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(投稿:by 僻地の産科医)
景気低迷 介護・看護の現場に再就職を 岡谷の医療法人
信濃毎日新聞 2008年12月30日
http://www.shinmai.co.jp/news/20081230/KT081226GJI090011000022.htm
ケアマネ有資格者、全国で累計約47万人――厚労省
ケアマネジメント オンライン 2008年12月30日
http://www.caremanagement.jp/news+article.storyid+3377.htm
厚生労働省は12月26日、第11回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について発表した。職種別の合格者は、介護福祉士が最も多く6割を超え、他職種についてはいずれも10%に満たない割合となっている。近年、介護福祉士の受験が特化してきていると言える。
(注)
1.「合計」欄は、複数の法定資格の取得者を含むため、今年度の合格者数とは一致しない。
2.一部の都道府県では、「看護師、准看護師」、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」、「相談援助業務従事者、介護等業務従事者」について区分を行っていないため、これらについては一括計上した。
累計データを見ると、看護師、准看護師で介護支援専門員の有資格者は約14万6千人となり、介護福祉士の14万7千人とほぼ同数となる。他職種については、「相談援助業務従事者・介護等業務従事者」が10.4%である以外、いずれも10%に満たない割合となっており、全体の6割強が介護福祉士・看護師である計算だ。
(注)
1.「合計」欄は、複数の法定資格の取得者を含むため、全体累計の合格者数とは一致しない。
2.一部の都道府県では、「看護師、准看護師」、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」、「相談援助業務従事者、介護等業務従事者」について区分を行っていないため、これらについては一括計上した。
■問い合わせ
厚生労働省老健局振興課人材研修係
電話03-5253-1111 (内線3936)
厚生労働省
第11回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
福祉・介護職への復帰、給与などが壁に-厚労省調査
キャリアブレイン 2008年12月25日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19864.html
厚生労働省は12月25日、介護福祉士などの有資格者を対象に行った「介護福祉士等現況把握調査」の結果を公表した。福祉・介護分野の仕事を辞めた理由として、「給与等の労働条件が悪い」ことを挙げる回答が目立ったが、その一方で、福祉・介護分野へ復帰したいという回答も目立っている。
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調査は、「社会福祉士」「介護福祉士」「精神保健福祉士」の資格保有者のうち、何らかの理由で福祉・介護分野で就労していない「潜在的有資格者」の状況把握を目的としている。資格の登録機関である社会福祉振興・試験センターが、30万8583人を対象に実施。今年9月22日に調査票を送り、10月10日に回収した。有効回答数は、18万6379人(有効回答率60.4%)。
調査回答者は、社会福祉士2万6624人(14.3%)、介護福祉士15万2564人(81.9%)、精神保健福祉士7191人(3.9%)と介護福祉士が多い。男女別では、男性2万9706人、女性14万5809人と、女性の割合が高い。
回答者が就労している分野は、「福祉・介護分野」14万2980人(約77%)、「福祉介護以外の分野」1万5800人(約9%)、「未就労」2万7599人(約15%)で、資格を持ちながら福祉・介護分野で働いていない「潜在的有資格者」は4万3399人(約23%)だった。
■福祉・介護分野で就労している有資格者の状況
福祉・介護分野で就労している有資格者の雇用形態を見ると、「正規職員」の割合は、社会福祉士84.7%、精神保健福祉士83.2%で、65.5%の介護福祉士よりも高かった。正規職員の平均給与額は、社会福祉士24万9389円、介護福祉士20万715円、精神保健福祉士24万7120円となっている。
平均賞与額は、社会福祉士78万1420円、精神保健福祉士77万8141円に対し、介護福祉士は49万767円にとどまった。また、介護福祉士では「賞与なし」が25.8%を占めている。
毎年度の定期昇給では、社会福祉士の63.8%、介護福祉士の50.6%、精神保健福祉士の57.3%が昇給していた。「昇給している」と回答した人の直近の平均昇給額は、社会福祉士1万667円、介護福祉士8966円、精神保健福祉士1万1852円だった。
福祉・介護分野での転職回数を見ると、「1回-2回」と回答したのが、社会福祉士56.2%、介護福祉士47.0%、精神保健福祉士54.4%だった。
仕事上の不満や悩みについては、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士のいずれも「給与・諸手当が低い」の割合が最も高く、社会福祉士と精神保健福祉士ではそれぞれ45%強、介護福祉士では60%弱を占めている。
■福祉・介護分野以外で就労している有資格者の状況
福祉・介護以外の分野で働いている人のうち、「病院・診療所」で働いていると答えた人の割合は3つの資格とも最も高く、社会福祉士38.6%、介護福祉士25.4%、精神保健福祉士49.3%となっている。「公務員(福祉以外)」と回答したのは、社会福祉士が12.6%、精神保健福祉士が31.1%に上ったほか、介護福祉士については「サービス業」が15.2%を占めている。
福祉・介護分野の仕事を辞めた理由として「給与等の労働条件が悪いため」を挙げたのは、社会福祉士25.5%、介護福祉士32.2%、精神保健福祉士20.5%だった。
福祉・介護分野への復帰の意向を見ると、全体の約5割が復帰したいとする一方で、社会福祉士の約2割、介護福祉士と精神保健福祉士のそれぞれ約3割が「戻りたくない」と答えている。
■現在就労していない有資格者の状況
現在就労していない有資格者の状況では、現在働いていない理由として最も多かったのが「出産・子育てのため」で、社会福祉士の46.7%、介護福祉士の38.1%、精神保健福祉士の31.2%となっている。「腰痛等、体調を崩しているため」の割合は、介護福祉士で13.9%に上っている。
福祉・介護分野への復帰の意向を見ると、全体の約7割が戻りたいとする一方で、社会福祉士の約1割、介護福祉士と精神保健福祉士のそれぞれ約2割が「戻りたくない」という。
今後、福祉・介護分野へ復帰する上で改善してほしいこととして、最も多かったのは「資格に見合った給与水準に引き上げる」で、社会福祉士の64.8%、介護福祉士の62.4%、精神保健福祉士の56.2%に上っている。
厚労省社会・援護局の福祉基盤課では、「介護福祉士では、キャリアアップの道筋を付けて、意欲のある人を評価する仕組みが必要。また、子育てによる退職の割合が大きいため、仕事と子育てを両立させる仕組みが求められている」と話している。
介護従事者の処遇改善などに1680億円―厚労省第二次補正案
キャリアブレイン 2008年12月22日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19779.html
政府が来年1月5日召集の通常国会で提出する予定の「第二次補正予算案」について、厚生労働省は12月20日、「生活防衛のための緊急対策関係予算」として8986億円を計上することを発表した。このうち「介護従事者の処遇改善と人材確保等」が1680億円で、内訳は「介護報酬改定による介護従事者の処遇改善」が1154億円、「介護人材等の緊急確保対策の実施等」が526億円となっている。
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財務省によると、「麻生太郎内閣における経済対応」(当面は景気対策)は、▽安心実現のための緊急総合対策(11.5兆円程度)▽第一次補正予算(1.8兆円)▽生活対策(26.9兆円程度)▽生活防衛のための緊急対策(43兆円)―の計75兆円程度。
このうち、「生活対策」「生活防衛のための緊急対策」を実現するための措置が「第二次補正予算案」(平成20年度補正予算・第2号)で、政府は20日午前の臨時閣議で「第二次補正予算案」(4兆7858億円)を決定した。
これを受け、厚労省が12月20日に発表した「平成20年度厚生労働省第2次補正予算(案)」は、▽雇用状況の改善のための緊急対策の推進(4048億円)▽介護従事者の処遇改善と人材確保等(1680億円)▽出産・子育て支援の拡充(2400億円)▽障害者支援の拡充(869億円)▽医療・年金対策の推進(1324億円)▽各種施策の推進(86億円)―の6本柱。
このうち「介護従事者の処遇改善と人材確保等」が1680億円で、内訳は「介護報酬改定による介護従事者の処遇改善」が1154億円、「介護人材等の緊急確保対策の実施等」が526億円となっている。
また、「医療・年金対策の推進」1324億円の内訳は、▽高齢者医療制度の円滑な実施(1215億円)▽救急医療の充実強化(22億円)▽看護師・助産師の高度技能習得(1億円)▽医療分野の情報化の推進(3.8億円)▽先端医療機器等の整備(56億円)▽パンデミックワクチン製造能力強化事業(15億円)▽年金記録問題への対応(11億円)。
詳しくは、厚労省のホームページで。
http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/08hosei/02index.html
【平成20年度厚生労働省第2次補正予算案の概要のPDF】
http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/08hosei/dl/02index01.pdf
【財務省・平成20年度補正予算(第2号)に関するPDF】
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h20/hosei201220a.pdf
【平成20年度一般会計補正予算(第2号)等に関するPDF】
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h20/hosei201220c.pdf
処遇改善と重要性訴え大会―日本介護支援専門員協会
キャリアブレイン 2008年12月8日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19563.html
日本介護支援専門員協会は12月7日、東京都内で「第3回日本介護支援専門員協会全国大会in東京」を開いた。来年の介護報酬改定に向けた議論が大詰めを迎える中、介護支援専門員の処遇改善の必要性やケアマネジメントの重要性などを訴えることが目的。会場には300人以上の介護支援専門員が集った。
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大会ではまず、同協会の木村隆次会長があいさつ。「今大会は、介護報酬改定に向けて結集し、自分たちの要望を伝える最後のチャンス。1単位でも多い報酬を勝ち取りたい」と意気込んだ。また会場には、今月3日設立された「日本ケアマネジメント推進議員連盟」の発起人である鴨下一郎衆院議員(自民党)のほか、社民党の福島みずほ党首らも駆け付け、祝辞を述べた。
続いて厚生労働省老健局の土生栄二振興課長が「介護報酬の行方」をテーマに講演。「居宅介護支援事業所が非常に厳しい経営状態にある」「特定事業所加算も取りにくい」などの問題点を指摘した上で、3日に開かれた介護給付費分科会で厚労省が出した「介護報酬改定に関する審議報告(たたき台)」を紹介し、介護支援専門員にかかわる内容について解説。▽ケアマネ一人当たりの担当件数が40件以上となる場合、すべての件数に適用される現在の逓減制について、超過部分にのみ適用される仕組みに見直す▽特定事業所加算について、実態に即して段階的に評価する仕組みに見直す▽医療と介護の連携強化を図るため、入院時や退院・退所時に、病院などと利用者に関する情報共有などを行う際の評価を導入する▽ケアマネジメントを行う際、特に手間を要する認知症高齢者や独居高齢者に対する支援などについて報酬上での評価を行う―などの方向性を説明した。
シンポジウムでは、「安心な暮らしを支えるケアマネジメントの確立のために―介護支援専門員にかかる評価の行方」をテーマに、木村会長、全国老人保健施設協会の川合秀治会長、全国老人クラブ連合会事務局長の齊藤秀樹常任理事など5人が発言した。
川合会長は、「介護支援専門員は利用者の話を『聴く』ことが大切」と強調。「ケアプランは聴いたことの結果に過ぎない。利用者の話をすべてきちんと聴き、利用者のニーズを的確に把握したら、提供するサービスはみんな違ってくるはずだ。画一的なサービスにならないようにしてほしい」と述べた。齋藤常任理事も、「『危ない橋を渡らないように』と意識すると、サービスがパッケージ型になりかねない。苦しいことかもしれないが、介護支援専門員には、専門性を駆使して利用者本位のサービス提供を目指してほしい」と述べた。
さらに、介護支援専門員に求められる「独立性」を指摘する意見も出た。川合会長は参加者に対し、「事業所の母体となる施設に利用者を回していないか」と問いかけ、「利用者のサポートは、施設完結、法人完結ではなく、地域完結にならないといけない」と指摘。また齋藤常任理事は、「ケアマネが中立的な活動をするには、『独立』することが大切」とした上で、「この独立性が、今回の介護報酬改定で完全に担保されるとは思わないが、たとえ半歩でも、あるべき姿には近づいた」と語った。
木村会長は、「ケアマネには薬剤師出身、看護師出身、介護職出身などいろいろあるが、『元職(もとしょく)』にこだわって派閥を作っていては話にならない。介護支援専門員という、ケアマネジメントのプロの職能集団として認めてもらえるよう、一枚岩になっていくことが重要」と指摘。さらに、「現状では、介護支援専門員一人一人が、きちんと施設の経営者などに対し、処遇改善やケアマネジメントのプロとしての評価、適切な人員配置などを求めていくことができているとは言えない」として、「現状を変えるには、現場からの発信が必要」と訴えた。
介護職員半数「辞めたい」 医労連アンケ 低賃金、激務理由に/富山
読売新聞 2008年12月7日
http://www.yomiuri.co.jp:80/e-japan/toyama/news/20081206-OYT8T00815.htm
県内で介護職に就く人の約半分が「仕事を辞めたい」と思っていることが、県医療労働組合連合会(富山市)のアンケート調査で分かった。低賃金や激務などが背景にあるとみられ、同連合会は労働環境の改善を訴えている。
調査によると、「仕事を辞めたい」と思ったのは、「いつも」「しばしば」「時々」を合わせ、全体の51・1%。理由としては「賃金が安い」(42・3%)が最多で、「仕事が忙しすぎる」(38・7%)、「家族に負担をかける」(26・3%)と続いた。また、健康状態に不安を持つ人は56・9%に上り、「腰痛」を訴える人は53・8%、「倦怠感」が29・3%と、多くの職員が日常的に体調不良や疲労を感じていることをうかがわせた。同連合会の嵯峨猛書記長は「対策として介護報酬が引き上げられる予定だが、今後、高齢化は進展する一方。継続的に介護現場を支える取り組みが必要だ」と話した。
調査は今年1~3月にかけて実施。同連合会加盟の労働組合や県内の介護事業所275施設にアンケート用紙約2200枚を配布し、介護福祉士や介護ヘルパーら290人から回答を得た。
福祉・介護の人材不足深刻化 15日に職場説明会
信濃毎日新聞 2008年12月3日
http://www.shinmai.co.jp/news/20081203/KT081202FTI090018000022.htm
景気後退で雇用情勢が悪化する中、人手不足に悩む県内の介護・福祉分野の事業所が「人材確保の好機」との見方を強めている。機械化や合理化がなじまない人が人を支える仕事でありながら、働く人の負担が重く報酬も十分ではない-とされ、この分野の有効求人倍率は2倍超。県社会福祉協議会などが15日、長野市で開く職場説明会への参加者増を期待している。
「非常に厳しい」。東信地方の特別養護老人ホームの施設長は訴える。50人の定員はほぼいっぱいだが、職員はパートを含め30人余。夜勤ができるのは20人ほどで、ローテーションづくりに苦労している。入所者の8割が女性のため女性職員の役割は大きいが、結婚・出産で夜勤ができなくなる人が増える一方、新卒者は集まりにくいという。
長野労働局によると、福祉関連の職業の有効求人数(パート含む)は、今年4-9月の累計で2万2004人。有効求職者数は8744人にとどまり、有効求人倍率は2・52倍だ。景気低迷で1倍を切った全職業との差は大きい。県社協の県福祉人材研修センターに登録している事業所の求人数も11月に1501人に上ったが、求職者数は302人。待遇などで折り合わないケースが多いという。8月に長野、松本両市で行った1回目の職場説明会には延べ126事業所が参加し、計1495人の求人があったが参加者は375人。「介護の日」(11月11日)に合わせ、松本市で開いた2回目の職場説明会も参加者約120人と低調だった。
人材確保の上では、雇用情勢の悪化に加え、10月末に政府・与党が来年度から介護報酬を3・0%引き上げ、月約2万円の賃金上昇につなげる方針を打ち出したことも“好材料”。同センターは15日の説明会について「他業種が不景気の中で、福祉分野に目を向けてもらえる好機になれば」とし、東信の施設長も「福祉に興味のなかった人にもぜひ説明会に足を運んでほしい」と話している。長野市での説明会はメルパルクNAGANOで開き、各事業所の個別面談などがある。問い合わせは同センター(電話026・226・7330)へ。
医療・介護体制の提言、年内提出へ-日病協
キャリアブレイン 2008年11月28日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19402.html
日本病院会など11の団体で構成する日本病院団体協議会(日病協、議長=山本修三・日病会長)は11月28日の代表者会議で、医療・介護提供体制と医療・介護報酬の在り方についての提言案を大筋で了承した。提言では、次の診療報酬改定に向けた議論が本格化するのを受けて、医療・介護提供体制に関する病院団体としての基本的なスタンスを示す。12月上旬に正式な内容を固め、年内に厚生労働省に提出する。
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DPC調整係数廃止後で提案を検討―日病協
DPCでE・Fファイルも請求時に提出へ
診療報酬の抜本見直し議論開始―日病協
医療安全調大綱案「理解進んできた」―日病協
入院医療では、症例数が少ない疾患の診療や先進医療を手掛ける「高度機能病棟」などを打ち出すほか、入院基本料では、職員の人件費などのコストを根拠に点数設定するよう提言する。また外来医療では、診療所(19床以下)や小規模病院(20-199床)、中-大規模病院(200床以上)ごとに診療報酬を設定する従来の仕組みの転換を求める。このほか、歯科医師や看護師による麻酔業務の拡大など、職種ごとの業務範囲の見直しも盛り込む。
山本議長は、会議終了後の記者会見で、外来診療について、「診療所とか病院とか、病院の規模で決まるものではない」「急性期外来と慢性期疾患管理を同じような診察料で考えるのは変ではないか」と述べ、急性期病院と慢性期病院の機能の違いを診療報酬に反映させるなど、病院の機能に着目する形を提案すると説明した。
小山信彌副議長(日本私立医科大学協会業務担当理事)は、「手が掛かる患者に1時間かけても1分、2分でも同じ報酬体系というのはおかしい」と指摘した。
また、入院基本料について小山氏は「実態と懸け離れて著しく低額だ。しかもその算定根拠は一切明らかにされていない」と述べ、人件費や土地取得費、医療機器の購入費を積み上げ、根拠に基づいて点数設定するよう求めると説明した。
職種ごとの業務範囲の見直しは、医師、看護師不足への対応策として提案する。小山氏の説明では、助産師業務の拡大や歯科医師、看護師による麻酔業務の実施だけでなく、看護師業務を介護職が担う形も打ち出す。
「仕事辞めたい」7割 道内の介護労働者、実態調査 忙しく、低賃金理由
北海道新聞 2008年11月26日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/131368_all.html
道内の介護老人保健施設などで働く介護労働者の月額賃金が全国平均より六千円低い平均十八万九千円にとどまり、七割の人が待遇などを理由に「仕事を辞めたい」と考えたことがあることが、北海道医療労働組合連合会(道医労連、札幌)の初の実態調査で分かった。厳しい労働環境にもかかわらず、待遇が低い介護現場の現状が浮き彫りになった。 道医労連加盟二十四組合の組合員がいる施設で働く人を対象に調査票九百枚を配布し、六百三十二人から回答を得た。回収率は70%。回答者の八割が女性だった。
月額賃金(手当などを含む)は「十五万円未満」が27%と最も多く、「十五万以上二十万円未満」が16%だった。「仕事を辞めたい」と考えた理由(複数回答)は「忙しすぎる」が43%でトップ。「賃金が安い」38%、「達成感・やりがいがない」22%と続いた。 健康状態についても51%が「不安」「大変不安」「病気がちで健康とはいえない」と答え、妊娠・出産を経験した女性のうち30%が「切迫流産」を経験。27%が「貧血」を訴えた。
道医労連の温井伸二書記長は「人手不足で労働が強化され、肉体的にも精神的にも強いプレッシャーになり、現場は深刻な状態だ」と指摘している。道によると、道内の介護施設や訪問介護で働いている介護職員は二〇〇六年度現在、約五万六千人いる。
介護労働者:「仕事辞めたい」が6割--県医労連がアンケート /福島
毎日新聞 2008年11月12日
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20081112ddlk07040288000c.html
介護・福祉労働者の約7割が慢性的な疲労状態にあり、過半数が「仕事を辞めたい」と考えていることが、県医療労働組合連合会(県医労連)が初めて実施したアンケート調査で分かった。
昨年12月~今年3月、県内の介護・福祉施設や病院などの介護関係職員825人から回答を得た。約8割が女性だった。健康状態の設問には、「疲れている」の回答が67%で、妊娠・出産経験のある女性のうち34%が切迫流産していた。時間外労働の状況では、約4分の3がサービス残業しており、フルタイムで働いた場合、休憩時間が「1時間とれる」と答えた人は38%にとどまった。
また6カ月以内に仕事を辞めたいと思ったことがある人は「時々あった」を含めると58・4%と過半数を超え、理由は「賃金が安い」(57%)「忙し過ぎる」(47・7%)などだった。賃金(07年10月)は平均月額18万7400円で、介護・福祉職の全国平均19万5400円を下回った。
会見した高橋勝行書記長は「介護職はボランティア精神で務めるという意識が強く、組合がある事業所は1割にも満たない。労働環境を改善する国民の同意を得たい」と話した。同席した南相馬市鹿島区の老人介護保健施設で働く介護福祉士の大友浩介さん(32)は「国家資格を持っていても、生涯賃金はサラリーマンの3~4割にしかならない。年を取ると離職率は高く不安」と訴えていた。
介護労働、8割が「やめたい」/福島
読売新聞 2008年11月7日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20081106-OYT8T00670.htm
多忙、低賃金など原因県医労連調査
県内の介護・福祉労働者のうち約8割が仕事をやめたいと思った経験があることが県医療労働組合連合会(県医労連)のアンケート調査でわかった。人手不足による多忙な業務に加え、低賃金などの労働条件が主な理由だ。調査は昨年12月~今年3月、県内の病院や特別養護老人ホームなどの介護福祉施設を対象に実施し、介護福祉士やヘルパーら825人が回答した。
「職場をやめたいと思うことがあったか」という問いに対し、「いつも思う」「しばしば思う」「時々思う」と答えたのは合わせて58・4%で、「まれに思う」を加えると81・3%に上った。職場をやめたい理由は、「賃金が安い」「忙し過ぎる」「家族に負担がかかる」「仕事のやりがいがない」の順で多かった。過去1年間の事故の質問では、47・5%が「あった」とし、内容(複数回答)は「転倒」が32%、「転落」10・6%、「誤薬など薬にかかわる事故」6・6%だった。
07年10月の賃金総額は、「15万円未満」が22・4%、「15万円以上20万円未満」が39・9%、「20万円以上25万円未満」が21・4%。「10万円未満」は7・2%に上り、全体の平均は18万7400円で全国平均19万5400円を下回った。県医労連の高橋勝行書記長は「介護報酬を引き上げるなどの根本的な解決策が必要」と話している。
退院率低いと診療報酬減額 リハビリ難民も
東京新聞 2008年10月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008103002000086.html
脳卒中などで体が不自由になった患者が入院する「回復期リハビリテーション病棟」で今月から、患者の退院率が低いと病院が減収になる診療報酬制度がスタートした。長期の入院患者を減らすことで、国は医療費削減を狙う。医療への初の成果主義の導入ともいわれるが、患者や医師からは「重症患者の入院を嫌う病院が増え、リハビリ難民が生じる危険がある」という不安の声が上がっている。
車いすに乗った妻(50)の手を握り、会社員の夫(51)は声をかけた。「調子いいな、ずいぶん元気になったよ」。妻の硬い表情の中に、かすかにほほ笑みが浮かんだ。
高校教師だった妻は昨年七月、くも膜下出血で倒れた。救急搬送された病院で手術をした後、今年二月から首都圏にある回復期リハ病棟に入院している。全身まひの状態が続くが、一日三時間のリハビリで、少しずつ体に「力」が戻ってきた。介助すれば寝返りができ、車いすやベッドへの移動も楽になった。栄養はチューブで胃に入れ、気管も切開してチューブが入っている。リハビリの効果で必要な栄養の半分を口から取ることができるようになったが、家庭で介護するのは困難だ。
診療報酬制度の改定で、リハビリ病棟では二年前から、一定の日数(最長百八十日)を超えると、報酬が半額以下になり、リハビリが制限されるようになった。妻の入院は既に二百数十日。「今は病院の好意でおいてもらっている」と夫は言う。さらに今月から患者の自宅などへの退院率が低いリハビリ病棟は、一日の入院料が5%減額されることになった。他の医療機関に移るのは退院とみなされない。夫は「病院でのリハビリを続けたい。制度の改変は理解できない」と訴える。
介護やリハビリで知られる「鶴巻温泉病院」(神奈川県秦野市)の澤田石順医師は「退院率を上げるには、重症患者や後期高齢者の入院を断るしかない。当病院では、四月以前は重症患者が六割だったのに、十月以降は七割以上に増えた。他の病院から流れてきたとしか思えない」と指摘。「成果主義は医療になじまない。長期リハビリが必要な患者さんが医療費削減の狙い撃ちにされた」と憤る。
【埼玉】 介護 人手不足、疲弊する現場
東京新聞 2008年10月28日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20081028/CK2008102802000104.html?ref=rank
財団法人介護労働安定センター(東京都文京区)が昨年度に県内の179の介護関連事業所に行った調査によると、訪問介護員や介護職員など労働者の平均年齢は44.4歳。雇用形態別では非正社員が58.7%。1年間の離職率は全国より1.5ポイント高い23.1%で、離職者のうち勤務年数1年未満の人が49.6%を占めた。一方で平均月収は全国平均より9000円高いものの約22万3000円で、労働者に対する労働条件などの悩み調査(複数回答可)では「賃金が低い」が53.1%とトップだった。
◆寝る暇ない当直
介護業界は低賃金に加えて過酷な労働環境が敬遠され、さらに人離れが進むという悪循環に陥っている。
「転職はめずらしくない。少しでも労働条件の良いところに人材が流れていく」。そう指摘するのは、川越市のデイサービスセンターに勤める介護福祉士の女性(39)。今の施設は三カ所目の職場だ。
女性は「当直時間帯、看護師を含めて三人で六十床を担当した。おむつ交換や食事の介助に追われて寝る暇なんてなかった」と以前勤めていた病院の状況を振り返る。基本月給は手取り十四万円程度。生活のためには当直に入らざるを得なかった。職員不足も相まって八回も当直をこなした月もあった。
女性は「福祉系専門学校はバタバタとつぶれ、九割以上の施設で職員が不足している」と前置きし、「待遇を改善し、次の担い手を育てる政策を打ち出さなければ、スタッフの質は落ちるばかりです」と警鐘を鳴らす。
◆負担増える家族
川越市のデイサービスセンターを母親(84)が利用するコンサルタント会社経営の男性(61)=川崎市麻生区=は、母親の着替えを持って月三、四回、センターに通う。車で四時間かかったことがあり、時々バイクも使う。どちらにしても一日がかりだ。
母親は四年前から、記憶力が悪くなり、アルツハイマーと診断された。男性方で引き取ることも考えたが、住居環境を変えることで症状が進むことを恐れ、川越市の自宅から週五日、センターに通っている。
長男である自分の名前はまだ忘れていないが、一分前に話したことも覚えていない。元気なころの母を思い出すとつらくなるという。精神的なつらさとともに経済的、体力的負担が男性に重くのしかかる。男性が遠方から通うことに加え、通所費用などで毎月五万円は負担が増えた。
男性は「老人を切り捨てても何も感じない役人がつくった政策が通っている」と国を糾弾し、「軍事費(防衛費)に予算を付けるのなら、老人の医療や介護にちゃんと予算を配分するべきだ」と訴える。
札幌市内の特養ホーム 入居待ち5507人過去最多 6月末現在
北海道新聞 2008年10月25日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/125433_all.html
札幌市内の特別養護老人ホーム(特養)への入居を待つ待機者が、市民だけで過去最高の五千五百七人(六月末現在)となり、定員の一・四倍に上っていることが二十四日、分かった。療養病床の減少が一因とみられるが、定員を増やすと介護保険料に跳ね返るため、市は対応に慎重な姿勢だ。 介護の必要性が高い人を受け入れる特養は現在、市内に四十九施設あり、市が定員を決めている。
市は定員を徐々に増やしており、今年六月末で〇四年の一・二倍の三千九百八十人となったが、待機者数はそれを上回る勢いで増え同一・三倍となった。 待機者が現在暮らす場所は、自宅が最多で31%、老人保健施設が28%、病院が20%と続く。認知症や介護する家族の有無など、緊急性を判断する五段階評価では、最も高いAが4%、Bが44%、Cが49%だった。
待機者増の背景にあるとみられるのが療養病床の減少。このうち一一年度末で全廃される介護型病床は、九月末現在で二千四百六十八床と、〇四年比で四割減となっている。 これに対し、市高齢福祉課は「特養には多額の費用がかかる。定員を大幅に増やすと、介護保険料を値上げせざるをえない」と慎重な姿勢を示す。
百九十人の待機者がいる厚別区の特養「かりぷ・あつべつ」(定員八十人)は、市外在住者も一割おり、五、六年待ち続ける人も多いという。石井秀夫施設長は「働き盛りの息子が仕事を辞め、介護せざるを得ないケースも出てきている。特養の需要は高まっている。大幅な定員増が必要」と指摘している。
退所者数 目標上回る/県障害福祉計画/住居確保など課題多く
沖縄タイムス 2008年10月25日
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-10-25-M_1-028-1_003.html?PSID=35f85197a50ee72492813fe45c99ebcd
県は二十四日、障害者自立支援法に基づき策定された県障害福祉計画(二〇〇六―一一年度)の進ちょくを報告した。福祉施設に入所している障害者のうち地域生活に移行した人(退所者)は〇七年度百十二人で、〇六年度からの累計は二百八十九人に上った。同計画の目標値(一一年度までに二百八十二人)を上回るペースで、退所が進んでいる。入院中の精神障害者の退院も〇七年度百二十一人で累計三百六十二人となり、目標値(同六百人)の60・3%を達成した。
施設や病院からの退所・退院が進んでいる状況について、県精神障害者福祉会連合会の島田正博理事は「例えば精神障害者の退院が多いのは、入院が長引くと診療報酬が引き下げられるため、病院が経営安定化のために退院を促しているという側面もある」と話す。
一方、退院・退所者の地域での受け入れは、家族がいないと厳しい状況だったり、障害への偏見や経済的問題から住居を確保できない課題を指摘。「福祉サービスの種類は増えたが、活用するためのシステムはまだこれからだ」と語った。同日県庁で開かれた、県障害者施策推進協議会(会長・高嶺豊琉大教授)で、県障害保健福祉課が報告した。
医療、介護崩壊阻止訴えパレード
キャリアブレイン 2008年10月20日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18732.html
社会保障費の拡充と安全で安心な医療、介護の実現を訴える「STOP!医療・介護崩壊、増やせ社会保障費10・19中央集会」が10月19日、東京の日比谷公会堂で開かれ、全国各地の医療関係者らが集まった。この集会は医療崩壊阻止を訴えて毎年開催され、今回で3回目。今回は介護分野まで裾野が広がった。集会終了後、医師や看護師ら約5000人が都内をパレードし、「医師、看護師を大幅に増やせ」「地域医療を守れ」と口々に訴えた。
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集会では、医療、介護現場へ提案する「10・19集会アピール」が読み上げられ
▽医師、看護師の増員
▽介護報酬の引き上げ、介護職員の処遇改善と増員
▽後期高齢者医療制度の廃止
▽患者負担の軽減
▽社会保障費総枠の増額、とりわけ国庫負担の拡大
―の5つの事項を国に求めた。
集会の冒頭、実行委員会を代表してあいさつした日本医療労働組合連合会の田中千恵子委員長は、昨年5月に亡くなった東京済生会中央病院の看護師、高橋愛依さん(当時24歳)の労災認定に触れ、「これは氷山の一角かもしれない。患者にとっても、利用者にとっても安全な医療、そして介護現場を一緒につくっていきたい」と述べた。
全国各地からの参加者が順に意見を述べる「リレー発言」では、愛知県みなと医療生協労組所属の看護師の福田真弓さんが、現在働いている病院では看護師不足のため病棟を一つ閉鎖している現状を紹介し、「もっと患者に寄り添う時間が欲しい、良い看護がしたいという思いは、新人もベテランも同じだと思う。患者のために、看護師を増やせるよう頑張りたい」と決意を語った。
新潟デイサービスセンター介護主任の今井伸二さんは、介護保険制度が始まってから2回の報酬改定で、介護施設は大幅減収になったと説明。「しわ寄せは人件費に来た。若い職員から次々辞めていき、新たな職員も集まらない」と訴えた。
全日本医学生自治会連合の執行委員長の宇敷萌さんは、「医師不足や経済的事情で、患者が医療を受けられないと聞いている。本当に自分たちがやりたい医療ができるのか、こんなに大変な仕事をやっていけるのかと不安を感じている」と述べた。
青森健生病院の竹内一仁医師は、「先生も体に気を付けて」と診察を待つ患者から逆に言われるほど疲弊した勤務医の現状を説明、「患者の医療費と待ち時間が増える一方、医療者は現場で辛い思いをしている」と訴えた。集会後、出席した医師や看護師ら約5000人が都内中心部をパレード、「医師、看護師を大幅に増やせ」「後期高齢者医療制度を廃止しろ」などと訴えた。
介護3施設で収支差率が悪化
キャリアブレイン 2008年10月6日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18546.html
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健施設)、介護療養型医療施設(病院)の介護3施設で、収支差率が悪化していることが、厚生労働省の2008年介護事業経営実態調査で分かった。
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同調査は「介護サービスの費用についての実態を明らかにし、介護報酬設定の基礎資料を得る」ことを目的に、約2万4300の施設・事業所を対象に実施。今年3月の1か月間の事業の実施状況や収支の状況を調べた。調査結果は、10月3日に開かれた第55回社会保障審議会介護給付費分科会に提出された。厚労省は、同様の調査を05年にも実施している。
調査結果によると、介護3施設の収支差率は、特別養護老人ホームで3.4%(05年13.6%)、老健施設7.3%(同12.3%)、病院3.2%(同3.4%)と、軒並み悪化した=表参照=。3施設とも利用者一人当たりの収入が減少している一方で、利用者一人当たりの支出が増加している。
また、看護・介護職員常勤換算一人当たり給与は、3施設とも上昇。厚労省では「05年の前回調査に比べ収支差率が低下しているサービスについては、人件費の伸びなどを背景に支出が増加している傾向にある」としている。一方、認知症対応型共同生活介護では、収支差率が9.7%(同7.6%)と2.1ポイント増加しているが、看護・介護職員常勤換算一人当たり給与も12%増となっている。
介護施設:経営悪化 3年前比、都心ほど厳しく--厚労省実態調査
毎日新聞 2008年10月2日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081002ddm002020081000c.html
特別養護老人ホームなど施設系の介護事業所の経営が、職員の待遇改善に伴い悪化していることが、厚生労働省が1日公表した介護事業経営実態調査の結果で分かった。人件費が高い都市部ほど経営が苦しく、東京23区の特養、介護療養型病院などは利益率(収入に対する利益の割合)がマイナスだった。09年度の介護診療報酬改定の基礎資料とするため、全国の約2割に当たる2万4300施設で調査した。
職員の給与は、大半のサービスで前回調査より上がったが、利用者1人当たりの収入は横ばいかマイナスが多かった。その結果、特養では利益率が前回3年前の13・6%から3・4%、老人保健施設は12・3%から7・3%に悪化した。居宅系では、訪問介護や入浴介護の利益率は前回より上昇したが、職員の給与もほぼ横ばい。訪問看護ステーションは給与が7%下がり、利益率も5・8%から2・7%に低下した。
ヘルパーのミス認定、賠償命令 食事中窒息死で名地裁支部
中日新聞 2008年9月25日
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008092502000081.html
重度の身体障害のあった次男裕介君=当時(15)=が夕食をのどに詰まらせて死亡したのはヘルパーが注意を怠ったためだとして、愛知県一宮市の会社員伊達靖久さん(47)と妻典子さん(43)が市内の介護業者などに総額4000万円の損害賠償を求めた訴訟で、業者側に賠償を命じた24日の名古屋地裁一宮支部判決は「食物が詰まったことに気付かなくても、研修を受けたヘルパーなら食事との関連を疑うべきだった。上司に連絡して指示を仰いでいれば裕介君の窒息死を防げた」とヘルパーのミスが死亡を招いたと指摘した。その上で鬼頭清貴裁判長は、業者とヘルパーに計約2000万円の支払いを命じた。ヘルパー側は「裕介君の症状から食物がのどに詰まったと認識するのは困難だった」と反論していた。両親側は、ヘルパーへの指導が不十分だったとも主張したが、判決は「新人教育や研修で、報告や連絡の重要性や事故処理の方法を指導しており、体制が不備だったとはいえない」と認めなかった。
判決によると、2005年10月24日夜、ヘルパーから夕食のロールキャベツなどを食べさせてもらった裕介君の様子が急変。ヘルパーは裕介君を残して近所に外出していた母親を呼びに出たが、戻った時にはぐったりしており、翌日夜に窒息で死亡した。
◆裕介君の両親「事故教訓に介護向上を」
「事故を皆が真摯(しんし)に受け止め、地域の介護のレベルアップにつながれば」。食事を詰まらせる誤嚥(ごえん)で亡くなった伊達裕介君の両親、靖久さんと典子さん夫妻は裁判に込めた思いを語った。
事故の日、異変の知らせを受けて典子さんが急いで自宅へ帰ると、裕介君はぐったりしていた。気道確保のため吸引器でのどの異物を引き出すと、かんぴょうが出てきた。そばで見ていた介護ヘルパーの男性がボソッと言った。「ああ、詰まっていたんだ」。典子さんは「誤嚥の知識がないのでは」と驚いた。20日ほど前、同じ事業所の別のヘルパーが裕介君を介護中、食事をのどに詰まらせたばかりだった。
ヘルパーの男性は家族と一緒に食事するほど良い関係だった。だが、ヘルパー2級課程を修了したばかりで、食事介助は裕介君が初めてだった。事故の状況を尋ねても納得のいく説明が返ってこない。夫妻は06年2月、介護事業者とヘルパーの男性に損害賠償を求める訴えを起こした。裁判は多くの福祉関係者の関心を集めた。傍聴に訪れた福祉施設の中から、事故対応マニュアルの充実に努めたり、救急救命講習を盛んに取り入れたりする動きも出てきた。
判決の内容について靖久さんは「事業者の運営体制の不備が認められないなど納得はいかない」と話す。「二度と同じ事故を起こさないために、障害者の痛みを本当に感じられる人や施設がもっと増えてほしい」。願いは募る。
「介護報酬3%以上の引き上げ不可欠」
キャリアブレイン 2008年9月24日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18336.html
介護従事者の処遇改善や事業者の経営状況の打開、利用者が必要なサービスを受けられる介護保険制度の確立には、介護報酬の引き上げが緊急の課題として、全国保険医団体連合会(保団連)が「2009年介護報酬改定に対する要求」をまとめた。過去2回の改定が大幅な引き下げとなったことから、09年の改定では、介護報酬の3%以上の引き上げを求めており、舛添要一厚生労働相に近く提出する。
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介護保険の抜本改善など求め要請書
09年度介護改定、「諮問・答申は年明けに」
介護労働の展望が不可欠
介護職の3分の2超が仕事継続に不安
介護報酬改定で要望書-看保連
介護報酬は、03年にマイナス2.3%、06年に同2.4%(05年10月分を含む)と、過去2回の改定では、大幅な引き下げとなった。保団連では、「06年の『介護保険法改定』で、軽度者への介護給付が“制限”された影響も換算すると、マイナス10%以上になっている」と指摘し、こうした施策が「必要な介護の受給抑制をはじめ、介護従事者の離職による人材不足や事業所の経営難などを起こしている」などと批判している。
要求では、「必要な人材を確保し、安全で安心な介護を提供するには、介護報酬を少なくとも3%以上引き上げる必要がある」と強調。その財源については、「社会保障の理念に逆行する消費税ではなく、別途、財源を確保する」ことを求めている。また、「05年10月から介護保険施設の居住費・食費が、保険給付から外され、窓口負担が拡大されたことで、年金額80万-266万円の世帯で月1万4100円の負担増になるなど、費用負担が必要な施設入所ができない状況が広がっている」として、居住費・食費を保険給付に戻すことを要求している。
さらに、国が進めている「療養病床削減計画」について、「国は、療養病床の入院患者の実態を見ていない。介護療養型医療施設が廃止されれば、医療を必要とする要介護者が医療や看護を受けられなくなる」と指摘。「介護療養型医療施設の廃止と医療療養病床の削減をやめ、原則として医療保険から給付すべき」と強調している。このほか、「コムスン事件」を教訓に、営利法人による訪問看護事業所の開設禁止や通所リハビリテーションの「送迎加算」の復活なども求めている。
介護人材確保 厚労省に勧告へ
NHK 2008年9月2日
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013848121000.html
介護サービスの現場では仕事を辞める人の割合が高く、深刻な人手不足が続いていますが、総務省は実態を十分に調べて介護報酬の見直しなどを行い、人材を確保する対策を取るよう近く厚生労働省に勧告することになりました。
総務省によりますとホームヘルパーや介護福祉士など介護サービスの現場では年間に22パーセント、5人に1人が仕事を辞めるなどほかの職種に比べて定着率が低く深刻な人手不足が続いています。「重労働の割りに賃金が低い」ことなどが理由として指摘されていますが、十分な実態調査がされていないのが現状で、総務省は実態を調べて介護報酬の見直しなどを行い人材確保の対策を取るよう近く厚生労働省に勧告することになりました。また2年前に導入された体力や健康の維持に努める介護予防サービスについて全国の76の市町村を調べたところ利用者は61パーセントと普及が進んでおらず、背景として費用対効果が明らかでないことなどが指摘されています。これについても総務省は導入するメリットをきちんと明らかにするよう厚生労働省に勧告することにしています。
負債15億、兵庫の社会福祉法人が初の民事再生手続き申し立て
読売新聞 2008年7月30日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080730-OYT1T00930.htm
特別養護老人ホームなど4施設を運営する社会福祉法人「長和(ちょうわ)福祉会」(兵庫県加古川市)が、神戸地裁に民事再生手続きの開始を申し立てたことがわかった。
厚生労働省によると、社会福祉法人が民事再生手続きを申し立てるのは全国で初めてという。負債総額は15億円以上とみられる。約240人の入所者らに対するサービスは、神戸市の医療法人社団の支援を受けて継続する。
同法人などによると、2005年~06年に介護付き有料老人ホームや介護老人保健施設などを相次いで開設したため負債が増え、資金繰りが行き詰まったという。山田武司理事長は「利用者や関係者に心配やご迷惑をかけ、申し訳ない。事業継続には支障はない」と話している。
平均月収は17万9000円で激務――悪化する介護労働の現場
Business Media 誠 2008/08/12
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0808/12/news019.html
介護現場の労働環境が悪化している。厚生労働省所管の財団法人「介護労働安定センター」の調査で、介護労働者の半数が「低賃金」と回答。5人に1人が1年間で職場を去っているという。こうした職場環境のしわ寄せが、事故の危険や衛生面の悪化という形で施設利用者に波及することが懸念される。
平均月収は17万9000円
調査は昨年11~12月、全国の介護事業所とそこで勤務する介護労働者を対象に実施。4783事業所と1万3089人が回答した。
介護労働者の平均月収は17万9000円。平均時間給は1044円で、49.4%が「仕事内容の割に低賃金」と回答した。労働条件で悩みや不安が「ない」と答えたのはわずか7%だ。介護自体が重労働なのに加え、介護サービス利用者からの暴言も5人に1人は経験、1割はセクハラ(性的嫌がらせ)や暴力を受けているという。
半数が「働き続けられる限り勤めたい」と前向きな姿勢を示している一方で、1年間で辞めた職員の割合を示す離職率は21.6%。全産業平均の16.2%と比べ5ポイント以上高く、働きがいはあるものの、継続困難と考える職員も多い実態が浮かび上がる。
「介護用ゴム手袋は施設の備品ではなく、職員に自費購入させていた」。都内の介護付き老人ホームに勤務していた元職員はこう証言する。施設側の経費節減により、介護職員に負担を強いるケースがあるのだ。
感染症予防のため、おむつ交換の際には手袋は1回ごとに使い捨てることが望ましいが、都内のこの施設では、職員が自分の出費を抑えるため1枚の手袋で複数のおむつ交換をしているほか、おむつを換えた手袋のまま高齢者の口腔(こうくう)ケアなども実施していた。
介護職員も極端に少なかったため、週2回の入浴が10日に1回程度と少なく、入浴もストレッチャーに乗せてシャワーで済ませていた。職員不足を補うため、緊急時にしか認められていない認知症高齢者の身体拘束を日常的に実施していたとして都は昨年、この施設に業務改善命令を出した。介護労働安定センターの調査でも、重大事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット」の経験は51.8%が「あった」と回答。とりわけ入所型施設の職員は4人に3人が経験していた。いずれも職員不足によるところが大きいとみられる。
国からの介護報酬が少ないため、介護事業所が労働者の給与を抑制。離職率が増加し就職希望者が減少するという悪循環に陥っている。NPO法人「介護者サポートネットワークセンター・アラジン」の牧野史子理事長は「排泄(はいせつ)や入浴などの作業について、社会全体の評価が低い。キャリアアップ制を導入したり報酬を上げるなどモチベーションを保たせる対策を取らないと担い手はますます減少する」と介護業界の空洞化を懸念している。
人手不足の介護現場に救世主か? インドネシア人受け入れの「期待と不安」
ダイアモンド・オンライン 2008年7月31日
(1)http://diamond.jp/series/analysis/10026/
(2)http://diamond.jp/series/analysis/10026/?page=2
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