(関連目次)→介護崩壊!!! 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
介護5事業で収支悪化、人手不足で人件費増 厚労省調査 介護・福祉職員:過半数が「健康不安」 過酷労働で流産も--医労連調査 「介護崩壊」全国の事業所が悲痛な訴え 民医連は、 ▽介護報酬の引き下げが事業所の経営を圧迫している ▽厳しい賃金・労働条件で介護の担い手が大幅に不足している ▽負担増や給付抑制で必要なサービスの利用が困難になっている-などとして、昨年10月に同アピールを発表。これまでに全国19都府県の500を超える事業所が賛同している。 事業所の意見を見ると、「介護報酬が低いため、労働に伴った対価を職員に支払えない。事業の存続が危ぶまれている」(宮城県)、「低い介護報酬の状態が続けば、経営が成り立たず、制度が崩壊する」(千葉県)、「努力しても赤字が続き、銀行などへの返済が厳しい上に経費は上昇し、破産寸前」(神奈川県)、「現状の介護報酬で運営していくのは非常に困難。介護業界はボランティア精神のみでやっていける事業所しか残らず、今後の発展はない」(福岡県)など、介護報酬の引き上げの要求が相次いでいる。また、「職員の確保が困難。現場は介護の担い手がなければ存続できない」(長野県)や「ヘルパーが集まらない。人手不足のために制度が崩壊してしまう」(大阪府)、「ヘルパーの確保に苦しんでいる。このままでは事業の継続が困難」(兵庫県)など、人材の確保に関する声も多い。 利用者については、「重い費用負担から利用を減らすことを余儀なくされている事例を多く抱えている。必要なときに必要なサービスを利用できるような制度でなくてはならない」(山形県)や、「制度は高齢者が安心して生活できるようにするために導入されたはずだが、どんどんサービスが限定されている。必要なサービスを受けられないようでは制度の意義が問われる」(東京都)など、負担の軽減を要求する意見が寄せられている。このほか、「制度をつくる人は自分たちが介護される立場になったときのことを考えるべき」(山形県)や「厚生労働省の職員は、机上の空論ではなく、一定の期間、民間の介護保険施設での研修を義務として受けるべき」(宮崎県)など、政治や行政に対する不信感を表わす意見もある。 民医連では「高齢者福祉はかつて全額公費で賄われていた。しかし、介護保険制度の下で、国の負担割合は4分の1にまで減っている。制度における国の負担を大幅に増やし、抜本的な改善を図るべき。無駄な公共事業などを改めれば、財源を確保できる」と強調している。 「人件費8割超」訪問介護サービス事業 【関連記事】 馬袋理事長は訪問介護サービス事業について、「慢性的な人材不足だが、二十四時間三百六十五日(利用者を)支えなければならない。しかし、都心でホームヘルパーを集めるには、50万円掛けて一人集まればよい方」と、人材確保が困難を極めている現状を説明した。人材募集広告を出してもほとんど反響がないため、人材紹介業者を利用すると、サービス提供責任者では一人当たり60-70万円、訪問看護ステーションの管理者では100-120万円掛かるという。特に、訪問看護や訪問入浴など在宅にかかわる看護師は、7対1入院基本料の創設で病院に流れてしまい、不足に拍車が掛かったとした。 介護報酬については、2003年度の改定で、サービス一回当たりの収入単価が引き下げられたことや、06年度もさらにマイナス改定が続いたことなどを指摘し、「事業者としてはかなり厳しい経営状況にダウンした」と述べた。さらに、景気が良くなって人材が他産業に流出し、平均賃金も上昇したが、介護業界は介護報酬が引き下げられているため、市場全体から見て「アンバランスになった」とした。 ■「特定事業所集中減算」がチームケア阻害 セクハラや暴力、4割超が経験 県が介護士・看護師意識調査
朝日新聞 2008年6月5日
http://www.asahi.com/business/update/0605/TKY200806050268.html
介護保険サービスを提供する事業所のうち、訪問介護を除く主要5サービスで、3年前と比べて収支が悪化していることが、厚生労働省が5日公表した経営実態調査で明らかになった。人手不足で、人材確保のために職員の人件費を増やしたことが主な原因と見られる。
特別養護老人ホームや老人保健施設、通所介護など4800事業所の07年9月時点の収支状況を調べた。前回04年と比べ、収入に対する利益の割合(利益率)が最も悪化したのが、病院と自宅療養との橋渡しをする老健施設で4.3%と、前回より6.3ポイント下がった。特養ホームなどの介護施設サービスの収支も悪化した。施設職員1人当たりの給与が2~11%増えた。 訪問介護など在宅サービスでは、介護計画(ケアプラン)を作るケアマネジャー事業の利益率が、前回のマイナス12.9%から悪化してマイナス15.8%になった。新規参入による競争激化で、ケアマネ1人あたりの利用者数が減ったことが影響した。
介護事業者に支払う介護報酬は3年に一度改定しており、次回09年度改定の基礎データとする。今秋にはサンプル数を5倍に増やした詳細調査をまとめ、それをもとに厚労省の審議会で介護報酬改定を検討する。
毎日新聞 2008年7月26日
http://mainichi.jp/life/health/news/20080726ddm012040117000c.html
介護・福祉事業所で働く職員の過半数が、自分の健康に不安を感じていることが、日本医療労働組合連合会の調査で分かった。全体の6割は慢性疲労に悩み、妊娠したことがある女性職員の場合は4人に1人が切迫流産していた。人手不足や長時間勤務による過酷な労働環境が影響しているとみられる。
調査は昨年12月から3カ月間、全国約2万5000人を対象に実施(6818人が回答)した。健康状態について▽「不安」42%▽「大変不安」7%▽「病気がち」3%--で、計52%が悩みを抱えていた。職種別では看護職、介護福祉士で、健康不安を訴えた割合が6割に上った。
仕事による疲れが「翌日も残っている」は43%、「常に残っている」は18%で、計61%が慢性疲労の状態。1カ月の時間外労働時間が長いほど割合が高く、50時間以上では8割に達した。複数回答で聞いた体調不良の内容では、「腰痛」が54%で最多。「抑うつ感」12%、「不眠」13%など精神的な症状を訴える人も目立った。妊娠した女性職員の25%が切迫流産を経験し、順調に出産した人は3割未満だった。同連合会は「介護・福祉分野の労働環境は悪化する一方。人材を確保し、職員たちの負担を減らすことが急務」と話している。
キャリアブレイン 2008年5月26日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16234.html;jsessionid=3F24BB222C347FE35097646B45FEFBEB
「介護報酬があまりにも低過ぎて、事業所の経営努力ではもう限界」-。全日本民主医療機関連合会が取り組んでいる「介護保険の緊急改善アピール」に、全国の事業所が悲痛な訴えを寄せている。介護現場の深刻な状態を打開するために、民医連は「2009年度の改定を待たずに、国は介護従事者への十分な給与保障を可能にする介護報酬の引き上げや利用者負担の軽減策などを早急に講じるべき」と訴えている。
キャリアブレイン 2008年5月20日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16122.html
厚生労働省の「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」(座長・大橋勇雄中央大大学院教授)が5月20日に実施した介護関係団体からのヒアリングで、全国介護事業者協議会の馬袋秀男理事長は訪問介護サービス事業について、「人件費が80%を超えている」と述べ、介護事業の経営の苦しさを訴えた。
充足率6割切れ?介護福祉士養成校
介護職の雇用環境改善の議論開始
看護師・介護福祉士受け入れ決まる
介護認定調査、23項目が削除候補に
介護職の「普通の生活を」 160万人が署名
こうしたことから、人件費が経営を圧迫しており、「福利厚生費を含めて全体の人件費が70%、場合によっては80%を超えており、これでは事業として成り立たない。介護報酬から(収入を)得ている事業だけに厳しい」と訴えた。
また、06年度の介護保険法改正で、一つの事業所で不正があると、同一法人のほかの事業所もすべて指定を取り消される「連座制」が導入されるなど、事業者に対する規制強化があったことや、昨年のコムスンの不正問題などで介護業界に対するさまざまな風評が流れたことも、介護事業所の経営状態を厳しくしているとした。
大橋座長が、「職場の組織として、ケアマネジャーとサービス提供責任者の業務内容が重複しているのでは。うまく組み合わせれば効率化できないか」と尋ねた。
馬袋理事長はこれに対し、居宅介護支援事業所にいるケアマネジャーは、ケアプランを作成してトータルな介護提供体制を提案し、訪問介護事業所にいるサービス提供責任者は、ケアプラン中の訪問介護を利用者の目的に合わせて計画立案すると説明。「連携は欠かせないし、情報を一極集中することは大事」と述べた。その上で、06年度の介護報酬改定で、居宅介護支援事業所が一つの事業所に集中してサービスを依頼することを防ぐための「特定事業所集中減算」が新設されたことについて、ケアマネジャーとサービス提供責任者が連携体制を組みにくくなったとして、「チームケアに反することが報酬体系にある」と批判した。
中日新聞 2008年4月29日
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20080430/CK2008043002007560.html
介護福祉士や看護師を対象にした県の調査がまとまり、勤続年数が短く、4割以上が利用者やその家族からセクハラ(性的嫌がらせ)や暴言、暴力を受けた経験があることが分かった。調査は、女性が多い介護や看護の職場状況を把握し、女性が働きやすい環境整備に必要な改善策の検討資料にするのが目的。昨年8月、県内の介護福祉士2535人と訪問看護ステーション事業所の看護師610人に調査票を配布し、858人から回答を得た。女性が821人、男性が37人だった。勤続年数は5年未満が46・3%で、平均は勤続6年3カ月。月額賃金は25万円未満が全体の63・9%を占め、平均は20万2900円余だった。
「利用者やその家族からセクハラを受けた」は40・9%。そのうち「身体に触られた」が75・2%、「性的な言葉を掛けられた」が67・0%と多く、「手を握らせてくれと言われた」21・1%、「抱きつかれた」18・2%だった。「利用者やその家族から暴言や暴力を受けた」は47・3%。内訳は「罵声(ばせい)や叱責(しっせき)を浴びせられた」が80・5%で、「介護を拒否された」43・3%、「殴られた」36・7%と続いた。自由意見では「精神的、体力的に重労働の割には賃金が見合っていない」「利用者からのセクハラや暴力にはただ我慢している」「恒常的に人手不足」などの声が寄せられた。
コメント