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コメント

rose

いつもブログを拝見させていただいています。

妊娠・出産・育児サイト「ベビカム」でのアンケート結果があったので参考までに。
出産する女性から見た分娩予約の状況や、未受診の理由など載っています。
最後の方に回答者から、医療関係者へのメッセージ(感謝の声)も載っています。

http://www.digiboutique.or.jp/

ベビカムと出産ジャーナリスト河合蘭さんと共同で実施した、「産院不足と妊婦健診」をめぐる妊婦・母親1100人の実感調査の結果を公表しました。
http://www.digiboutique.or.jp/pub/pdf/PR080201_SankaFusoku.pdf

産科医不足と妊婦健診をめぐる実感調査
1100人の妊婦・母親の声
妊娠・出産・育児サイト「ベビカム」(株式会社デジタルブティック)

僻地の産科医

コメントありがとうございます。
この文書の存在についてはもちろん存じております。
先週号の読売ウィークリー、大屋敷さまの記事とまったくほぼ一緒ですね。というよりも河合蘭さんから取材をされたのでしょう。

私の見解が必要であれば述べますけれど、
この論文は「消費者からの要求」であって
現在の医学水準、また人手不足をまったく考慮していない、ただの要求だけを書いてある文章ですね。

産科医、医療資源、また医療に対して人権費の使われていない今日からでは望むべくもない、想像上のポエムにしか私には映りません。申し訳ないのですけれど。

国内の助産師の数をご存知でしょうか。
2万6千人(2007年)です。
助産師の分娩取扱い数を考えれば、助産師へ分娩を移行する案はまったくのお花畑である脳天気な案であると考えて差し支えありません。

45分の助産師外来の記事でも反論させていただきましたが、そもそも助産師外来をゆったりとできる背景は、助産師がきちんとした例数を取扱っていないから、と考えてみればいいのではないでしょうか?いいところどりっていうんですよね。そういうの。産科医がいっせいに手を引いたら(そういう日も近いかもしれませんけれど)そんなこといってられるんですか?あほらしい!

100万人の分娩を2万6千人の助産師で扱えますか?
その際の助産師の業務はどのようなものですか?


それに助産師、そんなに余裕があって優しいとも思いません。日々接しているからでしょうが、結局のところ個人の資質です。
同じように男性医師もいい方が多い。というよりも女性より男性の方が優しいのではないかとおもう局面があります。
私は経産婦ですが、自分が耐えられたので、陣痛の方には厳しいですね。
反面、痛みを経験したからこそ、という理解もありますが、陣痛・月経痛にはまわりをみても男性医師のほうが圧倒的に優しい。
また体力のない女性医師より男性医師のほうが優しいです。助産師さんだってきちんと仕事をこなされている方々はハードですから、あんまり優しくない、構っていられないところが大きい。特に私の勤める急性期病院ではそうです!
助産師が優しいって誰が決めたよっ!叫びたいところですね。本気で。

というわけで、みるのも嫌な論文です。
せっかくご投稿いただきまして申し訳ないのですが。

さらに待ち時間のグラフなど怒り心頭です。
病院が待たせているのですか?
患者が殺到するからではなくて?
私たちだって二時間待ちの外来がどれだけストレスか!!!!!
人件費と余裕があれば、ゆったりとした時間をかけて優雅な外来ができますけれど、いまの日本の産科医療がどのような状況だと思っているんですか!
バカにしないでいただきたい。
不平不満は私たちのせいではありません。

私たちは日々、目の前の患者さんを一生懸命診察して、とにかくみなさんをこなさなければ話にならないほどの状況なのに、目の前の病院スタッフを責めてどうしますか?助産師がいればすべて解決ですか?病院が悪いのでしょうか?

こういうの、本当に腹が立つんです(>_<)!!!
何が感謝の声だっ!本当に助けた人からはきちんとした声を面と向かっていただいている。中にはわからない嫌な方もいるけれど!!!

どうでもいいですけれど。
まぁ、私は河合蘭さんはあまり好きではありません。助産師の力量が分かっていませんし。
何が大事か分かっていない。
本当の緊急の怖さも、わかっていない。
理想論をただ並べ、人の話を聞き、わかったようなことをおっしゃるだけにしか現場の私には響きません。

私たちは現場で働く者です。
人員に不足があって、足りない中で、でも必死にやっている。品質を自分のプライドにかけて落とすわけには行かないと思うから、頑張っているんです。

任せられる助産師ならまかせてもいい、自分自身の周囲で一緒に働いているスタッフで、私が信用できる方には信用できるなりに仕事をおろしていけると思う。でもそれをやるかどうかは、自分の病院の医療水準に係ってきます。
それを決めるのは部外者ではありません。
どの業界でも「うちで売るもの」の品質は内部の作り手の決めることではないでしょうか?

いらぬ口出しはやめてください。

ssd

roseさんへ

私のとこでも助産師シリーズは何回か書いているので、ぜひご一読を:-)

clonidine

「4児の母でもある、お産ジャーナリスト」というのは、えてして「4回の正常分娩しか経験していない(死産も先天異常も、まして母体死亡も経験していない)」ので、自分の限られた経験から「お産は母子ともに安全」と勝手に思い込んで「お産は助産師で十分」式の結論を下す傾向がありますよね。困ったもんです。

だいたい、無作為にサンプリングされた「1100分娩の後ろ向き調査」だったら、「新生児死亡や先天異常が10-30例、母体ショック・心停止が1-5例」含まれるはずですが、このアンケート結果には「新生児死亡」すら含まれていないようです。

「マタニティー雑誌のHpに登録された約1万人の会員へのWebアンケート」とのことですが、「外国人」「未婚」「知的障がい者」は含まれません。「(1万名中1名ぐら含まれていそうな)母体死亡者」はアンケートに返信できません。「死産・先天異常」の経験者も、回答してないでしょう。

産科医に「どう、すごいでしょ、ぜひ読んで明日からの診察の参考にしてね(はあと)」と持ってくるデータにしては、お粗末すぎます。せめて自分の足を使って、選挙速報レベルの「統計学的サンプリング+自分の足を使った出口調査」ぐらいして、データを集めた上で発言してくださいね。

私は15年間に、母体死亡4例+母体心停止3例(新生児死亡は数知れず)の診療経験があります。

また、ネパールの病院にも勤務経験があります。ネパールの分娩の90%以上は産婆による自宅分娩です。「自宅や近所」で「家族に見守られ」「菜食や粗食」で「心の通い合う」分娩を行っているはずですが、「初産は死産(=初産は5体満足な子どもが生まれるほうが稀)」という諺のある国でもあります。

clonidine

河合蘭のHpを拝見しました

20年以上、「お産ライター」をしているそうですが、「母体死亡・死産・障がい児」に関する記述がほとんどありませんね。20年も、お産の現場に出入りすれば噂話は聞くはずだし、マトモに30分もネット検索すれば「助産院で母体死亡」とか「助産院で死産→裁判」といった情報は簡単に得られるはずなのですが・・・。
所詮は「人間は見たいと思うものしか見えない」タイプの人なのでしょう。

近年、盛んに「お産難民」を取り上げているようですが、「自分の記事は産科医を減らし、お産難民を増やしている」という自覚はないようですね。困ったもんだ。

ブログでは
>「24時間労働」を体験(注:22:00→翌21:00だそうです)
と、得意げに報告してますが、全国の産科医は怒りでプルプルになることでしょう。

麻酔科医の役割も「無痛分娩」ぐらいしか思いつかないみたいだし。「肺塞栓をTEE+PCPSで救命]とか「産褥期心筋症をTEE+LVASで救命」なんて、理解する気もないのでしょう。

今や「母体死亡=搬送元の産科終焉」という時代になりつつあります。母体心停止の蘇生は、単に患者1人を蘇生するだけでなく、その背後の数百人の妊婦の出産場所を守っていることでもある(と信じてるんです)んですが・・・

clonidine

roseさん

1100人の思いのつまったアンケートの重さに胸をうたれます。多忙を理由に、患者さんとの心の通い合いを忘れていないか、あらためて反省させられました。コメント欄の患者さんたちの感謝のことばに思わず涙がこぼれ、明日からの仕事の活力となりました。
素敵なHpを教えていただいてありがとう。

なーんていう、反応を期待して投稿しているのでしょうが、現実の現場の医師の感想は全く違います。


自らの2-3回の正常分娩の体験だけを根拠に、なんの医学教育も受けず専門資格も持たない、ライターやらコーディネーターの書き散らす、分娩そのもののリスクを考慮しない、非科学的で無責任な記事に、現場の医師はうんざりしております。

自然分娩やアクティブバースを行えば「母児の絆」が強くなって「新しい私に生まれ変わる」ことができると洗脳された妊婦は、実際の分娩が思い描いたとおりにいかない場合には、本の著者ではなく近くの人間(えてして医療関係者)に原因を求めます。

・切迫子宮破裂の緊急帝王切開によって母児とも無事に生還した症例で「産声が聞けなかった、せめて録音すべき」

・胎児仮死のため生直後ただちに挿管したところ、「希望していたカンガルーケアができなかった、将来母子関係に問題が出たら責任をとれ」

という患者の対応に、現場は疲弊しています。「期待したほど感動しなかった」「新しい自分に生まれ変わるチャンスを失った」風なクレームに対応するのは、記事を書いたライターやエディターではなく、現場の医師です。疲弊した医師はやがてお産の現場を立ち去ります。

roseさん、このコメントはあなたにとって不本意で不愉快なものでしょうが、周産期センターの現実です。スルーせずに、きちんと正面から受け止めて、今後の記事作りに反映させていただくことを希望します。

また、多忙な中を、あなたのコメントに対して返信してくださった医師の皆様には、せめて「お礼のコメントを返す」程度の礼は尽くすほうがよいのではないでしょうが。

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