(関連目次)→今月の産婦人科医報..。*♡
(投稿:by 僻地の産科医)
今月の産婦人科医会報ですo(^-^)o..。*♡
巻頭は医会会長と日産婦会長の対談です。
一部抜粋。(p3)
吉村 例えば地方公共団体の病院は、極めて安い料金でお産をしている。当然そこに患者が集まってくる。そうすると過重労働となり、産科医はやめてしまう。都立病院がいい例で、給料は安いし、労働条件は悪いし、パートもできない状況です。50歳を過ぎても月に6回も7回も当直をしなくてはいけない労働環境で、次の日も働かなくてはいけない。多くの先生方が都立病院へは行きたくないと言い出しているんですよ。これはどういう状況からきているかというと、分娩費が安すぎるということ。これだけ安全なお産ができるようになったにもかかわらず、分娩費を50万円以下に設定している施設があること自体が、非常に大きな問題だと思うんですけどね。
寺尾 産科医の給料が安いということが問題です。
吉村 給料と待遇ですよ。ナショナルセンターも同様です。
寺尾 病院に対して分娩料を上げるようにというような運動、アクションを起こすことが必要ですね。
吉村 そうです。具体的な施策として必要です。医会にも勤務医は大変多くおみえになると思います。ハイリスク分娩加算はあまり意味もないものだったんですね。ハイリスクの妊娠分娩加算にすることによってずいぶん違ってくるし、早産に関しても30週くらいまで加算を認めていただかないといけないし、日数に関しても延ばしていただかないといけない。この辺も医会と一緒になんとかしたいと思っています。
(略)
吉村 分娩費を上げることが、まずスタートなんです。それから、勤務医に対してはインセンティブを与えることだと思います。職場の労働条件の改善がない限り、勤務医は必ず減ります。
寺尾 分娩費は、本当は100万円を超すくらいかかっているんですよね。でも、分娩給付金が35万円でしょう。いまだにその額に収まっているということは、国の認識がいかに場違いなところにあるかということですね。
吉村 東京都の周産期医療協議会というのは大変産婦人科医療のことを考えてくれています。例えば、こういった地域にNICU が足りないとか、待遇の改善などを考えてくれているんですけど、病院経営部門がなかなか理解を示してくれない。
寺尾 医会では対外広報を目的として新聞記者との懇談会を今年から始めたんですが、保助看法の問題についてはもう済んだという感じで、逆にあまり聞いてくれません。医療事故に対する自浄作用、自浄作用と盛んに言う。
吉村 現在110万人の子供が生まれ、妊婦が60人は死亡されている。われわれ産婦人科医は日夜努力を続けているのですが、この事実は現実として受け入れざるを得ない。こんなに分娩の安全神話が行き届いた国は世界でもありません。産婦人科医が今まで苦労して、努力して、それによってこのような素晴らしい成果が得られるようになったことを強調しなければなりません。
(p5)
吉村 産婦人科の研修はなくてもいいとさえ思うようになりました。2年目に来て大変な労働環境を見て、それで入らなくなってしまう状況に陥ってしまっています。現在開業している先生、50代の後半から60代の先生が本当に頑張っておられます。70代の人までも。でも、この先生方はあと5年から10年経つとほとんど分娩をやめてしまわれるわけですよ。その時が本当のわが国の産婦人科の危機だと思うんです。そのためには若い人たちに今から1人でも多く産婦人科に入っていただかないといけません。教育には時間がかかるし、5年、10年かかるわけですから。
女性医師が産婦人科を担うようになるのはもう目の前
片山 女性医師の増加についてはどう思われますか。
吉村 女性医師のことについて非常に危機感をもっています。30歳未満が70%を超える、40歳未満が50%以上が女性医師で占められています。あと10年くらい経つと女性が産婦人科を担っていかなければならない時代がきます。にもかかわらず、男性医師は15年以上経っても80%くらいの人が分娩を取り扱っているのに、女性医師では卒後10年経つと50%以上は分娩をやっていないんですね。
寺尾 女性医師が増えることは悪いことではないので、きっちりとサポートすればいいのではないでしょうか。確かに労働力の低下ということはあります。ところが、こと分娩のような根気を要する仕事に対して女性というのは強いんですね。
吉村 ありますね、素晴らしいですよね。
寺尾 ただ、子育てをしなきゃいけない。育児とかそういうことに時間を取られて、研修の時間が少なくなるという問題もあるので、それはサポートしていかないといけない。育児所は当然のことながら、女性のための研鑚の時間を作るようにしていけば、それほど悲観することはないようにも思いますけどね。
吉村 男性側の協力も必要ですし、私なんかも昔は1週間に2回程子供を保育園に連れて行きましたしね。男性医師も幼児保育に積極的に協力しなくてはいけないですね。女性医師が働きやすいということは、男性医師にも働きやすいということであって、女性医師が増えるから男性医師が来なくなるということを心配する意見がありますが、逆に、女性医師が力を発揮できる環境は男性医師も力を発揮できる環境だと思っているんですけどね。
あとお知らせとしてドオルトン発売中止!がでていました。 今月号の見どころはこのあたりくらいですね。
毎月楽しみにしている支部からの報告がありませんでした~(;;)。
あとエイズ予防ネット http://api-net.jfap.or.jp/
HIVスクリーニング陽性だった方へのちらしがよかったです。
http://api-net.jfap.or.jp/siryou/boshi/2006/2006_screening.pdf
>医療事故に対する自浄作用、自浄作用と盛んに言う。
マスコミにおける誤報の自浄作用は?
現状では研修指定には産科が欠かせないはずですが、産科撤退がこれだけ続くと本当に「産科研修はなくてもいい」ことになるかもしれませんね。
(内科研修施設認定お呼び認定医受験資格における病理解剖の件数の緩和のように)
投稿情報: 匿名 | 2007年9 月24日 (月) 10:52