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(投稿:by 僻地の産科医)
日経メディカルについてきた特別号!
循環器スペシャルですo(^-^)o ..。*♡
今までも循環器はキツいよな~
と思っていましたし、
それで産婦人科を選んだのですが、
産婦人科もキツかったです(>▽<)!!!!
やっぱり循環器でも女医さんは
働き続けるのが大変なんですね(;;)。
厚生労働省H18の病院循環器統計で男性7119人に女性826人。
まだまだ男社会でつらそうです。。。。
(昔は産婦人科もそうでした)
Part.2 女性循環器医の“壁"
男性医師も理解して欲しい
女性医師の離職の理由
日本医科大学内科循環器・肝臓・老年・総合病態部門
塚田弥生氏
(Nikkei Medical 2008年6月号特別編集版 p8-9)
検査や治療による拘束時間が長い、当直がある、緊急オンコールが多い――。労働環境がハードな循環器診療は、特に女性勤務医の仕事の継続を難しくしている。子どもがいる女性は病棟を担当できず専門を生かせないなどの不満がある一方で、第一線で男性と同等に働く若手女性医師の疲弊も見逃せない。女性循環器医の労働継続には、男性医師や組織による問題点の共有が不可欠だ。
医学部に入学する女子学生の数は増え続けており、医学生の4割を女性が占める時代も近づきつつある。それにもかかわらず、「循環器内科である本教室に大局する女性の数は横ばいで、相対的にみれば減少傾向にある」と日本医科大学内科の塚田弥生氏は話す。
塚田氏によれば、実は海外でも、循環器を専門に志す女性医師が少ないことが問題になっている。例えば、2003年米国心臓病会議の調査によると、医学部に入学する学生の49.7%を女性が占める米国でも、循環器専門専修医のうち女性は14%にすぎず、専門医はわずか6%だ。日本循環器学会会員に占める女性の割合は11.6%、循環器専門医に限れば7.4%とやはり少数派である。
さらに問題なのは、せっかく入局しても、フルタイムで循環器の仕事を継続できている女性勤務医も少ないという現実だ。例えば、塚田氏が所属する教室の場合、現役医局員の総数は195人で、女性は42人と2割を占めるが、そのうち19人(45.2%)は、出産や病気をきっかけにやむを得ず非常勤勤務になったり休職中である。
昨今、わが国では医療崩壊が指摘され、とりわけ勤務医不足は深刻な問題になっている。そうした中、「今後女性医師がますます増えてくる現状において、循環器診療でも女性医師の確保は重要な課題」と塚田氏は語る。
男女で大きく違う仕事への満足度
そもそも循環器疾患では、この10年の間に治療の主流は薬物療法からカテーテル・インターベンションなど侵襲度の高いものへと転換してきた。それに伴い、血管遺影や電気生理学的検査等によるカテーテル操作などで治療にあたる医師側の身体的負担も大きく、また、診療に拘束される時間も長くなっている。さらに症状が急変する重症患者が多いため、真夜中の緊急オンコールなどが多い点も循環器医の特徴といえる。
そこで塚田氏らは、こうした循環器医の労働環境や家庭生活の現状を把握し、それらが女性医師の仕事の継続に与える問題点などを明らかにするためにアンケートによる調査を行った。対象としたのは、同教室の現役医局員195人と1968年以降に入局した同窓生155人の計350人。結果は、性別、現役・同窓生別に解析しさらに現役医局員については子どもの有無による分類も行った。
今回、調査結果で特に注目されたのは、「男性と女性では仕事に対する満足度が非常に違うことだった」と塚田氏は話す。仕事に対する満足度は、女性の現役医局員で顕著に低く(図1)、特に子どものいない女性の現役医局員では、「満足」と答えた人は2割しかいなかったのに対し、同じく子どものいない現役医局員で男性の場合は、7割以上が「満足」と答えていた。
女性で満足度が低い理由としては、子どものいる女性の場合、「もっと病棟の診療に従事したいが時間的な制約のためできない」「専門性を生かした診療ができていない」という意見が多かったのに対し、子どものいない女性では、「体力的にきつい」といった長時間労働による心身の疲労を訴えるコメントが圧倒的に多く見られたという。
労働時間についての質問では、現役男性医局員の場合、子どもの有無にかかわらず3分の2が週60時間以上の長時間勤務だったが、女性も子どもがいない人では47%が週60時間以上の勤務をしていた。「循環器医を志してくる女性医師は、ハードな診療に耐えうるパワーを備えている人は多い。それでも、女性は体力的に男性には劣るので、同等の基準で評価を与えることは厳しい。男性と同じ条件で仕事をしているこうした現役の女性医師をサポートする仕組みを作っていかないと、現状のままでは女性が循環器勤務医の仕事を継続するのは難しいと思う」と塚田氏は言う。
“逆差別"に対する制度上の配慮も不可欠
一方、家庭についての調査では、男性医師は85.4%が既婚者だったが、女性医師は3分の2にとどまり、有意に低率だった。また、女性医師の8割が医師と結婚しており、さらにその半数が循環器医だったのに対し、男性医師の場合、6割が専業主婦と結婚しており、循環器医と結婚している人は1割にすぎなかった(図2)。
また家事の分担についての結果からは、男性医師の3分の2は家事を全くやっておらず、女性医師の4割強は家事を1人で抱えていることがうかがえた(図3左)。育児に関しても、女性医師の約8割が育児の主な担い手である一方、男性医師は9割が育児を配偶者に委ねており、顕著な差が見られた(図3右)。しかし「だからといって、子どものいる女性医師だけを優遇すればいいという問題ではない。女性医師の配偶者には同僚が多いため、男性医師も休みを取りやすいような仕組みを作らないと、女性医師は復職できない」と塚田氏は強調する。また一方で、長時間勤務を余儀なくされている男性医師や子どものいない女性医師に対するきめ細かい配慮も十分行って、“逆差別"を感じさせないような取り組みも欠かせないという。 「今回のアンケート調査でも明らかだが、女性医師の問題は女性だけで解決できるものではない。女性医師の問題は男性医師の問題でもあり、循環器専門の勤務医全体の勤労条件を改善する必要がある。男性医師の方々もぜひこの問題を共有し、解決に向けて協力してほしい」と塚田氏は訴えている。
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