罵りあいの部分
ロハス・メディカルブログ 2008年11月11日
http://lohasmedical.jp/blog/2008/11/post_1484.php
死因究明検討会16(2)
ロハス・メディカルブログ 2008年11月11日
http://lohasmedical.jp/blog/2008/11/post_1485.php
っていうか、最近キャリアブレインニュースの検討会がらみ、
記事が面白くも何ともなくなってきましたね。
あれだけのことがあって、これだけしか書けないのか?
という気がしてしまいます(>▽<)!!!!
ついでと言ってはなんですが、
海堂先生の書評も発見したので載せておきます!
死因究明検討会 警察への通知、病院と日医が10分以上言い争い
Risfax【2008年11月11日】
厚生労働省は10日、「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」を開き、医療版事故調査委員会の設置について、医学部病院や病院団体からヒアリングした。医療事故調が原因究明だけなく、重大な過失やカルテの改ざんがあった場合に警察へ通知する仕組みに対し、病院側と日本医師会が激しく言い争った。
全国医学部長病院長会議の嘉山孝正参考人(山形大学医学部長)は、限定的とはいえ警察への通知を認めると「ちゃんとした調査ができなくなる。刑罰は切り離して欲しい。迷惑だ」などと語気を強めて主張。日医からは事前に、警察の介入はないとの説明を受けていたと舞台裏を明かした。そのうえで、すでに各地域の大学病院に事故の調査機関があるのだから、改めて中央で医療事故調を創設する必要はないとの持論を展開した。
この意見に対して、医療事故調の設置に一定の理解を示す日本医師会の木下勝之常任理事は、「勝手な解釈だ。迷惑というのは不本意」と反論。日医の解釈では、あくまで医療界で責任追及し、事故の繰り返しや重過失がある場合にだけ、警察に知らせる仕組みであることを強調した。
しかし、木下氏は納得せず、医療事故調の設置案を「普通の人が読めばペナルティがあると思う。小学生でもわかる」と一歩も引かず、日医と解釈にズレがあることを露わにした。
3団体からヒアリング―死因究明検討会
キャリアブレイン 2008年11月11日
http://www.cabrain.net:80/news/article/newsId/19093.html
「第16回診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」(座長=前田雅英・首都大東京法科大学院教授)が11月10日に開かれ、全日本病院協会、全国医学部長病院長会議、医療過誤原告の会の3団体からヒアリングを行った。
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全日病の徳田禎久常任理事は、医療事故の原因究明などを行う委員会の名称が、自民党案の「医療安全調査委員会(仮称)」に変更されたとして、「委員会の本来の設置目的からずれてきた」と批判。同検討会の「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案」の第3次試案については、「原因究明・再発防止と責任追及が同じ組織で行われることになる、第3次試案には反対の立場を取る」ことを明言した。
また、日常の診療において患者、家族の信頼を得るために、▽患者、家族に診療内容を十分に説明することで納得してもらうこと▽リスク回避も考慮した診療システムの構築▽診療記録を電子化し、修正された場合の記録(時刻、修正理由等記載)も残るような、改ざん不可能なシステムづくり▽診療の経過を必要に応じて説明(予定通り進まない場合も)▽医療行為で患者に不利益をもたらす結果になった場合、診療記録を提示して説明し、患者、家族の疑問も記録すること―の5点を医療機関に義務付けるべきだとした。
全国医学部長病院長会議の「大学病院の医療事故対策に関する委員会」で委員長を務める山形大の嘉山孝正医学部長は、「ハイリスクの医療を担う大学病院は、医療事故への対応を厳しく行っている」と、この10年間の大学病院の意識や制度の変革を強調。第3次試案の内容については、「事故調査と患者救済が混在している。この2つは分けて考えるべきだ」と述べた。
さらに、医療安全調査委員会については、「多くの大学病院の調査委員会は十分に機能している。機能していない病院に厳重なペナルティーを科すようにすれば良い。(医療事故の調査などは)大学病院を中心に行えば、明日からでも動く」と力説した。
25年前に娘を医療事故で亡くした、医療過誤原告の会の宮脇正和会長は、第3次試案の「医療死亡事故の届出」について、届出範囲に該当すると医療機関の管理者が判断したにもかかわらず、虚偽の届出を行う、もしくは故意に届出を怠った場合、「死者や社会に対する明確な犯罪行為として、厳しく対応すべき」だと発言。さらに、「内部告発者の救済制度を明確にしてほしい」と訴えた。
質疑応答の中で、嘉山氏は「やはり医療サイドと患者サイドの相互理解が進んでいない。宮脇さんが受けたことは犯罪。カルテを隠ぺいしたとか、書き直したことは公文書偽造。それと医療の結果が悪いことは全く別だ」と反論。徳田氏は「医療安全の観点で事故死をどうとらえるのかという議論を、ここでしっかりやってほしい」と述べた。
大学病院の事故調活用を提言 <死因究明ヒアリングで嘉山氏>
Japan Medicine mail 2008/11/11
厚生労働省の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」(座長=前田雅英・首都大学東京法科大学院教授)は10日、全国医学部長病院長会議・大学病院の医療事故対策に関する委員会の嘉山孝正委員長(山形大医学部長)ら3人からヒアリングをした。嘉山氏は、大学病院の事故調査委員会を活用した医療事故防止の制度化を私案として主張した。
医師作家・海堂尊の〝発信〟の重さ
月刊「新医療」 和田努の「医療・健康・福祉をついて考える」
http://wadajournal.com/essay/shin_iryo/2008/may.htm
医療を守備範囲にしているジャーナリストとして、海堂尊という作家はとても気になる存在であった。全作品を読んでみた。2005年、『チームバスタの栄光』でデビュー。以来長編小説8作、専門書1作、9作品を上梓している。わずか3年間でこれだけ密度の高い作品を世に問う筆力には驚嘆する。しかも病理医として病院勤務しながら、なのだから脱帽ものである。
比較的新しい作品『ブラックペアン1988』(講談社刊)はタイトルどおり1988年の出来事を描く。海堂作品ではいちばん古い時代を描いている。この年は、海堂が医師としてスタートした年にあたる。
<そこには現在の医療問題のすべての萌芽が見られる。……ある個体を構成するすべての細胞が、たった一組の遺伝子から形成されるように、二十年前にばらまかれた医学の遺伝子が現在の医療を形成している>と書く。
中心静脈栄養輸液(IVH)が、初めて臨床の場に登場する場面が描かれる。なるほどこの時代だったのか、と感慨を覚える。がんの告知をする場面も出る。今では殆どのがん患者が告知されるが、この時代は20%くらいしか告知さていなかった。
『ジーン・ワルツ』(新潮社刊)は、現時点で最新刊。ヒロインは、美貌の産婦人科医、人工授精のエキスパート。体外受精、代理母出産など、生殖補助医療という生命倫理的な問題に取り組む。
海堂作品を発表順に通読したのだが、短期間に多作しているにもかかわらず、小説作法はますます洗練され、破綻がない。奇想天外なフィクションを編み出す想像力のすごさ。私は海堂作品の面白さにすっかり堪能したのだが、この作家のすごさは、単にエンターテイメントだけにあるのではない。作品を通読して、現職の医師、それも外科医を経て病理医であることの体験が書かせる圧倒的なリアリティである。いまひとつは病理医の冷徹なまなざしを、医療界の問題点、すなわち〝社会的病理〟に向けているということである。医療界の人に勧めたいと思い、この稿を書いた次第。
『死因不明社会――Aiが拓く新しい医療』(講談社ブルーバック)は小説ではなく、学術書だ。これまでの医学は、人が死ぬと身体を解剖し、なぜその人が死に至ったかを調べ、そこから得た知見を臨床医学にフィードバックさせてきた。ところが、解剖は年々行われなくなっており、日本の解剖率は先進諸国中最低レベルの2%台、98%の死者は、厳密な医学詮索を行われないまま死亡診断書が交付されているという。
日本は毎年100万人以上の人が亡くなっている。そのほとんどは「死因不明」のまま。このような無監査状態を放置すれば、医療は崩壊、治安は破壊され「犯罪天国」になると、警告する。解剖が衰退するのも理由はある。遺族に対して優しい検査ではないからだ。 そこで考えられたのが、死亡時画像診断、Ai(オートプシー・イメージングの略号で、エーアイと読む)だ。Aiは死後、遺体をCTやMRIで画像診断をする。解剖が敬遠される今日、Aiを中核にして死因不明社会に立ち向かうべきであると、病理医・海堂尊は主張する。海堂にとって、Aiを社会制度に組み込むことが、ライフワークであるという。
2004年、「福島・大野病院事件」が起きる。帝王切開で妊婦を死亡させたとして、医師法21条に基づく異常死届出義務違反と業務上過失致死罪に問われた産婦人科医が逮捕・拘留された。福島県警は2006年2月18日、逃亡も証拠隠滅の恐れもない産婦人科医を逮捕した。しかも手錠をかけて、だ。この逮捕劇は、医療界に衝撃を与えた。海堂は、「警察官僚による人災だ」と断じる。
〈捕劇は効果抜群でした。瀕死状態だった地域医療と産科医療はあの一撃で息の根を止められました。〉(『ジーン・ワルツ』から)。
医療崩壊という問題群に対して、警告のメッセージを発信。果敢に医療界や官僚に、メスの切っ先を向けている。
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