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(投稿:by 僻地の産科医)
週刊東洋経済
2008年5月17日特大号(2008年5月12日発売)
このままでは日本の未来が危ない!!
子ども格差
子育て家庭の貧困世帯率が14%にも達する日本。出産から育児、教育まで、子どもをめぐる格差の実態を追った。
で、面白い記事をみつけましたので、あげてみます(>▽<)!!
意外だったのは、本当に記事の内容がまともなこと。
すくなくとも他の方々より厚労相に向いていらっしゃるのではないかとちょっと考えを改めました。
介護をやっていらっしゃったということで、
どちらかといえば医療職の労働者的な面よりは、
患者さん家族としての共鳴度が高いかもしれないって
心配していたのですが。
(本来、厚労省は“日本の医療そのもの”
を総合的に守る立場だったはずなのですから!)
「バランス」という言葉に期待をしていますo(^-^)o ..。*♡
子ども政策を問う-1)
子育て支援は未来への投資
消費税含めて財源の議論を
厚生労働大臣 舛添要一
(週刊東洋経済 2008.5.17号 p88-89)
子育て支援策の抜本的な拡充には、国民負担増を含めた財源確保が必要。消費税のあり方も含めた国民的な議論で結論を出すべきだ。
――1994年度の「エンゼルプラン」に始まり、幾度もの子育て支援策が講じられてきましたが、どれだけ効果があったのでしょうか。また、少子化が止まらず、子どもをめぐる社会状況がいい方向に向かわないのはなぜでしょうか。
私自身は母親の介護に時間を取られて、子どもができるのが遅かった。
実は今、7歳と5歳の子どもがいます。経験を踏まえて言えることですが、高齢者介護と比べて子育て支援策はあまり進んでいない。保育など子育て支援サービスを充実させるとともに、ワーク・ライフ・バランス、つまりは働き方の革命をやらないといけない。この二つを両輪にきちんと政策を実行することが、最も効果的だと思っています。
――「新待機児童ゼロ作戦」で、保育園の入所児童数100万人増を打ち出すなど、政府は最近になって思い切った目標を掲げました。
同作戦は10年間の長期目標ですが、実現のためには財源措置をきちんと講じなければならない。そのためにも、消費税率引き上げを含めて、きちんと議論すべき時期が来ています。財源が必要なのは医療や介護も同じですが、特に子育て支援は「未来への投資」という意味が強い。今、必要なおカネを投じることで、将来何倍にもなって戻ってくるわけですから、ぜひとも国民の皆様には前向きに考えていただきたい。
社会保障費圧縮は限界、負担増を訴えていく
――わが国の子どもに対する公的な支出は、先進国では米国と並んで最も低い部類に入ります。
家族や子どもの立ち場に立って、きちんとできてきたかという反省は必要だと思います。私はフランスで長く暮らしましたが、子育て支援のサービスをきちんとやれば、税金も高くなります。しかし、そのことによって、働く女性が増えていき、国の富を増すことにもなるわけです。だから、税金が高くても十分ペイするんです。今まで日本ではそういう発想が乏しかった。また、今までは保育園や幼稚園をこうすべきという議論はあっても、親の働き方との連動がなかった。だから今回の政策では、そこをきちんとやるということが最も大きなポイントなのです。
――昨年12月に取りまとめた「子どもと家族を応援する日本」重点戦略において、子育て支援に必要な財源を「1・5兆~2・4兆円」と明示したことは画期的です。そうなると社会保障費の自然増のうち、2200億円を毎年度削減していくことを盛り込んだ経済財政諮問会議による「骨太の方針2006」の見直しも必要になりませんか。
予算は毎年度決めるものですし、歳出の無駄遣いがないように厳しく対処しなければなりません。その一方で、自然増2200億円の削減は限界に来ています。8月の新年度予算の概算要求や秋の税調での議論に向けて、このままでは医療も子育て支援も、十分な施策が行えないということを訴えていき、最終的には何らかの形で国民にご負担をお願いしないといけないと感じています。
――子育て支援策の強化に際しては、規制改革会議から認可保育園の最低基準や入所要件の見直しが求められています。子どもに対する公的保障のあり方の見直しを、厚生労働省は突きつけられた形です。
すべてはバランスの問題で、民間活力で活用すべきは活用すればいい。しかし、この分野は、市場経済原則、競争原理だけでいいかというとそうはいきません。子どもを預ける親の立場に立ってみたら、安かろう悪かろうでいいとはならない。やはり子どもの安全を基本に、きちんと制度を担保していく必要があると認識しています。そのうえで、民間のいいところは取り入れていく。何でもかんでも規制緩和せよという考えは間違っていますし、がんじがらめの規制も間違い。両方のバランスの取れたところで、政策を講じていく必要があると感じています。
所得の格差に関係なく子どもが育つ社会に
――子どもの育つ環境が悪化していることは、児童虐待の対応件数の増加などからも読み取ることができます。ところが、親に代わって子どもを育てる児童養護施設は満杯に近く、児童相談所も首都圏や近畿圏ではパンク状態です。おそらく、この問題には、家庭の経済格差や貧困が絡んでいると思われますが、きちんと手を打つ必要はありませんか。
豊かな社会でありながら、児童虐待や遺棄が起きているのは確かです。精神・道徳面で日本人がしっかりしなければならない。それとともに、施設が満杯であることも確かなので、受け入れ先として里親制度の拡充に力を入れていきます。今年度から里親手当を増やしましたし、数人の子どもを一つの家で育てるファミリーホームも推進していきます。現在、施設や里親の元で4万人の子どもが養育されていますが、この子どもたちがきちんと育つことは社会にとっても大変重要です。
――経済開発協力機構(OECD)によれば、日本の社会保障・税制は、子どもの貧困の是正にはほとんど寄与していないとの分析があります。何らかの手だてが必要では。
社会保障に関しては、世代間の給付と負担のあり方を考える必要がある。また、悪平等であってはいけないが、就学前、就学後も含めて、ある程度の公平性・平等性は保つ必要があります。親が貧しいと子どもも永遠に貧しいという、流動性のない社会は活力を失っていきます。たとえば現在、東京大学に入学する学生の親の所得水準は非常に高くなっている。貧しい家庭だと東大に行けないということがあってはいけない。
子育て、義務教育については、親の所得の格差に関係なく、子どもが能力に応じてきちんと伸びていくことを担保すべきだと思っています。子どもや家族へのセーフティネットをしっかり張り巡らすことが必要で、そのために国民の負担が若干増えたとしても十分にペイします。
国民の負担を極小化し、自由経済原則に任せるというやり方は、日本人には合わないし、日本社会はそうでないほうがいいと、個人的には思っています。
素人ですが、どなたか教えてください。
産婦人科医が不足ということですが、
年間分娩数 100万
対応できる産科医数 1万人
であれば医師一人当たり100分娩になります。
助産院での分娩を考慮していません。
正確な年間分娩数?
実際に対応できる産科医数 ? (出産にかかわっている人数)
医師一人当たり何分娩が妥当なのか?
あくまで推定になるのかもしれませんが、教えてください。
それと、妥当分数にするためには、急に産婦人科医が増えるわけでは
ないでしょうから、助産院での分娩を増やすか、もしくは、
医師一人当たり分娩数を増やし、補充できるまで我慢してもらうしかないのでしょうけど
その辺がよくわかりません。
無知で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
投稿情報: 素人 | 2008年5 月17日 (土) 18:56