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(投稿:by 僻地の産科医)
日本医事新報 N0.4397(2008年8月2日)
からですo(^-^)o ..。*♡
辻本さまの『新・医者にかかる10箇条』、好きです。
プラタナス
「賢い患者」「困った患者」
NPOささえあい医療人権センター
COML理事長 辻本好子
(日本医事新報 N0.4397(2008年8月2日)p1)
1990年の発足当初より、COMLの活動の合言葉は「賢い患者になりましょう」。しかし当時は、「これ以上扱いにくい患者が増えてもらっては困る!」というドクターのお叱りの電話が何本も届きました。
COMLの提唱する「賢い患者」は、医療の限界と不確実性を引き受け、賢く妥協し、賢く諦め、賢く選択しながら主体的に医療に参加すること。しかし、途中にはいくつもの高いハードルが並び、目指すゴールは果てしなく、かすんで見えない遥かかなた・・・。
とはいえ、やむなくも参加を決意した以上、患者にとって医療は決して他人事ではない、自分自身の人生の一大事です。悩み、迷い、決断を余儀なくされるそのときに、一人孤独に悩むより、“ともに歩んでくれる”誰かがいたら、どれほど心強いことか。「どうか一人で悩まないで!」というもう一つの合言葉とともに、COMLは今日まで、4万3000入金の方々の電話相談をお聞きしてきました。
ところが最近、ハードルをなぎ倒し、周りが見えないまま、自分さえよければと無理難題を押しつける、まるで思春期・反抗期のような「一部の困った患者」が医療現場を疲弊させ、世間を騒がせています。その遠因の一つはマスコミ報道、そして、「医療サービス」という言葉ではないかと考えています。
「医療サービス」は、平成7年版『厚生白書』の前文に登場して以来、何の説明も啓発もないまま一人歩きしてきたキーワード。お任せ医療に甘んじ、何か不都合が起これば陰で恨みつらみを言う、受け身姿勢の患者が突然、「医療はサービス」と旨われたら――。サービスならば良くて当たり前、自分の都合で受診して何か悪いとばかり、少なからぬ勘違いをする患者が現れても不思議はありません。
社会保障サービスは限りある社会資源であること
安全・安心は無償で手に入るものではないこと
一方的に要求するだけでなく、求める側にも覚悟と忍耐の努力が必要なこと
・・・などなどを、なぜ為政者はこれまで国民・患者に伝えてこなかったのでしょうか?
COML発足から18年。当初誤解もされた「賢い患者」は、ようやく医療現場に受け入れられるまでになりました。患者が「医療サービス」の何たるかを知り、何に努力すべきかを理解できるときもいつか来るでしょう。しかし、残念ながら医療現場にそのときの訪れをゆっくり待つ余裕はありません。ピンチはチャンス! いまこそ医療に「信頼」を取り戻すときです。
患者と医療者、互いに「この人に出会えてよかった!」と思える人間関係を再構築したいと心から願っています。
〇つじもとよしこ 1948年愛知県出身。ボランティア活動を通じて患者の医療への主体的参加の必要性を痛感し、90年、COMLで電話相談をスタート。「安心と希望の医療確保ビジョン」会議など厚労省の審議会、検討会の委員も務める。
COMLの辻本好子さんのお話を、数回聞いた事があります。
ホントの意味で、今の医療界を憂慮されており、医療従事者110番を開設されるなど、医療従事者に対して最も理解のある患者団体代表の一人と思います。
投稿情報: 風はば | 2008年9 月 5日 (金) 21:13