第2回公判 2月23日 近隣の産婦人科医 前立ちの外科医
第3回公判 3月16日 手術室にいた助産師と麻酔科医
第4回公判 4月27日 手術室にいた看護師 院長
第5回公判 5月25日 子宮の病理鑑定医師
第6回公判 7月20日 田中憲一新潟大教授(産婦人科)
第7回公判 8月31日 加藤医師本人に対する尋問
第8回公判 9月28日 中山雅弘先生(胎盤病理の専門家)
第9回公判 10月26日 岡村州博東北大教授(産婦人科)
第10回公判11月30日 池ノ上克宮崎大教授(産婦人科) (←今ココ)
第11回公判12月21日 加藤医師本人に対する尋問
第12回公判 08年3月14日 論告求刑
第13回公判 08年5月09日 弁護側の最終尋問
(投稿:by 僻地の産科医)
とりあえず、まずはこれだけです~o(^-^)o..。*♡
福島県立大野病院事件第10回公判(0)
ロハス・メディカルブログ 2007年11月30日
http://lohasmedical.jp/blog/2007/11/10.php
福島県立大野病院事件第10回公判(1)
ロハス・メディカルブログ 2007年11月30日
http://lohasmedical.jp/blog/2007/11/101.php
大野病院事件 第10回公判
ある産婦人科医のひとりごと 2007/11/30
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2007/11/post_bb8f.html
「剥離完遂の判断に誤りはない」検察側証言を完全否定
福島県立大野病院事件第10回公判
OhmyNews 12月2日
http://www.ohmynews.co.jp/news/20071201/17974
福島県立大野病院で2004年12月、帝王切開手術を受けた女性が死亡し、執刀した産婦人科の加藤克彦医師が業務上過失致死と医師法21条(異状死の届け出)違反に問われている事件の第10回公判が11月30日、福島地裁で開かれた。
弁護側の証人尋問は4回目で、この日は、周産期医学を専門とする宮崎大学医学部産婦人科の池ノ上克教授(同大医学部長)が出廷。ハイリスク分娩を主として扱う同大病院周産母子センターで、現在も年約300件の分娩に直接・間接に関与する臨床医の立場から、
「一般的な産科医療のレベルから見て、(加藤医師がこの件で行った処置に)間違いがあったとはいえない。私も同じような処置をしたと思う」と、加藤医師を全面的に擁護する主張を展開した。
「胎盤剥離を中止することはない」
公判前整理手続きが行われているにも関わらず、初公判からまもなく1年がたつこの事件。判決が出るのにさらに半年ほどかかりそうだ 裁判で検察側は、加藤医師が手術中、癒着胎盤であると判断した時点で胎盤剥離を中止し、ただちに子宮を摘出すべきだったと、加藤医師の判断ミスを指摘している。
これに対し池ノ上教授は、宮崎大学病院産婦人科で91年(当時は宮崎医科大学)から扱った癒着胎盤症例の実績を説明。症例12例のうち、胎盤剥離をせずに子宮を摘出したケースは5例で、残りの7例はいずれも胎盤を剥離したのちに子宮を摘出(4例)あるいは温存(3例)したとして、
「胎盤を除去すれば、子宮筋層が収縮して血管を押しつぶすので血が止まりやすくなるという機序(仕組み)だから、胎盤はく離を優先する」
「子宮を摘出するにしても、大きな胎盤が残ったままだと手術操作がしにくいので、(胎盤剥離を始めたら)中止することはない」
と述べ、検察側の主張を否定した。
また、争点のひとつとなっているクーパー(手術用はさみ)の使用について、池ノ上教授は、
「(遺残した胎盤をかき出すのに)私たちの教室ではキュレットを使っている」
と、器具を用いることに問題はないと証言。キュレットとは、先端部に穴が開いていて、にぶい刃のようなものが付いた長さ30cm程度の細長い器具で、子宮内の組織をかき出すのに使用されるものだ。さらに
「私自身はないが、かつての同僚が(胎盤剥離に)クーパーを使っていると聞いたことがある」 と述べ、クーパーを使用したことには問題がなかったとする弁護側の主張を裏付けた。
また、第6回の公判で、検察側証人に立った新潟大学医学部産婦人科学の田中憲一教授の「胎盤剥離を完了する前に子宮を摘出すべきだった」との証言に対しては、 「後から振り返って見ればそうかもしれないが、その時点に立って考えてみれば(胎盤剥離を完了した直後の2555ccという)出血量は多くないので、私も子宮摘出という判断はしない。加藤医師が胎盤剥離を完了させた判断に誤りはない」 と反論。その後、15分間で5000ccを超える大量出血となったことについても、
「癒着胎盤に続いてDIC(播種性血管内凝固症候群=血液凝固因子が不足して、血が止まらなくなる状態)が起こり始めたのではないか。一般的に産科医が行う止血処置はすべてしている」
と述べ、予測不能な事態が起こったこと、それに対しては最善の処置が行われていると、加藤医師を擁護した。
検察側は反対尋問で、大量出血となったにもかかわらず、加藤医師が他の医師の応援を断ったことについて問いただしたが、池ノ上教授は、
「基本的な処置ができる外科医が助手についていれば応援は必要ない。加藤医師も最終的に子宮摘出できている」
と一蹴。
検察側は、池ノ上教授が供述書や病理記録を吟味せずに、カルテだけを見て意見書や鑑定書を書いた点を突き、証言の信憑性を弱めようと試みる場面も見られたが、全体的に弁護側の主尋問をなぞるような質問に終始し、有効な証言を引き出せないまま、普段より1~2時間早い16時に証人尋問は終了した。
今回の尋問を担当した兼川真紀弁護士は裁判後の記者会見で、
「臨床の現場がどのようなものかを伝えたいという気持ちで質問した。裁判官は実際の医師がどのように手術をしているかを知って判断してほしい」 と話した。
判決は来年夏以降に?
次回は12月21日に加藤医師に対する本人尋問の続きがおこなわれる予定だが、弁護側が医師法21条をめぐり申請していた証人(東京大学法学部・大学院法学政治学研究科・樋口範雄教授)は却下された。医師法21条違反で起訴されているにも関わらず、これについての弁論は行われないことになる。
そのため、弁護側は早い結審を求めたが、「書面のやりとりで反論するのに時間がかかる」とする検察側の要請で、論告求刑が3月14日、弁護側の最終尋問が5月9日と決まった。 来年春ごろと見られていた判決は、夏ごろにずれ込みそうだ。
大野病院医療事故:弁護側鑑定医が証言「処置に間違いない」--地裁公判 /福島
毎日新聞 2007年12月1日
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20071201ddlk07040520000c.html
県立大野病院(大熊町)で04年、帝王切開手術中に女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた同病院の産婦人科医、加藤克彦被告(40)の第10回公判が30日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であった。弁護側の依頼で鑑定意見書を作成した専門医3人のうち、最後となる宮崎大医学部長の池ノ上克医師が証言し、手術全体を通し「処置は一般的で間違いはなかった」と妥当性を指摘した。
池ノ上医師は、術中に大量出血した場合でも、胎盤をはく離することで子宮が収縮し、止血できるとして「はく離は早ければ早い方がいい」と説明。「はく離を一度始めたら完了する」とも述べた。また、はく離に手術用はさみ(クーパー)を使ったことでは、実例を挙げ「使用はあり得る」とした。一方、検察側の尋問では、鑑定前から「大まかなイメージはできていた」とし、鑑定の資料として「手術記録が主なもので、供述調書は読んでいない」と語った。検察側は公判後、「鑑定に必要な資料に目を通したとは思えない」と批判した。
「医療行為に誤りなし」/大野病院事件公判
2007年12月1日 福島民友ニュース
http://www.minyu-net.com/news/news/1201/news3.html
大熊町の県立大野病院で2004(平成16)年12月、帝王切開で出産した女性=当時(29)=が死亡した医療事件で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた産婦人科医加藤克彦被告(40)=大熊町下野上=の第10回公判は30日、福島地裁で開かれた。弁護側証人として前回公判とは別の妊産婦医療の専門医が出廷、加藤被告の医療行為に誤りはなかったとの意見を述べた。
専門医は36年間臨床医として危険性の高い出産に数多く立ち会ってきた経験があり、弁護側の鑑定書や意見書を作成している。
専門医は弁護側質問で、争点となっている癒着胎盤の予見性について「胎盤の癒着はさまざまな臨床的な所見から診断するもので、実際にはく離しないと分からない」と述べた。死因となった大量出血については、出血が止まりにくくなる産科DIC=播種(はしゅ)性血管内凝固症候群=だった可能性を指摘し、「大量出血の予見はできない」と述べ、加藤被告の判断に誤りはないと証言。「癒着は予見可能で、漫然とはく離を続けた過失で失血死させた」とする検察側主張を否定した。検察側は鑑定書などの作成経緯について質問した。
次回は21日に3回目の被告人質問が行われる。
大野病院公判 術中処置は「適切」
朝日新聞 2007年12月01日
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000712010004
県立大野病院で04年、女性(当時29)が帝王切開の手術中に死亡した事件で、業務上過失致死などの罪に問われた産科医・加藤克彦被告(40)の第10回公判が30日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であり、弁護側の依頼で鑑定書をまとめた宮崎大学医学部長の池ノ上克教授(周産期医学)が証言台に立った。池ノ上教授は、加藤被告が子宮に胎盤が癒着していたと認識した後でも胎盤をはがし続けた行為について「始めたら途中でやめることはない」と述べ、妥当だったと主張した。
胎盤はへその緒がつながっている円盤状の組織で、通常は簡単にはがれるが、女性は胎盤が子宮に癒着していたとされており、検察側は「癒着が分かった段階で、子宮摘出に移るべきだった」と指摘している。 池ノ上教授は鹿児島大学卒業後、鹿児島市立病院に勤務。日本産科婦人科学会の周産期委員長を務めたこともある。
教授が91年以降に経験した癒着胎盤は12例。うち5例は癒着の程度が強く胎盤をはがさずに子宮を摘出したが、胎盤をはがし始めた7例は、すべてはがし切ったという。理由について「胎盤をはがせば子宮が収縮し、血管を圧迫して止血が期待できる」と述べた。
検察側は、加藤被告が胎盤をはがすのにクーパー(手術用はさみ)を使ったことも問題視しているが、教授は「クーパー使用の論文もあり、適切な行為だ」と証言。その後の止血処置方法や子宮を摘出した判断も含め、「やることはすべてしており、誤ったことは行われていない」と述べた。
胎盤を無理にはがしたため大量出血を起こして死に至ったとの検察側の主張に対しては、「産科DIC」と呼ばれる、血液が固まりにくくなる症状が起きた可能性があると述べた。
一方、検察側は教授の鑑定について、加藤被告らの供述調書など必要な資料を欠いたまま作成したのでは、と疑問を投げかけた。
「剥離継続誤りない」 大野病院事件 福島地裁公判
河北新報 2007年11月30日金曜日
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2007/12/20071201t63028.htm
福島県立大野病院で帝王切開中に子宮に癒着した胎盤を剥離(はくり)した判断の誤りから女性患者=当時(29)=を失血死させたとして、業務上過失致死罪などに問われた産婦人科医加藤克彦被告(40)の第10回公判が30日、福島地裁であった。証人として、弁護側の依頼で鑑定をした日本産科婦人科学会・前周産期委員長の池ノ上克・宮崎大医学部長が出廷し、「胎盤剥離の継続に誤りはない。途中でやめても子宮収縮ができず止血効果が期待できない」と述べた。
手術中の大量出血の原因では「癒着胎盤だけでなく、血液凝固因子が働かない症状もあったのではないか」と指摘した上で、「大量出血の予見は難しく、考えられる止血方法はすべて行っている」と、手術全体に誤りはないとの考えを示した。子宮摘出が遅かったとする検察側主張についても「血圧低下時の摘出は極めて危険。血圧回復を待っての摘出は正しかった」と否定した。
起訴状によると、加藤被告は2004年12月17日、女性の帝王切開手術で胎盤と子宮の癒着を確認し剥離を開始。継続すれば大量出血で死亡することが予見できる状況になっても子宮摘出などをせずに剥離を続け、女性を失血死させた。
大野病院事件公判 加藤被告の過失否定
2007年12月1日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news002.htm
大熊町の県立大野病院で2004年、帝王切開手術で女性(当時29歳)を失血死させたなどとして、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われている産婦人科医、加藤克彦被告(40)の第10回公判が30日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であった。弁護側の証人として出廷した宮崎大医学部長の池ノ上克(つよむ)教授(周産期医療)は加藤被告の処置について「一般の産科医療のレベルから言って間違いはなかった」と述べ、過失を否定した。10月の第9回公判でも東北大大学院の岡村州博(くにひろ)教授(同)が同様の証言をしている。
池ノ上教授は、争点の一つである胎盤を子宮からはがす行為を継続したことについて、「子宮の収縮や止血操作で出血をコントロールできる可能性がある」として、加藤被告の判断を支持。「血圧が低いまま子宮摘出に移ると、最悪の場合、亡くなることがある」と述べた。はく離に手術用ハサミを使用した点に関しても、宮崎大では胎盤をかき出す別の手術器具を使う場合があることを明らかにし、問題はないとの見解を示した。
また、女性の大量出血については、凝固因子が不足して止血が困難になる「産科DIC」(播種(はしゅ)性血管内凝固症候群)の可能性を指摘した。
公判後、福島地検の村上満男次席検事は「カルテや麻酔記録など検討した資料が不十分で、池ノ上教授の鑑定に客観性があるとは言い難い」と述べた。証人尋問は今回で終了し、加藤被告の被告人質問などを経て来年3月に論告求刑、5月に最終弁論が行われる予定で、順調に進めば、来夏ごろに判決が言い渡される見通しだ。
周産期医療の崩壊をくい止める会のホームページ(まだです)
http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=FrontPage
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