(関連目次)→大野事件 医療事故と刑事処分 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
なな先生からメールをいただきました(>▽<)!!!
「ななのつぶやき」が終了しちゃったんです。
そのご挨拶のメールでした。
長い間すばらしい文章をありがとうございました(>▽<)!!!
私たちは、実はとても仲のいい、
信頼しあえるお友達でもありますo(^-^)o ..。*♡
そんな、なな先生から以前頂いたメールのなかから、
大野事件が終了した今だからこそ書けるメールを、
そのまま載せさせていただきます。
エホバの方々は、我々医療者にとってはとても頭の痛い問題です。
ですけれど、さまざまな問題をかかえつつも、
やはり一人の患者さんでもあるわけです。
こんなところにも、被害者がいたのね、と思わざるを得ません。
でも断る病院の気持ちも十分に分かるのです。。。(;;)。。。
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エホバの証人の妊婦さんが、いらっしゃいました。
妊娠途中まで地元で健診をお受けになっていたのですが、
途中から、地元の病院では診られないやむを得ない事情が出て
県をまたいで当院までいらっしゃったのです。
大きな病院にいくつも断られて、非常にお困りになって、
ようやくたどり着いたようでした。
ご夫婦から痛く感謝されたのは予想内でしたが、
信者さんの中で、長老のようなおじいちゃまが2人、
わざわざお礼を言いに、病院まで来て下さいました。
8月上旬だったと思います。
父か、祖父でもおかしくないくらいのご年齢の男性2人に
丁寧に頭を下げられて、恐縮することしきり。
すると、突然
「先生、大野病院事件について、どう思われますか」
(えっ・・・)
長老のお話です。
「実はあの事件以来、私たちはとても困るようになりました。
今まではそれほど受け入れ先の病院に困ることはありませんでしたが、
あの事件以来、めっきり受けてもらえなくなったのです」
==================(以上、なな先生から)
輸血と分娩はきっても切れない縁があります。
だって大量出血、出血死亡は妊産婦死亡の現在第一位を占めています。
エホバの方々は重々それを承知です。
一般の方よりも、輸血に敏感だからこそ、
亡くなる可能性があることを十分に知っています。
多くの病院はそれでも通常の分娩程度であれば、
「亡くなった場合でも、訴訟はしないよね?」
と約束して受入れをしてきました。
でも。大野事件のように。
突然逮捕されるとしたら・・・・!!!!!
受け入れられなくなるのは当然のことです。
彼らも信教の違いと、私たち医療者との大きな考え方の溝があっても
同じ人間なのです。医療者としては受けてあげたい。。。
でもやっぱり刑事事件とはさほどに大きなものなのです。
誰も犯罪者にはなりたくない。。。。。
エホバの方々の行く末を考えると、
「分娩する場所もなくなってしまったのか。。。」
と暗澹たる気持ちになりました。
先生、ありがとうございます ..。*♡
投稿情報: なな | 2008年9 月10日 (水) 20:40