(関連目次)→女性勤務医の労働条件 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
いや、もう本当にその通りだなぁ。。。と読んでいてため息(>▽<)!!!
わたしのは空元気で、いつも元気なわけじゃないです。
深刻にこれでも産婦人科、いえ医師としての離職を考えています。
女医じゃなければ、子供さえいなければ、結婚さえしていなければ、
と何度思ったか知れませんが。
でも仕事人間の男性も、そのうち
家に居場所がなくなるでしょうから。
女医が悩めるのも研鑽が十分にできないのも
幸福のうちかもしれませんo(^-^)o ..。*♡
(Dr.Yumiには「わたしたち、それでも恵まれてる方だよ!」、
っていわれました。頑張ろうね!っていったんですけれどね)
もっと仕事したかったです。
女性医師とキャリア
読売新聞 2008年6月5日
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/beauty/kokokara/20080604ok04.htm?from=os2
女性医師は女性であることのハンディキャップがないと思っている方はいらっしゃいませんか?
私が医学部に入学したのは30年以上も前のことです。大学では男女比は8対1と、女性は少なかったのですが、一部の男性教官が「女には教えたくない」といった態度を見せた以外は女であることのハンディキャップは全く感じることはなく卒業しました。
虎の門病院の採用試験の面接で「結婚は?」と聞かれて当然のように「結婚はしたいと思います。」と答えましたが採用されました。そして医師になってから4年目に当然のように結婚しました。
この頃は研究をやり始めた頃で、赤ちゃんはもう少しお預けね、と思っていましたが、予想外の妊娠。ここからは悪阻、難産、子育て、子どもの病気など自分ではコントロールができない出来事が容赦なくやってきました。ここで私のキャリア積み上げ計画は消滅しました。
私の周りには家庭やこどもを持ちながら医師として実力のある女性が多くいます。彼女たちに共通しているのは何か?それは不可抗力のアクシデントをよけながら、目の前にある、自分がやれること、やらなければならないことに全力を尽くし、一歩一歩着実に歩いてきたというところです。
しかし、私からみれば彼女たちの実力が正当な評価を受け、相応のポジションを得たと思えない場合も少なくありません。
医師という職業は自己犠牲の上に成り立つという呪縛からか、女性医師も子育てとキャリアアップの両立の環境整備を求めるということをしてこなかったと思います。また、医師はいろいろな働き方ができますのでポジションにこだわる必要がなかったのかもしれません。
最近、医師不足問題がきっかけとなり、女性医師の就業問題がクローズアップされ、大学、医師会、学会などが取り組み始めています。しかし、これらは一度家庭に入った女性医師の再就職にフォーカスを当てたものがほとんどです。優秀な女性医師の能力を十分に発揮してもらうためには再就職だけでなくキャリア形成という長期的な視点に立っての取り組みが必要です。
ニュース断面:子育て女性医師支援 カウンセリング柱に /宮城
毎日新聞 2008年6月6日
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20080606ddlk04040265000c.html
◇辞めずにすむ環境を--県、今年度から事業開始
県内の医師確保対策の一環として、県は今年度から、女性医師を対象とした支援事業を開始する。カウンセリング制度の導入で、仕事や生活面の相談に乗る。08年の医師国家試験合格者に占める女性の割合は34・5%。しかし、出産や育児を機に辞めてしまう例が多いため、働き続けられるように環境を整えるのが狙いだ。ただ、実際に仕事と子育てを両立させている当事者からは「カウンセリングよりも子どもを預ける場所がほしい」と、より具体的な支援を求める声が出ている。支援の体制づくりは緒に就いたばかりだ。
◇託児先確保望む声も
■女性医師の割合、増加見込まれる
県医療整備課によると、新事業の柱は女性医師を対象としたカウンセリングの実施。県医師会に委託し、出産や育児休暇の取得や復帰、キャリア形成などについて主に先輩の女性医師が相談に乗る。6月中には委託契約を結ぶ方針。多人数を対象にしたセミナー開催も計画している。厚生労働省によると、県内の女性医師の割合は、06年末で全医師4915人中702人で、14・3%にとどまる。医師国家試験合格者の男女比は00年に30・6%と初めて3割を突破、以後30~35%の間で推移しており、各大学医学部の男女比などから、今後は割合の増加も見込まれる。
一方で、医師資格取得から10年後には、女性医師の就業率は約75%にまで低下するという。県医療整備課の桜井恭仁医療政策専門監は「医師不足が深刻な中、女性医師が生涯を通じて働ける環境づくりは、医師確保には不可欠」と話す。自らも3人の娘を育て、女性医師支援の必要性を感じてきた県女医会の山本蒔子(まきこ)会長(67)は「女性医師は増える一方なのに、いまだに子育ての負担は個人任せ。20~30代の出産・育児期に病院勤務医がどっと減り、非常勤やアルバイトで働く人が増える。女性医師がやりがいをもって働けるよう相談に乗り、病院側にも意識を変えてもらえるよう働きかけていきたい」と話す。
■現実に即した支援を望む声
一方、子育てとの両立に取り組む若手の女性医師からは、制度の充実を歓迎しつつも、より現実に即した支援を望む声もある。東北大病院小児科で働きながら、1歳と3歳の2人の子どもを育てる女性(31)は「育児もしたいが仕事もしたい。必要なのは、カウンセリングよりも、子どもを預かってもらえる場所」と話す。
女性は午前6時に起きて食事の支度、着替え、弁当作りなどをこなしたあと、2人を別々の幼稚園と保育所に送り届け、外来勤務を担当。午後7時までに2人を迎えに行く。夜泣きや授乳のため、夜中も2時間に1度は起きる日々だ。同じく医師の夫(32)も多忙で、手伝ってもらえるのは週末に限られるが「うちは協力的な方で、全部1人でこなす人もいる」という。
医師としての悩みも当然ある。「勉強会や講演会に出たいけれど、業務が終わる午後7時以降の開催が多く、子どもを預かってもらえる場所がない」と訴える。
「本当は男性と同じように働きたいが、家庭も大切。サポートしてくれる周囲に申し訳ないと思いながら、割り切って帰るしかない。その状況を分かってもらえるかどうかで、ストレス度は全然違う」と理解を求める。
■仕事と家庭を両立できない
県内の医療機関には現在、34の院内保育所が設置されているが、定員が少なかったり、預かる時間が短いなど、需要には応えきれていないのが現状という。子供の発熱時に預かってもらえる「病児保育」を望む声も多い。
11~16歳まで3人の子育てをする女性医師(44)は「子どもが小学生になると、生活の世話よりも勉強を教えたりする教育面に比重が移る。仕事を続けるには、子どもとの付き合い方を割り切らないとならなくなる」と指摘する。
「短時間の働き方が認められれば、そういう働き方をしたいと思う人も増えると思うが、今はまだ、若い女性医師が仕事と家庭を両立したいと思える環境にはない。医師だけでなく、社会全体で子育てを支える仕組みづくりが大切」と話す。
僻地の産科医先生、元気を出して!!!!
ゆっくり休養をとって、休んで、進んでいきましょう。
先生を必要としている患者さんもたくさん、いらっしゃいます。
アメリカ国立国会図書館のホームページにはアメリカの女医さんたちをfeaturingしたページがあります。
Changing the face of Medicine
http://www.nlm.nih.gov/changingthefaceofmedicine/physicians/
女子医学生が偏見の目で見られた19世紀末でから現代に至るまでのさまざまな女医さんたちの苦労や現在にいたるまでに道のりをインタビュー形式で掲載したあります。
掲載されているのは膨大な数の女医さんですが、アメリカでは25年前に女子医学生が医学部学生数の過半数を超えました。
先生も医学生のころ循環器の教科書で名前を知ったとおもいますが、先天性心疾患(ファロー四徴症)の手術を考案した小児循環器科医Helen Brooke Taussig 先生をフィーチャリングしたものも別途あります。
母の死、失読症、ジョンス・ホプキンス大医学部入学、幼いころの後遺症としての難聴、などを乗り越えてすばらしい業績をだした女医さんです。
http://www.africanamericans.com/HelenBrookeTaussig.htm
http://www.nlm.nih.gov/changingthefaceofmedicine/physicians/biography_316.html
http://www.medicalarchives.jhmi.edu/tausbio.htm
投稿情報: 鶴亀松五郎 | 2008年6 月 6日 (金) 17:41
自分一人だけでも予期せぬ病気とか、計画通りに行かないことが多いところへ持ってきて、子供はさらに計画通りにいきませんからねえ。
現状は「24時間戦える」人間だけが戦力扱いされてきてましたから、そうでない人も評価されるように体制を変えていかなくちゃね。
投稿情報: 山口(産婦人科) | 2008年6 月 6日 (金) 20:51