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（投稿：ｂｙ 僻地の産科医）
先週は、産婦人科学会は学会日和でしたo(^-^)o ..｡*♡
全国で大きな学会がいくつか開かれまして、
自分の参加した胎児治療学会についての感想をあげよう！
と思っていたのですけれど。。。
ここで一句。
「抄録を忘れてきたり、当直明け」（そのまんまですね）
というわけで、金曜日朝におうちの枕とお会いして以来、
わたくし、おうちの枕家族と再会できない状態なんです（；；）。
参加していないけれど、送ってきてくださった
「第35回 日本産婦人科医会学術集会」
抄録が、かなり面白かったので
あげさせていただきます！
まず今回はワークショップ２の
「妊娠中の急性腹症」から、
妊娠と虫垂炎について２本です（＞▽＜）！！！！
2本目がおススメ ..｡*♡
虫垂炎
滋賀医科大学母子診療科講師
喜多 伸幸
(第35回 日本産婦人科医会学術集会抄録 p46－47）
＜抄録＞
虫垂炎は、妊娠中に外科的治療を要する合併症として最も頻度が高い疾患の一つであり、文献により若干の差はあるものの、0.06～0.1％(約1500分娩に１例)と報告されている。しかし虫垂が増大した妊娠子宮により外上方あるいは子宮後面へ偏位することにより、腹膜刺激症状や筋性防御に代表される典型的な理学所見を呈さず、消化器症状や白血球上昇など妊娠により修飾される身体所見・血液性状の変化などがら、診断の遅れを生じる可能性がある。さらに、放射線被曝・造影剤などの胎児への影響を懸念するあまり画像診断を躊躇することにも繋がりかねず、初期診断の遅れをさらに助長することも稀ではない。そのため、穿孔性虫垂炎の頻度は非妊娠特の4～19％に対し、妊娠特では14～43％と高く、報告によっては虫垂切除をfirst trimester に行った際の流産率は約33％にも及び、さらにsecond trimesterでは約14％の症例が早産に至ったとしている。
本ワークショップでは、当科にて経験した妊娠合併虫垂炎の２症例、すなわち32週特に汎発性腹膜炎のため帝王切開術並びに虫垂切除術を施行した症例と、妊娠中に虫垂炎を疑い保存的治療を行った後、無事経膣分娩に至るも産褥２日出こ外科的仕置を行った症例を具体的に提示すると具に、本疾患の診断、治療上の問題点についても概説する。
虫垂炎
石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター
産婦人科調度期部門チーフ
平吹 信弥
(第35回 日本産婦人科医会学術集会抄録 p44－45）
＜抄録＞
【緒 言】
虫垂炎は妊娠中に産科数急以外で緊急手術が必要と今る合併症の中で最も多い疾患である。虫垂炎が妊娠に与える影響として以前より流産、早産、周産期死亡の増加が指摘されているが、当院でも予後不良側を数例経験しており自験例に文献的考察を交え報告する。
①症例1:
33歳、経産婦。妊娠23週１日、近医外科で虫垂切除術を施行。術後創感染を併発し術後25日(26週６日)ＰＲＯＭをきたし当院へ母体搬送。同日経膣で女児811gを分娩。日齢３より状態悪化しBacteroides fragilis による敗血症となり、治療に反応せず日齢14に死亡した。
②症例2:
26歳、初産婦。妊娠35週３日、当院外科で虫垂切開術を施行。術後腹痛が強く鎖痛剤を頻回に必要とした。術後５日(36週１日)腹痛増強、感染徴候の再燃のため帝王切開術を施行した。児は2,336gかっかが呼吸が弱く挿管、日齢５まで人工呼吸を必要とした。退院時（日齢19)に撮影した頭部ＭＲＩでcystic PVL が確認された。
【考 察】
当院での1999年から2007年の８年間に分娩総数4,219例率、妊娠22週以降に虫垂切除術を施行していた症例は上記２例を含む６例(0.14％)であった。帝王切開と同時に虫垂切除を行わなかったのは３例あり、上記の予後不良２例以外の１例も虫垂切除後５日目に破水し早産をきたしていた。３例はすべて術後に感染兆候が遷延していた。反対に帝王切開と同時に虫垂切除を行った３例は虫垂炎の程度はより重症であったにも関わらず術後の母子の経過はともに良好であった。
【結 論】
妊娠中の虫垂炎は従来から指摘されているようにハイリスクと考え、他行との連携が可能な周産期施設での管理が望ましい。特に胎外生活可能今週数であれば外科、新生児科と相談の上、帝王切開と同時の虫垂切除術も考慮されてもよい。
私も、２３週くらいで虫垂炎になった妊婦さんをみたことがあります。
いくら抗生物質を投与しても症状が悪化して、確か２４週すぎに帝王切開して外科に渡した（虫垂切除はこのときは行わず）その後イレウスを何度も起こしてしばらく入院なさっていました。
虫垂切除、すべきだったんですね…
患者さんが亡くならなくてよかったです。
投稿情報: suzan | 2008年10 月21日 (火) 13:56