(関連目次)→安心と希望の医療確保ビジョン 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
ロハスがでたら、ご紹介しようと思っていたら遅くなっちゃった(>▽<)!
こちらをまずご参照ください。
↓
安心と希望のビジョン会議7(2)
ロハス・メディカルブログ 2008年04月29日
http://lohasmedical.jp/blog/2008/04/post_1179.php
(MRICの方では
~ アドバイザリーボードは大臣が選んだのか? ~
という副題がついています。)
で、M3から!!
舛添会議◆Vol.6
「医学部定員増は精神安定剤にすぎず」
舛添大臣の定員増の提案に、矢崎委員が回答
橋本佳子(m3.com編集長)2008年04月22日
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080422_2.html
「医学部の定員増は、目の前にある大きな仕事を解決しなければとストレスを感じているところに、精神安定剤を処方するようなもの。その仕事を何とか整理することが大事」
「安心と希望の医療確保ビジョン」の第7回会議が4月21日開催され、舛添要一・厚生労働大臣は、医師不足の現状を指摘し、「今年度は医学部定員を395人増やした。あとどれくらい増加すればいいのか」と3人のアドバイザリーボード(委員)に質問を投げかけた。
委員の一人、独立行政法人国立病院機構理事長の矢崎義雄氏の回答が冒頭のコメントだ。矢崎氏は、2006年7月に報告書をまとめた「医師の需給に関する検討会」の座長を務めた。矢崎氏は絶対的に医師が不足していることは認めつつも、それは医学部定員増ではなく、今いる医師をはじめとするスタッフで、いかに「仕事」を行うかを検討することが必要だとした。ここで言う「仕事」とは、医師の業務範囲の見直し、病院と診療所の役割分担などを指す。
また、野中医院(東京都台東区)院長の野中博氏、NPOささえあい医療人権センターCOML理事の辻本好子氏からも、強く医学部定員増を求める声は上がらなかった。
「定員増より、業務範囲の見直しが大事」
この日は、まず虎の門病院(東京都港区)薬剤部長の林昌洋氏からヒアリングした後、前述の3人の委員がこれまでの会議を踏まえてプレゼンテーションを行った。その後、質疑応答に移ったが、舛添大臣が医学部定員増についての意見を求めたのは、その最後の場面だ。会議は、午後6時から始まり、午後8時半すぎまで続いたが、最後の20分程度がこの日の焦点だった。
舛添大臣は、「現段階は28万人の必要数に対して、医師数は26万人であり、2万人のギャップがある。今年度は医学部定員を395人増やした。単純な数の話ではないというものの、量的な対策としては何をやればいいのか」と質問した。これに対して、矢崎氏は、「ここ十数年、(医師の需給の)ギャップが大きくクローズアップされてきたのは、高齢者が増加した上、医療の専門化・高度化、国民の医療に対する目が厳しくなったことなどが上げられる」と前置きした上で、「現状で医師は絶対的に不足しているが、医師の養成には時間がかかり、将来、医療ニーズがどうなっているかも分からない。仮に医学部定員を10%増やしても、需給がクロスするのが1~2年くらい早くなるだけ。また一度、増やした定員はなかなか削減できない。私は、医学部の定員増で医師の絶対数の不足は埋められないと思う」と述べた。
矢崎氏は、まず医師やコメディカルの業務範囲の見直しを行った上で、
(1)病診連携の活用による、高齢者の入院の在宅への移行
(2)高度な機能を持つ診療所による救急の受け入れ体制の充実
(3)訴訟リスクの回避
――などで対応すべきだとした。今いるスタッフで何とか解決する方法を講じるのが先決だとした。この答えに納得しなかったのだろう、舛添氏は、「現状の医療資源を効率的に再活用するとしても、それと並行して定員増を行った場合、10年後、20年後にしか効果がないかもしれないが、精神安定剤以上の意味はないのか」と改めて質問した。
それでも、矢崎氏は「今、医師が病院から立ち去っていく現状を何とか食い止めることが必要。『ガダルカナル島の戦い』の兵士に医師を例えると、本土から兵士と物資が届けられるのであれば、がんばれることができる。しかし、後続が来ないとなると士気は衰える。同様に、『今、がんばれば、後輩達が入ってきて支えてくれる』と言うことはできる。しかし、現実のギャップは定員増では対応できない」と答え、主張は譲らなかった。
「政治の言葉で語るには、数値目標が必要」
続いて発言を求められた野中氏も、医師不足の要因に、専門分化の弊害を挙げ、単に定員を増やしても問題は解決しないとした。「病院、診療所のそれぞれの役割を見直し、相互に連携することが重要。今のまま専門分化が進めば、従来は1人の医師が5人診ていたところが、より多くの医師が必要になる。こうした構造を変えるためには、総合医という発想が必要」(野中氏)。
辻本氏は、「患者は地域医療を支える担い手」であるという持論を述べ、それを支援する仕組みを舛添大臣に改めて要請したものの、医学部定員については言及しなかった。
舛添氏は最後に、「政治の言葉で語るには、何らかの数値目標が必要。次回の会議に向けて、医師を何人増やすか、あるいはスキルミックスで何人分カバーできるのかなど、具体的な解決策を提示してほしい」と要望した。舛添氏は、この「安心と希望の医療確保ビジョン」会議で、短期、5~7年の中期、さらには長期のスパンで、数字目標を踏まえた具体的な政策提言を行い、来る8月の予算概算要求に反映させていく意向だ。「政策メニュー、それにかかる費用などを提示しないと、世の中を動かすシナリオにならない」(舛添氏)。
政府は、1997年に医学部定員の削減に取り組むことを閣議決定している。医師不足が指摘される折、現場の医師の間では閣議決定の撤回を求める声が少なくない。しかし、この日の会議では、当の政府が定員増を検討する姿勢を見せたにもかかわらず、定員増を議論する展開にはならなかった。次回は、提言の取りまとめに向けた議論を行う予定になっている。
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なんとキャリアブレインでは冷たくたったこれだけ。
有識者が「総合科の認定」などを提言 安心と希望の医療確保ビジョン
キャリアブレイン 2008/04/23
http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=15714&freeWordSave=1
この記事に関してロハス・メディカルブログでは
「要は『ビジョン』という言葉をどう解釈するか、厚生労働省の事務方や会議参加者たちが思っていたのと、私が思っていたのとでだいぶ異なっていたと思う。そしてそのズレは、私が霞が関の「常識」に無知であるというのと、でもこの会議に関してはむしろ「常識」外のことこそ求められているはずなのに、大臣以外のプレイヤーは粛々と「常識」に従ったという二つから、私にとって甚だ気持ち悪く感じることになったと考えている。
そして、最後に舛添大臣の言った『ビジョン』こそ、まさに一般人の考えるビジョンだと思う。そして、その認識を共有していないということは、アドバイザリーボードの3人を指名したのは大臣ではないのだろう。人によっては、今後の会議が踏み絵を迫られるようなものになるのかもしれない。」と総括している。
医師は増やそうよ。と現場の私はおもう。
精神安定剤でもかまわないから。
今の医療には未来がなさ過ぎる。
ところで厚労省の中では何が起こっているのでしょうか?
矢崎氏の発言を読んだ時には、かなり頭にきました。
彼は、新臨床研修システムを推進した委員の一人であり、このシステム稼働後に顕在化した医師不足を認めることは、死んでもできない訳で、そういう意味では首尾一貫していますが、現在の医療崩壊の立役者の一翼を担っているのは確実でしょう。
業務範囲の見直しなどで改善できる部分があるのは確かですが、交代制勤務も組めないような医師の人員配置の改善に、人員増は必須の筈です。
現場のことがさっぱり把握できていない無能な大本営…歴史は繰り返すといったところでしょうか
投稿情報: 岡山の内科医 | 2008年5 月11日 (日) 13:42
配置の最適化だけで、全体の過不足をどうこうすることはできません。
逆に、全体に充分な人員がいても、配置が不適切では解決が得られません。
投稿情報: rijin | 2008年5 月11日 (日) 23:36
医療系のブログをいろいろ見ておりますが、特にこちらのブログで、
現在の問題点がある程度わかってきました。 ありがとうございます。
これから日本の医療はどうなっていくんだろうという、不安もすごく感じます。
将来のビジョンを厚生労働省に任せていては、おそらく
医師の希望にかなうものにはならないだろうと思いました。
それは患者側の悲劇でもあると思います。
ブログでは現場を知り尽くした医師の方のすばらしい意見が
いっぱいあるわけですから、それらをまとめ上げ、
安心と希望のビジョン会議に提案するなり、
総理や大臣に直談判すべきと思います。
今は医療界のお偉い方が陳情しているようですが、
結局それぞれの立場での陳情や愚痴みたいな感じで
これをどうまとめてくれるか、取り入れてくれるか
厚生労働省や議員に期待しても無理な気がします。
思いの1割も伝わるかどうかと思います。
現場医師としてまとめ上げた意見をぶつけないといけないと思います。
とりあえず、ブログ有志でまとめ上げることは出来ないものなのでしょうか?
インターネット上で決を取りながら、具体案を提案できたら
すばらしいと思います。
例えば
医師数の確保における大学の入学定員について
地方枠のあり方について
研修医制度の改善要望
勤務医の待遇や労働基準法遵守について
診療報酬について
第3次試案について
など、今懸案になっている事項について
医療再生のためのブログ有志意見として
まとめていただき、閲覧者から賛成、反対などを
求めたらどうでしょう。
医学部1年の稚拙な意見ですが、
せっかく入学したのにあまりに夢のない業界だと知り、
意見を述べてみました。
尚、医学生としても、萎縮することなく勉学に励むことはもちろんですが、
なにか出来ることがあるのか、考えてみたいと思います。
投稿情報: 医学部1年 | 2008年5 月13日 (火) 17:52
医学部一年生さま
入学おめでとうございます!
まだまだたくさん学ばれることがあって、いろいろこれからという時ですから、人生を謳歌してください!
私も懐かしい日々をちょと思い出してしまいました。しょっちゅう喧嘩していました。
懐かしい思い出です。あのころは想像もしなかった人と結婚しました。(同級生)
笑えます。
さてブロガーの多くの方々はみなさま、現場を動くことができない臨床医がほとんどで、でもちゃんとこういうメールアドレス入れていただくシステムですから、徐々に横の連携が取れるようになりました。
なんと、左側にある50個以上の医学ブログリンクのうち、現在連絡が取れない相手は数えるだけですw。
実はお会いしたことがある方々も上から20個のブログ中半分というような具合です。
第三次試案についてはかなりみんなで勉強を重ねました。労働基準法について現在みんなで勉強しているところです。
(愚痴を言い合っている?)
ちょっとづつ、国会議員の方々とも連絡を取れるようになって来ました。いろいろなところで動き出しています。
先生が一人前のDrになるまでに間に合わないかもしれませんけれど、私たちは自分の場所を動けないなりに、頑張って交流を深め、勉強を重ね、現実的に動きだしてはいます。
あせらず、ゆっくり基本から。
勉強を重ねていってくださいね。
先生が医師になられるころまでに、もうちょっといい環境をご用意できるといいなと思っていますけれど、でもちゃんと動き出していますよo(^-^)o ..。*♡
投稿情報: 僻地の産科医 | 2008年5 月13日 (火) 20:58