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(投稿:by 僻地の産科医)
舛添大臣!頑張ってください!
ニュースの真相
やたらと多い大臣直属の検討会
「発信力を高めるため」と舛添厚労相
迷走する後期高齢者医療制度の見直し論議
(Japan Medicine 2008.10.10 p9)
最近、舛添要一厚生労働相直属の検討会かやけに増えている。「安心と希望の医療確保ビジョン検討会」に介護のビジョン検討会、最近は高齢者医療制度の見直しのための検討会も立ち上がった。なぜ、これほど「一大臣直属」にこだわるのか。舛添厚労相なりの考えがあるようだ。
◎一般紙は書いてくれない
「検討会や審議会はオープンになっているのに、マスコミはほとんど書いてくれない。書いてくれたとしても、ほんの数行程度。専門家が真剣な議論をしてくれていてもそれが一般国民にまで届いていない」
舛添厚労相は8月に行った専門紙各社との共同インタビューでこう述べ、厚生労働行政の発信力のなさ」を憂いた。その上で「だから、大きな問題を検討する場合は大臣直属にして発信力を高める」と力説した。
舛添厚労相はもともとテレビでなじみの顔ということもあり国民の人気も高いとされる,大臣直属の検討会に大臣自身が出席すれぱ、多くのマスコミも取材してくれる。そうすれぱ.多くの国民の知るところになる―,大臣の思惑はこんなところだ。
厚労省は多くの検討会審議会を開催しており、そのほとんどが公開されている。ただし‘一般紙などはほとんど取材しない.さすがに診療報酬を審議する中医協には多くの一般紙やテレビの記者も傍聴しているが、改定直前にでもならなけれぱ通常はほとんど記事にはならない。
10年以上にわたって痛論し現在の「独立型」に落ち着いた後期高齢者医療制度について、もう一度、大臣直属の検討会で議論しようとしている舛添厚労相の意図は、こうしたところにありそうだ。
後期高齢者医療制度の批判の最も大きなものほ「制度が複雑で分からない.役所の説明不足だ」というものだ。もう一度、大臣直属の検討会で「突き抜け型」「独立型」「りスク調整型」などを国民に分かる形で再検討し、納得してもらった上で新しい制度に移行すぺきだと大臣は考えている。
国民に人気のある大臣だからこそできる芸当だが、最近の舛添厚労相の発言を聞いていると.いささか暴走気味のきらいもある.
◎「大臣の意見は重みがある」
舛添厚労相は9月30日の閣議後の会見で市町村国保の運営主体を都道府県単位とした上で後期高齢者医療制度と一体化させる大臣私案を説明した際、「大臣の案だから重みがある.当然、与党ののプロジェクトチームでも今後検討を続けていく』と述べた,
あくまで厚生行政を引っぱるのは厚生労働大臣であり族議員ではないと叫んでいるようにも聞こえる.
さらに舛添厚労相は「大臣がやれと言ったら、それに従って動くのが役人の仕事。役所の案はない。大臣の案以外はない.それがまともな民主主義だと思う」と述べ、上意下達の道理を振りかざした,
大臣私案は国保を県単位に統一するという大きな改革である,当然、担当課に朗読があってしかるかるべきだが、1日に開かれた民主党の厚生労働部門会議に呼ばれた『武田俊彦国保課長は、大臣私案について『私自身はこの問題で大臣とご議論させていただいてはいない」と述べ.事前に大路から相談はなかったと説明した。
麻生太郎首相は「官僚は経営資源であり、使いこなさなけれぱいけない`と、事あるごとに述ぺている,確かに大臣のリーダーシップは必要だ.が、大臣1人で政策を遂行するわけではない。官僚も人間である。大臣の命令は絶対であり官僚は命令に従えばよいという態度では、官僚の反発を買い、かえって政策がスムーズに実行されなくなる危険も伴う。
河村氏、与党との調整要請 舛添氏の後期医療私案で
キャリアブレイン 2008年10月15日
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/18667.html
河村建夫官房長官は10日午後の記者会見で、後期高齢者医療制度の見直しに向け、舛添要一厚生労働相が提案した私案について「これまで積み上げたもの(改善策)もあるから、与党政調ともしっかり詰めてもらいたい」と述べた。
河村氏は「この制度をなくせば済むという問題ではない。しかし、高齢者が納得できる制度でないといけない。その方針は麻生太郎首相と(舛添氏は)一致している」と強調した。
舛添氏は同日午前の閣僚懇談会で、市町村単位で運営している国民健康保険を都道府県単位に再編した上で後期医療制度と一体化するなどの私案を説明。閣僚からは「これまでの制度が最もふさわしいと説明してきた。大幅に変わるのであればつじつまが合わない」との意見が出たという。
注目の改定項目届け出状況
「医師事務作業補助体制加算」の届け出状況
727病院が届け出
5病院以下の届け出は14県
(Japan Medicine 2008.10.10 p8)
2008年度診療報酬改定では、病院勤務医の負担軽減策として「医師事務作業補助体制加算」が新設された。本紙が行った全国届け出調査では、7月1日時点で、全国で727病院が届け出ていた.特に、東京都、北海道、大阪府、京都府、兵庫県などの大都市圏で届け出が多い傾向にあった。その一方で、県内の届け出数が5病院以下に止まったのが14県に達した。最も少ないのは新潟県の1病院だけだった
点数アップは次第改定の課題
本紙は、情報公開法に基づき各都道府県の社会保険事務局に対して行政文書の開示を請求し、7月1日時点で届け出ている医療機関名などの開示を受けた,
「医師事務作業補助体制加算」は、今回の診療報酬改定で病院勤務医の負担軽減策の目玉的項目の1つ。しかし点数改定後、病院関係者からは「1人の事務局員を雇用できる人件費にも満たない」など、不満の声が上がった項目だった,厚生労俯省は、「もともと人件費が充足するとは考えていない」とし、勤務医の負担軽減策への足がかりにしてほしいと説明していた。
さらに、民間病院ではすでに事務職員を医師の事務的作業を支援する業務に従事させるケースも出ていただけ1ニ、医療現場の動きを踏まえた診療報酬新設項目ともいえる。それだけに、点数アップは時期診療報酬改定の課題になっていくと考えられる。
新潟県の届け出は
新潟労災病院の1病院だけに
届け出数が少ない県としてはは、新潟県の1病院、石川県、滋賀県の2病院、青森県、富山県、島根県、高知県、宮崎県の3病院、三重県、佐賀県の4病院など。
これに対して届け出数が多いのは、大阪府が64病院の届け出で最も多く、東京都が59病院、兵庫県48病院、北海道43病院、京都府40病院などが続く。全体的に大都市圏での届け出か多い傾向にある.
新潟県の届け出は、新潟労災病院の1病院だけ、石川県はは公立羽咋病院.医療法人社団和楽仁芳珠記念病院の2病院。
滋賀県も社会保険滋賀病院、市立長浜病院の2病院だけの届け出となった。
3病院の届け出である青森県は、むつ総合病院(開設者=宮下順一郎〔一部事務組合下北医療センター管理者・むつ市長))、八戸市立市民病院、独立行政法人県立病院機構弘前病院.富山県は富山市立富山病院、真生会富山寓山病院、南都市民病院。島根県では松江赤十字病院、大田市立病院、独立行政法人国立病院機構浜田医療センター。高知県は医療法人近森会近森病院、高知県高知市病院企団立高知医療センター、高知県高知県立幡多けんみん病院。そして宮崎県は宮崎市郡病院。藤元上町病院.宮崎社会保険病院となっている.
1~3病院の届け出の県における届け出病院をみると、公立・公的病震が多く、民間の医療法人は少ない傾向だ.
医師・医療関係職種と
事務職の間での役割分担が課題に
「医師事務作業補助体制加算」は、医療・介護関係事業者におりる個人情報の適切な取り扱いのためのガイドラインおよび医療情報システムの安全管理に関するガイドラインに準拠し、事業範囲は医師およぴ・医療関係職と事務職員等との間で役割分担を規定、6ヵ月の研修め受講などか基準となっている。
点数は、一般病床数比での医師事務作業補助者の配置数によって4段階に設定されている。この項目でも病院勤務医の負担軽減に関する具体的計画を策定し、職員等に周知することが盛り込まれている。
特に、厚労省は事務職員についてては派遣も算定可能としたが、民間病院等の算定か伸ぴ悩む一方で、公立・公的病院等が算定に動く構図になっている.それだけに、同項目については、医師およぴ医療関係職種と事務職員の間での役割分担の在り方や、点数アップなどが今後の課題になっていくとみられる。病院勤務医の負担軽減策の「医師事務作業補助体制加算」の届け出が、今後、どう推移していくのか注目される,
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