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(投稿:by 僻地の産科医)
子宮頸がん予防の会」発足 若い世代に検診呼びかけ
MSN産経ニュース 2008年9月10日
(1)http://sankei.jp.msn.com/life/body/080910/bdy0809100800001-n1.htm
(2)http://sankei.jp.msn.com/life/body/080910/bdy0809100800001-n2.htm
■低い認知度…ウェブ開設など情報発信へ
定期的に検診を受けることで予防できることが分かっている子宮頸(けい)がん。しかし、日本の検診率は2割ほどで、世界平均の6割、米国の8割と比べて著しく低い。こうした状況を変えようと、医師であり、娘を持つ母親である女性医師が集まり、「子宮頸がん予防の会」を今月、発足させた。近年、とくに発症例が増えている20~30代の若い女性に向けて、検診の大切さを呼びかけている。
会を発足させたのは、ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック院長の対馬ルリ子さん、社会保険相模野病院婦人科腫瘍(しゅよう)センター長の上坊敏子さん、水口病院産婦人科の村上麻里さんの女性医師3人。いずれも娘をもつ母親だ。対馬さんは「若い世代は妊娠して初めて婦人科を受診する人が少なくなく、妊娠と同時に悪化した子宮頸がんが発見される女性もいる。これはとても残念なこと。子宮頸がんは『予防できるがん』ということを一人でも多くの女性に知ってほしい」と発足の理由を説明する。
子宮頸がんは子宮頸部(膣部)に発生するがんで、全体の99%がHPV(ヒト・パピローマウイルス)の感染が原因で起こる。日本では毎年約8000人が新たに発症し、約2500人が死亡している。発症する年齢は20~80代と幅広いが、とくに20~30代の若い層の発症がこの20年で2~3倍に増えている。
HPVはありふれたウイルスで、性交渉があればだれでも感染する可能性がある。感染しても9割はがんにはならないが、がんになる場合も5~10年の年月がかかる。がんになっても早期の場合はほとんど無症状で、症状が出るころにはがんが進んでいることが多い。ただ、がんになる前から子宮頸部の細胞に異常が現れるため、定期的にこの細胞を調べる検診を受ければ、がんになる前に予防できる。しかし、腫瘍が専門の上坊さんは「受診する患者さんの中には、不正出血など症状が出てからの人も多い」と指摘。「若くても、がんが進行してからの来院では、いくら力を尽くしても助けることができない。早期発見できないがんならしようがないが、子宮頸がんは違う。早期発見のために検診が大事なことを知ってほしい」と訴える。
がんになる前、またはなっても、早期ならば治療が可能なので、命を落とすことはほとんどない。このため、子宮頸がんによる死亡を減らすには、いかに検診率を上げるかにかかっている。
OECDに加盟する23カ国で子宮頸がんの検診受診率を比べると、日本は23・7%と最下位。最も高かったのは米国で82・6%、平均は58・8%だった。
なぜ、日本の受診率が低いかを探ろうと、村上さんは6月、受診率が高い米国、平均に近い豪州、日本の3国の18~26歳の女性に対してアンケートを実施した。その結果、
▽子宮頸がんがどんな病気か知っているのは、米66%、豪59%、日20%
▽HPVを知っているのは、米57%、豪32%、日10%
-だった。受診率が高い国の人ほど病気の知識があり、病気や検診の情報を得ることが受診につながることが明らかになった。村上さんは「米豪では家族や友人から情報を得ている人も多く、この点が日本と違った。若い世代の受診を増やすには、いろいろなところで情報が得られるような受診のための環境整備が必要」と話す。
会では今後、検診受診率を上げるための改善策を検討するとともに、ウェブサイトの開設やニュースレターの発行、啓発イベントの開催など、若い世代を中心に情報を発信していく。
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